IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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第三十八話

龍聖とシャルロットはニセモノの暮桜と無人機の相手をしなくてはならない状況へと陥っていた。

 

「………シャルロット………今から俺が無人機の相手をするから、君はラウラを頼む」

 

「……この状況で、それを言うの⁉ 僕でもデータ上でしかない暮桜を相手にするのは無理があるよ‼」

 

「大丈夫だ………すぐに無人機を撃破してから、そっちに向かうから」

 

そう言うと、龍聖はドラグーンと執月之手を展開させ、執月之手には武器を持たせていた。

 

「………逝くぞ‼」

 

「字が違うよ⁉」

 

龍聖の言葉にシャルロットはツッコミを入れながらも、ニセモノの暮桜が龍聖の方へと行かない様、妨害をし始める。

 

「さぁて、お前はさっさと退場して貰う‼」

 

そう言うと龍聖はドラグーンと執月之手を縦横無尽に動かし始めた。(正確にはコア人格であるヒナが動かしているんだけどね‼)

 

「作者‼ 文面上だから仕方がないが……メタい事言うな‼」

 

「龍聖は誰に向かって突っ込んでるの⁉ それに作者⁉」

 

「シャルロット………気にするな。俺は気にしない」

 

「僕は気になるけどね⁉」

 

こんな会話をしながらも、二人は夫々の行動をしていた。

 

「その動き、止めさせてもらう‼」

 

龍聖がそう言うと、ドラグーンの一つが無人機の脚部にビームを放ち、下肢の一部を破壊した。だが、脚部だけを破壊した所で、無人機の動きが止まる訳も無かった。

 

「なら‼」

 

今度は執月之手を使い、無人機のスラスター部の破壊に変更するが、特殊なAIを積んでいるのか、無人機の動きは段々と繊細な動きをし始め、龍聖を困惑させていく。

 

「クッ⁉ 無人機のくせに………ならば、これならどうだ‼」

 

斑鳩の周りにいつの間にか、ドラグーンと執月之手が集まっており、斑鳩の周囲をぐるぐると回り始めたのである。

 

「これでも、喰らえ‼ ハイマット・フルバースト‼」

 

斑鳩のビームライフル、ドラグーンの一斉掃射、執月之手の持つミサイルポットからの攻撃で無人機は爆炎に包まれたのである。

 

「…………やったか」

 

龍聖君、それはフラグです。

 

「なん………だと………⁉」

 

煙が晴れるとそこには至る所から紫電が走る無人機の姿があった。だが、まだ動ける状態だった。

 

「クッ………ハイマット・フルバーストの所為で、エネルギーの心持が………」

 

「龍聖‼」

 

「その声は……一夏か‼」

 

龍聖の斑鳩のシールドエネルギーが心持たないと感じ取った龍聖であったが、その時、一夏の増援が来たのである。

 

「一夏‼ 無人機の相手は俺がするから、お前はシャルロットの援護に行け‼」

 

「だけど‼」

 

「…………安心しろ……俺はこんな所でやられる訳にはいかないんでな………行け‼」

 

「……解った」

 

一夏は龍聖の言葉を聞き、シャルロットの援護へと向かい始めた。

 

「さて、もう少し付き合ってもらうぞ‼」

 

龍聖はそう言うとビームライフルを掲げるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、シャルロットはと言うと、ニセモノの暮桜に対してアサルトライフルやショットガンなどの重火器を使用して足止めをしていた。

だが、暮桜のニセモノであるが、使われているデータが日本代表時代の千冬である為、いつの間にか接近を許してしまった。

 

「しまった‼」

 

シャルロットはニセモノの暮桜の持つ雪片が自分を斬り付ける時、スローモーションに見えた。

 

「(あっ………これは……死んだかな…………もっと、お母さんやお父さん、お義母さんとも話をしたかったな…………)」

 

シャルロットは走馬灯が見える中、家族ともっと話をしておけば良かったと後悔し、目を閉じその時を待った。

だが、来るはずの痛みが一切なかったので、恐る恐る目を開けると、そこには雪片を雪片弐型で防いでいる一夏の姿があった。

 

「い、一夏⁉」

 

「おう‼ 大丈夫か、シャルロット」

 

「う、うん………でも龍聖は‼」

 

シャルロットはまさか一夏が自分の所に来るとは思っていなかったので驚きを隠せずにいた。だが、もう一つの懸念として、無人機を相手にしている龍聖の事が心配になり一夏に尋ねると、首だけを動かした一夏。

シャルロットは一夏が示した先を見るとそこには―――

 

「天照隊⁉ でもなんで‼」

 

「シャルロットは知らなかっただろうけど、今日のトーナメントには日本支部の支部局長である睦月さんが来ているんだよ………だから護衛として来ていた天照隊が救援に来たってことだよ」

 

一夏はシャルロットに説明をする。そして、力を振り絞りニセモノの暮桜が持つ雪片を弾き返した。

 

「オラァァァ‼」

 

これにより、シャルロットと龍聖に強力な助っ人が到着する事になるのであった。

ここで作者から一言。相手、涙目じゃね?

