氷皇の「さばき」   作:†アルティメット⭐設定厨†

5 / 7
「赤い眼に、白い体……君が、シエル・ファナフロストか」

「え?
アンタ、アタシのこと知ってる感じ?」

校庭に付くと、既に相手がいた。向こうは逆に男子が2人、女子1人……バリアジャケットはそれぞれジャージ+鉢巻、武器は無し。となりは眼鏡に短パン+シャツ、槍。最後に一般的な魔導師ローブに杖。

そのうちの、何も持っていない男がいきなり睨み付けてきた。

「ああ、知っているよ。
なんでも、今まで悪行の限りを尽くして来たそうじゃないか。この僕の目が黒いうちには、君をこの学園に入れさせはしない!!この学園の未来は僕が守……じゃない。僕は、君を負かし平和な学園生活を手に入れる!!」

「……?」

突然のことに、頭をかしげる……更に。

「……か、彼はどうも正義感が強い人物でしてね。
あ、貴方と違い知性的で、真に正しい力を持っているのです。入学にふさわしいのは、あなた方ではなく我々。というわけで、この勝負勝たせてもらいましょう!」

「ひっ……こ、これでも私は強さだけなら学校1なんですからね!ふ、不良生徒さんだってやろうと思えば、あっというまなんですからね……ほ、ほんとですよ!?」

「……彼女は、元いた中学を首席で卒業予定でしてね。
さらに、風紀委員として不良生徒を罰する立場にいたのです。つまるところ、あなた方の天敵というわけですね」

「……あっ!
そ、そうなんです!私、凄―く優秀な生徒さんだったんです……ってあれ?優秀なら、そもそも補習なんていらな―――」

「と も か く!!
この勝負、我々が勝利させていただきます。我々の明日は、我々がつかみ取ります!!」

「「「……」」」

女子の誤爆と、眼鏡の男子による謎のフォロー。

……ああ、理解した。

コレ、教師か。
アタシの点数は900点越え、勝った時点で入学が確定する……それなら、もうなりふり構わず実力勝負で負けさせてしまおうと。

優秀な生徒がなんで補習受けてるんだとか、なんで自分が入学した後の平和なんて今考えているのかとか、そもそもアタシが負けても入れる可能性とかが無いとなぜ言い切れるのかとか。まぁ色々あるけど……。

「気に入ったわ!アタシは絶対に勝つ!
色々言いたいことはあるけど、気づいてないふりのまま倒して、入学した後で散々からかってあげる!!行くわよ、『デッド・ロック』!!」

「なるほど、羞恥プレイか。
まぁ、どうも強いようだしこの学園の実力を測るのにも丁度いいか……開け、『海英華』」

(っと、鴨が葱を背負って来たってか……?)
「……ま、多少苦労しないと勝利も味気ねぇからな!ってことでお前ら、お互いフェアプレイの精神で戦おうぜ!行くぜ、『ヴァン』!!」

手加減はしない。
アタシを阻む、小さく無意味な扉を。



「「「「「「……セット・アップ!!」」」」」」




凍らせて、粉々に破壊する!!


最悪な三人

「「「セット・アップ!!」」」

 

アタシ達がそう叫ぶと、それぞれの足元に魔法陣……アタシの下には白い丸い魔法陣、ヴォルクとサクヤには3角の赤、桜色の幾何学模様が現れる。その後、アタシたちの体は光に包まれそれが収まった時には────

 

「なに、そのカッコ」「お前、大丈夫か?」「……ふむ」

 

────さっきまでとは全く違う、バリアジャケットという姿に変わって……アタシとヴォルクは、その姿にお互いツッコミを入れていた。

 

「両者共々、中々煽情的だな」

 

サクヤは、まぁ普通だ。

桜が描かれた白い胴着、腰についたベルトに短剣を装備し、手には1本の刀。

ミッドチルダではそこまで主流ではない物の、剣道を好む人間にとってはそれなりにオーソドックスなバリアジャケット。

 

