夕暮れの空の下、女性三人は歩いていた。真ん中には銀色の髪をしている耳のあたりで三つ編みをしている青い服装をしているスカートの丈の短い服を身に纏い、腰には白いエプロンを巻きつけている。目はほんの少しだけ鋭いが愛想がないと言うわけでもない顔つきをしている失礼な言い方をするとカッコ可愛いと言う感じである。
その女性の左手を掴んでいるのは青い色をしたショートボブの髪型をしていて白色のナイトキャップ帽をしている。背中には大きな細い黒い翼があり、吸血鬼という種族である事を示していた。そして口元から収まりきらない歯が二本、唇の両端から出ている。
対して右手を掴んでいるのは金色の髪の色をしているサイドテールをしている髪型で先ほどと同様に赤いナイトキャップ帽をしている。全体的に赤色の服装で背中には宝石のような煌びやかな色をしているものが付いている翼と呼んでいいのかさえ危うい見た目をしているのを付けている。どうやら姉妹か親戚、という見た目をしている。
「咲夜、食事をとりましょう。」
青色の髪をしている人が手を繋いでいる女性が話しかける。咲夜、と呼ばれたのは紅魔館のメイド長を務める十六夜 咲夜のことなのだが、今はほんの少し立場が入れ替わっていると思われる。
「姉様の意見に賛同するわ。」
反対側にいる金色の髪をしている女性も同じように嘆いていた。
「分かりました。何を食べたいですか?」
咲夜は二人に視線を合わせながら聞いていた。本来ならこのような事はしないのだが、青年に言われていることがある。
三人で近くに住んでいる屋敷の世話役と子供という設定だ。見た目や言葉遣いから何となく誤魔化せそうなところであるが上手くいくのかと言われると何ともいえないところである。しかし、やらないわけにもいかないので此処では役目を全うするのみである。
「咲夜のものなら何でもいいわ。」
「宜しいですか、妹様。」
「うん。」
元気に返事した金色の髪をしている女性はまるで子供のように答えていた。演技というのか素なのかは分からないがうまく出来ていると思われる。
「それでは、食材の方を買いましょうか。」
少し時間は戻る。
青年に建物の上から呼び出された時の話だ。
大きく賑わっている道沿いを歩いていた三人は上から落ちてくる水滴に気付いた。空は晴れていてまずありえないと感じたが青年がしたというのならばそれは仕方がないと思われる。誰にも気づかれたくはなかったのか、それとも何か違う理由があるのか。咲夜はともかくあまり考えないことにした。
「何か用?」
「少し面倒な事になった。そこで貴方達には変装を行ってもらう。それと、誇りを傷つける事になるが一つ提案がある。」
青年は咲夜とほとんど視線を合う高さにいた。ただし、身長的に青年の方が低い。
「考えぐらいは聞くわ。」
「そうか。ここで衣服を変えるのは期間的にも悪手になる。それにレミリアとフランと同じ身長は居ない。其処で敢えてそのままでいこうと思っている。」
「どのような手段でもやるつもりよ。お嬢様と妹様が良いと言うのならば私は何なりと。」
「そうか。それは良い忠誠心だ。ならば、咲夜が世話役となってくれ。レミリアとフランには子供役をしてもらう。」
「承知しました。」
「どうして私に話を伝えてくれないのかは分からないけど今はそんな小さな事を気にしているわけにはいかないわよね。」
「楽しみにしているわ。」
「そうか。それでは頼んだ。」
青年は壁を登りながらどこかへ向かっていった。まるでトカゲのようであるがタネがわかればなんてことも無い。