IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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サクサクと進むぞ⁉ シリアスが……シリアスが‼

時間を飛ばします。


第四十七話

翌日、龍聖達は臨海学校二日目に入った。二日目は、国家代表候補生並びに専用機持ちは一ヵ所に集まり、国から送られてきた専用パッケージのデータ取りが行われていた。他の生徒は訓練機を使い、機体の整備などの授業を行っている。

そして、龍聖を含む専用機持ちが一ヵ所に集まっていた。

 

「これで一年生の専用機持ち全員だな」

 

千冬は専用機持ちの生徒達を見回した。

現在、IS学園で専用機を所有しているのは、イギリス代表候補生、セシリア・オルコット。フランス代表候補生、シャルロット・デュノア。中国代表候補生、鳳鈴音。日本代表候補生、更識簪。ドイツ代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒ。国際IS委員会日本支部代表、黒崎龍聖。そして、篠ノ之束の妹であり身を護る為に支給されている篠ノ之箒。第二の男性操縦者としてデータ取りにされている織斑一夏の計八人である。

 

「それで、織斑先生。僕たちの支給されたパッケージはどこにあるんですか?」

 

「まぁ、そう焦るな。今日は特別講師を呼んでいる………出てこい‼ 束‼」

 

『え⁉』

 

「はいは~い‼」

 

千冬が呼んだのは世界が血眼に探している篠ノ之束であった。

束は崖上から身を出すと、そのまま大ジャンプし某怪盗3世のダイブを千冬にしようとしたが、呆気無く顔面を掴まれそのまま海の方へと投げられたのである。

だが、この天災はそんじゃそこらの人間とは違う。細胞一つ一つが超人化していたのである。その為、水しぶきを上げた海だったが、千冬の後ろに束の姿があったのである。

 

「もう、ちーちゃん‼ いきなり投げるなんてヒドイじゃないか‼ プンプン!」

 

「………貴様が下らない事をしなければ済む話だ………時間が惜しい。自己紹介をしろ」

 

「えー、めんどいn「やれ」はいはい。じゃぁ、さっそく………はぁい‼ 天災篠ノ之束様だよ‼ 恐れ入れ‼」

 

束の自己紹介に頭を抱える千冬。また、箒もまた頭を抱えていたのであった。

 

「そ、それで……篠ノ之博士が私たちの特別講師に?」

 

「そうだね~、先に言っておくけど………君たちの名前を覚える気はないよ。私はね、気に入った人間にだけしか興味が無いんだ。だけど、ちーちゃんがどうしてもって言うから来てやったんだ。有難く思えよ」

 

束は先ほどまでとは打って違った態度で言葉を発した。

 

「………さっさとお前の目的を果たせ」

 

「うん‼ では、者ども、上をご覧あれ‼」

 

束に言われ全員が上を見上げると、何かが降って来た。いや、正確には堕ちて来た。が正しいであろう。その正体は、菱形で固められた箱であった。

 

「箱……?」

 

「では、ご開帳‼ これぞ箒ちゃんの新たな専用機‼ その名も紅椿‼」

 

「紅……椿………」

 

箱から出てきたのは全身が紅色に染められたISであった。

 

「因みに、この紅椿を製作するにあたって、日本支部からの依頼でもあるんだよね……世代の事は言われなかったから、第四世代にしちゃったけど」

 

「束‼ やり過ぎるなと言っただろう‼」

 

束の呟きを耳にした千冬が迫るが、束はどこ吹く風で流していた。

 

「まぁまぁ、睦月さんからの依頼だし、私個人も箒ちゃんにちゃんとした専用機が必要だと思ってたからね。だからこそ、最高のスペックを作り上げたのだ‼」

 

束はそう言うとリモコンを取り出しボタンを押すと、小さく纏められていた紅椿が展開され、箒が搭乗出来る形に変形した。

 

「さぁ、箒ちゃん。今からフィッティングとパーソラナイズを始めようか‼」

 

「勝手に話を進めるな、束」

 

「………姉さん。申し訳ありませんが、紅椿を受け取る気はありません」

 

『ええぇぇぇぇぇぇぇっ⁉』

 

箒の一言にその場の全員が驚いた。

 

「だ、だって、箒‼ 第四世代機だよ‼ 受取らないって、どういうことなの⁉」

 

「そ、そうだよ‼ 又のないチャンスなんだよ‼」

 

鈴とシャルロットが詰め寄った。

 

「………私には強すぎる力だ……それに、まだ私は……」

 

「ふぅ~ん……箒ちゃんも成長した……と言う事なんだね………でもね、箒ちゃん」

 

束は真剣な表情に変わる。

 

「君が思う程、世界は優しくないんだよ。君は絶対に紅椿を手にすることになる。これだけは忘れないでね」

 

「…………はい」

 

束の見た事も無い表情に箒は驚きながらも返事をする。

 

「それじゃ、もう一つ。龍君。はい、これ」

 

「これは?」

 

束は龍聖にUSBメモリーを手渡した。

 

「これは、睦月さんから預かって来た君専用のパッケージ。先日、黒崎重工が開発終了したのを私が預かって来たのだよ」

 

「はぁ………」

 

龍聖は手渡されたUSBメモリーを斑鳩に接続した。その瞬間、斑鳩が勝手に展開され背部には見慣れない物が装着されていた。

 

「パッケージの説明をするね。斑鳩に装着されているのは斑鳩専用パッケージ“鵲”。武装は多目的4セルミサイル発射機に試製無線式誘導盾シールド・ドラグーン、試製レールガンだよ。特出したものと言えば、小型のシールドエネルギー発生装置が装着されている事かな。だけど、メリットだけじゃない、デメリットとして速力が現行の第三世代機よりは劣る位かな」

