IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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定時更新の始まりです‼

次回辺りから臨海学校に入ろうと思います。


第四十四話

龍聖がIS委員会から戻ってきてから数日の月日が経った頃、龍聖は真姫に呼び出されて買い物の荷物持ちをしていた。

 

「こんなにも良く買えるな」

 

「今度の休みの日にμ'sのメンバーで私の別荘に行くことになったのよ」

 

「と言う事は、夏休みを利用した練習と言う事か」

 

真姫が買い物をしていたのは、夏休みを利用してμ'sの練習の際、海に行くことを想定して水着を買っていたのである。

 

「そう言えば、夏と言えばIS学園も臨海学校があったな」

 

「へぇ~、どんなことをするの?」

 

「一日目は海を満喫する。二日目と三日目に関しては、IS装備の勉強と専用機持ちについては二日間を使って国の機関から送られてきた装備の装着とそのデータ取りだな」

 

「龍聖にも送られてくるわけなの?」

 

「ああ、親父とお袋、それから研究所の者たちが一丸となって斑鳩の専用パッケージを作成中だ。臨海学校までには完成するって言ってたけどな」

 

「そうなんだ………」

 

真姫は返事をすると、浮かない表情をする。

 

「どうかしたのか? 真姫」

 

「………私、物凄く嫌な予感がするの」

 

「どういう事だ?」

 

「最近、嫌な夢ばかりを見るのよ」

 

真姫は龍聖に夢の話を語り出した。

 

「……覚えている限りなんだけど………龍聖が天使の様なISと背中に腕を生やしたIS二機に堕とされる夢……だけど、周りには誰の姿も無いの………龍聖一人だけが戦って、負けちゃう夢………」

 

そう言うと、真姫の瞳には涙が浮かび上がり始めた。

 

「…………」

 

龍聖は真姫の夢が嘘の様に感じられなかった。もしかしたら、臨海学校の時にその事が現実に起きてしまう可能性があると考えていた。だが、それは夢の話である。本当になる事はまず有り得ないと龍聖は思うようにした。

 

「大丈夫だ、真姫」

 

「あっ」

 

龍聖は自分を落ち着かせる為でもあるが、それよりも真姫を安心させるつもりで、真姫の体を抱きしめた。

 

「俺は絶対に生きて帰る。何がなんでもな。だから、真姫。泣くな」

 

「…………うん」

 

真姫は漸く落ち着きを取り戻したが、二人は思い出したのである。ここはレゾナンスの中である事を。

 

「「あっ」」

 

二人は顔を真っ赤にしてその場を立ち去るのだが、その時、複数の目が二人を見ている事を龍聖達は知る由も無かったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見ちゃったね」

 

「あ、ああ」

 

龍聖と真姫の姿を見ていたのは、シャルロット・デュノアとラウラ・ボーデヴィッヒの二人であった。

 

「何でμ'sの西木野真姫さんと黒崎さんが一緒にいる?」

 

「そもそも、二人の関係って………」

 

シャルロットとラウラは龍聖の事を見ていたのである。

なぜ二人が龍聖の事を尾行しようと考えたのかと言うと、朝、勢いよく飛び出して行った龍聖を見た二人が面白半分に尾行を始めただけであった。

 

「それにしても、仲が良いね。あの二人」

 

「そうだな」

 

シャルロットとラウラは2人が仲良く歩いている姿に、少し、嫉妬を感じていたのである。

 

「ラウラ、僕達も買い物をしようか」

 

「そうだな」

 

2人はそう言ってその場を離れる。正確には逃げたに近い。

 

 

 

 

 

 

龍聖は、尾行されていることに気づいているが、敵でないことは知っていたのでそのままにしていた。

 

「龍聖、何後ろを見ているのよ?」

 

「あ、ああ。すまん、少し気になってな」

 

龍聖は背後の尾行の気配が無くなったのを感じ、安心する。

 

「………尾行されてたの?」

 

「ああ。だが、気配が消えたから問題ないだろうが………少し気にしておく」

 

龍聖はそう言って真姫を安心させる。

 

「それはそうと、龍聖は夏の合宿には参加出来ないの?」

 

「行こうと思えば行けるが………天照隊の訓練とかが無ければの話になるけど………」

 

龍聖は、携帯を取り出して予定表を見るが、夏の予定には訓練自体が存在していなかった。

 

「今の所は訓練は無いようだな。でも、日程によるぞ?」

 

μ'sの夏の合宿の日程と、臨海学校の予定が重なった場合、余っ程の事が無い限り、臨海学校に参加しなければならなかった。

 

「一応、決まってるのはこの日ね」

 

真姫は龍聖に日程表を見せる。

 

「…………この日なら、臨海学校の翌日だから、行けそうだ」

 

