IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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第四話

睦月の冷ややかな言葉に、龍聖は体を震わせる。

 

「さて、君に聞きたいのはさっきの声は誰かな? ヒナって呼んでいたけど?」

 

「えっと………信じてもらえるか解りませんが、コアの人格主です」

 

龍聖の言葉に、睦月は驚く。睦月自身もコアに人格がそれぞれ存在していることは知っていた。だが、今までそう言う事は無かった為、信じていなかったのである。

 

「まさか、本当にコアに人格があるとは………それで、発現したのはいつ頃だい?」

 

「自分が第二世代機“雀”を動かしたときです」

 

「そうか………いや、ありがとう。でも、まさか難航していた骨格フレームの強度が増すとは………」

 

「それについては、申し訳ありません」

 

「君が謝る必要はない。それにこの数値を見る限り……私たちが設計した機体では成しえなかった強度を持っていることが判明した。武装に関してはコアの人格主であるヒナさんと共に制作していくことになるだろう」

 

睦月はそう言って笑う。龍聖は苦笑いだけしかできないが………

 

「それで、君の専用機の事なんだけど………開発工程が終了次第、すぐにそっちに切り替えてもらう。あと、今まで使用していた雷鳥については、国際IS委員会日本支部が預かる事となった。それに伴い、君には極秘武装隊“天照”に配属してもらう」

 

「待ってください‼ 確かに部隊に入隊するとは言いました……ですが、秘匿武装隊とは何ですか⁉」

 

龍聖の言葉に睦月は思い出したかのように手を合わせた。

 

「そう言えば委員会の事については表の事しか知らなかったね。秘匿武装隊と言うのは、各国家に存在する国際IS委員会支部に設立されている部隊の事だ。既にアメリカ、中国、ロシア、イギリス、フランス、ドイツに存在している。元々、日本にも設立する予定があったのだが……部隊員の事で問題があってね…先送りされていたんだ。だけど、君が来たことによって解消される」

 

「いや、なんで私が入隊することによって問題が解決することになるんですか?」

 

睦月の説明に龍聖は納得の行く答えをもらっていない為、睦月に噛みついた。

 

「大まかな仕事としては、対IS用部隊になる。そして、君が入隊することによって問題が解決する理由だが……君とコアの人格主の力を合わせれば、どの世界にも成しえなかったコアとの対話が実現する。これによって、男性操縦者の数も増える。そして、ここからが本題だ………我々国際IS委員会各支部は女尊男卑を認めていない。逆に男女平等を掲げている。そこに君たちが加わることによって」

 

「問題が大幅に減少する…と言う事ですか?」

 

龍聖の言葉に睦月は頷いて答える。

 

 

「………判りました。黒崎龍聖、若輩者ですが頑張って努めてまいります‼」

 

龍聖は部隊入隊に改めて表明したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、龍聖は睦月に呼ばれ執務室へと向かっていた。

 

「黒崎龍聖です」

 

《入りなさい》

 

「失礼します」

 

龍聖は執務室の中にいるであろう睦月に声を掛け、中に入室すると、そこには五人の女性が待っていた。

 

「待っていたよ、龍聖君……いや、ここでは黒崎君と呼ばないとね」

 

そう言うと睦月の顔は笑っていた。

 

「山本支部長、揶揄わないで下さい」

 

そう言いつつも、龍聖の顔は笑っていた。

 

「さて、先日に言っていた部隊員についてだが、ここにいる女性達が部隊に配属される人たちだ」

 

睦月がそう言うと、女性達は一斉に龍聖を見る。

 

「私が対IS用特殊武装隊“天照隊”隊長の飛龍明日香だ。よろしく」

 

「私は副隊長を務めています。黒柳節子と言います」

 

「うちの名前は東條朱里。よろしゅうね~」

 

「俺の名は天龍麻子だ。

 

飛龍明日香は、頭に鉢巻を巻いた女性であった。東条朱里はほんわかした雰囲気をした女性で、天龍麻子は熱血タイプであった。

 

「…………」

 

「彼女らが君と働くメンバーだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍聖は与えられた部屋で荷解きをしていた。

 

「さて、これ位だろ………それにしても俺の専用機か………」

 

龍聖は首元を見る。今までは、雷鳥の待機状態であったネックレスがそこには無かった。

 

「物が一つ無いだけで、こんなにも寂しく感じるのか………」

 

龍聖はそう言うと、目を瞑り今までの事を思い出していた。

 

「時が経つって言うのも早いものだな…………」

 

すると、扉がノックされる。

 

「ん? どうぞ」

 

龍聖は女性隊員のうちの誰かが入ってくるのかと思いきや、予想もしなかった人であった。

 

「お邪魔するわよ」

 

「ま、真姫さん⁉ ど、どうしてここに‼」

 

入室したのは、以前、龍聖が助けた西木野真姫であった。

 

「パパから聞いたのよ。あなたがここに入ったってね………でも、まさか隊長になっていたなんてね」

 

「それは、自分でも驚いてるよ………でも、真姫さん。良く中に入れましたね?」

 

「受付で山本睦月さんって人が、私を中に入れてくれたのよ」

 

「(アンタが入れたんか‼)そ、そうか………そう言えば、真姫さんh「その他人のような良い方、止めてくんない?」えっ、でも………」

 

「私は、普通にあなたと話がしたいのよ……そのさん付けも要らないわ。だから、呼び捨てにして呼びなさい」

 

「わ、解った。真姫……これで良いか?」

 

「ええ」

 

