IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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皆様、お待たせ致しました。漸く書き上げれたので投稿いたします。


第六十六話

一夏達と離れた龍聖は、携帯を懐から取り出し真姫からの電話に出る。

 

「どうかしたのか?」

 

『いや、怪我が治っていないのにも関わらず、戻った龍聖の事を心配してね』

 

真姫の言葉に龍聖は心配を掛けてしまったと罪悪感を覚える。

 

「まぁ、激しい運動をしている訳でもないし、傷口が開くことはないぞ」

 

龍聖は真姫にこれ以上の心配を掛けない為にも、今の現状を伝える。

 

『まぁ、そう言う事なら…』

 

真姫も真姫で龍聖がそう言うのならと納得していた。

 

「それで、他にも要件があったんじゃないのか?」

 

『そうだったわ。夏の合宿の時の写真が出来上がったんだけど』

 

「そうか、出来たのか………一旦、真姫が預かっていてくれ。その内に取りに行くから」

 

『………判ったわ』

 

その後、雑談を暫くして電話を切ると、一夏達の元へと戻ろうとした。すると、龍聖の名前を呼ぶ声がした。龍聖は声のする方を見ると、睦月が立っていた。

 

「やぁ、龍聖君。怪我の具合はどうかな?」

 

「幸いなことに完治に向かっています」

 

「それで、彼女の件は?」

 

「首尾はうまくいきましたが、これからですね」

 

睦月と龍聖が言う彼女というのは蘭の事であった。蘭の処遇に関しては一時的に天照隊預かりではあるが、実際は浮いている状態なのである。

 

「機体の譲渡は完了しているのだろう?」

 

「ええ、先ほど完了しました。これから昼食を摂った後に、訓練場にて機体の操作に慣れてもらう訓練をしようかと考えていました」

 

龍聖からの説明に睦月は頷くと、一枚の用紙を龍聖に渡した。

 

「これは…………ッ⁉」

 

睦月から渡された用紙に目を通した龍聖は驚きの余り睦月に顔を見る。

 

「例の彼女も既に目を覚ましている。だが、記憶が曖昧で自分の事は解っていても、これまで自分が何をしてきたのかまでは朧気だそうだ」

 

「………やはり、副作用の影響…と言う事ですか?」

 

龍聖からの質問に睦月は頷く。

 

「やはり、あの組織は壊滅に追い込んだ方がいいのかも知れませんね」

 

「全く持ってその通りだ。それで、近々、日本支部が建造している新造艦を天照隊専属艦として登録することが決まった。現在、三番艦の建造に着手しているが、三番艦については国連の専属艦となる事になっている」

 

「では、その頃に復帰という形で?」

 

龍聖が一時的に部隊から離れているが、新造艦が建造完了と同時に、部隊の復帰も決まった。

 

「それまで君には静養してもらう」

 

「了解しました」

 

睦月からの命令に龍聖は敬礼をして答える。

 

「建造完了後、新造艦と共にIS学園に行ってもらう。これは国際IS委員会各支部の了承を得たものであり、天照隊は日本支部からIS学園所属となる」

 

「了解しました。この事は他の者には?」

 

「既に通達済みだ。そう言えばイカルガはどうなっている?」

 

マガツ・イカルガ。龍聖の唯一無二の専用機であるが、福音事件で第二形態(セカンド・シフト)した事により、日本支部の研究所へ持って行っていたのである。

 

「この後、受領しに行く予定です」

 

龍聖は漸く愛機が戻って来ることに喜びを隠せない様子であった。

 

「なら、軽い運動がてら訓練するのも良いのかも知れないな」

 

「そうですね」

 

「おっと、長くなり過ぎた。すまないね」

 

「いえ、大丈夫です。では、自分はこれで」

 

龍聖は睦月に頭を下げると、今度こそ一夏達の元へと戻っていく。

 

「…………これからが困難だぞ、黒崎隊長」

 

龍聖の背中を見ながら睦月は呟くのであった。その声は誰の耳に入る事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍聖は食堂の中に入ると、既に一夏達は食事をしている最中であった。

 

「すまんな。遅れた」

 

「いや、俺たちも食べ始めた頃だから問題ないぞ」

 

一夏はそう言うがある程度、料理が皿から減っていた。

 

「そう言えば龍聖の機体はいつ戻って来るんだ?」

 

龍聖が食事をしようとした時、一夏から尋ねられる。

 

「この後、取りに行くつもりだ。それから蘭さんの機体の確認とお前たちの訓練してから、俺が訓練することになっている」

 

龍聖の答えに一夏は傷口が開くのではないかと心配するが、龍聖が先に口を開く。

 

「言っておくが、激しい訓練ではない。第二形態(セカンド・シフト)してから少ししか機体を見ていないからな。何がどうなっているのか知る為にも設定内容なんかを見るのと、軽く動かすだけだ」

 

龍聖はそう言うと食事を再開しようとした。だが、それを止める人物が現れる。

 

「あっ、ここに居たんですね。隊長」

 

龍聖に声を掛けてきたのは、天照隊三番機東條朱里であった。

 

「東條さんか。どうかしたか?」

 

「この後に機体を受領して訓練するって聞いたんですが……」

 

「耳が早いな。その通りだ。だが、訓練と言っても軽く機体を動かして問題がないかを確認するだけなんだがな」

 

朱里からの質問に淡々と答える龍聖。一方で朱里は頬を膨らませていた。

 

「簡単に言いますけど、完治したばかりなんですから、無理したらいけませんよ?」

 

「分かっているって。流石にいきなり本調子で機体を動かす気なんてさらさらないけど」

 

「………」

 

龍聖の言葉を一切、信じていない様子の朱里。

 

「そういえば、機体の方はどうだ?」

 

龍聖は話を逸す為、話題を変えた。

 

「あっ、話を有耶無耶にしようとしていますね………はぁ、もういいです。機体の事ですね。ええ、順調に機体にも慣れました。これからそれぞれの機体にあった動き方の訓練をする話になっています」

 

「なら、その訓練を見させてもらう」

 

「隊長直々にですか⁉︎」

 

龍聖の言葉に驚きを隠せない朱里。まさか病み上がりの隊長自らが訓練を見に来るというのだ。仕方がないであろう………たぶん。

 

「まぁ、お前たちの事だから、心配していないのだが、自分の目で見ておかないと、有事の際、指示も出来ないしな」

 

龍聖の言葉は尤もであった。

 

「では、他のメンバーに通達しておきます」

 

朱里はそう言って席を立とうとしたが、龍聖がそれを止めた。

 

「いや、他のメンバーには言わなくていい」

 

龍聖の言葉に朱里は顔を傾げる。

 

「先ほども言ったが、訓練をだらけるといった心配はしていないが、俺がいない時のみんなの訓練風景を一度も見たことがないからな。この際だから、見ておこうと思ってな」

 

龍聖の言葉に朱里は納得する。

 

「では、14時頃から訓練を始めますので」

 

「了解した」

 

朱里は龍聖に訓練時間を伝えると、今度こそ席を立って食堂を後にした。

 

「そういえば、食事をしに来たんじゃないのか?」

 

龍聖の呟きに一夏達は苦笑いをしていると、食堂を後にした朱里が顔を真っ赤に染めて食堂に戻ってきて、龍聖達とは別の席で食事をするのであった。




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