IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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書き上げれたので投稿します。

この小説は、利根川重工と黒崎重工、篠ノ之研究所、国際IS委員会で提供しております。


第二十三話

Mから放たれたグレネードランチャーは龍聖に当たることなく、龍聖を押し出した明日香が代わりに受けた。

 

「た…隊長‼」

 

龍聖は爆炎の中から気を失った明日香が地上へと落ちている様を見てしまった。

 

「よくも………よくも‼ 貴様らぁぁぁぁぁぁ‼」

 

『マスター‼ 落ち着いて‼ キャァァァァ‼』

 

龍聖は怒りに任せて斑鳩を駆った。コアの人格主であるヒナは、そんな怒りに飲み込まれ一時的に封印をされてしまった。

 

「許さない……許さねぇぞ‼ 貴様らぁぁぁぁぁぁ‼」

 

「ッ‼ 動きが変わりやがった‼ M‼」

 

「チッ」

 

龍聖の動きが変わったことに驚くオータムであったが、すぐに冷静に戻りMに指示を出すと、Mはすぐに新しいグレネードランチャーを展開させ龍聖に向けて引き金を引こうとした。

 

「遅い‼」

 

だが、龍聖は大型対装甲重斬刀“菊一文字(ガーベラストレート)”で銃身を切り裂き、グレネードランチャーを破壊した。

 

「死に晒しなさい‼」

 

「オイ、バカ‼ 無暗に突っ込むな‼」

 

薔薇騎士団のリーダーがレーザーライフルを再び展開して龍聖に向けて引き金を引くが、龍聖はドラグーンを使いレーザーをビームで相殺させたのである。

 

「れ、レーザーを相殺させた⁉ あり得ませんわ‼ あり得ませんわぁぁぁぁぁぁ‼」

 

薔薇騎士団のリーダーは、レーザーが相殺されたことを認めようとはせず、レーザーライフルの砲身が焼けるまで引き金を引き続けたのである。

 

「これでぇぇぇぇ‼」

 

龍聖は菊一文字をトーネードへ突き立てた。

 

「ガフッ⁉」

 

シールドバリアを突き破り菊一文字は、トーネードを貫いたのである。

 

「グッ……きさ…まも……我らと………一緒……」

 

そう言って薔薇騎士団のリーダーは事切れたのであった。

 

「チッ‼ 全機、撤退するぞ‼」

 

オータムはこの戦闘で不利と感じ、撤退していった。薔薇騎士団もリーダーが殺られてしまった為、指揮権を一時的にオータムに預けたのである。

 

「ハッ⁉ そうだ、明日香隊長‼」

 

≪黒崎隊員、聞こえとりますか⁉≫

 

「この声は……黒柳さん‼」

 

通信を入れてきたのは朱里であった。龍聖が朱里の方を見ると、そこには気を失った明日香が乗る雷鳥を抱えた朱里機の孔雀の姿があった。

 

≪明日香隊長はうちが回収したわ……向こうさんらも撤退している様子やから、うちらも一時撤退しようか………もしかしたら、次の襲撃があるかも判らへんから≫

 

「……はい」

 

朱里の言葉に龍聖は静かに返事をして、斑鳩を委員会に向けていくのであった。

その後、亡国機業並びに薔薇騎士団からの襲撃は無かったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「その後の話だが………明日香隊長はISに乗る事は出来ても、前線で戦うことが出来ない体になってしまい、本当は天龍さんが隊長になるはずだったけど……」

 

「正直、俺は隊長と言う柄ではないからな……他のメンツも隊長をするなら、龍聖だって……」

 

「うん……それで俺は明日香隊長の意志を継いで、二代目の天照隊の隊長になったと言う事だ」

 

明日香は元々近接格闘用の雷鳥を使っていたが、前線へ立つことが困難な体になってしまった為、後方支援機である孔雀に乗り換えたのである。後方でも隊長として立つ事は出来るが、前線で戦う者が隊長をした方が良いと睦月に進言したことにより、最初は雲雀を使う麻子に打診されたが、麻子はそれを断ったのである。

麻子を含め天照隊のメンバーは全員が龍聖を推したこともあり、龍聖に声が掛けられた。だが、龍聖は自身がまだ未熟であることを理由に断りを入れたのだが、明日香の「私の意志は貴方に託すわ」と言う言葉もあって、龍聖は二代目の天照隊の隊長に就任したのである。

 

「そう言う事なのか………てっきり、最初っから天照隊の隊長に就任していたなんて思ってたわ………」

 

鈴は漸く納得したのである。

 

「でも、斑鳩って歪なISよね………」

 

鈴は斑鳩の待機状態であるネックレスを見つめる。

 

「どういうことだ、鈴?」

 

「だってさ、ISなのになんか……人間が入っているというか……うーん、言葉に表し辛いわね」

 

鈴は斑鳩の中にもう一人の誰かが入っているように感じられたのである。

 

「確かにそうですわね……先ほどの戦闘でもISらしからぬ動きがありましたし………」

 

セシリアも感じていたのである。

 

「…………」

 

龍聖は冷や汗を流し始めた。

 

