IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語 作:武御雷参型
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旅館の一室には龍聖が横になっていた。あの後、亡国機業の実行部隊を二つの撤退を見逃した後、気を失ってしまった龍聖であったが、副隊長である節子のお陰で海に叩きつけられることなく旅館へと戻ったのである。
そんな龍聖の姿を見て真姫は取り乱しそうになるが、千冬と睦月の的確な指示で旅館の一室に運び込まれた龍聖であったが、その日の夜には目を覚ましていた。だが、大事を取って大広間には行かず、部屋での食事を余儀なくされていた。
「はい、龍聖。あーん」
「………自分で食べられるんだが…………」
「…………」
「解ったから‼ そんな顔をしないでくれ⁉」
真姫の泣きそうな表情を見て龍聖は観念して口を開けて、真姫からの“アーん”を受けていた。龍聖、今すぐそこを代われ‼
おっと、誰かが来たようだ………あれ? アディさんにエル君? なんでラーフフィストとドラグーン・ナイトが俺の周りを周回しているんですかね?
≪……作者さん………≫
≪僕たちはマスターを護る為ならば鬼でも悪魔にでもなりますよ?≫
…………サラダバー‼
≪≪逃がしません‼≫≫
あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼‼‼
「………作者が逝ったな」
「何を言っているの?」
「気にするな。俺は気にしない」
「イミワカンナイ」
龍聖は電波を受け取ったようだが、気にするな。さて、真面目にナレーションをしよう。
「ところで真姫。その食事は旅館からか?」
「………違うわ」
「へ?」
真姫が龍聖に食べさせているのは、体調が悪い時などに食べるおじやであった。このおじや。実は真姫が旅館に無理を承知で頼み込み作った愛のなせる龍聖の為の食事なのである。
「…………真姫、すまない」
「それは、何を目的とした謝罪なのかしら?」
龍聖は徐に真姫に頭を下げた。真姫は龍聖がなぜ 自分に謝罪をするのか解っていたが、龍聖の口から直接聞きたかったので、確認をした。
「いや……その………まぁ、色々とだな」
「…………ホントよ、バカ」
真姫は器を持つ手が知らないうちに力が入っていた。
「ホントに………無事で………良かった…………」
「…………真姫…………」
真姫は器を置くと龍聖の胸の中に飛び込み、涙を流した。龍聖が以前に“どんな事があっても真姫の元へ帰って来る”と言う言葉があったが、真姫としては無事な姿で見たかったのである。だが、福音事件で亡国機業の実行部隊の攻撃によって斑鳩が大破し、龍聖自身も危険な状態に陥った事もあり、真姫は龍聖の無事な姿に涙を流していたのである。
「………俺さ一つ考えている事があるんだ」
真姫の頭を撫でながら龍聖は話し出した。
「俺さ……一旦、部隊を抜けるつもりでいる」
「え?」
真姫はまさか龍聖が天照隊を抜ける事に驚いていた。
「いや、本当はこのまま部隊に居ようと思ったんだが…………いつ何が起きるか判らないじゃないか……だから、一旦、天照隊を抜けて普通の生活をしようと思うんだ。あっ、でもIS学園には通うつもりだぞ」
「…………私は………」
真姫はまさか龍聖がそんな事を言うとは思わなかったので驚いていた。だからこそ、なんて声を掛ければいいのか判らなかったのである。
「……真姫、俺は天照隊を抜けると言っても一時的なものだから、最終的には戻る事になる。だけど、今度こそは絶対に無事な姿で真姫の元に帰って来る。その為にも初心に戻ろうと思うんだ」
「うん………」
「俺はミューズのマネージャーでもあるんだから……そっちの方も専念しないといけない……流石に二足の草鞋は俺でも出来ないからな」
「そうね………解ったわ。貴方の決意は」
真姫も龍聖の決意を応援する事にした。その時であった。部屋の扉が開かれた。
「話は聞かせてもらったよ、黒崎隊長」
「む、睦月さん⁉」
中に入って来たの国際IS委員会日本支部支部局長である山本睦月であった。
「さて、君は一旦部隊を抜けたい……と言うのだね?」
「……はい」
睦月の真剣な表情に龍聖も真剣な表情で返答する。
「……良いだろう。だが、君の力は必要となる日が来る………その日の為に英気を養っておきなさい」
「ハッ‼」
睦月は龍聖の返事を聞くと、そのまま部屋を後にしようとした。
「山本睦月支部局長‼」
「………何かね?」
その時、龍聖は睦月のフルネームを呼んだ。睦月は顔を龍聖の方へと向けず、背中を見せたまま返事をした。
「身勝手なお願いを聞いて下さり、ありがとうございます‼」
「あ、ありがとうございます‼」
龍聖は睦月に感謝の言葉を言うと、真姫も吊られて睦月に感謝した。
「………君は日本支部……いや、世界にとって必要な人物だ………だからこそ、君の要望は全部ではないが叶えたいと思っている………もし、私の力が必要な時は声を掛けたまえ」
睦月はそう言うと今度こそ、部屋を後にした。龍聖は頭を下げたまま顔を上げようとしなかった。
「龍聖………」
真姫は睦月の姿が無くなって顔を上げたが、龍聖はそのままであった。そして、真姫は見てしまった。龍聖の顔の下に僅かな水たまりが出来ていたのだ。
「情けないな…………」
真姫は龍聖の体を抱きしめて、頭を撫でるのであった。
さて、読者の皆さん。お忘れでないだろうか? ある人物の事を…………そう、稀代の天災である篠ノ之束の事を‼
「リューくん‼」
「うおっ⁉」
