IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語 作:武御雷参型
久々の夜勤は………堪えましたぜ。
その日の夕方、龍聖は自室で真姫からの連絡を待っていた。
「そろそろ、真姫から電話が着そうだな………」
龍聖がそう言った瞬間、LINEの着信があり、相手は真姫からであった。
『待たせたかしら?』
携帯の画面には真姫の顔が映し出される。
「いや、ちょうど部屋の中でお前からの電話を待っていたところだ………こうして顔を合わせるのは久方ぶりだな」
『そうね……お互いに忙しい身だし、特に龍聖はIS学園にいるものね』
「ああ……見たところ体育館かどこかか?」
真姫の後ろには木製で出来た扉が映し出されているため、体育館ではないかと予想を立てる。
『違うわ、講堂よ』
「講堂か……それにしても、どうして今日なんだ?」
今回、音ノ木坂で出来たスクールアイドルのライブが今日なのか疑問に思う。
『今日は……新入生の歓迎会をするんだって………』
「なるほどね………ところで………」
『なによ?』
龍聖は真姫の後ろにいる人物の事が気になった。
「真姫……後ろを見てみろ」
『後ろ? ………ヴェェェェッ⁉』
真姫の後ろにいたのは、リボンの色が緑色の生徒であった。
『真姫ちゃん……彼氏~? 隅に置けないなぁ~』
『べ、別に関係ないでしょ‼』
生徒の言葉に真姫は顔を赤くさせながら反論する。龍聖は可笑しかったのか、笑いを堪えきれず、吹き出してしまう。
「ぷっ……あははははは‼」
『な、なに笑ってるのよ‼」
龍聖に笑われたことが癪に障ったのか、今度は龍聖に怒り出す。
「いやぁ、そっちで楽しそうにしているからついな………」
『もう………それで、東条先輩は何しに来たんですか?』
『うちもライブを見に来たんよ………そう言えば、自己紹介していなかったな。うちの名は東條希。音ノ木坂学園で生徒会副会長を務めてます。よろしくな』
「あっ、はい。俺の名は黒崎龍聖です。知っているかと思いますが、国際IS学園に入学した最初の男性操縦者です」
『まさか、真姫ちゃんに大物と知り合いなんて………世の中、狭いもんやね』
希は電話の相手がまさか、一人目の男性操縦者であるとは思いもしなかったのである。
「真姫、そろそろ時間じゃないのか?」
『あっ、そうね‼』
『真姫ちゃん、今度、彼氏さんを紹介してな』
『な、なんでよ‼ 関係ないでしょ‼』
真姫はそう言うと、希を置いて講堂の中へと入った。
『え?』
「……最初のライブがこれとか………」
二人が目にしたのは、誰もいない講堂であった。
「真姫、頼みがある」
『………なに?』
「陰からこっそりと見せてくれ」
龍聖の言葉に真姫は訝しむ。
『何でよ……堂々と見ればいいじゃない。なんでそんな面倒なことしなくちゃいけないのよ』
「真姫の言う通りだが………その上級生の本気度について知りたいんだ………この状況でも歌うのかってのをな」
『………判ったわよ』
龍聖の言葉に納得した真姫は、移動して誰からも見えにくい場所へと移る。
『………これで、良いかしら?』
「そこで良い。さぁ、スクールアイドルの本気っていうのを見せてもらうぞ」
『………どこのボスキャラよ』
龍聖の呟きに真姫はツッコミを入れる。確かに、龍聖の言葉は傍から見れば、ボスキャラの様に見えなくはない。
すると、開演を知らせるブザーが鳴る。
『始まるわよ』
「ああ」
二人が見守る中、講堂の舞台を隠す幕が開けられた。
「『……………』」
二人は上級生が結成したスクールアイドルがどういう行動をするのか、気になっていた。
そして、幕が完全に開かれ、衣装に身を包む三人の姿が現れる。
「真姫、一度でいいから………あの衣装をk『お断りよ‼』…最後まで言わせろ」
龍聖の言葉に真姫は言葉を被せて断った。
『………そりゃそうだ。世の中、そんなに甘くない‼』
すると、センターに立つ生徒が言い始めた。
『ウハァッ‼』
すると、誰かが講堂へ駆け込む声がする。
「誰だ?」
『………同じクラスの子よ』
