E.V.A.~Eternal Victoried Angel~   作:ジェニシア珀里

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第弐拾陸話 優しき不協和音

 

 

 

 外部環境活動用の防護服は、思っていたよりも重かった。

 関節を曲げるたびに、密閉された布地と樹脂の継ぎ目が軋む。ヘルメットの内側では、自分の呼吸音だけがやけに大きく響いていた。

 吸って、吐く。たったそれだけのことが、分厚い膜を一枚隔てただけで、まるで自分ではない誰かの動きのように感じられる。

 シンジはNERV本部の外壁に設けられた階段へ、慎重に足を下ろした。

 片手でチェーンを握る。

 強い風が吹きつけ、防護服の表面を叩いた。

 空は青かった。

 信じられないくらい、青かった。

 白い雲が、鋭い風に流されている。ヘルメット越しに見上げる空は、かつて自分が知っていた普通の空とよく似ていた。だからこそ、足元の遥か下にあるものが、余計におかしく見える。

 前を行くカヲルは、防護服を着ていなかった。

 いつもの服のまま、チェーンにも触れず、まるで平らな廊下を歩くように階段を下りていく。風に髪を揺らされながらも、その足取りに迷いはない。危なげもない。

 以前なら、シンジは慌てたかもしれない。けれど、今は驚かなかった。

 カヲルは、そういう存在だ。人間と同じ姿をしていても、人間と同じ条件でそこにいるわけではない。彼が使徒であることを、シンジはもう知っている。

 それでも、カヲルが隣にいるという事実は、少しだけ心強かった。

 

「……っと」

 

 階段を降りる。

 一段。

 また一段。

 外壁に沿って伸びる細い通路は、どこまでも冷たく、無機質だった。足を踏み外せば、それだけで風に攫われてしまいそうな気がする。チェーンを握る手に、自然と力が入った。

 

 

 

 

 

《E.V.A.~Eternal Victoried Angel~》

 

【第弐拾陸話 優しき不協和音】

【Episode:26 Unreliable Score】

 

 

 

 

 

 やがて、外壁から突き出した平らな構造物へ辿り着いた。

 カヲルはその縁に腰を下ろす。シンジも少し迷ってから、隣に座った。防護服が硬く、思うように膝が曲がらない。ぎこちなく腰を下ろすと、金属板越しの冷たさが身体へ伝わった。

 

「……ここで待つの?」

「うん。雲が流れるまで」

 

 カヲルは下を見ていた。

 シンジも同じように視線を落とす。白い雲が視界を遮っている。普通の雲だ。普通の空だ。風も、光も、何もおかしくない。

 なのに、胸の奥がざわついた。

 待つという行為は、時に見ることよりも怖い。これから何を見せられるのか分からない時間だけが、ゆっくりと積み重なっていく。

 シンジは手元のチェーンを握りしめた。

 見たいと言ったのは自分だ。カヲルに頼んだのも自分だ。

 自分が初号機で起こしたことの跡を見たい。見ないまま進みたくない。

 そう言った。

 なら、ここで目を逸らすわけにはいかない。

 

「そろそろだ」

 

 雲が、少しずつ切れていく。

 最初に見えたのは、月だった。

 

「……っ」

 

 シンジは息を呑んだ。

 赤い。

 空は青いのに、そこに浮かぶ月は異様な赤い紋様を刻み付けていた。大きく、近く、空そのものに傷をつけるように浮かんでいる。見慣れたはずの天体が、世界の異物になっていた。

 次に、地上が見えた。

 そこも赤かった。

 かつて第3新東京市だった場所。

 シンジが通った道。

 ミサトの部屋へ帰った街。

 エヴァに乗るために降りていった場所。

 それらはもう、都市という言葉では呼べない姿に変わっていた。建物は崩れ、道路は裂け、赤い地面に沈み込んでいる。すべてが途中で止まっている。壊れたのではなく、壊れる過程のまま固定されたように見えた。

 

「……?」

 

 その赤い地上に、何かが無数に立っている。

 遠すぎて、最初は何なのか分からなかった。

 白い柱のようにも見えた。

 折れた木々のようにも見えた。

 赤い大地に刺さった、無数の杭のようにも見えた。

 シンジは目を凝らした。

 

「……っ!」

 

 人の形に似ていた。

 それが分かった瞬間、喉の奥が詰まった。

 人ではない。

 けれど、人の形をしている。

 命だったはずのものが、命として終われず、形だけを残されたように立ち尽くしている。

 

「あれ……は……」

 

 その感覚に、覚えがあった。

 そう理解した瞬間、胸の奥に冷たいものが落ちた。

 ――赤い海。白い月。崩れた量産機。波の音。砂浜。アスカの声。

 あの世界の終わりを、シンジは知っている。

 けれど、これはあの世界ではない。

 ここは、この世界だ。

 自分がもう一度やり直せると思った世界。

 アスカと、レイと、ミサトたちと、今度こそ違う道を選べると思った世界。

 その世界に、自分の選択が残した傷だった。

 