 

 

 

 

 

 

 

 

再度、龍聖の方へと戻る、が、少しだけ時を遡り、一夏をシャルロットへと送り込んだ所まで遡る。

 

「クソッ‼ 一夏の最大の武器を生かすにはラウラ救出に打って付けだが、こっちには向いてないんだよな……うおっ⁉ 危ね⁉」

 

龍聖がぼやいている時に無人機から放たれたビームが迫っていたので、龍聖は回避行動を執った。

 

「こっちもエネルギーの問題があるんでな(ヒナ、後どの位で回復する‼)」

 

≪(あと百秒‼ それまで耐えられる、マスター)≫

 

「(正直、キツイな)」

 

≪(⁉ マスター‼ 吉報‼ 天照隊が突入してくるよ‼)≫

 

「(ホントか‼ これでエネルギー問題は解消だな‼)天照隊に通達。斑鳩のエネルギーが心持たない。援護を要請する‼」

 

『了解‼』

 

龍聖はヒナからの情報を得て、天照隊に援護を求めるとすぐに銃弾の雨が無人機へと降り注ぐ。

 

「隊長‼ エネルギー回復材を持ってきました‼」

 

「恩に着る‼」

 

天照隊の隊員の一人からエネルギー回復材を受け取った龍聖は、すぐに斑鳩のエネルギー回復に使用する。だが、斑鳩のエネルギーを回復している際は一切の行動が出来なくなってしまい、無人機からすれば、格好の的でしかないのだが、ここにいるのは龍聖一人では無かった。

 

「私たちの事を忘れないでよ‼」

 

「隊長を……やらせない」

 

「這いつくばれ」

 

天照隊が使用する雲雀は軍用機として開発された機体であり、火力もそこらのISとは性能が違っていたのである。これにより、無人機は攻撃から守備へと転じなくてはならなくなったのである。

 

「ヒャッハー‼ 爆発は芸術だぜ‼」

 

一人の隊員が10㎝10連装ミサイルポットを両手持ちし、引き金を引きミサイルの雨を無人機へと叩きつけたのである。

煙が晴れるとそこには動こうにも動けない無人機の姿があった。

 

『隊長‼ あとは任せます‼』

 

「ああ‼ これで、最後だ‼」

 

龍聖は回復したエネルギーを使い、最後のハイマット・フルバーストを無人機へと放った。これにより、無人機は木っ端微塵となり、破片だけが至る所に散らばるのであった。

 

「さて、あっちも終わった頃だな」

 

龍聖はそう言って一夏たちの方へと向くと、ニセモノの暮桜を斬り捨て、中からラウラを助け出した一夏の姿があった。

 

「………これ以上、隠すことは出来そうにないな」

 

龍聖がそう言うと、斑鳩の周りに雲雀が降りて来たのであった。

 

 

 

こうして、外部からの襲撃事件は幕を下ろすのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

管制室では一夏がラウラを助け、龍聖を含む天照隊が無人機を破壊したことで事件の幕を下ろし、千冬と真耶の肩の荷が下りるのであった。

 

「………今年に入ってからと言うもの、事件が起きっぱなしだな」

 

「そうですね……流石に私でも疲れてしまいます」

 

二人はそう言って椅子にダラッと座った。

 

「…………」

 

「先輩?」

 

「いや、なんでもない………(束、貴様が考えた事なのか?)」

 

千冬は今までの事件の一連について、友人である束が起こしたのではないかと疑うが、完璧を目指す束がこうもまどろっこしい事をすることは無いと思い、疑うの止める。

 

「さて、アイツらを迎えに行かなくてはな」

 

「おや、もう終わったのですか?」

 

「………睦月さん、そう簡単に管制室に入ってこないで下さい」

 

千冬は龍聖たちを迎えに行こうとした時、管制室に睦月を始め、ミューズのメンバーが管制室へと入って来た。

 

「彼らを迎えに行くのでしょう? 私たちも同伴させたもらっても良いかな?」

 

「………良いでしょう」

 

「良いんですか、先輩?」

 

「構わん、上から言われても委員長自ら申し出た事だ。私達には止められんよ」

 

「それもそうですね」

 

千冬と真耶は上が何を言っても、睦月の言葉だから仕方がないと言って責任を免れようと考えていた。実際、その通りなので、睦月自身も何も言わなかったのである。




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