IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語 作:武御雷参型
ですが、今後の更新は早い時もあれば、遅い時もある。謂わば、不定期更新となります。
これからも駄作者である武御雷参型と私の描く物語をよろしくお願いします‼
そして、本作が復活の第一歩です‼ これからも調子をゆっくりとではありますが、戻していこうと思います‼
では、本編へ‼
穂乃果の言葉で、一夏たちはずっこけた。
「なんで知らないのですか‼ 穂乃果‼ それぐらい、一般常識です‼」
「ま、まさか穂乃果先輩がそんな事まで知らないなんて思わなかったなにゃ」
海未に怒られ、凛に呆れられる穂乃果。
「だって、だって‼ 学校でそんなこと習わないんだもん‼」
「習わないとかそう言う話ではありません‼ あなたにはもっと勉強をしてもらわないといけないですね‼」
「海未ちゃん⁉」
海未の言葉に穂乃果は絶望に陥った表情をする。
「ま、まぁ…確かにIS学園に行くことを真剣に考えている子たちならいざ知らず、高坂さんの場合は仕方がないと言えば仕方がないわね」
「そうやって穂乃果を甘やかしてしまうと、これからが心配なのです」
鈴の言葉に海未は疲れた表情で話し掛ける。
「ところで今更になって疑問なのだが………君たちはどういう―――」
一夏が穂乃果たちに“どういう活動をしているのか?”と質問をしようとした時、レゾナンスの周りが騒がしくなり始めたのである。
「なんだ?」
「なんだか騒がしくなってきたが………」
「一夏、箒。行くわよ」
「ちょ、まてよ、鈴‼」
鈴は騒がしくなっている方へと向かい始め、一夏たちもつられてそちらへと向かい始める。
「私たちも行きますよ」
「行っくにゃー‼」
「凛ちゃん‼」
「ほら、穂乃果ちゃんも」
「あわわわわ⁉」
「行くわよ、真姫」
「判ったわ」
穂乃果たちも騒がしくなっている所へと向かうと―――――――龍聖が警察官に無理やりパトカーに乗せられようとしていた。
「龍聖‼」
「一夏‼」
「ほら、さっさと乗り込め‼」
「あっ⁉」
一夏たちが見たのは、龍聖を乗せたパトカーが警察署へと向かう後ろ姿であった。
時を遡り、龍聖はIS委員会日本支部からマローダをレゾナンスへと向かわせていた。
「そろそろ、時間がヤバいな……ヒナ、真姫に連絡をして……ん?」
真姫に到着時間が少し遅れる事をヒナを通して伝えてもらおうとした瞬間、後方から一台のパトカーがサイレンを鳴らしながら近付いて来たのである。
『そこの前の装甲車‼ 止まりなさい‼』
「装甲車って…誰がそんな車に………あっ、俺だった」
龍聖が乗っている車両はガッチガチの装甲車で日本の国道を走るのには問題ないが、幅が広い為、擦れ違う車にとっては恐怖の対象となってしまうのである。
「止まれって言われてもな………おっ、あそこに良い広い所が」
龍聖はハザードを点らせ広い所へと駐車した。そして、パトカーも追いつきマローダの後ろへと停車すると、二人の警官がおりてくる。
「君、そんな装甲車を走らせたらいけないじゃないか。降りてきなさい」
「判りました」
龍聖は大人しくマローダから降りると、警官二人は驚きを露わにした。
「君‼ 無免許だね‼」
「は?」
第一声が第二の男性操縦者として言われるのかと想像した龍聖であったが、返ってきたのは斜め上を通り越して真上の言葉であった。
「君、署まで一緒に来てもらうよ」
「いやいや、俺の顔を見ても何も思わないんですか?」
「当り前だ‼ 君がしている行為は立派な犯罪だ‼ 道路交通法違反で現行犯逮捕だ‼」
「なら、これを見てください」
龍聖は財布から自分の運転免許証を取り出し、警官に見せた。だが、警官は鼻で笑うだけであった。