「これが、サードインパクトの結果だ」

 

 カヲルは静かに言った。

 シンジは答えられなかった。

 

「君が初号機を覚醒させたことで、扉が開いた。けれど、これを君一人の罪だと言うつもりはない」

 

 カヲルの声は穏やかだった。

 

「SEELEの計画があり、碇ゲンドウの意図があり、使徒がいて、初号機がいて、綾波レイがいた。幾つもの要素が重なって、この景色へ至った」

「……うん」

 

 シンジは小さく頷いた。

 頷くことしか、できなかった。

 父に仕組まれていた。SEELEに利用されていた。自分が見えていなかったものが、いくつもあった。

 それは分かる。

 けれど、分かったからといって、自分の選択が消えるわけではない。自分の選択がここに関わっていることは、認めなければならない。

 

「……あの時の願いまで、間違いだったとは思いたくない」

 

 シンジは言った。

 

「でも、その願いの先にあるのが、これなんだよね」

 

 カヲルは黙っていた。

 シンジは、赤い大地を見下ろした。

 綾波を助けたいと思った。手を伸ばした。初号機を動かした。

 世界を壊したかったわけではない。誰かを不幸にしたかったわけでもない。

 ただ、目の前の手を取りたかった。

 その願いを、父は使った。SEELEも使った。

 初号機も、使徒も、あの時の自分には見えていなかった何かも、その願いを押し広げた。

 願いは本物だった。けど、本物だったからこそ使われた。

 それを見ないまま、次へ行くことはできない。

 だが、何を見れば良いのか。

 

「……」

 

 答えは、出なかった。

 それでも、ここに来た意味はあった。

 

「カヲル君」

「うん」

「僕は、……ここから逃げたくない」

 

 カヲルが、少しだけシンジの方を向く。

 

「逃げられないからじゃなくて。見たからには、次を選ばなきゃいけないと思う」

「君は、見ないふりをしないことを選んでいるんだね」

「できてるかは、分からないけど」

「でも、そうしようとしている」

 

 カヲルは下を見た。

 

「それは簡単なことじゃないよ」

 

 シンジは何も言えなかった。

 褒められている気はしなかった。責められている気もしなかった。

 ただ、カヲルの言葉はいつも少しだけ遠い。隣にいるのに、自分より先の譜面を見ているような声をしている。

 その譜面が、本当に正しいのか。

 シンジにはまだ分からなかった。

 

 

 

 

 

 部屋へ戻ると、防護服の重みが急に身体から抜けた。

 ヘルメットを外した瞬間、乾いた空気が顔に触れる。NERV本部の内部は相変わらず静かだった。外の青い空と赤い地上を見た後では、この白く空っぽな部屋が、逆に非現実的に見える。

 シンジはベッドの端に腰を下ろした。

 S-DATは机の上に置かれている。

 動かない黒い機械。

 外で見た赤い大地と、机の上の小さな機械が、なぜか同じように見えた。どちらも、時間の途中で止まっている。壊れているのか、待っているのか、自分には分からない。

 

「……」

 

 カヲルは部屋の入口近くに立っていた。

 彼はほとんど息を乱していない。何かを見てきた直後とは思えないほど穏やかで、その穏やかさがシンジには少し怖かった。

 

「ドグマに入るために、第13号機に乗る」

 

 シンジは言った。

 カヲルは静かに頷く。

 

「うん」

「そこは分かる。ドグマの結界はリリスのものなんだよね。父さんも、そこには干渉できていない」

「そうだね。あそこは、彼の思い通りになる場所ではない」

「だから、第13号機が必要になる」

「うん」

 

 シンジは机の上のS-DATを見つめたまま、言葉を続けた。

 

「けど」

 

 シンジは両膝に肘をついた手で鼻と口を覆い、胸の内に溜まる空気を押し出すように、深く息を吐く。

 

「そこにある槍が、父さんより僕たちに有利だなんて、都合良すぎじゃないかな」

 

 カヲルは、すぐには答えなかった。

 その沈黙が、シンジには何よりも大きく聞こえた。

 

「父さんが、そんな状態で僕らを向かわせようとするのか」

 

 シンジは続けた。

 

「僕たちが世界を直したいと思うことも、カヲル君が僕を助けたいと思うことも、父さんなら使う。そういう人だよ」

「そうだね」

 

 カヲルは否定しなかった。

 

「彼は、願いすら材料にする」

「だったら」

「でも、罠である可能性があるからといって、そこに希望がないとは限らない」

 

 カヲルの声は静かだった。

 

「誰かが用意した道でも、歩き方を選ぶことはできる。誰かが書いた譜面でも、演奏する者によって音は変わる」

「譜面……」

「君と僕の音は、もう重なり始めている」

 