真姫はそう言うと微笑む。

 

「そうだ、立ちっ放しで話はしたくないよな。ソファーに座って。飲み物は何が良い?」

 

「なら、コーヒーを貰おうかしら」

 

真姫のリクエストを受け、龍聖はコーヒーを入れ自分は紅茶を入れて真姫の許へと戻る。

 

「それで、どうしてここに?」

 

「ありがとう……今ね、私悩んでるのよ………」

 

「どう言う事?」

 

真姫が口を開いたかと思うと、悩みを龍聖に打ち明ける。

 

「あのね、私。UTX高校に入学しようと考えてるんだけど、パパやママはどうしても、音ノ木坂に入学してほしいって言うの………私、どうすれば良いのかしら?」

 

「…………」

 

真姫の悩み事は高校の事であった。しかし、龍聖はどう答えればいいのか判らなかった。

 

「……どうして、俺に相談したんだ? 正直な話、俺だと役不足じゃないかと思うのだけど………」

 

「誰かに相談したいと思ったんだけど……私が相談できるのはあなたしかいないのよ………ごめん」

 

「いや、謝らなくていい。そうだ‼ 一回さ、両方の学校に行って見学してみたら? それで決めてみても良いと思うけど………」

 

「………そうね。一回、パパとママに相談してみる。パパもママも私の事を無下にできないから………ありがとう」

 

「下まで送って行くよ」

 

そう言うと、龍聖は立ち上がったが真姫は立ち上がらなかった。

 

「真姫? どわっ⁉」

 

龍聖は心配になり真姫の近くに寄った瞬間、真姫は龍聖に抱き着いた。その反動で、龍聖はソファーに戻された。

 

「ま、真姫? ど、どうしたんだ?」

 

「……ないわよね?」

 

「え?」

 

「死なないわよね?」

 

「どう言う意味?」

 

真姫は龍聖が死ぬんじゃないかと心配しているのだ。

 

「ISって危険な物でしょう? それに、あなたが居るのが武装隊……死ぬ確率が高くなるじゃない……だから」

 

「クスッ」

 

「な、なに笑ってるのよ‼ 私は貴方を心配して‼」

 

龍聖はまさか真姫が自分の事を心配してくれてるのが嬉しくなって笑ってしまったのである。

 

「ごめんごめん、まさか俺の事を心配してくれることが嬉しくてね………ありがとう。大丈夫だよ。俺は死なない。君を残してなんて嫌だから……あっ」

 

「/////」

 

龍聖の言葉は明らかにプロポーズであり、龍聖は言った後になって気付いたのだ。真姫にプロポーズをした事に………

 

「えっと……その………何と言うか………お、俺は真姫さん。好きです。お付き合いを願っても?」

 

「………はい……よろしくお願いします////」

 

真姫は龍聖のプロポーズを受けたのであった。その瞬間、扉が開いた。

 

「「「「おめでとうございまーす‼」」」」

 

「「なっ⁉」」

 

中に入って来たのは明日香達女性隊員と睦月であった。まさか、自分達の告白の場所が他の人に見られていた事が恥ずかしくなったのである。

 

「ど、どうしてここに………もしかして………」

 

睦月「はい、見てましたよ」

 

明日香「おめでとうとでも言わせてもらう」

 

朱里「女性を泣かせたらメッなんですよ~」

 

麻子「女に現を抜かすなよ。ぶっ飛ばすからな‼」

 

四人はそう言って龍聖を祝福した。

 

「………へぇー、そうですか………見ていたんですね………」

 

「た、隊長?」

 

「皆さん、僕の専用機が完成したら………オボエテイロヨ?」

 

「「「「ヒッ⁉」」」」

 

龍聖のハイライトを無くした目で見られた六人は、小さな悲鳴を上げるのであった。

 

 

 

 

 

 

それから数日後、龍聖専用の機体が完成したのである。

 

「お待たせしたね、龍聖君。君の専用機が完成したよ」

 

「早いですね? もう少し時間が掛かると思ったんですけど………」

 

「そこはヒナ君が手伝ってくれたお陰で完成したんだよ」

 

『マスター、私頑張ったよ‼ 褒めて褒めて‼』

 

「あれ? ヒナ。そんなキャラだったか?」

 

『マスター? 気にしたら負けなんだよ?』

 

「あ、うん」

 

龍聖はヒナに言われ押し黙る。

 

「さて、龍聖君。この垂れ幕を引きたまえ」

 

「解りました」

 

睦月の言葉を受け、龍聖は機体に掛けられていた垂れ幕を引っ張った。

 

「………鎧?」

 

龍聖は機体の見た目が鎧に見えた為、そう呟いたのである。

 

「打鉄とは違った感じの鎧の様な装甲だな………」

 

「確かにそう言われてみれば、そう見えるね。さて、早速乗ってもらおうか」

 

「解りました。ヒナ、頼むぞ‼」

 

『うん‼』

 

龍聖は専用機に乗り込む。

 

「馴染む………この機体の名前は………斑鳩……か」

 

龍聖が機体の名前を呟くと、ファーストシフトが瞬く間に完了した。

 

「これで、斑鳩は君の専用機となった。大事に使ってくれ」

 

「はい‼」

 

龍聖は斑鳩を待機状態にする。斑鳩の待機状態は蒼い鳥をモチーフにしたネックレスであった。

龍聖は何と言っていいのか判らず、固まっていた。




所々、修正を行いました。

IS学園でユニットを組んでほしいか

  • やってほしい‼
  • やる必要なし
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