「そんなニセモノを見せられても我々は何も動じないぞ」
「…………」
まさか、自分の知名度がここまで知られていないとは思わなかった龍聖は、驚きを隠せなかった。
「………」
「さて、話はゆっくりと署の方で聞かせてもらうから」
「いやいや、なんでだよ⁉」
「反抗する気か‼ 公務執行妨害の容疑で逮捕するぞ‼」
「なんでやねん⁉」
龍聖はこうなってしまっては仕方がないと思い、携帯を取り出そうとしたが一人の警官に取り上げられてしまう。
「君、誰にも連絡なんてさせないぞ‼ ほら、こっちにこい‼」
「だ~か~ら~‼ 運転免許証は本物だ‼ 嘘偽りの容疑で逮捕する気か‼」
「貴様の言葉なんぞ、聞く耳を持たぬわ‼ さっさとこい‼」
「ちょっと⁉」
龍聖は腕を握られパトカーに乗せられようとした瞬間であった。
「龍聖‼」
「………この声って………」
龍聖は自分の名を呼んだ声の方を向くと、そこには一夏の姿があり、他にも箒や鈴、ミューズのメンバーの姿もあった。
「一夏‼」
「ほら、さっさと乗り込め‼」
龍聖は一夏の名を呼んだが、警官に無理やりパトカーに乗せられてしまった。そして、そのままマローダを置いて警察署へと向かうのであった。因みにマローダは後に応援として来た警察官が運転して警察署へと持っていきました。
「い、一夏⁉ どうする‼」
「どうするって言ったって……そうだ、千冬姉に連絡を‼」
一夏はそう言うと携帯を取り出し、姉である千冬へ連絡した。
「千冬姉‼ 大変だ‼ 龍聖が警察に捕まった‼ ッ⁉」
『なんだと⁉ どういった経緯でそうなったのか、詳しく話せ‼』
千冬の怒鳴り声に一夏は思わず、携帯を耳から遠ざけた。
「お、俺も詳しくは見てないんだけど……なんか龍聖がもう一台の車をレゾナンスに持ってくるって言って待ってたら、レゾナンスの近くが騒がしくなって………それで近付いてみたら………」
『黒崎が警察に捕まった所を見てしまった…と言う事か?』
「ああ」
一夏は電話越しからでも千冬が頭を抱える姿が目に思い浮かんでしまう。
『わかった……後の処理は我々の方で行う。お前たちはすぐに学園に戻ってこい』
「判った‼ 龍聖は大丈夫なのか?」
『……安心しろ。私の力を使えば何事もなく終わるだろう………嫌だがな』
千冬はそう言って通話を切るのであった。
「千冬さんはなんて?」
「戻ってこいだとさ」
「………何もしていない黒崎を捕まえるなんて………」
「一夏、ちょっと専用機を展開しても良いわよね?」
「ダメに決まってるだろうが‼ 国際法を破る気か‼」
鈴は思わず甲龍を展開しそうになるのを一夏と箒が止めていた。
ミューズのメンバーは呆けて、何がどういった展開になっているのか付いて行くことが出来なかったのであった。
「真姫さん、申し訳ないけど俺たちは学園に戻らないといけなくなった‼ 大丈夫、龍聖の事なら千冬姉に任せておけば大丈夫だから」
「ああ、そうだな‼ 千冬さんなら無事に黒崎を助け出してくれる‼ コラ、鈴‼ 暴れるな‼」
箒と一夏は鈴を抱きかかえてIS学園へと戻って行くのであった。
「……真姫、心配なのは解りますが………」
「そうね……アイツなら無事に帰って来るわ。大丈夫」
真姫はそう自分に言い聞かせ、穂乃果たちと一緒に家へと帰って行くのであった。
その頃、龍聖はというと警察署へ連れて来させられ、取調室に連行され事情聴取を受けていた。
「君、本当の事を話したらどうなんだ?」
「だから、本当のことだって言ってるじゃないですか‼ なんで信じないんですか‼」
「君が第二の男性操縦者であって、国際IS委員会日本支部所属で黒崎重工の御曹司? そんな言葉に信じられるか‼ そもそも、仮にそうであっても車を運転する事が許される訳ないじゃないか‼」
