IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語 作:武御雷参型
今回の話に関しては、もしかしたらあるかも知れない(ほぼ確実)な話になっています。なので、IFではなく未来の話として読んで頂けたら嬉しいです。
そして、三日も過ぎてしまっていた。真姫ちゃん、本当にごめん! そして、お誕生日、おめでとう‼ 一ライバーとして祝福を‼
因みにですが………歴代で一万越えの文字数になっています。これを書くのに徹夜しています。これで、やっと肩の荷が下りました。
龍聖達がIS学園を卒業して10年の月日が経った。龍聖は対IS部隊の隊長を降りて、後継者として一夏を指名しIS学園の教師になっていた。
「そう言えば、今日は真姫の誕生日だったな………」
因みにだが、龍聖と真姫は未だに結婚をしていない状態である。それにはちゃんとした理由がある。
真姫は音ノ木坂学園を卒業後、大学に入学した後、西木野病院にて務め一人の医師として独り立ちを始めていた。しかし、激務が重なりまた龍聖も教師としての務めがあり、お互いに結婚はまだしない事にしていたのである。
「黒崎先生」
「織斑理事長」
龍聖の名を呼んだのは、理事長に就任した織斑千冬であった。
「そろそろ結婚は考えていないのですか?」
「いやぁ、それが……」
龍聖は千冬に結婚をしない理由についてを話した。
「そう言う理由か……だが、一夏なんかはもう子供を授かっているぞ?」
「アハハ………そうなんですよね」
一夏は箒と鈴と一夫多妻制の制度を使って結婚しており、箒との間に一人娘を授かり、鈴との間には一人息子を授かっていた。因みに、一夏は親馬鹿になっており、その都度、箒と鈴に叱られていたのである。
「正直、自分としても結婚は考えていますよ………でも、お互いに忙しい身ですから………ね」
「ね、と言われてもな………そんな事をしていたら私よりも遅くなるぞ?」
「…………秒読みですか?」
「ああ」
なんと、千冬は既に結婚を前提に付き合っている男性がいたのである。
「一夏がよく許可を出しましたね………」
「一夏を説得するのに苦労したが………義妹たちがな」
「ああ」
龍聖は納得した。シスコンの一夏が千冬を嫁に出すことを渋っている所に箒と鈴の援護を受けた事により、一夏は許可を出したのである。
「それで………料理の腕は上がりましたか?」
「………聞かないでくれ」
「察します」
「私の事は良いのだ。貴様の事だ。実はもう準備をしているんじゃないのか?」
「………バレていましたか」
龍聖は苦笑いをして千冬の言葉を肯定した。今日は、真姫の誕生日であり付き合いだしてから既に13年の月日が経っていたのである。そろそろ、龍聖自身も身を固める決心をしていたのである。
「今日だったか?」
「……ええ………それで、今日なんですが」
「良いぞ」
「……まだ何も言っていませんが」
龍聖が言う前に千冬は許可を出した。千冬は龍聖が何を言うのか理解していたのである。
「貴様の事だ。今日は早上がりをさせて欲しいとでも言うつもりだったんだろう?」
「筒抜けでしたか……ええ、それで許可を貰おうとしたんですが………先に許可を出されてしまいました」
「まぁ、貴様も良い歳だ。お互いに考えている事は一緒だと言う事だ」
「そう言う事ですか」
龍聖は千冬と少し話をした後、教室へと入った。
「では、授業を始める」
「はーい‼」
龍聖はもう一人の教師として教壇に立って、授業を行うのであった。
西木野病院では診察室に真姫の姿があった。
「今日は如何したんですか?」
「喉の調子が……」
「では、口を開けてください」
真姫は診察を行い、患者が軽い風邪である事を告げる。
「風邪ですね。お薬を出しておきます」
「ありがとうございます」
患者はお礼を言って診察室を後にした。
「……西木野先生。今日は誕生日じゃないんですか?」
「ええ、そうだけど……それが?」
カルテを書いていた真姫に看護師が尋ねる。
「西木野先生って浮いた話を聞きませんが………彼氏さんはいるんですか?」
「…………なんでそんなこと聞くの?」
真姫はカルテに集中しながら、看護師に尋ね返す。
「……他の男性医師が話をしていたんです。西木野先生を彼女にしたいって」
「ふ~ん……いるわよ、彼氏」
「え?」
「だから、いるって言ってるじゃない」
