IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語 作:武御雷参型
時を少し巻き戻し、龍聖と束が西木野家所有のプライベートビーチに向かっている最中、真姫たちμ'sのメンバーが屋敷で休憩を取っている頃まで遡る。
「そう言えばパパからメールを貰ったんだけど……龍聖がこっちに向かっているそうよ」
『…………はい?』
真姫からのいきなりのカミングアウトに、真姫を除くμ'sのメンバーは固まってしまう。
「ちょっと、真姫ちゃん? それ本当なの?」
確認の為に南ことりが尋ねると、真姫はことりの方を見ずに頷いて答えた。
「ええ、今日から合宿があるって伝えているから、今向かってるって」
真姫はそう言うと、携帯のメールを全員に見せる。
「ほ、ホントだにゃ………」
「ど、どうしよぉ~」
「大丈夫だにゃ‼ かよちんは凛が守るにゃ‼」
「凛ちゃぁん」
星空凛と小泉花陽は百合百合しく抱きしめ合う。
「ちょっと、私は龍聖の部屋の準備をしないといけないから、皆で迎えに行ってきてほしいの」
真姫はそう言うと、返事を聞かずに部屋を後にした。
「ど、どうする………」
「行くしかありません………」
「きっと、大丈夫だよ~」
高坂穂乃果と園田海未はどうしたらいいのか分からずにいたが、南ことりは二人を宥めようとしていた。しかし、それが逆効果だった。
「ことり‼ もしも、襲われたらどうするんですか‼」
海未の言葉にことり以外の全員が強く頷く。
「でも、真姫ちゃんも龍聖君も一途だから、私たちの事を襲う様な事、しないとい思うけどなぁ~」
『た、確かに………』
ことりの言葉になぜか、全員が納得していた。
「それに、私たちを襲ったら………彼の立場が危うくなるのも明確なんだよ?」
『…………』
ことりの言う通りである。龍聖が他の女性に手を出してしまえば、龍聖のこれまでの実績が水の泡になるのが明確であった。まぁ、龍聖はそんな事をする男では無いのだが、龍聖の事を余り知らない皆からすれば、不安になってしまう事は必然である。
「だからさ、何も不安な気持ちでいかなくてもいいと思うけどな~」
ことりの言葉に全員が納得し、龍聖を迎えに行くのであった。
そして…………
「な、なにをしているのですか‼ あなた達は‼」
海未の雷がビーチに落ちるのであった。
その頃、龍聖は束と一緒にビーチへと繋がる階段を降りていたのだが、まだ完全な状態ではない為、束に肩を貸してもらって降りていた。
「そう言えば、真姫が迎えに来るんでしたっけ?」
「その筈だけど………」
階段を降りている最中、龍聖は迎えに誰が来るのか知らずにいた為、束に尋ねるが、束自身も真姫が迎えに来るものだと思っていたのである。
「と言う事は、真姫じゃないかも知れないという事ですね………」
龍聖はもし、真姫じゃない人が迎えに来ても驚かないだろうかと考えていた。そして、考えに夢中になっていた龍聖は階段から足を滑らせてしまう。
「危ない‼」
咄嗟に束が龍聖を庇うかのように、下に潜り込んだお陰か、怪我をせずに済んだ。だがしかし、その態勢が問題だった。束が下に潜るという事は、必然的に龍聖が上になってしまう。そして、案の定、束に覆い被さるような形になってしまう。
「す、すみません‼」
「もう、ダメだよ。ちゃんと降りないと」
束はそう言うと、龍聖の鼻に指を押し当てる。
「また怪我をしたらどうするのさ」
優しく子供に接するかのように諭す束。コイツ、本当に束なのか? 安心してくれ。読者諸君。束本人である。
「さ、そろそろ迎えが来る頃だとおもうんだけ……ど………」
束が辺りを見渡すとそこには、木影からこちらを見ている複数人の姿があった。
すると、一人の女性が束と龍聖の方へと歩いていき………
「な、何をしているんですか‼ あなた達は‼」
冒頭に戻るのである。
「何って、龍君が転びそうになったから助けただけど………君たちこそ、誰なの?」
束は親しい人だけに見せる顔から、いつもの見知らぬ人に対する表情へと変貌する。
「わ、私たちは西木野真姫さんから黒崎さんを迎えに来た者です‼ あなたこそ、誰なんですか‼」
感情に任せて言ったのであろう、穂乃果は叫ぶように束に言う。束は一瞬だが驚いた表情になるが、すぐにその表情は戻る。
「ふ~ん、君たちが真姫ちゃんの………なんで真姫ちゃんはここに来てないのかな?」
束は表情を変えないまま、穂乃果たちを問質した。
「真姫は彼の部屋を準備する為に、ここに来ていません。なんでしたら、確かめてもらっても構いません」
「ふ~ん……」
海未の言葉を受け、束は真姫に電話を入れる。
「あっ、真姫ちゃん。束さんだよ‼ うんうん、実はね龍君、まだ本調子じゃないし監視役として私が就くことになったんだけどさ………そうそう………じゃぁ、目の前にいる子たちは真姫ちゃんのお友達として認識していいんだね? はーい、まったね~」
束は携帯を懐に仕舞うと、先ほどとは打って変わって表情を崩した。
「ごめんね~。もしかしたら、龍君に対して色気を使う輩と勘違いしちゃって。真姫ちゃんからの確認も取れた事だし、改めて自己紹介をするね‼ 私は天災の篠ノ之束さまだ‼」
『え、えぇぇぇぇぇ~⁉』
「?」
束の名前を聞いてμ'sのメンバーは一人を除いて驚きを隠せず、叫び声をあげてしまう。そして、束は最大の爆弾を投下した。
「そして、真姫ちゃんと同じく、龍君の婚約者なのだ! ブイブイ‼」
『……………』
「?」
ここまで来たら驚き様がないのか、固まってしまう。一名を除いて…………
「ねぇ、海未ちゃん。篠ノ之束って誰だっけ?
