IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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第五十一話

海岸には龍聖の新たな剣である“マガツ・イカルガ”が出現した。

 

「さて、行くぞ‼」

 

龍聖はそう言うと、天照隊の副隊長である黒柳節子と共に一夏たちと天照隊のメンバーの救援へと向かう為、機体の推進力を最大まで上げる。

 

「黒柳副隊長、遅れるなよ」

 

「ハッ‼」

 

二人はそう言うと、機体を前進させる。元々、鵲を装着していた斑鳩の速度は第三世代機より劣っており、第二世代型と同等であったが、マガツ・イカルガはそうではなかった。

第三世代機よりも速度が速く、またパッケージ換装を必要としない機体に仕上がっていると言う事もあり、世代としては第四世代型と言っても過言では無かったのである。

二機の姿は瞬く間に米粒よりも小さな姿になって行った。

 

「龍聖………」

 

真姫は龍聖の身を案じ、手を組み見送るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を一夏たちと天照隊が出撃した頃まで戻す。

 

「ほな、部隊の説明をするで」

 

そう切り出したのは天照隊の三番機である東條朱里である。

 

「まず初めに、福音に対してはドイツ支部所属のラウラ・ボーデヴィッヒさんにやってもらいます。僚機にはシャルロット・デュノアさん、鳳鈴音さん、セシリア・オルコットさん、織斑一夏君、篠ノ之箒さんの以上六名で、未確認部隊に関してはうちら、天照隊が担当する事になります」

 

「質問宜しいでしょうか?」

 

朱里の説明に手を上げたのはラウラである。

 

「どうぞ」

 

「ありがとうございます。まず初めに福音はセカンドシフトしたと聞いていますが、詳細などのデータはあるのでしょうか?」

 

ラウラはどこで知ったのか、福音が龍聖との戦闘でセカンドシフトした事を知っていたのである。この事には天照隊のメンバーも驚いていたが、すぐに表情を引き締めると、一つのデータを一夏たちに転送する。

 

「これって…………」

 

「初めの頃よりも武装が強化されている………」

 

ラウラとシャルロットは、事前にもらっていたデータと擦り合わせていたが、どの数値も最初に教えてもらったデータよりも強力になっていた。

 

「………それでも」

 

ラウラとシャルロットの言葉に鈴やセシリアは戦いていたが、一夏はそうではなかった。一夏の瞳には確かな炎が宿っていたのである。

 

「それでも、俺達はやらなくちゃいけないんだ………龍聖の為にも」

 

「………そうですわね」

 

「ええ、そうね」

 

「ああ‼」

 

「……そうだな」

 

「そうだね」

 

一夏の言葉にセシリアたちも確かな炎を瞳に宿し始める。

 

「さて、こっから本題や」

 

一夏たちの瞳に炎が宿るのを見つめる朱里は、もう一つのデータを表示する。

 

「………これって、カルディトーレに似ている………?」

 

「いや、似ているも何も、カルディトーレそのものを丸パクリした機体じゃない」

 

黒顎隊(ブラック・ナイツ)のデータを見た一夏たちの感想である。

 

「まだ、機体名については入手する事は叶わなかったけど………この機体は黒崎重工から奪取された第三世代型試作量産機のデータが使われているの………これを見て」

 

朱里はそう言うと、カルディトーレ並びにテレスターレの情報を開示する。

 

「このデータは?」

 

「天照隊が導入した機体のデータ一覧や」

 

『⁉』

 

朱里の言葉に一夏たちは驚く。まだどの世界にも発表されていないと勘違いされていたからである。

 

「勘違いせんといて……既に各支部にはデータが渡っているから」

 

「え? それって、大丈夫なんですか?」

 

シャルロットの言葉は尤もである。確かに各支部に開示されているデータだが、まだ世界に対して発表されたデータではないのである。国家代表候補生である鈴とセシリアはこのデータを国に持ち帰ることが出来ると言う事であるが、朱里は首を横に振る。

 

「一つだけ言っとくとな………この機体を開発するには黒崎重工からのデータが必要なんや」

 

「それって、どう言う事です? 確かに大元である黒崎重工からのデータが必要だと思いますが………このテレスターレは作ることが出来るんじゃないんですか?」

 

「…………」

 

セシリアの言葉に朱里達天照隊のメンバーは口を閉ざした。

 

「………確かにオルコットさんが言うのは尤もや……せやけどな、テレスターレとカルディトーレには大きな違いがあるんや」

 

「すみません、解りません」

 

朱里の言葉の意味が出来ず、セシリアは降参する。

 