が、ヴォルク。

 

「どうだ、イカすだろ?」

 

そういいながら、フロントダブルバイセップス……ボディービルの人がやっている、筋肉を見せつけるポーズをしている彼。

何を考えているのか、彼の格好は黒いシューズに黒の長ズボン、そしてマントにマスク……以上。これ以上、報告する物は無い。上半身は布ゼロ、肌色100%。バリア『ジャケット』とはなんだったのだろうか。

 

「俺の実家はプロレスを見ながら酒飲んだり、飯食ったりできるプロレスバー『ストロング・リング』! 

少年『ヴォルク・アームストロング』はそこで手伝い……もとい店員でいる傍ら、謎の覆面選手『ミスターヴォルカニック』として日夜戦っているのだ!!」

 

「……いや、今の名乗りで謎は何1つ無いから」

 

なぜこんな奇天烈な格好をしているのかといえば、まぁそういうことらしい……にしても、プロレスねぇ。まぁ確かに砲弾やらバインドやらをチマチマばら撒いてる姿は、そのデカい体からは想像できないけど。

 

「おいおい、解ってねぇなぁ。

お前も知ってるだろ? プロレスは、技は成功する。それを解っていても、客はそれをあえて無視して『決まった』って盛り上がんだ。謎の覆面レスラーが、どう見てもスケジュール調整ミスって人足りなくて、臨時で出張って来たお馴染みの人でもそいつは覆面レスラー。全員『だ、誰なんだ一体……』ってドキドキすんだよ。

ま、そんな恰好(・・・・・)してるような奴には解らねぇかもしれないが」

 

「エンターテインメント、というものか。

直接的に個人を……いきなり性感帯を刺激するのではなく、段階的に複数の部位……口づけや肌を舐めたりすることで、より大きな昂ぶりを味わう事が出来る。そして、ゆくゆくは無理なき絶対的な快楽。つまるところ絶ちょ────」

 

「サクヤ、会った時から思ったけど言動危ないから」

 

※『氷皇の「さばき」』は健全、安全な内容を志しております☆

※今更、本当に今更ですが、サクヤは終始こんなキャラです。下ネタ、というより結構重い性的なネタをよほどのことが無い限り(むしろ、シリアスパートでも容赦なく)発言し続けます。苦手な方はバック推奨、もしくはそこだけ飛ばしてお読みください。

 

「まぁ、アタシの格好のほうが危ないかもだけど」

 

そういう性格なのだろう。やったらめったらアホなことを言うサクヤ。

そして、そんなサクヤをして煽情的と言わしめるアタシの今の服装……そろそろ、視線が痛くなってきた。ヴォルクとサクヤ、対戦相手の3人の視線。プロレス衣装という原子爆弾がありながら、それを超えてすべての視線が、アタシの格好という中性子爆弾に集中する。

 

そんな、アタシのデバイス『デッド・ロック』。

白いピッチピチのラバースーツに、四角い小さい金属のニップルガード。後は、金属製のブーツとガントレット。

両親が、『喧嘩したく無くなるような、使いたく無くなるような』デザインで管理局の技術班……シャーリーさん? に作って貰った。モデルはかの黄色い死神が使用するソニックフォームなのだとか。モデルがモデルなだけあって、多少煽情的な所以外は極めて優秀。

 

「……っていうか、そこの男2人は枯れてる感じ? JK(予定)のこんな姿、中々みられないわよ……ああ、胸足りないと?」

 

あと、まぁ偶に誘惑目的で油断させれたりもする(まぁ、強い人は誘惑できても油断はしてくれないんだけど)。今回は────

 

「舐めないで貰いたい。

僕たちは、これでもエリートだ……その格好の危なさは、解る」

 

「ああ、もちろん性的な意味ではなくてですよ。

バリアジャケットは見た目が特殊であればあるほど応用性は増す……しかも貴女のソレは、かの黄色い死神モデルでしょう?」

 

