IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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第二十話

龍聖は花陽と一緒に西木野家へと入る。

 

「久しぶりね、龍聖君。それから……」

 

「あ、あの……真姫さんと同じクラスの小泉…です」

 

花陽は美姫に声が小さいながらも、懸命に自己紹介をする。

 

「そう……リビングへどうぞ」

 

美姫はそう言うと二人分のスリッパを玄関先へ置く。

二人はスリッパへ履き替えると、美姫に案内されてリビングへ入る。

 

「ちょっと待ってて。病院の方に顔を出しているところだから」

 

「今日はその日でしたか………」

 

「病院?」

 

龍聖は真姫が、なぜ病院に行っているのか理解したが、花陽は理解していなかった。

 

「ええ、家は病院を経営していてね、あの子が継ぐことになってるの。それにしても、良かったわ‼ 高校に入ってから友達、一人も遊びに来ないからちょっと、心配してて……」

 

そう言い美姫の顔は心配している風であった。

すると、玄関が開く音と同時に真姫の声がする。

 

「ただいま。誰か来てるの? 駐車場に大きな車が止められてたけど……」

 

真姫はリビングの前に立つ母を見て、リビングの方へ行くと、彩名は真姫が見えるように入り口を開けた。

 

「龍聖に……小泉さん?」

 

「よう」

 

「こ、こんにちわ………」

 

真姫は少しムスッとした顔になり、椅子へと座る。

 

「お茶、淹れてくるわね」

 

そう言うと美姫はキッチンの方へと向かった。

 

「何の用なの? 特に龍聖」

 

「おいおい、久しぶりに会いに来たのに……それはないぞ」

 

「そうは言っても……いきなり過ぎて驚いてるんだから」

 

「あ、あの‼」

 

「「ん?」」

 

花陽の声に真姫と龍聖はハモッて花陽の方を見る。

 

「お二人の関係って………」

 

「………言っていいの?」

 

「問題はないと思うぞ………多分」

 

真姫は龍聖が自分の婚約者であることを明かしても大丈夫かと、龍聖に尋ねたが龍聖自身もどう答えて良いのか判らなかったのである。

 

「小泉さん、今から言う事は他言無用だ。良いね?」

 

「は、はい‼」

 

龍聖の真剣な顔に、花陽は肩に力を入れる。

 

「そこまで緊張する必要はないよ………俺と真姫は親公認で将来を約束しているんだ」

 

「それって……つまり」

 

「……そうよ。許嫁と言う事よ」

 

「ふぇぇぇぇぇっ⁉」

 

花陽は驚いて声を上げた。

 

「ところで、小泉さんは何しに来たの?」

 

真姫は花陽が来た理由を尋ねた。

 

「これ……」

 

花陽は真姫の生徒手帳を手渡した。

 

「な、なんであなたが?」

 

「ごめんなさい」

 

「「なんで謝るの?」」

 

花陽が謝ると、龍聖と真姫が静かにツッコミを入れる。

 

「………落ちてたの」

 

「あ、ありがとう」

 

真姫は手渡された生徒手帳をカバンの中へと仕舞う。

 

「μ'sのポスター………見てたよね?」

 

「私が? 人違いじゃないの?」

 

真姫は花陽の言葉に顔を背けるが、龍聖はニヤニヤしており、花陽はカバンの横ポケットに入っているポスターに目をやる。

 

「でも、手帳もそこに落ちてたし………」

 

「真姫、素直になれよ」

 

「なんで、アンタはニヤニヤしてんのよ‼」

 

真姫は龍聖がニヤニヤしているのを見ると、席を立ち上がり怒り出したが、右ひざを机の角にぶつけた。

 

「いったぁぁうわぁぁぁ‼」

 

真姫は膝を抱えて痛みを堪えようとしたが、バランスを崩し席に倒れると、衝撃で真姫は椅子と共に倒れこんでしまう。

 

「あっ、ピンク」

 

「ちょっと⁉」

 

真姫の下着の色を龍聖が言うと、すぐに真姫は立ち上がった。

 

「なに、見てんのよ‼」

 

「見えたんだし、仕方がないじゃん………ごちそうさまです」

 

龍聖は真姫を拝み始めた。二人の事が可笑しく見えたのか、花陽は笑いを堪えることが出来ず、吹き出してしまう。

 

「笑わないで‼」

 

真姫はそう言うと、椅子を元に戻して座りなおした。

 

「ところで真姫……そのμ'sってなんだ?」

 

「あっ、そう言えば言っていなかったわね。音ノ木坂に出来たスクールアイドルのユニット名なんだって」

 

「ふーん」

 

二人はそのまま紅茶を飲み始めた。

 

「西木野さんは……その…スクールアイドルをしないんですか?」

 

花陽がそう言うと、真姫はその場で固まってしまう。

 

「私がスクールアイドルに?」

 

「うん…私ね…いつも放課後になると音楽室に行ってたの。西木野さんの歌、聴きたくて」

 

「私の?」

 

真姫はまさか上級生の他に、自分のピアノの演奏を聴いているとは思いもしなかったのである。

 

「うん、ずっと聴いていたいくらい好きで……だから」

 

花陽が最後まで言おうとしたが、真姫がそれを許さなかった。

 

「私ね……大学は医学部って決めてるの……だから、私の音楽は……もう終わっているわけ」

 

そう言って真姫は顔を背けた。その表情は少し、寂しそうな表情をしていた。

 

「真姫……前にも言ったよな? 素直になれって……それにお前「その話は今はしないで………まだ決心がつかないのよ」……真姫……」

 