看護師はまさか真姫に彼氏がいるとは思いもしなかったのである。因みにだが、この看護師は真姫がミューズに所属していた事は知っているが、龍聖の事までは知らないのである。まぁ、公にされていない事もあって仕方がない話であるが。
「ど、どんな人なんですか‼」
「ヴェッ⁉ な、なんでそんなに食いつくのよ」
「だって気になるじゃないですか‼ 西木野先生を射止めた彼氏さんの事を‼」
看護師は物凄く食いつき、真姫に迫った。
「理事長は知ってるんですか‼」
「え、ええ……てか、付き合い始めてもう13年になるわ」
「………なんで結婚しないんですか?」
看護師はそんなに長く付き合っていたら結婚も秒読みと思っていたが、そんな素振りを見せいない真姫に少し不満そうに聞き始める。
「なんであなたが不満そうにしてるのよ………次の患者が来るわよ」
真姫はそう言って次に患者を受け入れ、診察を行い始めた。
看護師は絶対に真姫の彼氏の事を聞いてやろうと思いつつ、自分の仕事をするのであった。
そして、真姫は定時になり挨拶もそこそこにして、更衣室へと急いで入って行った。
「………怪しい」
真姫と一緒に診察をしていた看護師と他の看護師は、真姫の行動に不信感を抱いていた。また、他の男性医師も同じであった。
「ねぇ、西木野先生の後について行ってみない?」
「や、止めなよ……後で西木野先生に怒られるよ」
「良いじゃない。それにあなた達だって気になるんでしょ‼」
「そうだけど………」
休憩時間中に看護師は他の看護師に真姫に彼氏がいる事を教えていたのである。また、近くにいた男性医師も聞き耳を立てて、その会話を聞いていたのである。
「その話、俺達も一緒でも良いか?」
「………なんで?」
男性医師たちも気になっていたので、看護師と一緒に真姫の彼氏を見たいと言うが、看護師たちは男性医師たちを敵を見るような目で見ていた。
「どうせ、西木野先生の恋路を邪魔する気でしょ………」
「そ、そんな訳あるか‼」
「そうだ、そうだ‼」
「俺たちはな、西木野先生の彼氏が西木野先生に相応しいか見るだけだ‼」
男性医師たちはそう言うが、看護師たちは医師たちの考えを見抜いていた。
「……もし、西木野先生に相応しくない男性だったら?」
「「「その時はぶっ飛ばして、俺が西木野先生の彼氏になる‼」」」
「だろうと思った………」
看護師はこのままでは男性医師たちが独断で行動してしまい、暴走すると危惧し仕方がなしに一緒に真姫の彼氏を見に行く事を許可した。
「あっ、西木野先生が出て来たよ……なんだろう、すごく嬉しそう………」
真姫が更衣室を出る際、とても嬉しそうな表情をしており、他の先生たちも不振に思っていたが、今日がどういう日なのか知っていたので、仕方がないと思い、そのままにしていたのである。また、この看護師たちと男性医師たちは真姫の後に西木野病院に勤務する事になった者たちである為、真姫が彼氏持ちである事を知らないのであった。では、なぜ真姫に彼氏がいる事をこの者たちに言わないのかと言うと………それは真姫の彼氏が龍聖である事を知っており、龍聖の事は誰もが知る有名人であるからである。公にした際に真姫を始め西木野病院に迷惑を掛けてしまうと考えた結果、暗黙の了解として誰にも言わない事にしていたのである。
「行くわよ、準備は良い?」
「「「おう‼」」」
「「え、ええ」」
男性医師たちは乗り気であるが、看護師たちは乗り気ではなかった。
「尾行、開始‼」
こうして看護師と男性医師たちによる真姫の尾行が始まった。
真姫は西木野病院の職員用扉から出て、少しした所で龍聖を待っていた。と言うのも、更衣室へと入った真姫は携帯を確認すると、龍聖から早上がりを許可して貰ったので迎えに行くとメールがあったのである。
「来たわね」
真姫がそう言うと一台の高級車が停車し、窓が開いた。
「遅くなった」
「大丈夫よ、私も今来た所だから」
「そっか、なら乗ってくれ」
「うん」
龍聖は助手席のロックを外し、真姫が乗れるようにすると、真姫は助手席の扉を開いて乗り込んだ。
それを見ていたのは、遠くから双眼鏡(どこから出したのかは不明)を覗いていた看護師たちと男性医師たちであった。
「あの高級車って………」
「う、うん……一台の価格がマンション並みに高い奴だよね」
「しかも、見えた?」
看護師たちは車のエンブレムに見覚えがあったのである。しかし、男性医師たちはどういうことなのか理解できなかった。
