IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語 作:武御雷参型
龍聖たちは、自分たちに宛がわれた部屋の前へと来ていた。
「それじゃ、俺はこの部屋だから」
そう言って龍聖は部屋の中へと入る。
「そういえば、真姫は学校で友達出来たのか?」
龍聖は気になり、真姫へ電話を入れた。ワンコールした後、真姫が出てくる。
『なによ、龍聖』
「いや、学校で友達が出来たかなって……思ってみたり?」
『……そう言えば、今日の放課後、音楽室でピアノを弾いてたの』
真姫は今日の出来事を話し始めた。
『それで、一曲引き終わったら、音楽室の前にね………二年生の上級生がいたのよ』
「ほうほう、それはアレか? 真姫の歌声に惹かれて来たってやつか?」
『……………』
龍聖は冗談半分で言ったつもりが、真姫からは返事が無かった。
「え? まさかマジで?」
『………うん』
龍聖の確認に真姫は返事をする。
「まぁ、真姫の歌声って綺麗だしな………そりゃ、惹かれるだろうよ」
龍聖は真姫の事を心の底から褒め始める。
『や、やめてよね⁉ それで……上級生からスクールアイドルにならないかって誘われたの……でも……』
「断った…と?」
『うん………』
龍聖の言葉に真姫は返事をした。その声はどこかしら、寂しそうな声を含ませていたのである。
「真姫………自分が本当に何がしたいのかって考えたことあるか?」
『え?』
龍聖の言葉に真姫は考え始める。
『そう言えば……考えたことないわね。でもどうして?』
真姫はなぜ自分にそういう事を聞いたのか真意を確かめる為、龍聖に尋ねた。
「俺は今日言ったよな? 楽しめよって………それは、自分のしたい事をしろっていう意味でもあったんだ………まぁ、真姫はそういう事に興味が無い事は知っていたけどな」
龍聖は苦笑いをする。真姫の部屋にあるのは、殆どが楽譜か医者になる為の参考書だったりと、女子高生には似合わない物が多くあったからである。
「だからさ、真姫。自分が本当にしたい事をすれば良いんじゃないか?」
『自分が……本当にしたい事………』
「俺は、いつだって真姫が本当にしたいという思いがあるのなら、全力で応援するつもりだ。だからさ、真姫。やりたい事やって、高校生活を楽しめ‼ 俺からは以上だ。ごめんな、なんか説教紛いの事をして………」
龍聖は真姫に説教紛いの事をするつもりはなかったが、なぜか口が開いてしまったのである。
『ううん。良いの………龍聖に言われて判ったわ。私は高校生活を楽しんでみることにしたわ』
真姫の声は悩んでいた様子とは違い、すっきりとした声となっていた。
「おう‼ そろそろ切るな」
『うん、ありがとうね』
真姫と龍聖は挨拶を終えると、どちらからも電話を切るのであった。
「……俺がこの学園で楽しい事を見つけないといけないんだけどな………」
龍聖はそう言って、ベッドに身を委ねた。そして、そのまま寝落ちをしようとした瞬間、一夏と箒のいる部屋が騒がしい事に気付く。
「あいつらは何をしているんだ?」
龍聖は気になり、一夏たちの部屋へと向かう為、部屋の扉を開けると、そこには自分の部屋の前で項垂れている様子の一夏の姿があった。
「………一夏、お前。何をしたんだ?」
「俺が悪い事前提で話し出すな‼」
龍聖の言葉に一夏は勢いよく詰め寄った。
「あっ、俺。男には興味ないから」
「違うわぁぁぁぁぁ‼」
龍聖はそのまま何も見ていないフリをして、そっと扉を閉めようとする。だが、一夏がさせまいと扉を掴む。
「放せ一夏‼ 俺は男に興味はない‼」
「だから違うって言ってるだろう⁉」
二人は攻防を続けていると、他の生徒たちが集まってくる。
「ゲッ⁉ 一夏、離れろ‼」
「そう言ってお前は扉を閉める気だろ‼」
「当り前だ‼ 誰が好き好んでこんな無意味な攻防をしているんだ‼ いいから放せ‼」
「喧しいぞ‼」
「「織斑先生‼ こいつが」」
一夏と龍聖がお互いに責任があると言って、千冬に声を掛けた瞬間、一夏と龍聖の脳天に制裁が下された。
「「おおう……イダイ………」」
二人は涙目になってその場に蹲る。
「両成敗だ……ここは集団生活をする場だ。それが出来ないとは言わせないぞ?」
千冬からの凄みに、二人は力強く頷く。
「では、互いの部屋に戻れ」
「「は、はい‼」」
龍聖はそのまま扉を閉めるのであった。
「あっ、閉めた‼」
「二度も言わせるな」
龍聖は部屋の中から、一夏の断末魔と鈍い音が聞くのであった。
そして、翌日。
ホームルームにて、試合の日程が決まったことを千冬は伝え始める。
「そう言えば昨日のクラス代表を決める試合の日程が決まった。明後日の放課後に行う事が決まったので、各自、準備を怠らないようにしろ」
すると、一人の生徒が千冬に質問をする。
「先生、明後日と言っても、織斑君たちに専用機が無いのでは?」
「そう言えば言っていなかったな。織斑と篠ノ之、黒崎は既に専用機を受領している」
【えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ⁉】
千冬の一言にクラスは驚きの声に包まれた。
「煩いぞ、黙れ‼」
【…………】
なんとも統一されたクラスである。千冬の一言でクラスが静かになるのだから。
「さて、朝のホームルームはこれぐらいだ。次の授業は一般教養だ。授業に遅れるなよ、織斑」