「わ、私は一般的な魔導師なので普通のローブですけど……それでも解ります」

 

────駄目みたいですねぇ。

 

視線を送って来る教師3人。

煽り混じりに、ちょっとお尻向けてウィンクしてもるも、効果無し。3人の目は、既に戦う人間の物に変わっていている。

 

じっくり、冷静に見て観察している。

アタシがどう動いて、周りの2人はどう動くのか。手に、何か癖は無いか。立つとき、不自然な重心な取り方をしていないか。その目は、何処の何を見ているのか……完全に戦う人間の目をしている。

 

こういう相手には、もう煽りも何も無駄だ。

 

「あっそ。

それじゃ、始めましょ。次の受験生待たせちゃ悪いし……そういえば、審判役とかいないけどどうするの? 主に、勝利判定とか禁止事項とか」

 

「あ、そうですね。

禁止事項……しいて言えば『なし』です。どうせ、あなた方は敗北します。我々の手で、完膚なきまでに」

 

「いや、まぁ『もしも』があるかもしれないし。

奇跡が重なって、そんな時にそっちが全員気絶してて……なんてことになってたら困るでしょ?」

 

「それなら、それこそ私たちを気絶させる……それで行きましょう。

そこまで強いなら、もう進学より就職をすすめますけど。解っているから言いますが、こちらも最高戦力を用意しているので」

 

「断るわ。

まぁ、学ぶ以外の目的もあるのよ、学校は」

 

こうなると、もう後は戦うのみ。

 

戦い、自分の意志を勝ち取るのみ。

 

「ってことで、もう会話はいらないわね。それじゃ……コレ」

 

アタシは、近くにあった石を拾い────

 

「これが地面に付いたら、勝負開始ってことで!!」

 

────空高く、放り投げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタシが、石を投げた。

 

「「「「「……」」」」」

 

次の瞬間、スローモーションのように変わっていく世界。

思想が集中し、感覚が研ぎ澄まされる。石が宙に居た時間、ほんの数秒が、10秒、30秒、1分……何倍、何十倍に加速される。

 

息が重くなり、つばを飲み込む余裕がない。体が震え、めまいすら感じる。

 

何度感じても、変わらない……最低(さいこう)の、瞬間。

 

落下した石が、地面に落ち砂に埋まった。

 

……そして。

 

「手加減はしませんよ! 『ノーマルバレット』、セット────」

 

「『アイシクル・バレット』――――」

 

戦闘が開始された。

アタシと女教師は、魔力で弾丸を形成。

 

「「────シュート!!」」

 

砲撃手の戦いは、実はあまり魔力の量は重要じゃない。

かのエース・オブ・エースの影響で、巨大なレーザーをバカスカ打つようなものを連想されがちだが、そんな魔力の無駄にばらまく真似は通常しない(なのはさんは、ばら撒くことに意味がある特殊な例だ)。

 

必要なのは、ただひたすらコントロールの精密さ。

速く、固く、大量に……正確に。相手に向かって飛ばし、飛んできた砲弾を撃ち落とし、生成中の弾丸を打って破壊する。そうすることで、敵陣へと乗り込む近距離攻撃の人員をサポートする。

 

「うっしゃぁああああああああ! 

謎の覆面レスラー、ミスターヴォルカニック。華々しいデビュー戦ってわけだぁ! うぉおおおおおおおおおおお!!!」

 

アタシが女性教師の相手をしている間、ヴォルクは走りながら魔法を発動。

その太い腕からが炎につつまれる。

 

「シエル・ファナフロスト……まさか、ここまでの魔法力が……! 

くっ……僕は、負けるわけにはいかないんだぁあああああああああああ!! 