「あの車ってそんなに高いのか?」
「エンブレムって……どこにでもあるやつだろ?」
「「「はぁ~」」」
男性医師たちの言葉に看護師たちは溜息を吐いて呆れていた。だが、ここで言っても面白くないと考えた看護師たちは何も言わない事にした。
「ま、あなた達には解らないだろうけど」
「どういうことなのか、説明してくれ」
「……いやよ」
意地悪な顔を看護師たちはした。女って怖い。
「それよりも追うわよ」
「でも、車が……」
「な、なら俺の車を使うか?」
「………六人も乗れるの?」
「ああ、大丈夫だ。八人乗りだからな」
男性医師たちの一人に車で出勤している者がいた為、その車を使って真姫を追う事になった。時間が経っていたのでそう簡単に見つかる訳無いと半ば諦めていると、信号待ちをしている車がいた。そう、真姫が乗っている車である。日本では余りと言うよりも滅多に見ない車である為、すぐに判ったのである。
「それで、どこに向かうのかしら?」
「西木野先生の彼氏だし……それこそ高級レストランだったりして……」
看護師たちは想像を膨らませ、優雅にレストランで食べている真姫を想像していた。
「発進するぞ」
信号が青に変わり、車は発進した。
「この先って何があったか?」
「ここら辺って普通のレストランしかない筈だけど……」
「高級って程な値段じゃないから、私達でも来れる場所だけど………」
真姫と龍聖が乗った車は高級レストランとは無縁の繁華街へと入って行った。
「お、おのれ……西木野先生との食事を普通のレストランで済ますとは………」
「赦さんぞ…………」
「………万死に値する」
男性医師たちは怨念を込めた言葉をブツブツと呟いており、その姿に看護師たちはドン引きであった。
「あっ、あそこに入る気よ」
「何⁉ あそこはレゾナンスの駐車場じゃないか‼」
「赦さん‼」
二人の乗った車はレゾナンスの駐車場へと入って行った。それに続く様に看護師たちの乗る車もレゾナンスの駐車場へと入って行く。
二人が乗る車の後方に車を止め、二人が降りるのを待つと、案の定、二人は車を降りてレゾナンスの中へと入って行った。その際、真姫から龍聖の手を握ってすぐに恋人繋ぎになった。
「降りるぞ」
看護師たちも車から降りて二人を追うが、龍聖の姿は後ろ姿だけしか見えない為、どういう人物なのか判らなかったのであった。因みに、男性医師たちは未だにブツブツと怨念の言葉を言っていた。
龍聖は後ろから一台の車が自分たちの事を尾行している事に気付いていたが、真姫は気付いている様子は無かった。
「真姫、今日はどこに食べに行く?」
「龍聖のお任せで良いわ」
「なら、久々にレゾナンスに行かないか?」
「良いけど………今日は予約してなかったの?」
「本当は予約しようと思ったんだけどな……ほら、いつもの店ばっかりじゃ飽きるだろ?」
「私は構わないけど?」
「俺が構うんだよ。それで、久々に学生の頃に行ってた店に行こうかなって思ってな」
「そう……でも、私も気になってたから良いわ、そこで」
「オーライ」
龍聖はバックミラーをチラチラと見ながら真姫と会話を楽しんでした。そして、レゾナンスへと到着し車を止めると、自分達を尾行していた車が後ろに駐車をしたのである。
「(………こいつら、いったい何者だ? でも、尾行するにしても堂々とし過ぎている………)降りるぞ」
「ええ」
龍聖は自分たちを尾行している者たちの事を考えつつ、真姫を連れてレゾナンスへと入ろうとした時、真姫から手を繋がれる。
「ん?」
「………久々に握りたくなったのよ………」
「そうか、でも俺としてはこの方が良いかもな」
そう言うと龍聖は恋人繋ぎに変える。
「…………」
「嫌だったか?」
「嫌じゃない」
真姫の顔は真っ赤になって恥ずかしそうになっていた。
「そう言えば、ここら辺って変わった所が多いよな」
「ええ、そうね。でも変わっていない店もあるけどね」
真姫と龍聖はレゾナンス内を散策しながら、目的の店へと向かっていた。
「それはそうと、龍聖。なんでそんなに後ろの方を気にしてるのかしら?」
「い、いや………アレだよ。昔の癖が未だに抜けなくてな……アハハハ」
真姫は龍聖が後ろの方を気にしながら歩いている事に気付き指摘すると、龍聖は誤魔化すように苦笑いをする。
「……まぁ、仕方がないわね」