「俺を指名しないでくれますかね⁉」
「フッ」
一夏の叫びに対し、千冬は一つ笑みを零すだけであった。
そして、千冬は真耶を連れて教室を後にする。
「安心しましたわ‼ 訓練機で戦って勝っても面白くありませんから‼」
「もう勝った気になっているのか?」
セシリアの言葉に龍聖が腕を組み、セシリアの方を睨みながら言う。
「オホホホ、お好きに言って下さい。わたくしの勝利はもう決まったのも同然ですわ」
セシリアは余裕をかましていた。一夏は何かを言おうとしたが、箒に止められる。
「女性に止められるなんて……弱い男ですわね‼」
そんな一夏を見てセシリアは、一夏の事を蔑んだ様子であった。
「いい加減にしろよ、オルコット……俺たちにも我慢の限界ってものがあるぞ?」
一夏を蔑んでいるセシリアに、龍聖は怒りが頂点へ達そうとしていたのである。
「あら? そこまでお怒りになるなんて……失礼しましたわ」
セシリアはそう言って謝っているが、心が籠っていなかったのである。
「オルコット、忠告だ………これ以上、俺を怒らせるな………試合の時に貴様を嬲り殺しにしてしまう危険性がある………」
「それは見てみたいものですわね‼」
セシリアはそう言って席へと戻っていった。
残された龍聖の目には、明らかに怒りが籠っていた。
「お、おい……落ち着けよ、龍聖」
「………ああ、すまない。怒りで我を忘れかけていた………だが、試合ではどういう展開でアイツを懲らしめようか考えている」
そう言う龍聖の顔は悪魔的な顔をしており、一夏と箒はセシリアに対して心の中で合掌するのであった。
「一夏、今日の放課後………訓練するぞ」
「お、おう(ヤベェ……俺、生きて帰れるかな?)」
一夏は龍聖から訓練をすると言われ、自分が明日の日の出を見れるか心配になるのであった。
そして、三日の月日が流れ、クラス代表の座を賭けた試合当日となる。
「……………」
龍聖と一夏は別々の場所に案内され、そこで待機する様にと伝えられていた。
だが、最初に試合をするのは、セシリアと龍聖であった。
既にアリーナへと繋がるカタパルトデッキには、龍聖がスタンバっておりいつでも専用機を展開できる準備を整えていたのである。
「黒崎……いくらリミッターが掛けられているとは言え、やり過ぎるなよ」
「……ええ、判っていますよ………誰を相手にしたのか目にものを見せてやりますよ」
そういう龍聖の目には明らかに怒りが込められていた。
「……もう一度言うが……やり過ぎるなよ」
そう言って千冬は龍聖に念を押すのであった。
『黒崎君、機体を展開してください』
すると、真耶のアナウンスが流れ機体を展開する様にと指示が出ると、龍聖は斑鳩を展開させ、カタパルトに機体を固定させる。
『カタパルトに機体の接続を確認。ボルテージ上昇。射出タイミングを黒崎君に譲渡します。頑張ってくださいね‼』
「コントロール確認。やり過ぎない程度で頑張ります。黒崎龍聖、斑鳩。出ます‼」
龍聖は掛け声と共に、斑鳩をアリーナへと進ませる。
「レディーを待たせるとは………なっていませんわね‼」
既にアリーナで待っていたセシリアが、龍聖に対して小言を言う。
「煩いぞ……その口を縫って黙らせるぞ」
龍聖の返事は、怒りの籠った返事であった。それだけ、龍聖はセシリアに対して怒りを覚えているのである。
「ッ⁉ これでおしまいですわ‼」
既に試合開始の合図は鳴っているので、セシリアの攻撃は問題ない。問題ないのだが………相手が悪過ぎた。
「遅い」
龍聖はそう言うと、セシリアの持つレーザーライフル“スターライト”から放たれたレーザーを問題なく回避した。
「攻撃が当たらなくては意味がないぞ?」
余裕で回避した龍聖だが、斑鳩に武装を持たせていなかったのである。
「余裕で避けていますが……ですが、あなたこそ、武器が無くては戦えません事よ‼」
セシリアはそう言うと、再度、スターライトの引き金を引いていく。だが、その攻撃は龍聖に当たることは無かった。
「なぜ、攻撃が当たりませんの⁉ こうなったら……お行きなさい、ブルーティアーズ‼」
機体の名前にもなっている遠隔無線誘導兵器“ブルーティアーズ”を射出する。
「ほう、これがイギリスが開発したBT兵器か………まだ甘いな」
龍聖はブルーティアーズから放たれる攻撃を、自由自在に斑鳩を操り、攻撃を躱していった。
「いつまでお逃げになるのですか⁉ 戦いなさい、この臆病者‼」
「ッ‼ そうか……そこまでして俺に戦いを求めるのか………なら見せてやろう‼ これが斑鳩の力だ‼〈ヒナ、頼むぞ‼〉」
〈判った‼ ドラグーン、
龍聖は斑鳩のコアであるヒナに、ドラグーンと
「ッ⁉ BT兵器‼ なぜ、あなたがそれを持っているのですか‼」
セシリアはまさか龍聖の機体に、BT兵器が搭載されているとは思いもしず、驚きを隠せずにいた。
「残念だが、これはBT兵器じゃない。腕の形をした兵器は、有線式だ。そして、こいつは無線式の誘導兵器だ‼」
そう言うと、龍聖はドラグーンと
「誘導兵器を操りながら自分も動けるなんて……どんなスペックを持っていますの⁉」
まさか、自分が出来ないことをしている龍聖にセシリアは怒りを覚える。
「さぁ奏でろ、オルコット………貴様の奏でる
セシリアと龍聖の戦いは激しさを増すのであった。
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