「………そうですか。では、もし私が第二の男性操縦者であり、国際IS委員会日本支部所属で黒崎重工の御曹司だった場合………あなた方はどういう対応をされるつもりですか?」
「君、立場を判っているのか?」
取調室で龍聖の強い言葉に警官は額に青い筋を浮かび上がらせ始めた。
「ですから、明確にしておかないといけないじゃないですか………もしかして、怖いんですか?」
「なに?」
龍聖の言葉に警官はとうとう、堪忍袋の緒が切れた。
「貴様‼ 先ほどから聞いていれば嘘で固めるな‼」
「…………ダメですね。貴方のような人とは話になりません。上の方を連れて来て貰えま――」
龍聖の言葉を最後まで聞かずに警官は手を出してしまった。
「ぶったな……親父にもぶたれ事ないのに‼」
「知るか‼ 良いかげんにしろ‼」
「警部‼ 大変です‼」
「なんだ、取り調べ中だぞ‼」
取調室に若い警官が入って来る。その表情は真っ青を通り越して死んでしまったのではないかと思う程に白かった。そして、その後ろから一人の女性が入って来る。
「ほう? それが警察の取り調べの仕方、と言う事か」
「………部外者は出ていけ‼」
「警部‼ 知らないんですか⁉」
「何を言っているんだ、お前は。どう見ても部外者だろう‼」
警官は女性の方を一瞥したが、その姿に気付く様子は無かった。それだけでは終わらなかった。どかどかと喧しく足音を立て、一人の男性が取調室へ入ってきた。
「君‼ なんていう事をしてくれたんだ‼」
「しょ、署長⁉ なんで、ここに‼」
「君がしていることは、無実の少年であり世界で有名な人物を目にしているのだぞ‼ しかも、二人‼」
署長の怒り様に、流石の警官も勢いを失い始めた。
「な、なにを言っておられるのですか、署長……私は無免許で運転していた少年に対して取り調べをしているだけですが………」
「もういい‼ 黒崎君、帰ってくれていいぞ‼ この度は我々の落ち度で君に無実の罪で逮捕しようとしていた。誠に申し訳ない‼ 織斑千冬さんも、申しわけない‼」
署長は徐に龍聖と千冬に対して頭を下げ始めたのである。
「な、なにをしているのですか‼」
「君こそ、何をしているのだ‼」
「で、ですから……私は取り調べを「君が捕まえたと言っているのは、第二男性操縦者であり、国際IS委員会日本支部所属、黒崎重工の御曹司の黒崎龍聖君だぞ‼」………は?」
警官は何を言われたのか解らなくなり、その場でフリーズしてしまう。
「黒崎、帰るぞ」
「はい」
千冬の言葉に龍聖は返事をすると、席を立ち取調室を後にするのであった。
警察署を出ると、そこには一夏や箒、鈴の姿があり、真姫たちミューズのメンバーも龍聖の事を待っていたのである。
「よう、お勤めご苦労さん」
「心配したぞ、黒崎」
「ホントにね」
一夏と箒、鈴は笑顔で迎え入れた。
「勝手に犯罪者にするな」
龍聖も苦笑いをしながら一夏に返事をした。
「………龍聖………」
「……心配かけたな、真姫。ただいま」
「お帰りなさい‼」
真姫は龍聖に飛びつき、抱きしめるのであった。龍聖も真姫の体をそっと抱きしめ返すのであった。
「………ところで、お前たち。ここがどこだが解っているのだろうな?」
「「え?」」
千冬の言葉に真姫と龍聖は周りを見渡すと、自分達をニヤニヤとした顔で見つめる一夏たちがいた。
「「あっ」」
二人は一気に体を離し、顔を赤く染めるのであった。
~オマケ~
その後の話になるが、龍聖を誤認逮捕した警官は、懲戒解雇となるのであった。
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やってほしい‼
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