龍聖は気になり真姫に尋ねると、真姫は同じクラスの子であることを教える。
『あ、あれ? ライブは………』
「この子は、あれか………ライブを見に来た子か…………」
『その様ね………』
突然の観客に龍聖も真姫も、スクールアイドル達も驚いていた。
『やろう‼』
すると、センターに立つ生徒が言い始めた。
『歌おう、全力で‼ だって、その為に全力で頑張ってきたんだから‼』
その言葉に舞台に立つ二人も同意し、自分達が立つであろう位置に並ぶ。
そして、講堂が暗くなりライブが始まった。
「あの広い講堂で三人だけ………だが、三人とも輝いているな………」
『………そうね』
龍聖の言葉に真姫は少し素っ気無く答える。
「真姫………」
龍聖はなぜ真姫が素っ気無く答えたのか、なんとなくだが察する。真姫はライブを見て自分も輝きたいと思い始めていたのだ。
「真姫、やりたいんだろ?」
『え? ………そうね………やってみたいかも』
龍聖の言葉に真姫は正直に答える。
二人はそこから会話がなくなり、真剣にライブを見ていた。そして、ライブは無事に終わった。
「終わったな…………」
『そうね……それで、感想は?』
真姫は自分が作曲した曲の感想を龍聖に尋ねた。
「そうだな……美しかった‼」
『それ……どっちの意味よ?』
龍聖の言葉に真姫はアイドルの方なのか、自分の曲なのか判らなかった。
「………どっちもだ」
『何で間を開けたのかしら?』
龍聖の間を開けた回答に、真姫は少し怒り気味で言う。
「いやぁ、曲もいいし歌声も良い。両方がマッチングしていていい曲になっていた。と言う意味だが?」
『な、なら良いわ‼』
真姫はそう言うと、電話を切ろうとした。
「真姫、待て」
『なによ? あっ……』
龍聖は講堂を降りる一人の生徒が気になったので、真姫が電話を切るのを止めさせた。真姫も気付いたのか、そのままにした。
『どうするつもり?』
『続けます』
『どうして? これ以上、続けても意味があるとは思えないけど』
「………確かに言われてみれば、意味がないと言える」
『龍聖………』
龍聖の言葉に真姫は少し、納得していた。
『やりたいからです‼ 今、私もっともっと歌いたい、踊りたいって思っています。きっと、海未ちゃんもことりちゃんも……こんな気持ち、初めてなんです‼ 歌って良かったって、本気で思えたんです‼』
「………真姫。これからも依頼があったらやるのか?」
『……そうね。私も見ていて感動しちゃったし………次に依頼があれば作曲するわ』
「そうか…」
真姫の言葉に龍聖は確信を得る。それは、真姫が必ず、上級生と共に歌うであろう。スクールアイドルになるであろうという確信を得たのである。
『今はこの気持ちを信じたい……このまま誰も見向きしてくれないかも知れない……応援なんて全然、もらえないかも知れない……でも一生懸命、頑張って私たちが兎に角頑張って届けたい‼ 今、私たちがここにいるこの思いを‼』
「思いを……届けたい、か………」
『龍聖?』
龍聖は何かを感じた。
「なぁ、真姫………俺、真姫と出会えて良かったって思ってる」
『……それは、私も同じよ』
龍聖の言葉に真姫も同じ気持ちであることを伝える。
『いつか……いつか、必ずここを満員にして見せます‼』
「完敗からのスタートだな」
『そうね………ねぇ、龍聖』
「なんだ?」
『私がスクールアイドルをしてもおかしくない?』
真姫は依然にも聞いたことがある質問を龍聖にする。
「真姫、前にも言ったが………真姫がスクールアイドルになったら、グッズを集めるって言っただろ?」
『それは‼ その意味は可笑しくないって言うのね?』
「ああ、大丈夫だ。俺が言うんだ、問題ないって‼」
『………どこからその自信が出てくるのかしら………でも』
真姫はそこで言葉を止めた。
『ありがと。少しだけ力が沸いたかも』
「そりゃ、良かった」
真姫の言葉に龍聖は微笑んだ。
『また、連絡するわ』
「ああ」
真姫はそう言うと、電話を切った。
「さて、俺も飯を食いに行くか」
