IS(インフィニット・ストラトス)~騎士の物語   作:武御雷参型

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第三話

真姫を助け出した龍聖は、ISを展開したまま、西木野家へと向かった。だが、それが間違いであったとこの時の龍聖は知る由もなかったのである。

 

「ただいま戻りました」

 

「真姫は⁉ 真姫は無事なのかね‼」

 

「ええ、ケガ一つありませんよ」

 

西木野家の庭に下り立った龍聖は、真姫をゆっくりと降ろした。

 

「真姫‼」

 

「真姫ちゃん‼」

 

「パパ、ママ‼」

 

真姫は降り立つと同時に真と美姫の許へと走り、抱き合った。

 

「龍聖君。君は真姫の命の恩人だ……もし、君が困ったことがあればいつでも私たちの許に来なさい」

 

「力になるからね」

 

「はい、ありがとうございます。そう言う事が無い様にはしますが、もし何かあれば頼りにさせていただきます」

 

龍聖はそう言うと機体を量子変換して、大虎たちの許へと戻ろうとした。だが、上空から数機のISが西木野家へと降り立つ。その機体には国際IS委員会のロゴが刻み込まれており、IS委員会直轄の部隊であることが見受けられた。

 

「先ほど、ISの反応がありました。心当たりはありませんか?」

 

先頭に立つ女性は龍聖たちに尋ねた。だが、その目は龍聖だけにしか向いていなかった。

 

「はて、何のことでしょうか? 私達は先ほどまで楽しく団欒をしていましたが?」

 

「嘘をつかないでもらいたい………我々の目の前にいる少年がISを操縦しているところを見ています……もし、言わないというのであれば、あなた方は重罪になりますよ? いいのですか?」

 

「「「「……………」」」」

 

女性の言葉に誰もが返事を出来なかった。

 

「もし、俺が操縦をしていたとなればどうなるのですか?」

 

「………認めるのですね?」

 

「いや、確認です」

 

「それは自己報告となりますよ?」

 

「それで、どうなるんですか? もしかして、俺は研究所に送られて解剖に回されるんですか?」

 

「? 君、勘違いしていないか? 誰もそんなこと言っていないだろう?」

 

「いや、言っていないだけで後々にそういう風にするんじゃないかって思うじゃないですか……それで、どうなるんですか?」

 

「アンタ、いい加減にしなさい‼ 質問に質問を返すのは非常識よ‼ だから、男は嫌いなのよ」

 

「やめなさい、芽衣‼」

 

「ですが‼」

 

「私の言葉が聞けないのですか?」

 

「うぐっ………申し訳ありません」

 

龍聖の質問にイラついた一人の女性が龍聖に怒鳴るが、先頭に立っていた女性が咎める。

 

「すまないね……彼女、男性に良い思い出がないからね」

 

「隊長⁉」

 

まるで、コントの様な一幕であった。だが、先頭に立つ隊長格の女性は真剣な眼差しに代わり、龍聖を見つめる。

 

「それで、君の答えはどうなんだい?」

 

「………はぁ~判りました。降参です。確かに俺はISを操縦することができますよ………でも、驚きました」

 

龍聖の言葉に隊長格の女性は「どうして?」と質問する。

 

「だって、今の世の中、女尊男卑の所為で男は有無を言わさないじゃないですか? 必然として俺は何かされるかと思ったんですけど………」

 

「確かにそうね。でもね、IS委員会は女尊男卑なんてくだらない思考に浸っているバカはいないわ。それに委員会にはなにも女性だけしかいない訳ではないのよ? なら、あとは判るわね?」

 

「ええ、解ります………それで、俺は委員会に行くことに異存はありませんが…………もしかして公表とかされてしまいます?」

 

「そうね……………安心して。公表はしないはずよ…多分」

 

「今、多分って言いましたよ⁉ という事は公表されるかもしれないという事ですよね⁉」

 

「さぁ、もしあなた以外の男性が動かす事が出来ると分かれば、公表されるかもしれないわね」

 

「そうですか…………では、行きましょうか」

 

「良いの?」

 

「ええ、時は金なりと言いますしね。では、西木野家の皆様。どこかで会いましょう」

 

龍聖はそういって女性についていこうとした。だが、それに待ったを掛けた人物がいた。

 

「待って‼」

 

「………何かな、真姫さん?」

 

「……また、会えるかしら?」

 

「もし自由の時間があれば必ず」

 

「そう………待っているから。いつまでも」

 