真姫も龍聖が何かを隠している事は解っているが、敢えてそこは指摘しなかった。もし、自分達の身に危険が迫った時、龍聖は専用機である“マガツ・イカルガ”を展開する事は知っているし、龍聖の雰囲気で自分たちに危害を加えない事を解っているので、そこまで気にしていなかったのである。
「………まさかとは思うけど……あの人以外にも彼女を作っていないんでしょ?」
「あ、当り前だ‼ 誰が好き好んで真姫とあの人以外に彼女を作るか‼」
真姫の言葉に龍聖は怒る。
「ご、ごめんってば………でも、少し心配で………」
「……俺もごめん、怒鳴ったりして………確かに真姫からしたら他の彼女を作ってるんじゃないかって心配になるのは解るけど………大丈夫だ。俺は真姫とあの人以外の女とは付き合う気はないからな」
「………バカ」
龍聖の言葉に真姫は顔を赤らめた。
「着いたぞ」
「………変わって………変わってる?」
真姫と龍聖が訪れた店は、学生の頃に何度か通った店であるが、規模が拡大しておりいつの間にか数個の店舗分の敷地を有する店へと変貌していたのである。
「まぁ、確かに店構えは変わってないけど………規模が大きくなっているな」
龍聖も久々に来る店だったのでここまで店の規模が広がっているとは夢にも思っていなかったのである。
「そう言えば、あの人は今日は来るの?」
「ん? ああ、連絡したら遅くなるけど来るって。店の場所も伝えてるしな」
「あの子と会うのも久々ね」
「そうだな………そろそろ中に入ろう」
「そうね」
真姫と龍聖はそう言って店の中へと入って行った。
看護師たちと男性医師たちは驚きを隠せなかった。それはレゾナンスで買い物をして真姫か彼氏の家で料理をするものだと思っていたのが、まさかレゾナンスの中で一番の大きさを持つファミリーレストランに入って行ったことに驚いていたのである。
「西木野先生をこんな庶民的な店に連れて来るなんて………」
「赦さねぇ……ぜってぇ、赦せねぇ」
「………万死に……値する」
男性医師たちは先ほどよりも濃い怨念の言葉を言い始める。
「……西木野先生でもこういうお店に来るんだね」
「そうね、でも以外かも」
「確かに」
看護師たちからすれば真姫のイメージとしては高級レストランで食べている様なイメージをしていたが、ファミリーレストランに躊躇いも無く入って行く姿に驚きを隠せなかったのである。
「私達も入りましょう、ほら男たち。行くわよ」
看護師の一人が男性たちを連れて店の中へと入って行き、店員に真姫たちの席に近い所を要望すると、店の人は何を勘違いしたのか、一つテーブルを挟んだ席へと誘導した。これによって男性医師たちは龍聖の顔を拝もうと企むが、そう簡単に
「クソッ、彼氏の顔が見れないぞ‼」
「なんだと‼」
「チッ、この店の店員は役立たずか」
男性医師たちは小声で店に文句を言い始めるが、実は看護師たちには龍聖の顔を見ることが出来るのである。
「…………私達、見ちゃいけない物を見たかも………」
「…………帰る?」
「…………でもご飯は食べていきたいかも………」
看護師たちは龍聖の顔を見て思い出したのである。そして、車にあるエンブレムの意味も。
「「「(西木野先生と彼氏さんの馴れ初めを聞きたい)」」」
今度は真姫と龍聖の出会いを聞きたくなった看護師たちであった。
すると、真姫と龍聖の席に女性一人と大学生になるであろうか女性が近付いて来たのである。そして、一言二言会話した後、その二人は同じ席に座ったのである。
「お、おい………二人の女性が同じ席に座ったぞ」
「「なんだってぇぇぇぇぇ⁉」」
男性医師は小声で叫び声を上げた。そして、看護師たちは二人の女性の事を知っていた。
「ね、ねぇ………あの人たちって…………」
「だ、だよね…………」
「そう言えば、あの人って例の制度が適用されているんでしょ………西木野先生も良く容認したよね」
小声で会話をしている看護師たちは、二人の女性の事を知っていたのである。片や世界を変えたと言われる稀代の天災であり、もう一人はその助手であった。
「ごめんね、二人とも」
「遅くなりました」
真姫と龍聖の席に来たのは、篠ノ之束とその義娘であるクロエ・C・シノノノであった。
「大丈夫ですよ、まだ料理も頼んでいませんし」
「ええ、それに遅くなるって龍聖から聞いていましたから」
「あっ、座っても良いかな?」
「ごめんなさい、どうぞ。クロエも座れよ」
龍聖と真姫は横に席をずらして、束とクロエが座れるスペースを作った。