正義執行拳!!」

 

「ヴォルカニック・アルティメット・フィスト!!」

 

そして、ハチマキの教師とヴォルクが接近。挨拶代わりに、互いにパワーを生かし拳をぶつけ合う。

 

ぶつかり合う、正義の拳と紅い炎の拳。

 

「「うぉおおおおおおおおおおおおお!!!」」

 

ハチマキの教師は、どちらかといえばアスリート系。無駄のない筋肉の付き方で、精錬された身のこなしで、最小限の力で実力を最大限に引き出している。

対してヴォルクは、大きく太く重い。体中が筋肉の塊、無駄に重い体を出せるだけ強い力で、力任せに振り回している。

 

「ケッ、やるじゃねえか……それでも、だ!!」

 

「くっ……うぁあああっ!」

 

「どうよ、俺のヴォルカニック☆パワー!!」

 

勝ったのは、ヴォルク。

力が、技術をねじ伏せるどころか跡形もなく吹き飛ばした。

 

ハチマキの教師が、校庭の隅へと吹き飛んでいく。

そんな彼に対し、ヴォルクは(特に意味もなく)サイドチェストのポーズを決めて。

 

(なっ、コンウェイ教諭を吹き飛ばした……いえ、ですが!!)

「おおっと、油断大敵です!!」

 

最後の、眼鏡の教師による槍の突撃(チャージ)の餌食になろうとしていた(阿保か)。

 

さらば、名以外知らぬ戦友よ。幾ら体が強くとも、鋭く磨かれた鉄の塊には無力。今、背後から巨大な槍が背中から彼を『カァンー』貫────

 

「うぉっ!?」

 

「……!?」

 

「「「……えっ?」」」

 

────かなかった。

鋼の肉体があれば、鋼の一撃すら防ぐ事が出来たのだ……いやいやいやいや。

 

「生身で、刃を……防い……だ? 

それも、迎撃でもなくて……意図的に流している魔力だけ……? ど、どういうことなんですか……?」

 

「な、なんつーでたらめな……」

(『うおっ』って。完全な不意打ちで斬撃食らって無事……どころか無傷ってこと? おかしいでしょ、どんな鍛え方したらそんなになるってのよ……)

 

どう考えても、その理屈はおかしい────

 

「がぁあああああああああっ!!!」

 

「って、今度は何だぁ!?」

 

「フェ、フェルド先生!?」

 

────と、眼鏡の教師が苦しそうな叫び声をあげた。

 

ヴォルクが何かした……訳ではないわね、アレ。となると、残るのは……。

 

「フェルド、と言ったか? 

確かに油断は良くないが、予想外の事態だからといいて戦場で立ち止まるのも良くないな。ましてや相手は初めて会いまみえる相手だ、予想外のことなどいくらでも起こり得る……出会い系のサイトで知り合った相手の性癖は知りようがない、多少マイナーなプレイも動じないのが遊びのコツだ」

 

「知らないわよ、凍りなさい」

(やるわね、全然気が付けなかった)

 

サクヤだ。

サクヤが、背中から剣を突き刺している。まるでオウム返し……結果は、そうもいかないみたいだけれど。

 

「ひ、卑怯……も……の……」

 

「卑怯、か……滑稽だな。

犯罪の現場でも同じセリフが言えるのなら、寧ろ褒め称えてところだが」

 

メガネ教師は1言、サクヤに恨みがましく言葉を発して倒れた。

 

そして、サクヤの活躍は終わらない。

 

「正義光線!!」

 

吹き飛ばされた、バンダナ教師。

持ち直した彼が、サクヤに高速砲……魔力のレーザーを撃ち出して来た。

 

「……っ! 援護します!!」

 

女教師は、それを見て弾幕を強化する。

アタシも弾丸を増やして対抗する……けど、レーザーを防ぐのは流石に難しい。うん、難しい。

 

「サクヤ、避け……」

 

「ああ、問題ない」

 

サクヤ目がけ、一直線に進むレーザー……サクヤは、それに対し何故か剣を構える。

 

「……」

(ヴォルクだけじゃなくて、サクヤも何かするつもり……!?)