 シンジは顔を上げた。

 

「第13号機」

 

 カヲルはその名を口にした。

 

「君と僕なら、あの機体を動かせる」

「乗らなきゃいけないのは、分かってるさ」

 

 シンジは静かに言った。

 その言葉は、自分で思ったより重かった。

 

 第13号機に、エヴァに乗る。それは、軽い決意ではない。

 エヴァに乗るたび、何かが壊れてきた。

 けれど、エヴァに乗らなければ届かない場所があった。助けられない誰かがいた。

 だから厄介なのだ。

 危険だと分かっている。罠かもしれないと分かっている。

 それでも、そこに救いたい者が置かれていれば、自分は進んでしまう。

 

「……」

 

 レヴの声が蘇る。

 

『アンタが間違えた時、壊れるのはアンタじゃないかもしれないのに』

 

「……僕は、乗るよ」

 

 シンジは言った。

 

「でも、その先にあるものを分からないまま掴みたくない。槍が希望なのか、父さんの罠なのか。そこを曖昧にしたまま進みたくない」

「君は、疑っているんだね」

「うん」

「僕のことも?」

 

 シンジは少しだけ目を伏せた。

 

「……うん、疑うよ」

 

 カヲルは、怒らなかった。

 

「槍のことも、第13号機のことも、父さんのことも。……カヲル君のことも」

「うん、それでいい」

 

 カヲルが頷いたことに、シンジは思わず顔を上げた。

 

「……いいの?」

「信じることと、疑わないことは違う。君が僕を疑ってくれるなら、僕は少し安心する」

「安心……?」

「君が、僕を神様みたいに見ないでいてくれるから」

 

 シンジは答えられなかった。

 カヲルも間違える。カヲルも知らないことがある。

 そう聞いていたはずなのに、シンジはまだどこかで、彼に正解を求めている。

 それがどれほど危ういことなのか、今なら少し分かる。

 

「僕は、君を救いたい」

 

 カヲルは言った。

 

「でも、救いたいと思うこと自体が、時に相手の選択を奪うこともある」

 

 シンジは胸の奥を掴まれたような気がした。

 自分も同じだ。

 綾波を助けたい。

 アスカと未来を生きたい。

 黒いプラグスーツの綾波を、命令だけの器にしたくない。

 レヴを、番号のまま終わらせたくない。

 その願いは本物だ。

 けれど、その願いで相手の望む形を塗り潰してはいけない。

 

「難しいね」

 

 シンジが言うと、カヲルは微笑んだ。

 

「だから、音を合わせるんだ」

「ピアノ?」

「うん。君と僕が本当に第13号機に乗るなら、互いの音を知らないままでは危険だから」

 

 シンジは机の上のS-DATを見て、それからカヲルを見た。

 

「……分かった」

 

 希望なのか、罠なのか。まだ分からない。

 けれど、見ないまま進むのはもう嫌だった。

 疑わないまま信じるのも違う。

 なら、確かめるしかない。

 

 

 

 

 

 部屋を出ようとしたところで、通路の奥に人影があった。

 白い髪。痩せた体躯。背筋だけが、老いを拒むようにまっすぐ伸びている。冬月コウゾウだった。

 

「少し、付き合わんかね」

 

 唐突な言葉だった。シンジは足を止める。カヲルは少し離れた場所で、何も言わずにこちらを見ていた。止めるつもりも、促すつもりもないらしい。

 シンジは冬月を見た。

 この人は、父の隣にいる人だ。けれど、父そのものではない。何を知っていて、何を隠しているのか。彼にも彼なりの信念があることを、シンジは知っている。

 味方なのか、敵なのか。それさえ簡単には決められない。だからこそ、行くべきだと思った。

 

「……分かりました。カヲル君」

「いいよ。僕は先に行ってるね」

 

 カヲルの返答を聞いて、シンジは冬月に向き直る。冬月は小さく頷き、踵を返した。シンジはその後を追った。

 案内された部屋は、NERV本部の空虚な構造物の中にあった。真っ暗な部屋の真ん中に、格式張った将棋台と、二人分の座布団だけがポツンと置かれていた。盤面には既に駒が並んでいる。王から飛車、角、金、銀、桂、香、歩まで。木の駒の文字だけが、この暗く乾いた部屋の中で、奇妙に温かく見えた。

 

「将棋は分かるかね」

「少しだけなら」

 

 そう答えながら、シンジは座布団の上に膝を折った。冬月は向かいに腰を下ろす。老いた指が、盤面の端を軽く叩いた。

 

「なら、先手を譲ろう」

「いいんですか……?」

「老人相手だ。遠慮はいらん」

 

