第一話
第一話
あの会議からすぐ私は有給を取らされ三国時代に飛ばされた。飛ばされたのはよかったが到着先が・・・・・
葵「おぎゃぁ・・・・・・・おぎゃぁ!?」
自分の声がおかしかったことに驚き、自分の手を見てさらに驚いた
葵(なぜに赤ん坊!?)
自分の手は元の手からは到底考えられないほど小さく、その体はちょっとした衝撃で簡単に壊れてしまいそうだった。
だが、意識もはっきり持っているし、思考能力も問題ない。魔力も異常はないしな。ただ、
葵(エクス、ルミル。お前らどこだ?)
エ「〈マスターの手の中ですよ〉」
手の中?
手のほうに意識を集中させると確かにいた。
ル「〈しかし赤子のマスターもなかなか〉」
・・・・やめろ恥ずかしい。
???「あ! 産まれたの冬蘭(とうらん)!?」
冬「あぁ。おかげさまで。聖琳(せいりん)」
冬蘭? 聖琳? それが彼女たちの名前か? 聖琳と呼ばれた女性は長い金髪のロングヘアー、フェイトといい勝負をしそうなほど美しいな。それに青い瞳か。
冬蘭と呼ばれた女性は水色の長い髪に赤い瞳。長さは先程の聖琳殿に負けず劣らない。美しさも。
聖「で、この子の名前は決まったの?」
冬「この子の名前は名は覇、字は仲権、真名は・・・・葵ね」
覇? 仲権? どこかで・・・・・。
聖「夏候覇仲権ね・・・・いい名じゃない!」
・・・・・・・・ちょい待て! 夏候覇だと!? 夏候覇といえば三国の末期の者じゃないか。確か夏侯淵の息子だったか? ということは夏侯淵もここにいるのか。
???「失礼します。奥様、曹嵩様」
・・・・・・再び待てい! 曹嵩だと!? 曹嵩といえば曹操の父親じゃなかったか!? というか曹嵩が女性!?
何やら入ってきた女従と話していると、我母とでもいうべきなのか? が、
冬「そういえば聖琳。あなたのおなかの子供の名前はもう決まったの?」
聖「えぇもちろん! 名は操、字は孟徳。真名は華琳よ」
・・・・マジか。いまだ未来の覇王様はおなかの中で、私と彼女はいわゆる従妹になるわけか・・・・。頭が痛い。
あれから五年の月日が流れた。え? 早いって? いや赤子の生活を見て何が楽しいんだ? いや、親としては成長が楽しいというのだろうが、寝て、食事・・・・・は思い出したくもない。あれは恥辱だ。生きていく上では仕方ないとはいえ、何やら罪悪感がある。そしてまた寝る。だから割愛だな。
人目を避け魔法やエクスやルミルを試してみたが問題はなかった。
葵「ふむ。なのはたちと出会ったころを思い出せば何とかいけるか」
ここにきて蓮鏡様から習った政治、兵法が役にたつとは・・・・。いつ何が役にたつかわからないものだな。その後、夏候の屋敷に戻ると、
???「あにうえ~~~」
まだ舌足らずの従妹がいた。わかると思うが私が生まれて数か月後に生まれた曹嵩殿の娘曹操孟徳だ。未来の覇王だな。
葵「孟徳か。どうした?」
曹「はい。ははうえがとうらん様にあいにきたので、わたしもついてきました」
なるほど。曹嵩殿もお越しであったか。それでは、
葵「なら挨拶もせねばならぬか」
夏候の家と曹家は親戚関係にあるらしい。そして我母夏候忠と孟徳の母曹嵩殿は従姉妹同士であり戦友でもある。
孟徳の案内をしてもらい二人のいる場所、庭にたどり着いた。が、居たのは曹嵩殿のみ。
曹「ははうえ。あにうえをごあんない、いたしました」
聖「そう。ありがとう華琳。久しぶりね仲権」
葵「はい。お久しぶりです曹嵩様」