 

「『廻咲流(りんしょうりゅう)────』」

 

同じくらいの威力の攻撃(斬撃とか)でも当てて相殺するのか、はたまた剣先からシールドでも出すのか。アタシのそんな考えに対し、サクヤは驚きの回答を見せた。

 

「────『二式・如月』」

 

「……えっ?」

 

サクヤは自身の件をレーザーに突き刺し、切断。

正に神の所業、奇跡とも呼べる技。『凄い、とんでもない技量だ』と、誰もが目を見張る……次の瞬間。

 

この場にいた人間に、それ以上の驚愕が襲った。

 

「な、なんなんですか……!?」

「ぼ、僕の砲撃が……!?」

 

切断され、崩れて魔力に戻っていく砲撃。

それが、少しずつサクヤの剣に集まっている。サクヤは、砲撃を斬ったのではなく……とても信じられない事けど……。

 

「砲撃を、他人の魔力を吸収したっての……!?」

「おいおい、マジか……」

 

「二式・如月。

気攫技、相手の魔力を奪うNTR……もとい奪い剣に纏わせ無力化、さらに自分の攻撃力を上げる技だ。ちなみに、吸収しているわけではないぞ。それだと、私がかのエース・オブ・エース以上の収束砲(ブレイカー)マスターということになってしまうからな。これはそういったものとは全くの紛い物、『魔力が剣を覆うようにいなして』いるだけだ」

 

「……」

(いや、多分そのいなすほうが難しいから……)

 

だけ、とは何なのか。

収束砲とは、ざっくり言うと『周囲の使用されていない魔力を自身に取り込み攻撃の威力を底上げする』と言う物。『使用されていない』というのが今回のポイントで、サクヤは『使用されていても、剣で切る事が出来る範囲であれば』問答無用で『奪う』ことができる。

 

「……」

(チートというか、なんというか……っていうか――――)

 

「そっ、そんな……。

不良さんどころか、犯罪者にもそんなことできる人なんて……!?」

 

「……」

(――――隙あり、って感じ?)

 

と、ここで。

サクヤの技の前に、女教師の射撃が一瞬止まる。

 

……あらら、こりゃ勝ったわね。

 

「……アイシクルロード!」

 

アイシクルロード、地面や空気を凍らせて道を作るだけの魔法。

一見何の役にも立たなそうな魔法だけど……。

 

「後ろ貰いぃっ!」

 

「っ、しまっ……!」

 

加速の魔法と共に使用し続けることで、滑りながら高速で移動できる!

 

「追加、アイシクル・バレット!!」

 

「……っ!

くうっ……きゃぁあああああああああああああああ!!」

 

一瞬が、砲撃手同士の勝負に幕を下ろした。

女教師は、背後からの飽和射撃により地に伏す……私の勝ちデース。

 

「ぅ……ぁ……」

 

「……全く、私の剣技に見惚れるのはうれしい事なのだがな。

先ほど、戦場で止まるなと先ほど言ったばかりだろうに。知っていることを学び直すのも、教員の務めだぞ?」

 

「真面目になったらなったで、今度は厳しいわねアンタ……」

 

「ん? 

……そうか、なら私っぽくこう述べるとしよう。ボロボロのバリアジャケット、その模様のように姿を見せるうら若き女子の柔肌。なにより神業としか思えないレベルでポロリしかけている豊満な胸が……」

 

「え、マジ?」

 

「やめなさい男子……」

 

晴れた土煙の中、現れたボロボロの女教師。

バリアジャケットとはいえ、ここまで行くと流石に煽情的になる。急に食いついてきたヴォルクの頭を叩いて止────結構、硬くて痛い────める。ついでに、魔法を発動。

 

「んで、アンタも大人しくしなさい。『アイシクル・チェーン』」

 

「くっ……!!」

 

こっちに向かって来たバンダナの教師を、氷の鎖で拘束。

 

「は、離せっ……!!」

 