 遠慮以前に、勝てる気はしないのだが。

 シンジは盤面を見下ろす。このゲームには、逃げ場があるようでない。前へ出す駒。守る駒。捨てる駒。取られた駒さえ、相手の手に渡れば別の形で戻ってくる。

 まるで、エヴァの世界みたいだと思った。一度失われたものが、別の名前を与えられ、別の役目を持って盤上へ戻される。

 シンジは歩を一つ進めた。

 乾いた音がした。

 冬月は迷わず、向かいの歩を上げる。

 互いに一手ずつ。それだけなのに、盤面の空気が少し変わった。

 

「焦ると、見えるものも見えなくなる」

「……将棋の話ですか」

「もちろん」

 

 冬月は角道を開いた。シンジはそれを見て、自分の角道も開く。真似をするしかない。けれど、真似をした瞬間、相手が何を狙っているのか分からなくなる。同じ形に見えても、見ている先が違えば、まったく別の局面になる。シンジは駒に触れた指を止めた。

 

「君は、疑っているそうだな」

 

 冬月の声は、盤面から離れなかった。

 

「槍を。第13号機を。碇の筋書きを」

「……はい」

 

 シンジは銀を上げた。守りなのか、攻めなのか、自分でも分からない手だった。

「疑うことは悪くない。むしろ、今の君には必要だ」

「父さんも、そう思っていますか」

「碇はそういう男ではない」

 

 冬月は淡々と言った。そして、飛車先の歩を進めた。

 

「ただ、あれは君が疑うことまで含めて、盤面に置いている」

「……っ」

 

 シンジの指が止まった。嫌な言葉だった。無知だから利用されるのではない。疑っていても、進むと読まれている。そう言われた気がした。

 

「僕が、そうすると分かっているから」

「救いたい者がいるなら、君は進む」

 

 冬月は答えた。

 

「少なくとも、碇はそう見ている」

「冬月先生は」

「私は、ただ観測しているだけだ」

 

 駒音が鳴る。角が斜めに走り、シンジの歩を取った。取られた歩は、冬月の駒台に置かれる。

 さっきまで自分の前にあった駒が、もう相手のものになっている。その当たり前のルールが、妙に胸に引っかかった。

 

「……人も、同じですか」

「何がかね」

「取られて、置き換えられて、別の場所で使われる」

 

 冬月は少しだけ目を細めた。

 シンジは言ってから、自分の言葉が思ったより鋭かったことに気づく。

 黒いプラグスーツの綾波も。レヴも。カヲルも。そして、自分も。どれも、誰かの駒ではないはずなのに、盤面の上へ置かれている。

 

「駒は、自分で盤を降りられん」

「……人は、違うってことですか」

「そう願いたいものだ」

 

 冬月の返答は、肯定にも否定にも聞こえなかった。

 数手進むうちに、シンジの陣形は少しずつ崩れていった。防いだつもりの場所とは違う場所から、冬月の駒が入ってくる。

 こちらが気にしていた角ではなく、銀が滑り込む。飛車を警戒すれば、端が弱くなる。

 どこかを守れば、別のどこかが薄くなる。

 そこで、シンジは何とはなしに悟る。全部を守ることはできない、と。

 将棋ではそんなこと、当然知っていた。知っていたはずなのに、突きつけられてしまった感覚に陥り、やけに息苦しかった。

 

「君の母親の話をしよう」

 

 冬月が不意に言った。

 シンジは顔を上げた。盤面の上で、自分の銀が取られていた。

 

「母さんの……?」

「ああ」

 

 冬月は懐へ手を入れた。古びた一枚の写真が取り出される。

 机の上に置かれたそれは、今のNERVには似つかわしくないほど、過去の光を閉じ込めていた。

 

 シンジは写真を見た。そこには、母と、母の腕に抱かれた幼い頃の自分自身がいた。胸の奥が痛んだ。懐かしさではない。懐かしさに似た、もっと危ういものだった。

 周りには当時の母の同僚か、友人か。シンジの知らない人々が写っていた。

 

「……?」

 

 写真の端に、眼鏡をかけた女性が写っていた。髪型も、表情も、たぶん年齢も違う。

 けれど、シンジは一瞬でその面影を見つけた。

 真希波マリ。第壱中学校の屋上で降ってきて(・・・・・)、ゼルエル戦で2号機に搭乗していた、あの奇妙で軽やかな少女。その彼女に、あまりにもよく似ていた。

 

「この人は……」

 

 問いかけようとした声は、最後まで形にならなかった。

 

「碇ユイ君……いや」

 

 冬月の声が、写真の端へ向かいかけたシンジの意識を引き戻す。

 そして。

 

「綾波ユイ、と言った方が正確か」

 

 次に放たれた言葉に、呼吸が止まった。

 

「綾、波……?」

 