「そこんところはどうなのよ?」

 

「………黙秘権を使う」

 

龍聖は苦し紛れに言うが、鈴とセシリアは納得がいかない様子であった。だが、それを止めたのは千冬であった。

 

「話はそこまでだ……黒崎、IS学園の教師として…そして防衛隊長として感謝する」

 

「こちらこそ、何とか守りきれたので良かったです」

 

龍聖は本心からその言葉を言ったのである。

 

「では、これからの事についてを説明する………まず初めに今回の未確認機による襲撃の事は一切公言してはならない。次に黒崎の事についても同様に公言を禁ずる。良いな‼」

 

【はい‼】

 

千冬の言葉に一夏たちは強く返事をするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、龍聖たちは食堂で朝食を摂っていた。

 

「そう言えば、一夏と箒は部屋替えになるんだったな?」

 

「ん? おう。なんでも広い部屋が確保できたから俺と箒に鈴がその部屋に移ることになったんだ」

 

一夏の言葉に龍聖は、いきなりの事で呆けてしまう。

 

「は? マジで? よく織斑先生がそんなことを許したな………」

 

「山田先生が言うには………ノリノリだったらしいぞ」

 

「「はぁ~」」

 

一夏と龍聖は溜息を吐いたのである。まさか、規律に厳しい千冬がノリノリで鈴と箒に一夏を一緒の部屋にするなど到底、考えられなかったのである。

 

「まぁ、それだけお前たちの関係を認めている……と言う事なんだろうけど…………一夏」

 

一夏は龍聖に名前を呼ばれ、顔を龍聖の方へと向けた。

 

「避妊はしろよ?」

 

「「「ブフッ‼」」」

 

龍聖の言葉に一夏と箒に鈴は、一斉に口の中のものを吐き出してしまう。

 

「うおっ⁉ 汚ぇじゃないか‼」

 

龍聖は三人から放たれた吐瀉物を諸に受けてしまい、制服が汚れてしまうのであった。

 

「クリーニングを出さないと………」

 

龍聖は汚れた部分を掴んでゲンナリとする。

 

「す、すまない…じゃない‼ いきなりなんだ⁉」

 

「そ、そうよ‼ いきなりで驚くじゃない‼」

 

「龍聖‼ いきなりそんなことを言うなよ‼」

 

三人とも顔が赤かった。その表情を見て龍聖は一つの仮定が浮かび上がった。

 

「まさか……お前たち…………ヤッたのか?」

 

「「「ッ⁉」」」

 

龍聖の言葉にさらに顔を真っ赤にさせる三人を見て、龍聖は仮定が肯定に変わった。

 

「…………マジか」

 

龍聖は顔を手で覆ってしまうのであった。

 

「まぁ、何はともあれ………マジで気を付けろよ?」

 

「「「………はい」」」

 

龍聖の言葉に一夏たち三人は返事をするのであった。

 

 

 

 

 

 

龍聖はハンヴィ―に乗って学園を出ていた。だが、乗っていたのは龍聖一人だけではなかった。

 

「なぁ、龍聖。俺も車を乗る事は出来るのか?」

 

「ん? ああ、過程は違えど一夏も車の運転も出来るぞ? そう言えば鈴は車の免許を持っているんじゃないのか?」

 

「ええ、でも国際運転免許証に切り替えないと、こっちでは運転できないのよ」

 

この世界の運転免許は国家代表候補生以上であれば、代表候補生になる過程の中で教習所にて車の運転技術を習う事が必須となっていたのである。

 

「俺の場合は色々とすっ飛ばしてるからな………箒も車の運転をしたいんじゃないのか?」

 

「いや、私は車の運転をしたいとは思わないな」

 

箒は自分が車を運転する姿を思い浮かべたが、想像が出来なかったのである。

 

「ところで一夏たちはどこへ行きたいんだ?」

 

「レゾナンスまでお願いしてもいい?」

 

一夏たちはデートの為にレゾナンスへと向かっていたのである。その途中で龍聖が三人を乗せたのである。

 

「なら、レゾナンスの近くで降ろすぞ」

 

「おう‼」

 

龍聖はレゾナンスの近くにハンヴィ―を停車させ、一夏たちを降ろしたのである。

 

「迎えは要るのか?」

 

「いや、帰りはモノレールで帰ろうと考えてるんだけど……もしかしたらお願いするかも」

 

「良いぞ。俺も予定が終わったらそっちに向かうわ」

 

龍聖はそう言うと助手席の窓を閉め、ハンヴィ―を発進させたのであった。

 

「ところで龍聖はどこに向かったんだ?」

 

「決まっているじゃないか」

 

「そうね……」

 

箒と鈴は龍聖が向かった先がどこなのか、気付いていたのである。

 

「そんな事よりも‼」

 

「そうだ‼」

 

二人は一夏の片腕にしがみ付いたのである。

 

「お、おい‼ 歩き辛いし……当たってる……」

 

一夏は顔を赤く染めた。

 

「決まってるじゃない」

 

「当てているのだ、一夏」

 

「……さいですか」

 