「二機の違いは操縦者に対する補助システムが搭載されているかの違いや」

 

「それこそ、意味が解らないわ‼ 補助システムが無くても操るk「それが出来ないんよ………それはここにいる天照隊のメンバーが証明するわ」………どう言う事ですか?」

 

鈴の言葉を遮ったのは天照隊の五番機である島田瑠美であった。

 

「私達は先行導入されたテレスターレの完熟訓練に参加したんだけど………」

 

「誰も機体を満足に扱う事が出来なかったのよ………もしかしたら、隊長でも扱えるか疑問だわ」

 

『えっ⁉』

 

瑠美の言葉に一夏たちは驚く。

 

「……今はそんな話をする為に集まっているんじゃないだろう?」

 

「それもそうやね………」

 

天照隊三番機の天龍の言葉に朱里は頷く。

 

「この未確認部隊に関しては、うちらに任せて欲しい。その代わり、織斑君達には福音を任せたい。良い?」

 

「解りました‼」

 

朱里は一夏の返事を聞き、頷いた。

 

「それじゃ、行きましょうか」

 

『はい‼』

 

一夏たちは返事をすると、福音と未確認部隊の元へと出撃していくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「福音の状態はどうなっているの?」

 

「現在、活動停止してこちらからのアクセスも受け付けません」

 

「そう………チッ、これなら解凍システムを持ってくるべきだった」

 

福音の周りには亡国機業のもう一つの実行部隊である黒顎隊(ブラック・ナイツ)の隊員が集結していた。その中で一人が福音に近づき、コード類を接続しようとしたが見えないバリアの様なもので受け付けなかったのである。

 

「隊長‼」

 

「どうかしたの?」

 

すると、一人の隊員がセンサーに熱源反応がある事を伝える。

 

「数と識別コードは?」

 

「数は11。識別コードは………日本支部所属天照隊が5にIS学園所属が6です‼」

 

「そう………総員、傾注‼」

 

隊長と呼ばれた女性の声に全員が反応する。

 

「現在、こちらに向かって来ている勢力がいるわ………良いか‼ ここからは我らの独壇場となるぞ‼ 抜かるな‼」

 

『ハッ‼』

 

隊長の表情は戦闘狂そのものの表情に切り替わった。

 

「さぁ、奴らに目にものを見せてやれ」

 

隊長はそう言うとバイザーから見える口は三日月の様に嗤っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵部隊並びに福音を視認‼ 敵部隊、散開‼」

 

「チッ、奴らも一筋縄でいかねぇと言う事か………朱里、やるぞ‼」

 

「ええ、織斑君たちは作戦を開始して‼」

 

『はい‼』

 

朱里達天照隊は先行し、黒顎隊(ブラック・ナイツ)との戦闘に突入したのである。

 

 

 

 

「天照隊の皆さんと戦争が出来て光栄ですよっと‼」

 

「貴女達の目的は何ですか‼」

 

「私たちの目的? 決まってるじゃない……亡国機業が世界を執る為に動いているのよ。この作戦もその一つ、と言う事よ‼」

 

黒顎隊(ブラック・ナイツ)の隊長と朱里は、お互いの持ち味である中距離を保ちながら戦闘していた。

 

「その機体……まさか、黒崎重工から奪取された機体を使っているの‼」

 

「そりゃ当り前じゃねぇか‼ 奪取した機体の解析をして、亡国機業オリジナルに作り上げたのさ。機体名はティラントー。まぁ、補助システムも搭載しているしね‼」

 

「なんですって⁉ あのシステムは黒崎重工だけが保有している情報よ‼ まさか‼」

 

「その通りさ、黒崎重工にスパイを潜り込ませ、システムの情報を奪取する時に頂いたのさ‼」

 

「クッ‼」

 

ティラントーと呼ばれた機体のバックパックには大型カノンが搭載されていた。その攻撃に朱里は翻弄されていたのである。

 

「ティラントーはオリジナルであるカルディトーレやテレスターレの様に貧弱じゃないのさ‼ 大型武装を搭載できるように改良されている………だから、こういう事も出来るのさ‼」

 

そう言うと黒顎隊(ブラック・ナイツ)の隊長はティラントーのバックパックに大型カノンともう一つの装置を量子変換した。

 

「ま、まさか⁉」

 

「その通り、この武装はどの国も開発できなかった………シールドエネルギーを無効化させるジャミングを発生させることが出来るんだよ‼」

 

「それじゃ、貴女達の機体も……ハッ⁉」

 

朱里は気付いたのである。ジャミングを出すことが出来ても、大元であるティラントーが動かなくなっては本末転倒。だからこそ、ジャミングを遮断する装置が取り付けられている事に。