 思わず、シンジは顔を上げた。

 聞き慣れた名だった。けれど、母に結びつくはずのない名だった。

 少なくとも、シンジの知る前の世界で、母にそんな旧姓はなかった。なかったはずだ。

 いや、この世界に来てから、どこかでその断片を見ていたのかもしれない。聞いていたのかもしれない。けれど、今この瞬間まで、自分の中で繋がっていなかった。

 綾波。

 レイ。

 母さん。

 その三つの言葉が、同じ線の上に置かれる。

 

「綾波レイは、ユイ君の情報を元に作られた存在だ」

 

 冬月の声が落ちる。

 知っていた。少なくとも、前の世界でシンジは知っていたし、この世界でもリツコと共に彼女の複製体を破壊した。

 レイがただの少女ではないこと。母の面影を持つこと。ゲンドウが彼女を特別に扱っていた理由。それを、シンジは分かっていた。

 けれど、冬月の口から聞いたこの事実は、別の重さをシンジに乗せた。ここでは、母の旧姓が綾波だった。なら、綾波レイという名前は、母の影であると同時に、母が捨てた名でもあるのか。いや、捨てたのかどうかさえ分からない。

 誰かが残したのか。誰かが利用したのか。あるいは、名前まで含めて、初めから盤面に置かれていたのか。

 

「……そんな名前まで、使ったんですか」

 

 シンジは呟いた。

 

「父さんは」

「碇だけの所業ではない。SEELEもまた、その名を必要とした」

「だからって」

 

 言葉が続かなかった。怒りはあった。けれど、怒りだけでは整理できない。レイを母の代わりにされたことへの嫌悪か。母の名を、誰かを縛るために使われたことへの痛みか。目の前の黒いプラグスーツの綾波を、また名前の意味で見てしまいそうになる自分への怖さか。

 

「君は、知っていた顔だな」

 

 冬月が言った。

 シンジは顔を上げた。

 

「何を、ですか」

「ユイ君と綾波レイの関係を。まったくの初耳ではない。そういう顔をしている」

「……」

 

 答えるべきではない。けれど、黙ることもまた答えだった。

 

「……僕の知っていることと、この世界で起きていることが、全部同じなのかは分かりません」

 

 ようやく、シンジはそう言った。

 

「でも、似ている。似すぎてるんです。だから、余計に分からない」

「違う盤でも、同じ手筋が現れることはある」

「じゃあ、僕たちは同じように、詰むんですか」

「それは、指す者次第だ」

 

 冬月は、シンジの王の前へ駒を打った。

 持ち駒の歩。先ほど取られたはずの、自分の歩だった。

 

「王手だ」

 

 シンジは盤面を見た。

 逃げ道はある。この一手で詰みなら、そもそも反則になる。だから、まだ終わってはいない。

 けれど、その逃げ道の先にも、別の駒が利いている。守ろうとした駒は動けず、動かせる駒は足りない。

 詰みではない。けれど、ほとんど詰みに近い。

 シンジは息を吐いた。盤面から目を逸らさない。

 外の赤い大地を見た時と同じように。槍の話を聞いた時と同じように。見なければ、選べない。

 

「……まだ、投げません」

 

 シンジは言った。冬月の口元が、わずかに動いた。

 

「そうだろうな」

 

 シンジは駒を動かした。最善手かどうかは分からない。けれど、何もしなければ終わる。それだけは分かった。

 駒音が、静かな部屋に響いた。

 

 

 

 

 

 ピアノの音が、NERV本部の広場に響いていた。

 最初の一音は、以前よりも自然に重なった。

 シンジの指が鍵盤に触れる。

 カヲルの音が、すぐ隣に並ぶ。

 合わせ方は、もう分かってきていた。

 呼吸の置き方、音の入り方、強く叩く場所、あえて沈黙を残す場所。

 以前なら追いかけるだけだったカヲルの音に、今は自分の音を並べられる。カヲルの旋律に飲み込まれるのではなく、隣で支え、時には押し返すこともできる。

 音は合っている。

 そう思える瞬間が、何度もあった。

 けれど。

 

「……」

 

 ぴたりと重なったはずの瞬間に、ほんのわずかなずれが残る。

 耳で聞き取れるほどではない。

 指の動きが間違ったわけでもない。

 それでも、胸の奥にだけ残る、細い引っかかり。

 技術の問題ではなかった。

 きっと、見ている先が違うのだ。

 カヲルの音は美しい。

 澄んでいて、迷いがなく、どこまでも遠くへ届くような響きを持っている。

 けれど、その美しさの奥に、シンジは初めて小さな揺れを感じた。

 カヲルも迷っている。たぶん、そうなのだ。

 彼はすべてを知っているわけではない。彼の中にある譜面も、もう確かなものではない。

 なら、自分の音をただ預けてはいけない。

 シンジは呼吸を整え、もう一度鍵盤を叩いた。

 カヲルに従うのではなく、カヲルを拒むのでもなく。隣に並べる音を探す。

 少しずつ、旋律が形を持ち始める。

 譜面はある。

 けれど、その通りに弾くだけでは足りない。指の強さ、呼吸、沈黙の長さ。ほんの少しの違いで、同じ曲はまったく別のものになる。

 シンジは思った。

 もし、世界にもシナリオがあるのだとしたら。

 それを誰かが用意したのだとしても。

 自分たちは、ただその通りに進むしかないのだろうか。

 