束は天井から飛び降りると龍聖の前に現れたのである。だが、真姫は驚いている様子が無かった。
「ま、真姫………なんで驚いていないんだ………?」
「私はこうなる事を知っていたからよ………そして、束さんが来たと言う事は………龍聖も解っているわよね?」
「……………ああ」
なぜ束が来た理由を思い出したのである。束は龍聖に結婚を前提に告白をした。だが、龍聖は真姫の事を愛しているから受取れないと言ったが、龍聖は一夫多妻制度が適用されている事もあり、複数の女性と結婚することが出来るのである。だが、龍聖は真姫の事しか愛するつもりが無かった。その為、束は龍聖がいない事を見計らって真姫と接触し、龍聖との婚約の事を話していたのである。
だが、真姫はその事を龍聖に話しておらず、結果については龍聖が帰ってきてからにしようとしていたのである。
「束さん、俺は言いましたよね? 真姫の事しか愛せないから貴女からの告白は受取れないと」
「うん、言ったね………だからね、真姫ちゃんと話をさせてもらったの」
「はぁぁぁ⁉」
まさかの言葉に龍聖は驚いていた。まさか、人嫌いの束が真姫に接触したからである。
「そ、それで………真姫は如何するつもりなんだ?」
「…………」
龍聖としては真姫に断ってほしいと考えていたのである。二人の女性を愛せないと考えていたからである。だが、龍聖の願い虚しく砕かれた。
「私は束さんを婚約者の一人に受け入れようと思っているわ」
「…………」
龍聖は言葉を失ってしまう。まさか、真姫が受け入れると思いもしなかったからである。だが、真姫も何も考えずに束を婚約者の一人に入れた訳では無かった。真姫なりの考えがあっての事であった。
「龍聖、貴方は私一人を愛してくれている事は知っているわ。私もそうして欲しい………だけど、私と貴方の立場が許してはくれないの」
真姫が考えていた事は、真姫自身は一般人でありもしかしたら敵の人質になってしまい、龍聖のお荷物になってしまうと考えていたのである。だからこそ、束を受け入れることによって抑止力として、そして龍聖の立場を護ろうとしたのである。
「私はただの一般人であって、貴方は世界で一人目の男性操縦者……確かにあなたの後ろ盾は強いわ。国際IS委員会日本支部に天照隊……だけど、私の後ろ盾と言えば両親が経営している病院だけ……そうなって来ると、貴方の事を疎ましく思う人からすれば、私は良いカモでしかない。だから、束さんにお願いしたの……私の後ろ盾になってくれるのなら、龍聖の婚約を認めても良いって……あっ、だけど正妻は私だからね」
真姫の決意を聞き、龍聖も確かにそうだと感じていた。龍聖としては真姫の事を護りたいと思っているが、天照隊の隊長をしている為、私情で動くことが出来ないのである。その為、真姫自身、束の後ろ盾を得る代わりに龍聖との婚約を認めたのである。その代わり、正妻は自分である事も伝えていたが、束もそれを認めていたので問題が一つも無いのである。
「…………解った。真姫の決意を聞いて俺が反対出来ない………情けない男ですまない、真姫」
「ううん。私の方こそ、勝手に決めてごめんなさい………貴方を護る為でもあったから」
龍聖は束の方を向くと、頭を下げた。
「………真姫の為と言う理由で婚約をしたくはありません……だからこそ、これからは貴女の事を知りたい。こんな俺ですが、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
こうして龍聖は真姫の他に束と言う強い後ろ盾を得てしまった。同時に、真姫も束と言う最凶の後ろ盾を得るのであった。
翌日、龍聖は西木野真の診察を受け、また、精密検査をした後、帰宅する事が許可された。だが、龍聖はハンヴィーを如何するかで悩んでいたが、睦月が天照隊の隊員の誰かに乗ってもらい、IS学園に送り届けると言った事もあって、龍聖はバスに乗り込んだ。因みに真姫についてだが、真と一緒に帰っていた。
そして、バスに乗り込み後は発車するだけとなった時、バスに一人の女性が乗り込んで来た。
「織斑一夏君はいるかな?」
「えっと、俺ですけど…………」
その女性は一夏の事を探してバスに乗り込んで来たのである。
「へぇ~君が織斑一夏君……ね………」
女性は一夏の顔や体を調べるかのように見回すと、徐に一夏の頬にキスをした。
「ありがと、白い騎士さん」
「え…………」
女性はそう言うと一夏に手を振りながらバスを降りて行った。
「一夏~‼」
「ヒッ⁉」
一夏は頬にキスをされた事に驚いていたのだが、名前を呼ばれ振り向くとそこには般若化した箒の姿があった。
「私と鈴と言う者がありながら、浮気か?」
「い、いや‼ 違う‼」
「何が違うと言うのか、説明してほしいな~」
「ひぃっ⁉」
箒の額には青筋が立っており、顔は笑っているが目が笑っていない。その表情に一夏は情けなく悲鳴を上げた。
「帰ったら、覚えていろ」
箒はそう言うと不貞腐れて席に着いた。一夏は助かったと胸を撫で下ろすが、問題が先延ばしにされた事である事に気付き、顔を青く染めた。
「一夏、ドンマイ」
「なんで笑顔なんだよ‼ 龍聖‼」
人の不幸は見ていて気持ち良いと感じてしまう龍聖であった。
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IS学園でユニットを組んでほしいか
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やってほしい‼
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やる必要なし