紫の屋敷での話から三日が経っていた。各々が自分でできる最良の選択を青年から譲り受けた10,000ルピを使って行っていた。誰が正解でどれが不正解なのかの判断はここにはないが最善を尽くしたという言葉に最終的にはたどり着く結果となっていた。
黒い髪を後ろで短めに一本にまとめている博麗 霊夢は袖の広がった赤色の衣服を身に纏い中には白い服を着ていると思われる。下半身も肌を見せない長袖のズボンである。
そして霊夢の競走馬である東風谷早苗は緑色のピッシリとした服装で動きやすさを優先させていたと思われる。安直な対抗意識であるがそれを汚す事はないと思われる。
今回挫折を味わったが心の奥底から湧き上がる高ぶる感情によってここに残ることを決めた星熊 勇儀はきっと多くの苦難があっただろうが持ち前の明るい性格によってその難は逃れていたと思われる。ノースリーブの白色の服装で指から肘までを隠している装備が気になるところだがそのほか特に変わっている様子はなかった。
にとりは特に服装は変えていなかった。自分の発明品でもある服なのでそれなりの自信は持っていたようである。それにしてはどうしても気になるのが背中に背負っているバックだがなんでも入っているので事実上の荷物持ちとして働くことになりそうである。
紅魔館組は特に服装は変えていなかった。と言うよりかは光沢のある衣服から新調したと思われる。咲夜には感謝しか浮かんでこないが彼女の分もきっと新調しただけだと思われるが足に付いているナイフの本数は増えていた。
後は青年の到着を待つばかりとなっていたブリタニア王国の最西端にある少し歪んだ場所ではそのような七人が待っていた。主役の登場はいつも遅いと言うがそれにしては何かと遅いと思われる。
「何しているのかしら。良い度胸よね。」
博麗 霊夢は不機嫌につぶやいた。きっと彼女なりに言い出せない皆の鬱憤を晴らしていたと思われる。だが、そう思っていたのは霊夢ただ一人だけだった。
「気長に待ちましょう。」
「何しているのかしら。」
「何かあるのかな。」
「自由人だね。」
人それぞれ反応は違えど誰も青年のことを汚す人はいなかった。もう慣れていると答えるのが一番わかりやすいと思われる。その点では同じような道を辿っている霊夢には理解できない鏡の領域である事には間違いない。それに気付くのか、気付かないのかはまた後の話になる。
「待たせた。」
声の方向からして明らかに外からだった。上からではなく横から、つまりはブリタニア王国からではなかった。その理由は誰も分からないがそれよりも分からないのは何故そのような場所から現れたのかに限る。だからと言って誰も聞こうとはしなかった。聞くまでもなかった、と言う事だろう。
「まさかまだ稼ごうなんて考えていたのね。」
霊夢は見ただけで状況を理解し、そして冷静に言葉を連ねた。それはまるで予知していた未来だったかのようで必然だったと返されそうな自信のある目つきをしていた。
「夜明け前には帰るつもりだった。予定も守れない俺だが貴方達は付いてきてくれるのだろうか。」
青年は不安そうに聞いていた。
「決まっているじゃない。行くわよ。」
「そうか。」
「早く行っちゃいなさい。」
霊夢は手を軽く振って見送っていた。その夫婦漫才が誰の干渉を受けなかった事も知らず。