「……」

(そういえば、普通のテストならこのまま判定待ちでよさそうなんだけど……さすがにこの状況じゃ、そうもいかないわよね……)

 

そうして、考える。

まず、模擬戦には勝った。でも、それは戦いに勝っただけ。

 

戦いというものには、戦後処理と言う物がある。

戦いに勝ったものは敗者に賠償という名の報酬を、敗者はそこから来る傷を少しでも減らすべく、新たな戦いが始まる。

 

「……」

(よし、決めた)

 

そして、氷皇様の選択肢は。

 

「『アイシクル・ランス』」

 

そして、杖の先端に氷で刃を形成。そして、さらにそれとは別にデバイスにありったけの魔力を込める……!! 

 

「 はぁあああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

「がっ……」

 

まず、氷の槍で相手を突き刺す。

そしてそのまま、相手が吹き飛ぶ前に────

 

「『アイシクル・ブラスター』!!」

 

────砲撃魔法を0距離でブチ込む!! 

 

「……ぁあああああああああああああああああああ!!!」

 

物理攻撃からの、0距離砲撃。

物理攻撃はなんでもいい、殴っても蹴っても、杖で叩いても。とりあえず1発当てて、発動する……全力で叩いて全開でぶっ放す。

 

某エース的に言うなら、全力全開の必勝コンボだ。

 

そんな、アタシの最強の1撃を受けたバンダナ教師は。

 

「……」

 

動く気配がない……うん、戦闘不能ね。

 

「勝ったな」

 

「ああ、我々の完全勝利だ」

 

ということで無事、3人を討伐した。

これで試験はクリア……なはずだけど────

 

「えーっと、録画機能は……っと」

 

────念には念を。デバイスを操作し、録画機能をオンにする。

 

「ヴォルク、そこのバンダナ教師近くにもってきてー」

 

「……。

ん?……っと、そういうことか!」

 

「シエル、お前以外に性格悪いな」

 

「良かったら追試になってないのよー……っと!」

 

吹っ飛ばしたバンダナ教師を、ヴォルクが回収。

念のためか、メガネの教師も持ってきて女教師の近くに置く。

 

そして、数十秒後。

 

「ほい、録画完了。

後は……まぁ、戻ってあの教官呼んできましょうかー」

 

その姿が、大人になっていた。

この学校の追試は、追試を受ける生徒同士での戦闘行為。今回は、それを何の告知もなしに無視して試験を行った……それも、アタシ以外の受験者が2人もいるのに。

 

脅s……もとい、一応の保険というやつね。

 

「それ、動画のコピーね。

あんたら、最悪点足りなくても合格できるかも……というか、悪かったわね。こっちの都合に巻き込んじゃって」

 

「いや、寧ろ助かった。

そもそも俺は、魔法関係のテストじゃ盆暗だったからな。仮に普通にやって勝っても、適当にごまかされて落とされてたかも知れねぇ。

ところが、落ちた記念トロフィー代わりにに消しゴムで俺にダメージ食らわせたバカ女にネタ聞いて帰ってやるか……とか思ったらこれだ。流石にあの点数でここまでやりゃぁ、落とせねぇだろ」

 

「構わないさ。

私はテストはロクにできなかったが……まぁ、それなりに上手くチームを組めていたからな。その人物が氷皇なのは誤算だったが、おかげさまでそれなりに面白い相手と戦う事が出来た。

まぁ、アレだ。ふざけてやってたアホな行動が、気持ちいいと思った感じだ」

 

「うっさい。

っていうか、試験会場で威圧してた奴が何言ってんのよ……」

 

戦闘能力があればアホでも、脅しても入隊できてしまう管理局のお膝元。

将来のミッドチルダの治安が、多少不安だ……いや、アタシもそんな環境じゃなかったら入れなかったから、文句は言えないけど。

 

「ま、いいわ。

とりあえずヴォルク、サクヤ……改めて、シエル・ファナフロストよ。これから3年間宜しく」

 