(違う)

 

 そうでなければ、ここまで来た意味がない。

 最善手かどうか分からなくても、抗うほかない。何もせずに利用されるなど、あってたまるか。

 カヲルの音が少しだけ強くなる。

 シンジはそれに重ねる。

 不意に、二人の音がほとんど一つになった。

 広場の空気が震えたように感じた。

 遠くで、何かが応答する。

 シンジにはそれが何なのか分からなかった。ただ、胸の奥のずっと深い場所に、細い糸を結ばれたような感覚があった。

 第13号機。

 名前だけを聞いたその機体が、まだ見ぬ場所からこちらを見ている。

 そんな気がした。

 シンジは鍵盤に触れたまま、その小さなずれを感じていた。

 

 

 

 

 

 WILLEの検査室で、警告音が短く鳴った。

 アスカはベッドに腰掛けたまま、眉を寄せる。視界の端で、先生と呼ばれている白衣の彼女が端末を操作していた。その表情は険しい。隣ではリツコが別のモニターを確認している。

 

「何」

 

 アスカは訊いた。

 

「シキナミ系列の深層値が揺れてる」

 

 先生は答えた。

 

「NERV本部周辺で、Mark.10の起動準備に近い反応が上がっている。アダムスの器由来の干渉が、NERVにいるもう一人のあの子を経由してこちらにも響いているのかもね」

「あの子……」

 

 アスカは奥歯を噛んだ。

 278番体。NERVに置かれた、自分と同じ顔をした別の可能性。

 その名前未満の存在が、またこちらへ触れてくる。

 

「アスカのDSSチョーカー経由の生体値と、左眼周辺の封印反応が同時に揺れてる」

「こっちの身体にまで来てるってこと?」

「断定はできない。でも、波形は近い」

 

 アスカは舌打ちした。

 左目の奥が熱い。痛みとは違う。痒みとも違う。古い傷の奥で、何かが寝返りを打ったような感覚だった。

 眼帯の下で、封じ込めたものがざわめいている。

 その奥で、さらに別の静かな波が身体を支えていた。

 アスカはそれを意識しないようにした。

 意識すれば、かえって輪郭がはっきりしてしまう気がしたからだ。

 

「安定率は」

 

 リツコが問う。

 

「落ちてる。表層は保っているけど、深層の安定波形への負荷が高い。第9使徒反応も、わずかだけど上がってる」

「最悪ね」

 

 アスカは呟いた。

 

「まあまあ。最悪ってほどじゃない。まだ抑えられてるよ」

「そういうのを、だいたい最悪の入口って言うのよ」

 

 先生は反論しなかった。

 通信機から、マリの声が割り込んだ。

 

『なるほど、今日はちょっと中が騒がしいのかにゃ』

「聞こえてるなら黙ってなさい」

『聞こえてるから言ってるんだけどね。無茶しそうな時の姫は、だいたい声が低くなる』

「うるさい」

『はいはい。で、抑えは効いてる?』

 

 アスカは一瞬だけ黙った。

 効いている。今はまだ。

 奥で支える気配があると、そう認めるのは少し癪だった。けれど、認めなければ立っていることすら怪しくなる。

 

「……効いてるわよ」

『そっか。ならヨシ』

「何がヨシよ」

『姫がまだ喧嘩できるってこーと』

 

 マリは軽く言った。

 その軽さが腹立たしくて、少しだけ救いだった。

 リツコが先生へ視線を向ける。

 

「Mark.10が本格起動すれば、さらに悪化する?」

「可能性は高いね。Mark.10由来の波形と、278番体に近い生体反応が重なってる。こっちの封印部位が引っかかるには、十分すぎるくらいね」

 

 先生はそこで言葉を切った。

 アスカはその沈黙を聞き逃さなかった。

 

「ねぇ、何を隠したの」

「……隠したつもりないけど」

「じゃあ、言いにくいことがあるのね」

 

 先生は小さく息を吐いた。

 

「その身体は、単独のパイロットとして扱える状態じゃない。そこに外部から同系列の干渉が来たら、今どの層が表にいるかだけじゃなく、奥に沈めているものまで引きずられる可能性がある」

 

「そのこと? 今更よ、分かってる」

 

 アスカは短く言った。

 分かっている。自分は一人ではない。

 この身体は、もう単純な一人分の器ではない。

 だからこそ、簡単に使わせるわけにはいかない。

 碇ゲンドウにも。Mark.10にも。奥で蠢くものにも。

 

