青年英雄記   作:mZu

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第22話

幻想郷の東側にある博麗神社という場所は博麗大結界の境界の部分に建っていた。それはある意味幻想郷にもあるが外の世界にもあるといえる。その逆も然り。そのような場所では難しい顔をしている三人が居た。

 

一人は黒髪で赤い服を着ていて脇を見せている独特の袖を着用している。そして赤いスカートを履いていていかにも巫女という格好をしていた。外は結構寒いがそのようなことは関係ないのかそれとも何かで守っているのか特に防寒着を着ている様子はなかった。

 

もう一人は道具が暴れ出した異変を起こした原因を作った小人の姫で頭にお椀を被っている。薄紫色のショートヘアーで赤い服を着用している。足元は前とは変わらず裸足であるようで寒くはないのだろうかと思う。

 

姫はあの異変の後背丈が小さくなってしまい仕方がなく博麗神社に住む事にした。こういう時は優しい博麗の巫女には感謝しかないのだろう。

 

そして最後に幻想郷を作り出した一人である博麗神社を管理続けている人である人だ。金色のカールのかかった髪をしているが艶がある。そして中華風の服装をしていて袖は丸っこい防寒用のものがある。太極図のような図式が描かれたものの下には白色の体全体を覆い隠すようなものを着ている。そして扇子で口元を隠している辺りは何か不思議に感じる。

 

「霊夢、これからどうするのかしら。」

金色のかかっている女性は話しかけた。それは急を要するものであるらしく幻想郷を脅かすかもしれない可能性を持っていた。そしてこれからどのように対処するべきなのかは全く分かっていなかった。

 

「そんなことは分かっているわ。でも姿が見えないなら仕方がないじゃない。魔法の森へと降りているのは分かっているんだけどあんなところに建物なんてあるのかしら。」

霊夢は肘を机に置きながら顔を潰して話していた。それこそ少し怒っていて機嫌が悪いように見える悪態をついている。それだけで虫かごの様な所に入っている小人の姫は恐れていた。

 

「私も調べてみたんだけどそのようなことは一切なかったわ。」

どうやら幻想郷の管理者である八雲 紫も探索はしているようだがそれでも足取りが見つからないらしく難航しているのは目に見えていた。それでもやらねばならない。幻想郷の守護者とその管理者は熱い意思を持ってそのようにしていた。

 

「紫に見つけられないなら何も出来ないじゃない。どうしたら良いのかしら。」

丸い机の上に置かれている煎餅をボリボリと食べている霊夢は何も頭が働いていないような頭のぼやけた表情をしていた。あほ面というわけではない。

 

「手当たり次第に探すか、それとも全員を動かすか。どちらにするのかは貴女が決めなさい。私はすべての手配を済ませるわ。」

 

「分かったわ。少し考えるから待ってなさい。一人にさせてほしいから場所を移動するわ。」

霊夢は机に手を置いてからゆっくりと思い腰を上げていた。霊夢にも何か思惑があるのだと思われる。とにかく霊夢は一人で考える事にして他の二人はその考えを邪魔するようなことはしなかった。

 

襖は急に開いた。そしてその場にいた三人はまさかの登場に目を丸くしていた。

 

「邪魔する。霊夢はいるが紫もいるか。ちょうど良かった。」

その場には何かで編まれている笠を被っていて黒髪の後ろで一本に結っている髪型をしていて白色の服に黒色の上着それから覆い隠すようにマントを羽織っていた。ボタンのようなものがひとつ付いていてそのより下には何もない。そのような格好をしていた青年が現れた。

 

「アンタ、ついに此処までやってきたのね。」

霊夢は袖に隠している札を急いで取り出していた。しかしそうする前に青年は勝手に話を進めていた。

 