 

「鵲………」

 

龍聖は鵲が装着された斑鳩を見ていた。

 

「(ヒナ、聞こえるか?)」

 

≪(はい、マスター)≫

 

龍聖は秘匿通信を使いコア人格であるヒナと会話をする。

 

「(機体の制動に問題は無いか?)」

 

≪(大丈夫です。でも……)≫

 

「(何か問題でも?)」

 

≪(いえ、大丈夫です。私の勘違いかも知れません[マスター、すみません、本当は新たな人格が生まれる可能性があるんです]≫

 

ヒナはコア内部にもう一人の人格が生まれそうなのに気づいていたが、龍聖に報告をしなかったのである。

 

「織斑先生‼ 大変です‼」

 

すると、真耶がタブレットを持って走って来る。その表情は切羽詰まったものであった。

 

「どうした!」

 

「これを‼」

 

真耶はタブレットを千冬に見せた。

 

「………テスト起動は終了だ‼ すぐに旅館に戻れ‼」

 

ピピピピ

 

「すみません、自分のです。はい、黒崎です」

 

龍聖が持っている天照隊に支給されている携帯が鳴り、龍聖が出ると相手は睦月であった。

 

『黒崎隊長。緊急事態だ』

 

睦月の声はいつにもなく真剣であった。

 

「はい、はい………解りました。それで、いつ頃の………了解しました。学園と協力して当たります。はい」

 

龍聖は通話を切ると、千冬に告げた。

 

「現時刻を持って、国際IS委員会日本支部所属、対IS部隊天照隊が指揮を執ることになりました」

 

「なに⁉ だが、学園から何も通達されていないぞ」

 

「間も無く通達があるかと」

 

龍聖が言う様に、千冬の持つタブレットに通達があり、内容は龍聖が言った事と同じ内容であった。

 

「本作戦に関して、天照隊が集合する事になりましたので、この海岸を使わせて頂きます」

 

「だが、どうやってここまでくると言うのだ? まさかとは思うが飛んで来るとは言わないだろうな?」

 

「流石にIS委員会が条約を破るなんてことはしませんよ……と言ってたら来たようですね」

 

龍聖が海の方を見ると、一隻の潜水艦が浮上してきたのである。その潜水艦はどの国家にも属さない、否、建造されていない潜水艦であった。

 

「あれが、国際IS委員会日本支部が誇る水中用輸送艦。ボズゴロフ級潜水母艦です」

 

日本支部は空母を建造する事が決まる前までは、この潜水艦を使用していたのである。その為、建造が完了していない空母の代わりに、この潜水艦が派遣されたのである。

すると、ボズゴロフ級潜水母艦の上部甲板から七機のISがせり上がってきた。その機体は雲雀や雷鳥とは違った機体であった。

 

「もう、開発が終わってたのか………」

 

龍聖は知っているが、他のメンバーは知らされていない事だったので驚いていた。

 

「黒崎、どういう事なのか説明しろ」

 

「良いですけど、部隊が揃ってからでも良いですか?」

 

「…………構わん」

 

千冬は龍聖の口振りからして何かを知っていると感じ取り、問い質したが、龍聖は後回しにしたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

「天照隊、総勢7名。欠員無し。隊長、揃いました」

 

副隊長である黒柳節子は敬礼をしながら龍聖に報告をすると、残りのメンバーも揃って敬礼をした。

 

「確認した。これより、本作戦の内容を説明する」

 

旅館の一室を使って設置された作戦本部に龍聖を始め天照隊とIS学園の一年の専用機持ちが集まっていた。

 

「本作戦については、国際IS委員会アメリカ支部並びに日本支部からの正式な命令で動くことになる。よって、生徒達には周辺の海域にて警戒任務に就いてもらう。織斑先生、宜しいですね?」

 

「ああ、構わん。元々、そのつもりで動く気だったからな」

 

龍聖は一夏たちに海域の警戒をしてもらう事を千冬に伝えると、千冬も同じ考えを持っていたのかすぐに承諾したのである。

 

「次に、目標について説明する。まず初めに機体からだ」

 

龍聖がそう言うとモニターが切り替わり、一機のISが表示される。

 

「この機体はアメリカとイスラエルが共同で開発した軍事用ISだ。機体名はシルバリオ・ゴスペル。通称、福音はアメリカとイスラエルからの情報では無人機となっているが、実際は有人機だ。情報源はアメリカ支部だ」

 

「待て、黒崎‼ アメリカとアメリカ支部の違いはなんだ」

 

千冬は疑問に感じたのである。アメリカとアメリカ本土に支部を持つアメリカ支部の違いを。二つとも同じように聞こえるが、実際は違う組織なのである。

 

「織斑先生、簡単な事です。アメリカは国として動き、アメリカ支部は世界の為に動く。これだけの違いですよ」

 

龍聖はそう言って作戦内容の説明に入るのであった。




誤字脱字、感想、指摘、質問等あればどしどし送って下さい‼

次回予告~

国際IS委員会日本支部所属対IS部隊“天照隊”はアメリカとイスラエル共同開発軍用機“銀の福音”の撃墜作戦、ゴスペルダウンを発動した。
だが、亡国機業のもう一つの実行部隊“黒顎隊(ブラック・ナイツ)”が動き出していた‼

次回、インフィニット・ストラトス~騎士の物語~第四十八話

騎士、堕ちる

覚醒せよ、斑鳩‼

IS学園でユニットを組んでほしいか

  • やってほしい‼
  • やる必要なし
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