「マリ」

『ん?』

「出撃準備、怠らないで」

『もちのろん。姫が倒れる時は、私が拾ったげる』

「倒れないわよ」

『なら、暴れる時は隣にいる』

 

 アスカは小さく鼻を鳴らした。

 

「……好きにしなさい」

『にゃ♪』

 

 通信が切れる。

 検査室に、機械音だけが戻った。

 先生は端末を見つめたまま、低く呟く。

 

「NERVが278番体を動かすだけで、こっちまで揺れる。……ほんと、嫌な仕込み方するね」

 

 アスカはその言葉を聞いた。

 嫌な言い方だと思った。

 けれど、否定はできなかった。

 

 

 

 

 

 NERV本部の深部で、モニターの光だけが男たちの顔を照らしていた。

 冬月はそのモニターを見ながら、静かに口を開いた。

 

「第3の少年は疑っているぞ」

 

 ゲンドウは答えない。

 

「ゼーレの少年の言葉も、槍も、お前の筋書きも。無知で飛び込む少年ではない」

「構わん」

 

 ゲンドウは言った。

 

「疑ってなお進む。だからこそ、トリガーたり得る」

 

 冬月は眼鏡の奥で目を細めた。

 

「騙す必要はない、か」

「必要なものを、必要な場所へ置けばいい」

 

 ゲンドウの声に揺れはなかった。

 

「救いたい者。取り返したいもの。守りたい約束。疑念を抱こうが、それらが罠の奥にある限り、第3の少年は進む」

「残酷な信頼だな」

「事実だ」

 

 冬月は小さく息を吐いた。

 

 ユイと、ゲンドウの息子。

 そして、どこか違う記録を抱えた少年。

 冬月には、その差異が何であるかまでは理解しえない。だが、彼は流されるだけでは終わらない。何かを知っていて、それでも進む者の目をしている。

 だからこそ、ゲンドウは使う。

 知らないからではない。知ってなお、進むからである。

 

「Mark.10の少女は」

「予定通りだ」

「Mark.09の少女は」

「問題ない」

「……ゼーレの少年は気づくぞ」

「気づくべき時に気づく」

 

 冬月はゲンドウを見た。

 

「……それも、シナリオの内か」

 

 ゲンドウは答えなかった。

 モニター上で、二つの波形がまた重なる。

 わずかにずれている。

 だが、そのずれごと、中心へ向かって収束していた。

 

 

 

 

 

 ピアノの余韻が消えた後も、シンジはしばらく鍵盤の前から動けなかった。

 カヲルも隣に座っている。

 何曲弾いたのかは分からない。途中から数えることをやめていた。音を重ねるたびに、何かが少しずつ合っていく。合っていくのに、その合い方が正しいのかどうかは分からない。

 不思議な感覚だった。

 シナリオはある。けれど、そのシナリオが誰のために書かれたものなのか、分からない。

 

「シンジ君」

 

 カヲルが呼んだ。

 

「うん」

「少し、目を閉じて」

「え?」

「大丈夫。怖いことはしないよ」

 

 その言い方に、シンジは少しだけ眉を寄せた。

 

「怖いことはしないって言う時は、だいたい怖いことする時な気がするんだけど」

 

 カヲルは小さく笑った。

 

「君は本当に疑うことを覚えたね」

「カヲル君がそれでいいって言ったんでしょ」

「そうだったね」

 

 カヲルは立ち上がった。

 シンジは何かを察して、反射的に首元へ手をやった。

 DSSチョーカー。

 冷たい金属の輪が、そこにある。

 

(まさか)

 

 自分で着けると決めたものだ。

 WILLEに押しつけられたからではない。自分がまたトリガーになる可能性があるなら、必要だと思った。

 少なくとも、あの時の自分はそう選んだ。

 それだけではない。

 アスカは、自分を止める覚悟をしていた。

 シンジも、それを受け入れると決めた。

 止められるためではない。罰を受けるためでもない。

 これ以上、彼女に何も失わせないために。

 アスカと未来を生きるために。

 自分が危うい存在であることから、目を逸らさないために。

 この輪は、そのためのものでもあった。

 

 カヲルの指が、チョーカーへ伸びる。

 シンジはその手を押さえた。

 

「……駄目だよ、カヲル君」

 

 声は荒くなかった。

 ただ、思ったよりも切実だった。

 

「これは、君を縛るものだ」

「分かってる」

「なら、どうして」

「僕が着けるって、決めたものだから」

 

 カヲルは静かにシンジを見ていた。

 

「君は、これを背負う必要なんてない」

「あるんだ」

 

 シンジは首を横に振った。

 

「これは、僕だけのものじゃない。アスカが僕を止める覚悟をしてくれたことでもある。僕が、それを受け入れたってことでもある」

「彼女は君を守りたいんだね」

「うん」

「僕も同じだよ」

 

