IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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第十九話

龍聖は日本支部へ入ると、そのままエレベーターを使い目的の場所へと向かう。

 

「いきなり支部局長室に来てくれって………何かやらかしたのか? 特に一夏」

 

龍聖はぼやきながら向かっていた。どことなく、一夏が「俺は関係ねぇ‼」という叫びが聞こえたか、聞こえなかったりしたが、それは三途の川に浮かべた船に乗せ、どこかへと送る。

 

「さて、着いたぞ」

 

龍聖は睦月の待っている委員長室の前へ来ると、扉をノックする。

 

「国際IS委員会日本支部所属、対IS部隊“天照隊”隊長、黒崎龍聖です」

 

『入り給え』

 

睦月の許可を得て部屋の中に入ると、睦月がニコヤカな笑顔で龍聖を迎えた。

 

「やぁ、やぁ。最近、学校はどうかね? それから、真姫さんとはどうなっているかな?」

 

「オイ、いきなりぶっこんで来るな……まぁ、代表候補生と戦う事になりましたが、呆気なく勝ちましたよ。それから、真姫についても問題は無いです」

 

龍聖は睦月からの質問に当たり障りのない回答をする。

 

「君も、面白くないね………あっ、そうだ。君に聞かないといけない事があったんだ」

 

睦月はいきなり真剣さを醸し出して言い出した。

 

「君………ハーレムに興味はないかね?」

 

「は?」

 

睦月の言葉に龍聖は、意味が解らず呆けていた。傍から見れば、滑稽な姿に見えた。

 

「いや、だからハーレムに興味はないかなって……どうしたんだい?」

 

睦月は龍聖がいきなり手で頭を覆い、心配になった。

 

「何で、そうなるのか教えてほしい………と言うか、なぜ、そうなったんだ⁉」

 

「いや、実のところ……君と一夏君の国籍やなんやらで国連がてんやわんやになっているんだ」

 

「いや、どうしてそうなるんだよ‼ 俺たちはこのままでも問題ないだろ?」

 

「ところがどっこいそうじゃないんだよ。君たちは……特に一夏君は初代ブリュンヒルデの弟でもあるし、かの篠ノ之束博士とも強い繋がりがある。それに、彼の彼女は博士の妹でもある。まぁ、彼女との関係については、この支部だけで収まっているから、問題はないけど……もし、これが世に広まった時はどうなるかは、君なら解っているはずだ」

 

「………」

 

睦月の言葉は的を得ていた。一夏は特に一度だが、誘拐をされているし、この支部に来る際にも誘拐未遂に遭った事があるほど、喉から欲しい手札でもあった。

 

「確かにその通りですが……俺はハーレム関しては興味がありません」

 

龍聖はきっぱりと答える。

 

「なら、そういう風に国連に言っておくよ………それから、君に渡すものがある」

 

睦月はデスクの引き出しにしまっている茶封筒を、龍聖に渡す。

 

「これは?」

 

「まぁ、開けたらわかる」

 

龍聖は訝しみながら茶封筒の封を切り、中身を確認した。

 

「………睦月さん、俺の目が確かなら中身は運転免許証にしか見えないのですが………」

 

「うん、そうだよ。君の運転免許だよ」

 

「いやいや、俺まだ車の運転とかこの支部の敷地内でしかしていないし、そもそも論、適正年齢にも満たしていませんよ」

 

龍聖は、支部の移動の際に車を運転していたが、それは、支部の敷地内である為、出来ることである。だが、車の運転免許の取得には、満18歳以上でないと取得できないことが、日本の法律で定められているのである。

 

「だが、君は対IS部隊の隊長でもある。有事の際には至急、こちらへ来てもらう事がある。一々、鉄道を使うわけにもいかないだろ?」

 

「その通りですが………試験とかどうするんですか‼」

 

「大丈夫だ。ご都合主義と言う神からのプレゼントがあるんだ」

 

「待て待て‼ 神って誰だよ‼ そもそも、メタすぎるぞ‼」

 