曹家と夏候家は縁戚関係であるとはいえ序列で言うなら曹家のほうが上。すなわち曹嵩殿言うよりかは曹嵩様というのが正しいのだ。
聖「相変わらず年不相応な態度というよりかは達観しているというのかしら」
葵「? お褒めのお言葉ありがとうございます?」
聖「いえいえ。どういたしまして」
???「なに人の息子で漫才をやっているのかしら?」
そこにやってきたのは我第三の母(第一は葵の生みの親、第二は雷導、三人目が冬蘭)だ。
そして母のおなかの中にはまた生命の芽吹きがあった。私にとっての妹か弟ができるみたいだ。
聖「おそいじゃない。珍しい茶葉が入ったから来たのに」
冬「うむ、その準備をしていたのがどうやって入れるべきかわからずにな」
葵「少し拝見しても?」
そういって母から茶葉の入った筒を見せてもらった。その時驚愕した。
葵「(な、なんで緑茶が!?)・・・・・母よ、試しても?」
冬「ん? えぇ、構わないわ」
そういって茶葉を預かる。一回湯呑に熱湯を注ぎ、それを捨てる。同様に急須にも同じ動作を行う。
お湯も熱湯を注ぐのではなくある程度覚まして入れる。ここで注意すべきは茶葉を入れるのではなく、お湯からだ。そしてある程度待ったのち湯呑にそそぐ。
曹「きれい・・・・」
聖「これが緑茶という意味ね」
冬「うむ。見事。それではいただこう」
そういって三人がそれを口に含む。私も飲む。うむ。なかなかいい茶葉だ。玉露か? だが、なぜこの時代に緑茶が? そもそもこの時代の茶葉というのは高価なものだが。
聖「なかなかどうして。この苦味の中に含まれる甘味が何とも言えないわ」
湯呑をいったん机に置き、曹嵩殿が言葉をつづける。
聖「冬蘭。あなたこのお茶のために私と娘を呼んだの?」
冬「聡いわね。違うわよ。そろそろいいころ合いかと思ったのよ。この子たち、もっと正確に言うなら葵にはもういいころ合いかと思って」
そういって母は私にやさしく微笑む。あぁこれが母親というもののぬくもりか。
聖「真名についてね」
真名。それは私が知っている三国の時代、いや、中国にすらなかった習慣にして文化。どうやらその名はその者を表す名らしい。しかしそれを知るためには親しくないと呼び合ったりすることもできない。つまり親兄弟、親友と呼べるぐらいの友好度が必要なわけだ。それを知らず呼ぶとその場で切り殺されても文句を言えないものだそうだ。
そのため教えてもらっていない曹嵩殿、孟徳はこのように真名ではなく、名か字で呼ばせてもらっている。
葵「よろしいのですか? こういっては何ですが私はまだ五歳ですよ」
冬「五歳に見えないぐらい達者な口で勉学、武にも秀でてるお前が何を言う。夏候の鬼才、曹家の麒麟児という異名をとるほどお前たちの将来には期待しているんだぞ」
曹嵩殿が私の前に来て、
聖「私の名は曹嵩、真名は聖琳よ」
葵「はい。我名は夏候覇、字は仲権、真名は葵です。どうぞお受け取りください」
聖「えぇ、ちゃんと受け取ったわ。じゃぁ次はこの子ね」
曹(以後華)「は、はい。せいはそう。なはそう。あざなはもうとく。まなはかりんです」
葵「あぁ我真名は葵。ちゃんと受け取った華琳」
正史で言う曹操の父親の字がわからん。あと夏候惇と夏侯淵のおやじってなんていうのかわからん。両方ウィキで調べたけど出てこね~。というわけで曹嵩に関しては字を伏せて、惇のほうはオリジナルっす!
あと夏侯淵と夏候惇の死んだ年はわかるんだけど、生まれた年がわからねぇ。だからこっちもオリジナルで行くことにしました!