「今、俺がお尋ね者になっているらしい。そして何か探しているようだがもう手は尽きた頃合いだと思っていた。それで此処にくる事にした。」

青年は霊夢が構えている事など気にするような様子もなかった。そして一応三人の前で平然とした態度を取っている。一人はカゴの中にいるので出られるのかと言われるとそれはまた違う話になると思われる。

 

「それで何を話しに来たのかしら。」

紫は鋭い冷たい刃のような声で青年を責め立てていた。其処に人としての感情というものはなく憎しみや怒りが混じり合い獣のような魔物のような声をしている。本当に怒るとそうなるらしい。

 

「俺を全員に探させてほしい。」

 

「そんなことして何の得があるのよ。」

 

「妖怪の山での件。それは知っているか。」

青年は優しい声で話している。何か理由はあるのかもしれないが紫とは正反対であるので何か強調される部分が多い。

 

「ええ。それがどうしたのよ。」

 

「あれは多くの天狗が警備している中で襲われた。あの山という狭い範囲で多くの天狗が警備しているのにも関わらず防げなかった。つまり俺は此処で後ろから殺されようとも貴方達が同じような羽目に合うかもしれない。その人達に対抗する為の起爆剤として俺を使え。話はそういう事だ。」

 

「それで此処まで騒動を広げたの。それで被害が甚大になっているかもしれないわよ。」

紫は青年の発言の中で痛いところを突いてくる。だが青年は気にする事なく話を続けていた。

 

「あれくらいなら許容範囲だ。俺の予想が当たっていれば乗っ取られてもおかしくはなかった。まだ間に合うはずだ。」

平然と答える青年に絶句と言う返事をした博麗の巫女は仕方がなく立ちかけていた足を畳んでその場に座る事にした。もうこれは青年と紫の会話である。

 

「間に合う、間に合わないの話ではないでしょう。どうしてこうなったのかしら。」

紫は青年に対してひどい剣幕を出していた。怒っているように感じるがそれはまた違うという事を見ていればよく分かる。そんなわけで青年は平然とした表情で薄く笑みをこぼしている程度だった。

 

「まずこうなる前に危険因子を払い除けられなかった管理者が悪いだろう。それに俺は惨殺なんかしない。その事は過去の出来事を見ていれば分かるはずだ。」

青年は適当に話をしていた。何処を見ているのかそしてどの時間帯を見ているのか。過去なのか未来なのか、それとも現在とはまた違う世界を見ているのか。紫でさえその判断は完全には付かなかったのでもう何か違う事を考えているとしか言うことはできなかった。

 

「そう言う話をすると私が悪かったなんてこと言うんじゃないでしょうね。」

 

「そうなる。流れ着いた世界が侵されるだけだから何処に行こうとも変わらないだろう。」

青年は何処を向いているのかは分からなかった。そもそも紫とも霊夢とも小人の姫である針妙丸でもなかった。それは未来のようなそれともまた違うところなのか。

 

「それなら貴方が危険因子なんじゃない。此処で倒せば何もかも終わるのね。」

 

「したければしたければいい。敵の情報を知っているのも対抗手段を練れるのも俺の脳の中にしかない。それでも殺すのならすれば良い。言っておくが初夏の頃に起きた異変の時に俺が戦っていた正邪とか言う人は雑魚だ。それだけは言っておく。」

 

「何よ。私達では対処できないなんて言うのかしら。」

 

「そうだ。そもそも倒れていたのは何処の誰だ。」

 

「あれは油断しただけよ。カウントはしないでちょうだい。」

 

「ねぇ、一つ聞いても良いかな。」

カゴの中から声かましたので青年はその方を振り向いてみる事にした。其処には姫が居たが青年は今まで気づいていなかったらしい。青年は興味あるような表情をしていたがそれ以上声に出すようなことはなかった。話の流れを阻害するからだろう。

 

「何だ。」

 

「どうしてそんなことが言えるの。」

 