「おう!」「ああ」

 

その後、事情を説明した教官に信じられないような目で見られたものの……後日、謝罪文付きで合格の書類が来た。

 

こうして、アタシは高校へと入学したのだった。




色々な設定


ヴォルク・アームストロング
魔法陣の色:赤
変換適正:炎

ミッドチルダ在住の少年……青年?実家はプロレスジム兼プロレスを見ながら食事などが出来るバーで、特技は料理、ついでにマッサージ。趣味というか仕事の延長というか、日々トレーニングと店の新メニューの開発などは怠らない。
シエルに反し、交友関係は客を中心に多く、コミュニケーション力も高め。
設定上、身長213、体重106、体脂肪率8。おおよそ人間かと(というか、本当に高校生かと)疑いたくなるようなマッチョマン。魔法がほとんど使えない……代わりに身体強化の魔法は得意。なおかつ相性がよく、戦闘時にはその体は金属を弾き砕く。
筋肉キャラだが、勉強はできる。というか、それなりに頭もキレる。
京都っぽく、『○○はん』とつけて読んではいけない。
現実に存在する、千のサブミッションを持つ魔術師とは関係ない。『ヴォルカニック』のヴォルクだからセーフ。魔術師じゃなくて、魔導師だからセーフ。というか、スポーツに興味の私が実際の選手なんて知るわけが……気になる人は、『プロレス ヴォルク』と検索してください。





サクヤ・シェベル
魔法の色:ピンク
変換適正:無し

公共の場で殺気をばらまくやべー奴。
実家は祖父の代から続く剣の道場、というか剣を扱うジム。祖父は天瞳流という居合の家の出身だったが、才能の無さを自覚し経営者へと転向。金を扱う才能は有ったらしく見事成功、ミッド内部に大きな施設を持つまでになった。
趣味は剣、特技も剣。
剣の腕はハッキリ言って天才的、それから生まれたのが『廻咲流』という自己流剣術。12の月と同じ名前を持つ12種の『突き』の剣。
なお、魔力同様に頭もピンク。
発言が色々酷く、『氷皇の「さばき」』が運営に怒られないことを祈りたい。






 デッド・ロック
シエルのデバイス。杖型だが、アームドデバイス。
バリアジャケットは、白いバルディッシュ・アサルトモード。
☆以下設定☆
執務官フェイト・T・ハラオウンの使用するインテリジェントデバイス『バルディッシュ・アサルト』の『ソニックモード』を参考に作られており、コンセプトは『回避のしやすさ』……もとい、『体のラインが判る、あまり使いたくない衣装』。なお、色合いを黒から白に変更したことで透けるなどの性的観点から逆に問題であるとされ、極小のニップルガードが追加装備されている。
一応、モデルがモデルなので性能は良い。
ついでにいえば、バリアジャケットの見た目に関してはシエルは着た初回以降は特に気にしていない。『戦闘服に戦闘時有用であるか、意外の事柄を求めてどうするのよ』『っていうか、もっとキワドイ衣装の人とか普通にいるわよ?』


 海英華
アームドデバイス。
海に映る華、月。そのまま『突き』に特化した固い刀1本と20本の小太刀。バリアジャケットは普通の、桜模様の白い胴着。
剣術にあっていたから選んだのではなく、偶然デバイスショップでこの剣を見つけ、ひとめぼれ。血がにじむ特訓や骨が砕けるような特訓の経て、この剣に合うような剣術を自分で作った。
デバイスの性能自体は、普通。普通のそれなりにいい刀。


 熱血☆プロレス番長(マスクヒールver)
略式名称、ヴァン。
近所のショップで売られていた『コスプレデバイス』。武器なんてものは無く、本当にただのコスプレ。本来なら性能はお察し、防御力は無いに等しいジョークグッズ……が、ヴォルクが使うことで最強のヒールレスラーが誕生する。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。