幸いなことに、臨海学校の日程とμ'sの合宿と重なっていなかった。しかし、臨海学校の翌日から合宿に参加と言うのは、龍聖にとっては問題は無いが、真姫からすれば気にすることであった。

 

「………大丈夫なの? 無理に来なくても…………」

 

「だが、俺はμ'sのマネージャーを任されている身だ。こんな事で弱音を吐けないよ。それに………」

 

龍聖は遠い目をする。

 

「………天照隊の訓練の方が余っ程、辛いからな…………」

 

「なんか、ゴメン」

 

龍聖の遠い目に真姫は、少しだけ共感したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、とある島にて極秘でISの開発が行われていた。

 

「ゴスペルの状態は?」

 

「………安定しています」

 

アメリカとイスラエルは委員会を通さずに軍用ISを研究していたのである。この島は、アメリカ軍極秘部隊ネームレス隊の本拠地であった。

なぜ、極秘部隊がイスラエルと共に軍用ISを研究していたかと言うと、アメリカはもう一度、世界の警察になろうと企んでおり、その甘い汁欲しさにイスラエルが賛同したからである。

表向きには、競技用機として開発され委員会に提出しているが、実際のところは、軍用機として開発されていた。

この事を知っているのは、アメリカ大統領と国防長官、イスラエルのトップのみしか知らされていなかった。

 

「このまま、ゴスペルが正式採用された場合、忌々しい委員会の奴らの悪事を暴いて、我々、アメリカ合衆国がトップに立つ事が約束されている!! 抜かるなよ!!」

 

『ハッ!!』

 

 

 

「………これが、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)…………」

 

ゴスペルの前に一人の女性が組み上げられているISを見上げていた。

 

「どうかね? この機体については」

 

「とても素晴らしいです。それに綺麗です」

 

「綺麗……か………だが、この機体は」

 

「解っていますよ。この子は競技用として作られているのではなく、軍事用として開発されている事は………でも、私はこの子がどういう風に飛んでくれるのか楽しみで仕方がないのです」

 

「………やはり、君は他の誰とも違った感性を持っている様だ」

 

「お褒めに預かります」

 

ゴスペルの前では開発主任とテストパイロットを任されている女性が話をしていた。

 

「ところで、開発が終わったら訓練ですか?」

 

「いや、微調整なども残っているから………訓練が出来るのは早くても数日後だ」

 

「そうですか………」

 

女性は少し悲しそうになる。

 

「そう悲しむものではない。訓練となれば、君もこのISも飛べるのだから、それまではデーターの確認などをしておいてくれ」

 

「解りました。では、失礼します」

 

女性はゴスペルのデーターをもう一度、確認をする為に戻って行った。

 

「やれやれ、彼女が真面で良かったと思っているよ………そう思うだろ? ゴスペル………無機物に何を話しているのだか………さて、私は戻るか」

 

男の声に反応していなかったが、密かにゴスペルが光っている事は誰も知らなかったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女権団のトップが勢揃いして会議を行っていた。

 

「―――と言う事で、今年も男権復興団の一部が邪魔をしに来たことにより、我々の一部の企業に被害が出ております」

 

「………そろそろ本腰を上げてあの組織を潰した方が良いかも知れないわね」

 

「次の議題についてなのですが………亡国機業が賛同すると言っている例の件です」

 

「確か……アメリカとイスラエルの共同開発の話だったわね………それで、開発している所は特定出来たと言う事ね?」

 

会議の本題である銀の福音の事で会議が始まる。

 

「はい、ですが、我々よりも先に亡国機業が発見した様で」

 

「そんな些細な事はいいわ……それで、亡国機業の方々はなんて言っているの?」

 

「ハッ、向こうの言い方では、試作装置を使い暴走を招き、政府の一部を使ってIS学園の男性操縦者二名に当てさせるとの事です」

 

「………そうすれば、忌々しい男どもを消せると言う事ね………良いわ。向こうの言う通りに進めなさい」

 

「総統、宜しいでしょうか?」

 

一人の女性が挙手をして、発言の許可を求める。

 

「良いわ。発言しなさい」

 

「ありがとうございます……男性操縦者の一人にブリュンヒルデの弟がいますが……それも消すのですか?」

 

この女性が言いたいのは一夏の事である。だが、総統は下らなさそうに答える。

 

「何を当たり前のことを言っているのですか? ブリュンヒルデは我々が崇めている神に近いお人です。そのお人に弟なんて存在しないのです」

 

「………失礼しました」

 

女性は謝って席へと座る。

 

「では、亡国機業の言う通りに行う様に………今日の会議はお終いよ。定時だから、皆さん、帰りなさい」

 

女権団と言えど、労働基準法はしっかりと守っている様子で、定時が設けられていたのであった。

 

「さぁ、アメリカにイスラエル……我々の為に踊りなさい」

 

総統はそう言って席を立つのであった。




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