「それじゃ、マーちゃん。お誕生日、おめでとう」
「真姫さん、おめでとうございます」
「あ、ありがとうございます……それから、クロエ。私の事はお義母さんって呼んでいいって言ったけど?」
真姫もクロエの事を娘と思って接しているが、クロエ自身、漸く束の事をお母さんと呼ぶようになったが、未だに真姫の事をお義母さんと呼べずにいたのである。
「年も近いですし、母として接するよりも友人として接する方が私は良いのです」
「そう……でも、いつでもお義母さんって呼んでいいからね」
「はい」
クロエは目が元々実験の影響によって両目ともにヴォーダン・オージェの試作型になっているが、そこは稀代の天災である束によって克服され、オンオフがつけられるようになっていた。その為、ラウラと同様に赤い瞳になっていたのである。
「そうそう、マーちゃんにプレゼントなのだ」
そう言うと束は小さな箱を真姫に差し出した。
「わ、私も………どうぞ」
クロエも少し恥ずかしそうにしながら真姫にプレゼントを差し出した。
「お二人とも、ありがとうございます……開けても?」
「「どうぞ‼」」
真姫は束とクロエの許可を得て、二人からのプレゼントを開けた。
「これって……」
束から送られたプレゼントは、最新鋭の腕時計であった。だが、普通の腕時計ではない。束の技術を持ってISのコアと会話が出来る様に設計されており、また護身用として麻酔針も出るシステムを組み込んだ腕時計であった。因みに非売品である。
一方のクロエから送られたプレゼントは黒を主体に淵に赤い線の入ったリボンであった。
「……ありがとうございます。大事にしますね」
「何の何の。龍君を大切に思うマーちゃんだからこそ送るプレゼントなのだ‼」
「私のは……手作りです」
二人とも手作りの物を真姫にプレゼントしたのである。
「それで、龍君はマーちゃんにプレゼントは渡したの?」
「………後で渡します。それに束さんと一緒にね」
「「えっ?」」
龍聖の言葉に真姫と束は一つの考えを思い浮かべたのである。
「さて、料理を頼みますか。今日は俺が出しますんで好きな物を頼んでください」
「ちょ、龍君⁉ それって、どういうことなのか説明してよ‼」
「そうよ‼ 詳しく説明しなさいよ‼」
束と真姫は龍聖に詰め寄るが、龍聖はどこ吹く風で流していた。
それを見ていた看護師たちと男性医師たちは唖然としていた。特に男性医師たちは。
「な、なんで二人の女性から詰め寄られてんだ?」
「さ、さぁ? もしかして‼」
「浮気か‼ 許さねぇ‼」
男性医師たちは龍聖が浮気をしていると勘違いしていた。だが、看護師たちはどういうことなのか理解が追い付いていなかったのである。因みに会話は聞こえていません。
そして、食事を開始して数時間が過ぎようとしていた。
「そろそろお会計しましょうか……食べ残しは無いですか?」
「ないわ」
「ないよー」
「ないです」
龍聖の質問に全員が食べ残しが無い事を伝えると、龍聖は店員を呼んでお会計を済ませ、店を後にした。
「私達も出ようか」
「そうね……ほら、男性陣‼ 行くわよ‼」
「「「へーい」」」
男性医師たちは食べ過ぎて(自棄食い)で気持ち悪くしていた。
「次はどこに行くんだろう」
「もしかしてプロポーズだったりして」
「………有り得そう」
看護師たちは次の展開を予想していた。
「クソッ‼ これもアイツの所為だ………ぜってぇに許さねぇ」
「あんた達のは自業自得よ。ほら、運転しなさい」
龍聖達は束も含めてとある場所へと向かい始めたので、看護師たちも後を追いかけ始めた。
龍聖達が向かった先は東京を一望できるスカイツリーの展望台であった。
「なんでここなの?」
「まぁ、夜景がきれいだから?」
「龍君、なんで疑問形なの?」
龍聖は内心、緊張で一杯であった。世紀の告白をするからである。
そして、龍聖は展望台を背にして真姫と束の方を振り返った。
「お二人とも……長らく待たせてしまい申し訳ありません」
「「…………」」
「………」
龍聖がいつにもなく真剣な表情をしていたので、真姫と束も真剣な表情に変わる。クロエはこの状況を察したのか、静かに見守っていた。
「この時を待っていたと思います。正直、本当はもっと早くにするべきだったんだと思いますが………」
「そうでもないわ」
「うん、私達も龍君から言って貰うまでは待つって決めてたから」