「………判りました。必ず、貴女の許に会いに行きましょう」

 

そういって龍聖は女性についていくのであった。

 

「真姫ちゃん、もしかして彼に惚れた?」

 

「ヴぇぇぇ⁉ そ、そんなんじゃないわよ‼ ただ………」

 

「「ただ?」」

 

「もう一度会えるなら会いたいかなって…………パパもママもなによ‼」

 

「「娘に春が来たと思うとね~」」

 

真姫はしばらくの間、真と美姫に弄られるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

委員会に所属する女性たちの後に龍聖は車に乗り込む。

 

「さて、これでゆっくりと話ができるわ」

 

「やっぱり、俺は研究所に行くんですね?」

 

「違うわ。本当に委員会の日本支部に来てもらうだけよ………それにしても、さっきの女の子……あなたに惚れていると見たけど、どうかしら?」

 

「………黙秘権を行使します」

 

「王子様に助けられたお姫様って所ね」

 

龍聖も龍聖で弄られるのであった。

それからしばらく車に揺られて、幾数分後、車はとあるビルの前に停車する。

 

「さぁ、着いたわ。降りましょう」

 

女性に言われて龍聖は車から降りると、そこはオフィスビルではないかと思うほどの高さを持つビルであった。

 

「ここが委員会の日本支部があるビルなんですか?」

 

「ええ、そうよ………さぁ、着てきてらっしゃい」

 

女性の後に龍聖はビルの中へと足を踏み入れる。そして、エレベーターに乗り込み、上層階へと向かう。

そして、最上階にまで来ると、エレベーターの扉が開くと同時に大きな扉が目に入った。

 

「さぁ、ここが目的地よ」

 

龍聖は扉の上にあるパネルを見て驚く。そこには“日本支部局長”と書かれていたからである。

女性は扉をノックすると、中から男性の声で入室の許可が下り、女性は扉を開けた。

 

「失礼します。先ほどのISの操縦者を連れてまいりました」

 

龍聖が中に入ると、そこには広い部屋にポツンとデスクが一つあるだけの質素な部屋であった。そして、そのデスクに座る男性こそがこの国際IS委員会日本支部の支部局長を務める男性であった。

 

「ご苦労。やぁ、君が男性操縦者として初となる少年だね? 私の名前は山本睦月という。君の名は?」

 

「俺…じゃなかった。自分は黒崎龍聖です」

 

男性は龍聖の苗字を聞き驚いた。

 

「そうか、君が大虎先輩の息子か………こんなにも大きくなって………」

 

「私は会った事が無いのですが、お会いしたことがあるのですか?」

 

「そうか、まだ君は小さかったから覚えていないのも仕方がない。君が生まれてすぐにね、君の父上である大虎先輩に呼ばれたんだよ………そうか、あれからそんなにも時間が経過していたのか………すまないね。どうしても年を取ると涙脆くなってしまう。許してくれたまえ」

 

「はぁ? それで、私はどうなるのでしょうか?」

 

女性の言葉に対して、不信感が無いと言えば嘘になるが、龍聖は確認をしたかったのである。

 

「それはどういう意味で聞いているのかね? まさかと思うが、君はこのまま研究所に連れて行かれるんじゃないかと考えていないかね?」

 

「………はい」

 

龍聖の言葉に睦月は高笑いする。

 

「それは無いから、安心したまえ。それに、私の先輩の息子を研究所なんかには送らせないよ。さて、片腹痛いが、真面目な話をしようじゃないか」

 

そう言うと、睦月の表情は引き締まる。

 

「君にはある部隊に入ってほしい」

 

「部隊? と言いますと、軍隊ですか?」

 

「まぁ、言葉の意味合い的にはそうなるが、実質は違う。いや、違わないかな?」

 

睦月はなんとも曖昧な事を言う。

 

「正確には軍隊じゃないけど、訓練は勿論、それなりに厳しい世界だと聞いている」

 

睦月はそう言うと深いため息を吐く。

 

「まぁ、決まってしまった事は仕方がない………君、彼に資料を」

 

今まで静かにしていた女性に睦月は声をかけると、女性は徐に近くに置いている資料を龍聖に手渡した。

 

「………これって⁉」

 

「そうだ、龍聖君のご両親が営んでいる機業の機体を正式に日本支部で正式採用することになった。それと同時に、君も自動的に入隊する事になってしまったがね………申し訳ない」

 

そう言うと、睦月は龍聖に頭を下げたのである。

 

