物間こころの生存戦略   作:こころたん

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第14話

 

 

 

 

 飛行機が街に落ちてくる。そんなことになったら、乗っている人どころか、落ちてきた場所に居た人もいっぱい死んじゃう。それは駄目だと思う。だから、こころは空を飛んで目的の場所へと移動する。

 空を飛んでいると、鳥の翼をしたお兄さんがいた。彼は飛行機の周りを旋回していて、色々と試している。

 

「こんちにはー」

「ああ、こんにちは。君は俺と同じヒーローだね。たしか秦こころだったかな?」

「私は感情を操る者、秦こころー。ヒーローとして助けにきた!」

「うん。無表情で言われても伝わってこないな。ゼスチャーでなんとなくわかるが。まあ、いいや。俺だけじゃどうしようもなくてね。協力してよ。その"個性"、何時まで飛べるかわからないし。というか、"個性"が二つ?」

「二つじゃないよ、いっぱいだよ」

「そっ、そうか。君なら飛行機の中に入れるかな?」

 

 できるかどうかと言われれば可能。だからこそ来た。

 

「大丈夫、こころにお任せー」

「そうか。俺だと周りを飛ぶしかできないから助かる」

『陽動をお願いすればいいよ』

『オーバーホールで貨物室の扉を開けるのですから、気圧の変化などで機体がゆれるはずです』

「陽動をお願いー」

「わかったよ。どんな感じがいい?」

「機体を揺らして欲しいの。できる?」

「問題ない。任せるよ」

「こころにお任せ」

「じゃあ、作戦開始だ」

「おー!」

 

 鳥さんが飛行機の前方に移動したので、こちらも炎の翼を使って格納庫の方に移動して触れる。少しすると飛行機が揺れ出した。おそらく、コクピットの前でウロチョロしたんだろうね。よーし、ここも行こう!

 

「オーバーホール」

 

 格納庫の扉に穴を開けて、その周りを厚めにしてから中に入る。そして、中に入ってからオーバーホールをもう一度使って今度は綺麗に戻す。この時、飛行機はとってもグラグラと揺れたけれど、鳥さんがやってくれたことで特に気付かれていない。

 扉のセンサーとかはあるだろうけど、中央に穴が空くとは思ってないだろうし、計器の異常は一瞬だけ。監視カメラがあったら別だけど。

 

『はい、代わりましょう』

「うん」

 

 さて、続いて狐の仮面をかぶって千変万化で肉体を霧に変化させる。玉藻さんにお願いしてそのまま進んでいく。染み込むようにして格納庫から通路に出てる。通路には見張りの人が数人いて、乗客の人達は震えながら席に座っている。

 

「さっきの揺れはなんだ?」

「どうやらヒーローのホークスがコクピットに近付いてきたらしい」

「馬鹿だろ。こっちには人質がいるんだぞ」

「まったくだ。また周りを飛ぶようになったそうだぞ」

 

 床に薄っすらと這わせてから、中央にいる見張りの辺りに霧を集め、元の姿に戻す。

 

「私、秦こころ。貴方達のすぐ後ろにいるの」

「っ!?」

「ラブ&ピースだよ」

「だっ……おっ、おおっ、こころちゃんっ!?」

 

 両手をピースにしながら、指の端で頬っぺたを笑顔の形にする。同時にハイジャック犯を含めて乗客の感情を操作して、親愛、信愛など愛情関係の感情を最大に設定した。それと犯人は罪悪感や依存に関する感情も上げて、客やアテンダントは冷静にさせる。

 

『こういう時は客に犯人側の人が混ざっていることもある』

「犯人さん、話して。それと乗客の中に犯罪をした人も教えてー」

 

 客も全員、罪悪感を最大にして全て吐かせる。すると客の中にはいなかったけれど、アテンダントの人が爆弾を持ち込んでいるのがわかった。爆弾に関してはオーバーホールで分解して、それから犯人の人達をその人達の服とか武器とかをオーバーホールで手錠などに変えて拘束し、オール・フォー・ワンで彼等の”個性”を貰ってからその内の一人に千変万化でなってコクピットに移動する。

 

「おい、騒がしかったが何かあったのか?」

「乗客が少し暴れただけ。それよりそっちは?」

 

 犯人の一人の肩に手をつきながら、個性を貰って聞く。

 

「相変わらずホークスが飛び回ってるだけだ。このまま街に落ちるから逃げる準備をしておけ」

「わかった。でも、逃げる必要はないの」

「なに?」

 

 姿を変えて感情を操り、こころのお人形さんに変える。

 

「あ、アンタは……」

「私は秦こころ。ヒーローだから、安心して。もう制圧したよ」

「それは良かった……」

「いや、全然よくねえよ!」

 

 パイロットの一人が叫んだ。

 

「どうしたの?」

「燃料がもうない。このままだと墜落する」

「なるほど。大丈夫、なんとかする。機体のコントロールだけお願い」

「わ、わかった」

「た、頼む」

 

 今度は普通の扉に移動してオーバーホールであけて、炎の翼で空を飛ぶ。下の方に移動して筋肉増強などの"個性"を使いながら必死に抱える。

 

「なにをやってるんだい?」

「安全は確保できたけど、燃料がないからこのまま墜落するって。だから、大丈夫そうなところに降ろそうと思うの」

「なるほど」

「鳥さんは空いた扉から一人一人救出していってほしいの」

「了解だ。任せてくれ」

 

 物凄く重い。今は燃料が少しあるのでましだけど、すぐに限界がくるし、視界が段々と暗くなってくる。

 

「……まだ、まだぁっ!」

 

 感情を操作して限界突破状態にして、全力を超えた600%の出力で炎の翼を展開して、必死に海まで運んでいく。

 

 

 

 

 

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