「実は思い出したことがある。それは過去なのだろうが四人で幹部を倒して魔王の元まで辿り着いた。だが、何ともならなかった。一進一退の戦闘を続けていたはずだがそれでも魔王は一切の疲れを見せるような事はなかった。相手が悪かったといえば簡単に話は済む。だが、もし本気で潰そうとするなら確実に幻想郷は終わる。正邪よりも強い者が五人。そしてその下に少し劣るくらいな者が六人居る。そしてその上に魔王がいる。実際魔王一人で此処に来たらすぐに終わるがまだ探しているのだろう。」

 

「それで自分の出汁にして幻想郷の底上げをしたいと言う話なのね。うまくいくと思っているのかしら。」

 

「此処まで困窮させているのならそれを露見させて大きい報酬を与えてほしい。それは幻想郷の管理者の側近としての地位なり大きな財産物を与えるのもいい。それは二人に任せる。それから姫。貴方は弱き者の為に前へと行進し続けてほしい。そうすれば必ず答えは見つかるはずだ。そして紫。最後に言いたい事がある。」

 

「言いたい放題だけど聞く事にするわ。」

 

「これは幻想郷の総力を挙げて行なっている。妖怪の山なり何処かに強力な協力者は居るからその人と連絡を取り合ってほしい。それから俺を見つけても襲いに来るな。今の所なら勝てる自信はある。」

 

「そんな事するまでもないわよ。」

 

「そうか。それは心強い。自分の得意分野だけを伸ばしていてくれ。それと最後にこの話を知っているのは此処にいる俺を含めた四人だけで良い。」

青年はそれだけを言うと博麗神社の離れにある小屋から出ていくように踵を返していた。どこに向かうのかはまだ誰もわかっていないが何か大きなことをしようとしていることだけはよくわかった。

 

「何をしようとしているのかしら。」

紫は疑い深く扇子で口を隠しながらその場に座っている事にした。きっと何も信じていないのだろう。だが、霊夢は一切そのような事はなかった。何かを決めたような清々しい顔をしていた。誰に求めることは出来ないだろう。

 

「紫、記者を全員呼んで。大きく出るわよ。」

その表情には一切の曇りはなかった。そして決めていて揺り動かせそうにないので紫でさえ諦める事にした。そもそも判断は巫女に任せていたのでこうなれば本人はどうなろうとも全て手配するつもりだ。

 

「集めるわよ。後戻りは出来ないけど大丈夫なのかしら。」

 

「あいつが言うならやるしかないわよ。」

 

「いつからそんな存在になっていたのよ。」

 

「初めて会った時からよ。」

霊夢はすぐに紫の小さな声に答えていた。その目には一点の曇りもない。そして輝いているので足止めなんていう半端なことでは止まらない。

 

「もう良いわ。呼ぶわよ。」

 

「分かったわ。それと姫。アンタは青年に言われた通りにやりたいことをやりなさい。」

霊夢はそう言うと紫を急かして全員を呼んで青年との会話を中訳して話す事にしていた。

 

青年が悪いようにわざと誇張させて巫女は話していた。そして青年は私が足止め出来た程度なので十分に強くなってから戦いを挑む事にさせていた。博麗の巫女に匹敵するような妖怪や人間、その他の種族は中々居ないので其処で針妙丸がその人達に活力を送るようにしていた。其処は青年の考えなので巫女は何も言及はしなかった。そして報酬として博麗の巫女と同じような地位をつけるという話をしてこの件を終わらせた。

 

その後幻想郷では一面を飾った様々な表情をした青年の顔写真とともにお尋ね者として皆に知れ渡る事になっていた。その騒ぎには各所から大きな反響があった。それに一憂する人もいれば一喜する人もいる。腕自慢はこぞって挑みにいくのだろう。そして弱い者は姫が一歩先を行く事によって扇動する道しるべの役割をしていた。

 

全ては永琳の頭の中で考えられたものを青年なりに行動を起こしたものだった。現状永琳が幻想郷を牛耳っているようなものだったがそのような事に興味あるかどうかは別の話である。

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