二人の言葉に一夏は諦め、二人に腕をしがみ付かれたままレゾナンスの中へと入っていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつ見ても真姫の家は大きいな………」

 

龍聖は真姫の家に来ていた。今日は休みであると聞いていた為、アポなし突撃を敢行したのである。

 

「さてさて、真姫はいるかなっと」

 

龍聖はそう言うとインターホンのボタンを押した。

 

『はーいって、龍聖君? どうしたの?』

 

出たのは真姫の母親である美姫であった。

 

「今日は学園も休みなので、真姫をデートの誘いに来ましたけど………」

 

龍聖はここで気付いたのである。家に真姫がいなことに。

 

「もしかして、真姫は家にいない感じですか?」

 

『ええ、なんでも学校に用事があるからって………もしかして龍聖君、アポなしで来ちゃったの?』

 

「はい……そうですか………なら仕方がないですね。判りました」

 

龍聖はそう言ってハンヴィ―に戻ろうとしたが、美姫がそれに待ったを掛けたのである。

 

『龍聖君、待って。もしかしたらなんだけど……あの子、レゾナンスにいるのかも』

 

美姫がそう言うのは、携帯で真姫に聞いたからである。

 

「そうですか、ありがとうございます。レゾナンスに向かってみます」

 

龍聖は美姫にお礼を言って、レゾナンスに向けてハンヴィ―を発進させるのであった。

 

「なんか……嫌な予感がするんだが………気の所為だよな?」

 

龍聖は自分の中に何か嫌な予感がするのだが、気にせずにレゾナンスへと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

レゾナンスへ到着した龍聖は、真姫に連絡を入れる。

 

「そう言えば、真姫ってレゾナンスで何をしているのかな?」

 

電話ではなくLINEを使い、真姫に尋ねるとすぐに返信が来たのである。

 

「ゲーセン? なんでまた……真姫に似合わない場所だな………だけど、一回は真姫とプリクラを撮ってみたいな」

 

龍聖は逸る気持ちを抑え、真姫がいるであろうレゾナンス内の大きいゲームセンターへと向かった。

 

「おっ、いたいた……ん? あれは………花陽さん?」

 

龍聖が目にしたのは真姫と花陽、そして凛の姿であった。

 

「今のタイミングで声を掛け難いな………会うことが出来るか聞いてみるか」

 

龍聖はそう言うと再びLINEを開き、真姫に会えるかどうかを尋ねると、またしてもすぐに返信がされたのである。

 

「えーっと……今すぐは無理だけど、もう少ししたら時間を作るって……なら俺はどこで待ってろと?」

 

龍聖はどこで待ち合わせをするのか尋ねると、真姫からの返信でフードコートのMの頭文字のバーガー屋の前で待っててほしいという返信があり、龍聖は承諾した。

 

「了解っと……さて、真姫がいつ来るか判らないし………時間潰しを兼ねて本屋にでも行くか」

 

龍聖はそう言うとフードコートの前に店舗を構える本屋へと向かい、手ごろな小説を購入し時間を潰したのであった。

 

「龍聖」

 

名を呼ばれたので、龍聖はそちらの方を見ると、真姫が立っていたのである。

 

「早かったじゃないか、真姫」

 

「ええ、時間をもらってね」

 

真姫はそう言うと龍聖の前へと座った。

 

「何か食べるか?」

 

「要らないわ……と言いたいけど、少し小腹が空いたわね」

 

「なら、ポテトで良いか?」

 

「ええ」

 

龍聖は真姫の返事を聞くと、ポテトを買いに行くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、どこに向かう?」

 

「そうね……」

 

二人はポテトをつつきながらどこへ向かうか相談をする。

 

「服を買いたいわ」

 

「なら、服でも見に行くか」

 

ちょうど、ポテトも食べ終わり、真姫のリクエストで服を見に行く事にした。

 

「この時期だと……夏服か?」

 

「それもあるけど……水着を買おうと思うの」

 

「水着か……そう言えば海とかプールに行っていないな、最近」

 

龍聖は委員会に所属になってから、海などに行っていないことに気付く。

 

「なら、今年は一緒に海に行きましょ」

 

「そうだな。プライベートビーチでもいいかもな」

 

西木野家が持つ別荘や黒崎家が持つ別荘の中に、海に近い別荘がいくつか存在している。どちらかの別荘に泊まる計画を立てようとしていた。

 

「ところで真姫………」

 

「なに?」

 

龍聖は後ろからの視線に気が付き、真姫に尋ねた。

 

「後ろ……あれって真姫の入ってるμ'sのメンバーじゃないのか?」

 

「ヴェェっ⁉」

 

真姫は驚き後ろを見ると、そこにはμ'sのメンバーが柱に隠れているのだが、龍聖と真姫の様子を覗き見していたので隠れ切れていなかった。

 

「バレたな……こりゃ」

 

龍聖はそう言って手で顔を覆うのであった。




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この小説は、利根川重工、黒崎重工、篠ノ之研究所、国際IS委員会の提供でお送りしました。

IS学園でユニットを組んでほしいか

  • やってほしい‼
  • やる必要なし

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