メタい話はさておき、龍聖は足が無い事には、委員会からの呼び出しにもすぐに対応することが出来ない為、ある意味では妥当な事である。因みにだが、龍聖自身知らないうちに車の運転適正テストを受けさせられており、試験に合格をしているのである。

 

「とういうか、俺は車を持っていないぞ‼」

 

「大丈夫だ。そんなこともあろうかと、車はこちらで用意させてもらった。付いて来たまえ」

 

「なんだろう……この嫌な予感は………」

 

龍聖は嫌な予感を感じながら、睦月の後に続き車が納車されている場所へと向かう。

 

 

 

龍聖たちは支部の地下にある駐車場へと来ていた。

 

「さて、君に与える車はこれだ」

 

睦月がそう言い、ライトアップすると、そこにあったのは……ドイツが生んだ超弩級戦車“マウス”であった。

 

「………」

 

「あっ、ごめん。間違えた。こっちだった」

 

「いやいや‼ その前になんでマウスがあるんだよ⁉ と言うか、どうやってここに運んだんだよ‼」

 

龍聖は何事もなかったかのようにライトを消した睦月にツッコミを入れる。

 

「簡単なことだよ……作ったのだ‼」

 

「その技術を他に回せよ‼」

 

「大丈夫だ。作ったのはこの支部の自動車整備士たちだ」

 

「もう何もいわねぇー」

 

龍聖はツッコムのが面倒になるのであった。

 

「さて、今度こそは本当に君に渡すものだ」

 

「本気で怖くなってきた件について………」

 

睦月は龍聖の呟きを無視して、ライトアップする。

 

「これをみろ‼」

 

「これは⁉」

 

龍聖が見たのは、一般人でも買えると言われる南アフリカ共和国に拠点をおく、パラマウント・グループのマローダーであった。

 

「…………」

 

龍聖は開いた口が塞がらない様子であった。

 

「どうだい? 気に入ってくれたかな? ………返事がない。ただの屍の様だ」

 

「何で、装甲車なんだよ⁉ 俺に戦地へ向かえとかいうんじゃないだろうな⁉」

 

「何を言っているんだ?」

 

睦月は不思議そうに龍聖の顔を見る。

 

「君は狙われやすいんだ………だったら、魔改造をした車があったらいいじゃないか‼」

 

「それなら、普通の車を改造したものにしろよ‼ なんで、装甲車なんだよ‼」

 

「そこは、アレだ………ノリと勢いだ」

 

「そうか、ノリと勢いか……なら仕方がなくないわ‼」

 

龍聖はツッコミを入れる。だが、睦月は止まる事を知らない。

 

「大丈夫だ、この車は魔改造車だ‼」

 

「何で改造してるんだよ‼ てか、改造するまでもないだろ‼」

 

「この車はな、防弾おろかISコアを一つ、組み込んでいる‼」

 

「どういう経緯でそうなったのか、教えろ‼」

 

龍聖は睦月に詰め寄った。

 

「いやぁ、隊長が使う車なら豪勢でデカくて、何物にも負けない車だと思ってね……調べたら、この車が出たんだよ……それで、自動車整備士たちに任せたら………こうなっちゃった」

 

睦月はそう言うと舌を小さく出した。いわゆる、てへぺろである。

 

「男がやっても気持ちが悪いだけです………もっとほかの車両は無いんですかね………」

 

龍聖の言葉に睦月は考える素振りを見せる。そして、睦月はもう一台の事を思い出したのである。

 

「そうだ‼ あの車があった‼ 龍聖君、ついて来てくれ」

 

「今度こそ、大丈夫ですよね………」

 

睦月の出す車は色々とぶっ飛んだ車ばかりだったので、龍聖は内心、またトンデモナイ車が出るんではないかと思っていた。

 

「この車だ」

 

睦月はそう言って、ライトアップするとそこにはハンヴィーが置かれていた。

 

「………まさかとは思いますが……この車も改造しているんですよね?」

 

「当り前だよ。だが、先ほどのマローダーじゃない。このハンヴィーは防弾ガラスに防弾装甲、対AMP対策が取られている」

 