龍聖が自分たちに何を言うのか理解した二人は、龍聖の言葉を否定する。
「……そう言って貰えると助かります。でも、もう自分としてはそろそろ良いころ間だと感じました。西木野真姫さん、篠ノ之束さん………俺と……いや、僕と結婚してください‼」
龍聖はそう言って懐から二つの箱を取り出し中を開けると、そこにはシンプルな指輪が現れた。
「「こちらこそ、よろしくお願いします‼」」
龍聖のプロポーズに二人は承諾したのである。
「お義父さん、束お義母さん………そして真姫お義母さん……おめでとうございます」
クロエは目に涙を浮かばせながら祝福の言葉を三人に送ったのである。だが、ここで待ったを掛ける者たちがいた。そう、男性医師たちである。
「ちょっと待て‼」
「誰だ‼」
「うおっ⁉」
待ったを掛けた声に対して龍聖はすぐに真姫を背中に隠して、懐に仕舞ってある銃を取り出して構えた。また、束とクロエも同様に銃を構えたのである。
それに驚いたのは男性医師たちであった。なぜ、一般人である男女が銃を持っているのか疑問に思ったが、先に自身の身を守ることが先決であると感じ、その場で留まったのである。
「貴様ら、何者だ」
「お、俺達は西木野病院で働く医師だ‼ 貴様、西木野先生の他に彼女がいるなんて羨ま…じゃなかった‼ 怪しからん‼」
「そうだ‼ お前こそ、何者だ‼」
「名を名乗れ‼」
男性医師たちは足をガクガクさせながらも強気になっていた。
「……真姫、本当にこいつらは西木野病院で働いているのか?」
「…………ええ、そうよ」
真姫は額に青筋を立てて怒り心頭であった。
「……西木野先生、すみません‼」
「あ、貴女達まで‼」
看護師たちまでもが出てきて、真姫はもう怒りを通り越して呆れかえっていた。
「名を名乗れ…か………良いだろう。名乗ってやろう‼ 国際IS委員会日本支部所属対IS部隊“天照隊”の元隊長であり、黒崎重工の元企業代表。そして現在はIS学園で教鞭を執っている黒崎龍聖だ‼」
「「「え? マジ?」」」
「本気と書いてマジと読む。さて、どうするよ真姫」
「……パパに連絡するわ」
まさか真姫の彼氏がかの有名な龍聖であるとは思いもしなかった男性医師たちは、おろおろし始めた。そして、看護師たちはこの後の展開を理解して顔を青くさせるのであった。
その後の話だが、真姫たちを尾行していた男性医師たちと看護師たちは西木野病院の理事長である西木野真自ら、厳重注意とし数か月の自宅謹慎を命じたのである。
そして、真姫たちは――――――
数日後に結婚式を挙げていた。
「では、新郎新婦たちの入場です。盛大な拍手でお迎えください‼」
司会進行役として指名された山田真耶が、龍聖たちの入場を知らせると、参列者たちは盛大な拍手をして龍聖を迎えた。
龍聖が待っていると純白のウエディングドレスに身を包んだ真姫と束が真と柳韻と共に入って来る。そして、真と柳韻は真姫と束を龍聖に託し席へと着いた。
「これより結婚の誓いを始めます………新郎黒崎龍聖、あなたは西木野真姫と篠ノ之束を妻とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「誓います」
「新婦西木野真姫と篠ノ之束、あなたは黒崎龍聖を夫とし、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますか?」
「「誓います」」
結婚式を行っていた。参列者には睦月や千冬の姿もあり、一夏たちの姿もあった。
「では、指輪の交換を」
龍聖は差し出された指輪を一つ一つを手に取って真姫と束の左手の薬指に付けた。
そして真姫と束は二人で一緒に龍聖の左手の薬指に指輪を付けた。
「……では、誓いのキスを」
「これからもよろしくお願いします」
「「こちらこそ」」
こうして、龍聖と真姫と束は晴れて夫婦となった。
誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら、どしどし送って下さい‼
要望などがあれば、個人メッセージにてお願いします。
IS学園でユニットを組んでほしいか
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やってほしい‼
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やる必要なし