「あ、頭を下げないでください‼ それに、これってある意味で俺を助けるためですよね?」

 

「君はそこまでお見通しだったか………そうだ。もし、このまま君を開放してしまった時、何かあった際では遅い。では、部隊に入隊してしまえば、ある程度の自由は守られ、君も強くなれる。一石二鳥だと思わないかね?」

 

「そうですね………判りました。入隊の話はお引き受けします」

 

「………本当にいいんだね? 今なら入隊をしないという選択肢も存在するんだよ?」

 

「大丈夫です。それに、もし身近の人を守るためであれば、自分はどこへだっていきますよ」

 

龍聖の目は決意に満ちていたのである。睦月もそれが解って、入隊届の紙に印鑑を押した。

 

「さて、これで君は委員会の犬になった訳だ。これからの君の活躍を期待しているよ」

 

「はい‼」

 

龍聖は強く返事をするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、龍聖は睦月と共に日本支部の地下にある開発部に来ていた。

 

「さぁ、君には雷鳥のスペックでは本来の力を使えないはずだ………という事で、これから君だけの専用機を開発しようと思う」

 

「雷鳥でも十分なのでは?」

 

「いや、君の操縦していた雷鳥は君の様なイレギュラーが使って満足するようなスペックを有していない」

 

この言葉に龍聖はカチンときた。父親や母親、開発局の人たちそして、ヒナが制作した機体を否定したように聞こえたからである。

 

「勘違いしないでほしい。雷鳥は高性能な機体に仕上がっている……だが、君が使う分では足りないと言っているのだ」

 

「だとしても、重工の人たちを蔑ろにしてまで開発してほしくないですけど………」

 

「そこは安心したまえ。君の専用機の開発には、彼らにも関わってもらうから」

 

そう言うと睦月は扉を開けた。すると、そこには日本支部の開発者と黒崎重工の開発者たちが忙しなく動き回って、機体の制作に明け暮れていたのである。

また、仮組で配線がむき出し状態になっているISに、龍聖は目が行く。

 

「あれが?」

 

「ああ、まだ仮組状態だが仕事が早い。まだ、この計画が出来て間もないのに………それだけ、君に期待しているという証拠だな」

 

睦月はそう言うと開発の管理者を捕まえる。

 

「君、聞きたいのだが専用機の完成はどのくらいの時間が必要になる?」

 

「まだ、装甲や武装が決まっていないのでまだまだとしか言いようがないですね。それに完成したとしてもコアが受け付けるかどうかが………」

 

「もうコアを乗せる場所は確保しているのかね?」

 

「あっはい。それに関しては最優先にしましたから………まさか‼」

 

「そのまさか、だよ。龍聖君、コアを接続したまえ」

 

「え? いいんですか?」

 

「私が許可する」

 

睦月の言葉で龍聖は雲雀に使われているコアに意識を向けた。

 

『ヒナ、聞こえているか?』

 

『うん、聞こえているよマスター………あれが私の新しい住処になるんだね?』

 

『ああ、コアを移し替える』

 

『うん』

 

龍聖の言葉でヒナは自動で機体を展開させると、コアが一人でに出てきたのである。コアを龍聖は掴むと、そのまま仮組となっている機体に向かい、コアを差し込ませた。

その瞬間、機体が眩い光に包まれたかと思ったら、仮組だった骨格を全て変形させ、新しい骨格となった龍聖専用機(仮)が鎮座していた。

 

『マスター聞こえる?』

 

「あ、ああ………え? ヒナ。お前、何したんだ?」

 

『ん? あのね、私が勝手にハッキングしてこの機体の骨格とマスターの最新のデータを組み込んで新しい骨格を作り上げたの。これなら、マスターが望む力を得ることが出来ると思うよ‼』

 

「………ハッ⁉ すぐに確認しろ‼」

 

睦月は意識を取り戻すと、確認するように指示を出し、確認を行った開発者の一人が報告をする。

 

「ほ、報告します………先ほどの現象の後、機体の骨格フレームが新しくなり、現行のISでは有り得ない数値を出しています‼」

 

「………すぐに開発だ‼ さて、龍聖君。君には聞きたいことがある。良いね?」

 

「アッハイ」

 

睦月の顔は笑っているが、目が笑っておらず龍聖は体を震えさせるのであった。




修正を行いました。

IS学園でユニットを組んでほしいか

  • やってほしい‼
  • やる必要なし
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