 

「だから、この機体は大型化しているのさ‼ さぁ、ここでお前たちは終わりだ」

 

そう言うと黒顎隊(ブラック・ナイツ)の隊長はジャミングを起動させた。

 

 

 

 

 

その頃、一夏たちは福音に対して攻撃を仕掛けていた。

 

「シャルロット、行くぞ‼」

 

「うん‼」

 

ラウラとシャルロットの二人は、国から送られてきたパッケージを装着していた。一夏と箒以外の機体も同じく、パッケージが装着されていた。

 

「C&L‼ 中距離殲滅コンビネーション」

 

「ブラスト・カラミティー」

 

「「ファイヤ‼」」

 

二人が持つ武装は、ドイツ支部とフランス支部が共同で開発されたもので、シャルロットが長距離支援用大型カノン“インパルス”、ラウラが中距離支援用中型カノン“ストーム”を持っていた。

二人が放った砲撃は見事、福音に直撃した。これにより、福音を纏っていたバリアが壊され、眠りについていた福音が目覚めたのである。

 

「次、鈴‼ セシリア‼」

 

シャルロットはインパルスの強制排熱の影響で、暫しの間、戦闘に参加できない為、指示を出していた。実質、この部隊の指揮を任されているのはラウラではなくシャルロットなのである。

 

「行くわよ、セシリア‼」

 

「はい‼」

 

中距離の鈴と遠距離のセシリアのタッグは、ある意味で最強と言える。鈴は甲龍(シェンロン)のパッケージである崩山(ほうざん)は龍咆が二つから四つに増えており、砲弾自体も炎を纏いつつ拡散能力を持った砲弾に変わっていたのである。

また、セシリアも同様にブルー・ティアーズにパッケージ“ストライク・ガンナー”が装着されていた。主要武装であるBT兵器は使えないが、スターライトからロングスナイパー・レーザーライフル“スターダスト・シューター”に変わっていた。一見すると強化と言うよりも劣化している様に見えるが、そうではない。BT兵器をオミットする代わりにスラスターに変換させ、高速機動が出来る様になっており、スターダスト・シューターも以前のスターライトの強化版で威力が上がっている為、強化されていると言えるのである。

 

「行きなさい‼ 龍咆‼」

 

「撃ち抜きます‼」

 

二人の攻撃は福音の動きを封じることが出来たのである。

 

「一夏‼ 箒‼」

 

シャルロットは一夏と箒に最後の攻撃を任せていた。

 

「行くぞ、箒‼」

 

「ああ‼ これで終わりだ。福音‼」

 

一夏は白式の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティー)“零落白夜”が発動させた。箒は一夏の援護をする為、紅姫に搭載されている対装甲振動ブレードと対装甲レーザーソードを手に持ち、先行する。箒は巧みな攻撃で銀の福音から放たれる攻撃を一夏に当たらない様に弾いていた。それこそまさに騎士の様に見えてしまう程である。そして、箒は一夏の距離に福音が迫った瞬間、回避運動を取り一夏の邪魔にならないようにすると、一夏は雪片弐型を福音に当てようとした。

その瞬間であった。

 

「その攻撃は流石に拙いわね」

 

「え?」

 

誰のものでもない第三者の声がした瞬間、一夏はあり得ない物を見てしまった。そして箒達もまた有り得ない物を見てしまった。

 

 

 

 

いつの間にか雪片弐型の刀身が切断されて前半分が宙を舞っていたのである。

 

そして、それをした人物は朱里達が見せた機体でもカルディトーレでもテレスターレでもない新たな機体であった。

 

「堕ちなさい、白い騎士様」

 

「ガァァァァァァァッ‼」

 

「い、一夏ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

一夏は第三者の介入によって機体を切り裂かれそのまま海の中へと落ちて行ってしまう。箒はすぐに一夏の救出に向かおうとしたが、それを許す者はいなかった。

 

「邪魔者は………排除する………」

 

「………その機体は………‼」

 

セシリアたちの前に現れたのはMだったからである。




誤字脱字、感想、指摘、質問等ありましたら、どしどし送って下さい‼




次回予告

一夏は謎のISの攻撃により、撃墜されてしまった。そして、新たな介入者によってIS学園組、そして天照隊は追い込まれてしまう。
だが、その時――――――

次回、インフィニット・ストラトス~騎士の物語~第五十二話

「新たな力」

切り開け‼ 白式・雪華‼


機体設定を追加しました。

IS学園でユニットを組んでほしいか

  • やってほしい‼
  • やる必要なし
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