「?」

 

真姫と龍聖の会話についていけない花陽は顔を傾げた。

 

「そう言えば、小泉さんこそスクールアイドルはしないの?」

 

「わ、私ですか⁉ 私は……私よりも西木野さんの方が「そう言う事を言っているわけじゃないんだ」え?」

 

花陽は龍聖の顔を見ると、龍聖の顔は先ほどまでとは違い、真剣さを醸し出していた。

 

「君の本当の気持ち……それが大事じゃないのかな?」

 

「私の……本当の気持ち……」

 

花陽は本当はアイドルをしたいと思っていた。

 

「わ、私には向いてないですよ……だって、声小さいし……」

 

「それは誰だって最初はそうだよ………だけど、自分の本当の気持ちに向き合えば自ずと道は見えてくるんじゃないかな?」

 

「………ありがとうございます。少し、考えてみます」

 

そう言うと花陽は席を立った。

 

「もう帰るの? もう少しゆっくりしていけばいいのに………」

 

「二人の邪魔をしたくないから………また、明日」

 

花陽はそう言って帰って行く。

 

「気を使わせたみたいだな……」

 

「ええ、そうね……ところで龍聖は大丈夫なの?」

 

「うん? あっヤッヴェ‼ ごめん、俺も帰るわ‼ じゃ」

 

龍聖も帰ろうとしたが、リビングの入り口で止まると真姫の方を振り向く。

 

「真姫、さっきも言ったけど………自分の気持ちに素直になれよ」

 

「………うん」

 

龍聖は真姫の返事に頷くと、IS学園へと帰って行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西木野家を出た龍聖はIS学園へと勝っている最中、歩いている花陽を見つける。

 

「小泉さん、暗いから家まで送っていくよ」

 

「い、いえ‼ 気にしないで下さい‼」

 

「でも、この世の中。何が起きてもおかしくないから……ほら、乗って」

 

龍聖はそう言うと助手席の扉を開ける。

 

「では、失礼します」

 

花陽もさすがにここまでしてもらったのに、無下にするのは失礼と思ったのか、ハンヴィ―の助手席へと座る。

 

「そう言えば、私と同じ年なのに………車の運転をしても良いんですか?」

 

「うん? ああ、俺の場合は特殊だからね。特例で免許を交付されたんだよ」

 

龍聖はそう言うと、スマホカバーに入れている免許証を見せた。

 

「あっ、ホントだ………あっ、すみません。あそこの和菓子屋に寄ってもらえませんか? お母さんが和菓子が好きなんで」

 

「良いよ、ついでだし俺も何か買っておくか」

 

龍聖はハンヴィ―を和菓子屋の前に駐車する。そして、二人は降りると和菓子屋の中へと入った。

 

「いらっしゃいませー‼」

 

「あっ、先輩……」

 

「知っているのか?」

 

「はい、学校の先輩です」

 

龍聖は店番をしている少女が、スクールアイドルのリーダーであることが分かった。

 

「花陽ちゃんの………彼氏?」

 

「ち、違います‼」

 

「うん、違うな」

 

少女の言葉に花陽と龍聖は否定した。

 

「そうなんだぁー、残念」

 

少女はがっかりした様子であった。

 

「おっと、そうだ。ここで有名な和菓子を一つ、下さい」

 

龍聖は目的を思い出し、少女にお願いをする。

 

「なら、穂むら名物穂むら饅頭‼ 略して穂む饅です‼」

 

少女はそう言うと、饅頭を一つ取り出し龍聖に渡した。

 

「幾らですか?」

 

「135円になります」

 

「はい」

 

「ちょうどですね。ありがとうございます」

 

龍聖はちょうどのお金を少女に渡した。

 

「そうだ、花陽ちゃん。時間ある?」

 

「えっと………」

 

花陽は龍聖の顔を見る。

 

「ん? ああ、大丈夫だぞ。待っといてやるから」

 

「でも‼」

 

龍聖はそこまで時間はかからないであろうと思い、車の中で待っていると言い出すが、花陽としてはそこまでしてもらう事が忍びなかった。

 

「なら、あなたも一緒にどうですか?」

 

「俺? ああ、すみませんが………小泉さん。申し訳ないんだけど一人で帰れる?」

 

「は、はい。家はもう近くなんで……」

 

「そうか、じゃぁこれで失礼します」

 

「あっ」

 

龍聖はそういうとハンヴィ―に乗り込み、学園へと戻っていった。

 

「危ない危ない……あのまま残ってたら門限内に帰れなくなるぞ」

 

龍聖は安全運転で学園へと戻る。

その後、学園へと戻ると、駐車場の前に千冬の姿があった。

 

「委員会からは聞いているが………軍用車か………」

 

「睦月さんには困りましたよ……これでもまだマシです」

 

龍聖は千冬に委員会であったことを話し出した。

 

「……日本支部は化け物しかいないのか?」

 

「それ……気にしてはいけない事だと思います」

 

「まぁ、良い。黒崎、これが必要な書類だ……明日までに提出しろ」

 

「……判りました」

 

千冬は龍聖の返事を聞くと、そのまま寮長室へと向かっていった。

 

「さてと……よろしくな」

 

龍聖はそう言うとハンヴィ―を見つめるのであった。

 

 

あの後、真姫から連絡があり、真姫と花陽、そして花陽の友人である星空凛と言う子がμ'sに入ったと龍聖は聞くのであった。

IS学園でユニットを組んでほしいか

  • やってほしい‼
  • やる必要なし
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