 カヲルの声は優しかった。

 その優しさが、かえって怖かった。

 

「同じじゃないと、思うんだけど」

 

 シンジは言った。

 

「僕は、僕だけが守られたいわけじゃない。アスカと未来を生きたいんだ。そのために、これ以上なにも失わせたくない」

 

 カヲルの瞳が、少しだけ揺れる。

 

「君が彼女と未来を望むなら、なおさらだ」

「なおさら……?」

「君を失わせるわけにはいかない」

 

 シンジは息を呑んだ。

 違うと、そう言いたかった。

 でも、カヲルの言葉の奥にあるものが分かってしまって、すぐには言えなかった。

 カヲルはシンジを護ろうとしている。幸せにしてくれようとしている。

 その願いは本物だ。

 けれど、その未来の中に、カヲル自身がいるかどうかを、彼は少しも気にしていない。

 

「カヲル君」

「前に、僕は君に選ばせた」

 

 静かな声だった。

 シンジの手から、力が抜けそうになった。

 

「君が、僕を殺すしかない形で」

 

 前の世界の記憶が、胸の奥で開いた。

 セントラルドグマの奥底で起こった、あの対峙。

 長すぎる沈黙の果てに、握り潰した感触。

 シンジは、息を忘れた。

 

「あの時、僕はそれを正しいと思っていた。君に選ばせることが、君のためだと思っていた」

 

 カヲルは微笑んでいなかった。

 

「でも、ずっと後悔していたんだ」

「カヲル君……」

「だから今度は、僕が選びたい」

 

 カヲルの手が、シンジの手にそっと重なる。

 

「君に選ばせる前に、僕が引き受ける。君を守ることを、僕が選びたい」

 

 それは、あまりにも優しい言葉だった。

 そして、あまりにも残酷だった。

 

「それでも」

 

 シンジは絞り出すように言った。

 

「それでも、僕だけ守られても幸せじゃない」

 

 カヲルは、少しだけ悲しそうに目を伏せた。

 

「君は、本当に変わったね」

「変わったんじゃない」

 

 シンジは首を横に振る。

 

「もう、同じことを繰り返したくないだけなんだよ」

 

 カヲルは静かにシンジを見た。

 

「僕もだよ」

 

 その言葉で、シンジは分かってしまった。

 

 同じことを繰り返したくない。

 その願いは同じなのに、二人の選ぶ道は重なっていない。

 

「やめ、てよ」

 

 シンジは言った。

 

「カヲル君。僕は、君にも未来の中にいてほしいんだよ」

 

 カヲルは、ようやく微笑んだ。

 

「ありがとう」

 

 その笑みは柔らかかった。

 柔らかすぎて、拒めない刃のようだった。

 

「でも、僕の願いも本物なんだ」

 

 次の瞬間、チョーカーが外れた。

 金属の輪が首元から離れる。皮膚に残っていた冷たさだけが、妙に生々しく残った。

 シンジは息を呑む。

 

「カヲル君、っ」

 

 カヲルはDSSチョーカーを手に取り、自分の首へ当てた。

 留め具が閉じる音がした。

 小さな音だった。

 けれど、シンジにはそれが、何か取り返しのつかないシナリオの一行目が書き換わる音に聞こえた。

 

「これでいい」

 

 カヲルは言った。

 笑っていた。

 いつものように、優しく。

 

「……よくないよ」

 

 シンジは立ち上がった。

 

「よくない。そんなの、絶対によくない」

「君は進める」

「そういう話じゃないんだってば」

「シンジ君」

 

 カヲルの表情が、ほんの少しだけ痛みに歪んだ。

 

「僕だって、君の物語の外へ行くつもりはないよ」

「でも、そう見える」

 

 シンジは震える息を吐いた。

 

「そういう守り方は、怖いよ」

 

 カヲルは黙った。

 そして、静かに言った。

 

「ごめんね」

 

 その言葉は、あまりに優しかった。

 優しすぎた。

 

「それでも、もし万が一が起きてしまった時。僕は君を守れる存在でありたい」

 

 シンジは何も言えなかった。

 カヲルの首元で、DSSチョーカーが冷たく光っている。

 それは希望へ進むための安全装置なのか。それとも、誰かをまた失うための予告なのか。シンジには分からなかった。

 ただ、はっきりと分かったことはあった。

 シナリオは、もう狂い始めている。

 そしてその始まりは、あまりにも優しい音をしていた。

 

 

 

 

 









★あとがき

もう、戻ることはできません。
この章を投稿したことで、終着点はもはや、揺らがぬものとなりました。
ここから最終話まで、何話続くことになるかは分かりませんが。
走り抜きます。
感想、コメント、考察など、いつもありがとうございます。
ぜひこれからも、よろしくお願いいたします。
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