先ほどのマローダーほどではないが、それでも中々の性能を持ったハンヴィ―であることは確かな事であった。

 

「もう、この車以外には何もないんですよね?」

 

「ああ‼」

 

龍聖の言葉に自信満々に答える睦月。龍聖は肩を落とす。

 

「判りました。この車にしておきます」

 

「ついでにマローダーも持っときなさい。もしかしら、必要な時が出るかもしれないからね」

 

「………そんなことにならないことを願っています」

 

龍聖はそう言って、ハンヴィ―の運転席に乗り込んだ。

 

「龍聖君、ハンヴィ―の乗り心地はどうかね?」

 

「特にこれと言って問題はなさそうですね………ところで」

 

「ん? 何かね?」

 

龍聖は気になったことを睦月に尋ねる。

 

「学園には連絡をしているんでしょね?」

 

「………あっ」

 

「オイ‼」

 

睦月は学園へ連絡するのを忘れていたのであった。

 

 

その後、睦月から学園へ連絡を行い、龍聖が車を保有することを伝えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍聖はある程度、支部の敷地内にてハンヴィ―とマローダーの操作を練習していた。軍用車と言う事もあって、慣れるのに時間がかかり帰るころには夕暮れになっていたのである。

 

「まさか、この年で車の免許と車を持つことになるなんてな………人生って判らないな」

 

そもそも、ISを起動した時点で、その言葉を言いたいのだが………。

龍聖は帰るついでに、真姫の家へと向かっていた。

 

「今日はある意味で休みになったし………久々に真姫に会うか」

 

龍聖はそう言って真姫の所へと向かっていく。

真姫の家に着くと、そこには一人の少女が立っていた。

 

「君は………」

 

「ふぇっ⁉」

 

龍聖に声を掛けられたのが驚いたのか、少女は変な声をする。

 

「あ、あのう……あなたは西木野さんの…お、お兄さんですか?」

 

少女は龍聖が、真姫の兄であると勘違いする。

 

「いや、違うよ……リボンの色からして君は一年生かな?」

 

「は、はい‼ こ、小泉花陽と言います………あなたは……」

 

「そう言えば、俺の自己紹介をしていなかったな。俺の名前は黒崎龍聖だ」

 

「どこかで……聞いたことが………も、もしかして⁉」

 

「はい、そこまでね」

 

龍聖は花陽の口に指をあてる。

 

「さすがに人の家の前だから、迷惑を掛けたくないからね………それで、君はなにか用事でもあったの?」

 

「は、はい。これを………」

 

花陽は龍聖に真姫の生徒手帳を見せる。

 

「これって………真姫のか?」

 

「はい……落ちていたので渡そうと思って………」

 

「そうなんだ……ちょっと待ってて」

 

龍聖はそう言うと、インターホンを鳴らす。

 

『はいって、龍聖君じゃない。お休みはゴールデンウィークじゃなかったの?』

 

「いえ、本当はそうだったんですけど……少し用事があって………それで、申し訳ないんですけど、駐車場を借りれませんか?」

 

龍聖は美姫に駐車場を借りれないかを尋ねた。

 

『どうして? まだ、車を持っていないでしょ?』

 

「そうだったんですけど………実は、車を持つことになりまして………それで」

 

『そう……もう、驚く気もしないわね。良いわ、開けるわ』

 

美姫が言うと同時に、駐車場の扉が開かれた。

 

「ありがとうございます。それから、真姫に忘れ物を届けに来た子がいるんで、一緒に入っても良いですか?」

 

『……あの子が忘れものね……良いわ、一緒に入って頂戴』

 

「判りました。小泉さん、少しだけ待っててね」

 

龍聖はそう言うと、ハンヴィ―に乗り込むとそのまま駐車場へと駐車する。

 

「じゃぁ、行こうか」

 

龍聖は花陽を連れて中へと入るのであった。

IS学園でユニットを組んでほしいか

  • やってほしい‼
  • やる必要なし
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