龍聖は簡単に身支度をすると、食堂に向かって歩いていくのであった。
その日の翌日。龍聖はなぜか国際IS委員会日本支部へと来ていた。その体には至る所に包帯やら絆創膏などを付けて―――
「なんで、朝から呼び出しがあるんだよ………」
龍聖はそう言いながら、日本支部の中へと入っていった。
なぜ、龍聖が日本支部に来ることになったのかと言うと、龍聖が真姫を通じて音ノ木坂に誕生したスクールアイドルのライブ後、食堂へと向かっていたところまで遡る。
「今日は、何にしようかなっと………ん? あれは、一夏と箒に鈴じゃないか……何してんだ、アイツら」
龍聖は気になって三人の近くへと寄った。
「……一夏、昼間の話だけど………」
「あ、ああ……鈴、お前の告白は嬉しい……だが、俺は…俺は箒と付き合っていr「知っているわよ、そんなこと」へ?」
一夏は鈴に箒と付き合っている事を言おうとした。だが、鈴は知っているという。
「でもね、私と箒、セシリアの三人でアンタを支え合う事にしたのよ」
「………はい?」
鈴の言葉に一夏は動転する。まさか、箒公認で鈴と付き合うという風に聞こえたからである。
「待ってくれ……箒はそれでいいのか?」
「ああ、私は一夏を支えるだけの力は正直ないに等しい……だからこそ、一夏を好いている者と一緒に支え合った方が、一夏の事を支えられると決断して、鈴とセシリアの三人で一夏を支え合う事にしたんだ」
「………」
まさかのハーレム状態になったことに一夏は、開いた口がふさがらない様子であった。
「一夏………マジでハーレム作りやがった………ま、俺は真姫だけを愛するだけなんだがな」
龍聖はそう言ってその場を離れようとした。すると、龍聖の携帯が鳴った。
「呼び出し音……しかも、これって………やっぱり………」
龍聖は画面を確認すると、日本支部のトップである山本睦月からの電話であった。
「はい、黒崎です。現在、電話に出ることが出来ません。ピーっという発信音の後にご用件を言ってk「龍聖、何してんだ?」チッ」
龍聖は睦月からの電話に、疑似留守番をしようとしたが、一夏に遮られ、作戦は失敗したのである。
『やはり、疑似留守番をしようとしたんだね?』
睦月は何度もこの手に引っかかっていた為、なんとなくは察していたのである。
「それで、用件は何ですか? 一夏の後ろにいる二人からものすごい形相で睨まれてるんですけど……早くこの場から出たいんで、早く言って下さい」
『……なに、その現場。僕もみたいんだけど?』
「いや、早く言えよ‼」
睦月の言葉に龍聖はキレた。
『ごめんごめん。じゃぁ、本題だ。君には一度、委員会に来てもらいたい』
「どういうことですか?」
龍聖はなぜ、今になって委員会から呼び出しがあるのか疑問になった。
『いきなりですまないが………君と一夏君の事で問題があってね』
「俺と一夏にですか?」
龍聖は一夏に問題があるのは解っているが、自分にまで問題があるとは思ってもしなかったので、一夏の方を見た。
「オイ、龍聖。なんで俺の顔を見た」
「それで、用件は?」
「無視すんな‼」
龍聖は一夏の事を無視して、用件を聞くが、睦月は日本支部に来てくれと一点張りであった。
「判りました。では、明日、日本支部へ向かいます」
龍聖はそう言って電話を切ったのである。すると、メールが入り龍聖は誰からなのかを確認すると、睦月からであった。
『明日、朝早くに来てくれ』
「先に言えよ‼」
龍聖は携帯を地面へ叩きつけそうになったが、そこは理性で保った。
「さて、飯を………あのう、その手を退けてもらえませんか?」
龍聖は何事もなかったようにその場を離れようとする。だが、箒と鈴がそれを許さなかった。
「「さっきは何を聞いていたのかな?」」
その日、学園に一人の男性生徒の悲鳴が上がるのであった。
誤字脱字、感想、指摘、質問などあれば、どしどし送ってください‼
今回の様に、ライブについては端折り気味に行っていきます。
理由? コードを入れるのがめんどいからじゃないかね?
IS学園でユニットを組んでほしいか
-
やってほしい‼
-
やる必要なし