穂乃果と凛である。まぁ、大体の見当はついているが………
「ほ、穂乃果⁉ それは本当に言っているのですか⁉ ボケとかじゃないですよね⁉」
海未は束の事を知らない穂乃果の事を信じられないといった感じで見ていた。
「ほ、穂乃果ちゃん……中学校で習ったでしょ……ほら、ISを作った博士だって」
「うーんとね…………忘れちゃった」
「穂乃果ぁぁぁぁぁぁ‼」
「わ、わぁぁぁ⁉ 海未ちゃんが怒った⁉」
穂乃果は海未が怒り始めた事に驚き、逃げだした。海未は怒り心頭でそんな穂乃果を追いかけ始めるのであった。
「今度という今度は、限度を超えています‼ 練習の合間の休憩時間を使って、勉強です‼」
「勉強はいやだぁぁぁぁぁぁ‼」
夏のビーチに二人の女子高生の追いかけっこが始まったのであった。
結局、穂乃果は海未に捕まり、首元を掴まれて龍聖と束と合流した後、真姫が待っている別荘へと向かう事になった。
「やっと来たわね……って、束さん⁉」
別荘の扉が開き、龍聖と他のメンバーが入ってくると思っていた真姫だったが、龍聖の隣に束がいることに驚いていた。
「にゃはは! サプライズ成功‼」
何処から出したのか判らないが、束の手にはドッキリ大成功と書かれたプラカードを掲げていたのである。
「実はね~、真姫ちゃんのお父さんと睦月さんに頼んで、一緒に行くことを黙っていてもらったんだ」
束はどこか恥ずかしそうに頬を赤く染め、真姫に説明した。
「そうなんですか………でも、部屋が一つしか……」
「そこら辺は大丈夫‼ 龍君と一緒に寝るから‼」
「ちょっ⁉」
「………るい………」
真姫は龍聖一人分の部屋しか用意していなかったので、束の部屋をどうするか考えようとしたが、束は龍聖と一緒に寝ると言い出した。これには、龍聖も驚き、真姫は小声で何かを言っていた。
「ま、真姫? どうしたんだ………?」
「ずるいわ‼ 私も一緒にアンタと寝る‼」
「はぁぁぁぁぁぁ⁉」
真姫は束が龍聖と一緒に寝るんだったら、自分も一緒に寝ると言い出したのである。しかし、そこで待ったをかけた人物がいた。
「ちょっと、待ちなさい‼ 真姫、アンタアイドルとして男と一緒に寝るなんてさs「にこは黙ってて」はい」
しかし、真姫の絶対零度に近い視線と声色を浴びせられた、にこは撃沈することとなった。
「は、破廉恥です‼ 私が許しません‼」
「海未………?」
「…………ナンデモアリマセン」
海未も反対したが、真姫の視線で人を殺せるんじゃないかと感じられる程の一睨みで、海未さえも撃沈する結果となった。
「生徒会長として、許さないわよ真姫」
「……………」
「エリーチカ、お家帰る」
「え、絵里ちゃんが壊れた⁉」
生徒会長である絵里も反対をしたが、真姫は何も言わずに絵里を見ると、絵里は幼児化してしまった。この真姫、色々とキャラがぶっ壊れたようである。
こうして真姫は束と一緒に龍聖と寝る権利を得たのであった。
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R3.10/29 パソコンの変換ミスでμ'sをミューズと表記していましたので、修正しました。
IS学園でユニットを組んでほしいか
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やってほしい‼
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やる必要なし