ロキ・ファミリアに妹との再会を求めるのは間違っているだろうか   作:非常食の大勝利!!

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プロローグ

「美遊がもう苦しまなくていい世界になりますように」

「やさしい人たちに出会って―――

 笑いあえる友達を作って―――

 あたたかでささやかな―――

 幸せをつかめますように」

兄の衛宮士郎はそう願った。

 

たった1人の妹を攫われ、たった1人の親友に裏切られ、たった1人の後輩を目の前で殺されながらも戦い続けた。

この一つの願いの為に。

 

今、衛宮士郎がやっている事はただの時間稼ぎ。

 

自分が生き残る為でなく、妹を逃がす為の時間稼ぎ。

 

「貴様の存在は既に破綻している。我々の綴る在来人類最後の神話にとって貴様は汚点になりかねない。その忌々しい能力も、不可解な魔術行使も、死人めいた悍ましい信念も。全てを切り裂こう、貴様の世界ごと」

何処からともなく取り出したいびつな形をした宝具は投影不可能。

でもやる事は変わらない。

「あぁ。それに見合う剣なんてこの世界の何処にも無い。だから、

無作法で悪いが・・・返礼は、俺の全てで、変えさせてもらう!!」

 

固有結界からありったけの投影宝具を集め迎え撃つ。

 

「原初に帰れ、天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)!!」

 

「う…ォォォォ!!」

全ての投影宝具を飛ばす。

投影宝具が風圧で潰され、髪の一部と顔の一部が侵食される。

「無駄だ!例え全ての剣を束ねたとて、究極の一には届かぬ!!」

飛ばした投影宝具の大半を打ち出し、士郎は穏やかな笑顔でこう言う。

 

「そうだ…たった一つが全てを上回る事だって、ある」

 

風圧で飛ばされながら、大事な事に気付いた。

 

 ようやく――わかった

 ずっと自分を支えてくれてたのは

『戦うための魔力

を送ってくれていたのは――』

 ――美遊だったんだ

 

「大丈夫だよな美遊 きっとお前なら すぐ友達もできるさ」

「もっともっと 色んなことを……教えてやりたかったな」

「あ……そういや」

「海に連れてくって約束 忘れてた」

「まずいなぁ……怒ってるかな美遊 怒ってるよなぁ…」

「……まぁでも 俺もちょっとはがんばったし」

「許してくれよな」

美遊との約束を思い出しながら意識が遠退いていった。

 

 

 

気が付くと、真っ白で殺風景な空間にいた。

身体が金縛りにあったみたいに動かない。

幸い口は動かせたので声を出す事が出来た。

「誰か、いないか?」

すると、「勿論いるけど?」

後方から声が聞こえる。

声のトーンからしてエインズワースの連中ではないようだ。

「悪いが身体を動くように出来るか?話しがしたい」

身体が動かないのであればどうしようもない。

「了解!まぁ僕もそうしたいのが本心だからね!」

どうも、相手は軽い感じの奴だ。

途端、すぐ身体が動くようになった。

「取り敢えず、ここは何処なんだ?」

返事はすぐに帰って来た。

「ここは死後の世界だ」

これとなく察していたが、やはり。俺はあの宝具で吹き飛ばされて死んだのか。

「それで…美遊は?妹は無事なのか?」

それが聞きたかった。

「勿論!優しいお兄さんのお陰でとりあえず一ヶ月無事に過ごしているよ!」

「そうか…」

それだけ聞ければ満足だった。

ん?待てよ…。

「って、一ヶ月!?俺が死んで一ヶ月経つのか!?」

「いや、正確には君が死んだのがついさっきで、美遊ちゃんがあっちの世界に行って一ヶ月経つんだけど…どうも時間の進みが速いみたいで…」

「そうなのか…皮肉な物だな…」

そう思ったのも束の間、いきなりデカイ声が飛んで来た。

「さぁ!そこで聖杯である僕からの提案だ!!君を愛する妹、美遊ちゃんの所へ連れて行ってあげるよ!だってもう一度会いたいだろう?」

それは、叶うのならば美遊に会って話がしたい。美味い物を作って上げたい。笑って、泣きたい。

聖杯と名乗る男の声は続く。

「今、美遊ちゃんがいる所はファンタジー系にそっくりなてかほぼ異世界だな。その世界の中心部の【オラリオ】ってとこなんだ。そこの【ロキ・ファミリア】の一員としている。周りの仲間達に可愛がって貰ってるよ!」

ロキ・ファミリア…オラリオ…。

出てきた単語を頭の中で整理する。

「そこに行けば美遊に会えるんだな?」

「あぁ…、そうだよ。君の戦闘技能と経験はそのままにしてあげる。様は記憶だね。あと、英霊エミヤによる侵食は完全に消すのは無理だ。だけど今の状態で止めてあげられるから、幾ら投影しようが固有結界を張ろうが身体への影響はなくす事ができる。姿はそのままで転生だ!!どうだろう?」

こんな話、信じていいのか…。でも、もう一度美遊に会えるなら。あの笑顔がもう一度見れるなら。

答えを出すのに余り時間が掛からなかった。

「頼む…もう一度、美遊に会わせてくれ!!」

これが俺の出した答え。

「君がそう言ってくれて良かった。じゃあ行ってらっしゃい!!また会えると思うから!あ、ボロボロの服は修繕して、侵食された腕と顔の一部に包帯しておくからね!!」

(ありがとう…)

声はでなかったが、心から感謝しながら俺の意識は再び遠退いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ここは?」目覚めると右眼しか見えない。肌に触れる服は修繕されていて、袖から出た左手にも包帯が巻かれている。

その直後、俺の視野に拳が見えた。

「ーッ!」なんとか避け、間合いを取る。

殴ってきたのはまるで狼を擬人化した様な男だった。

「オイ、お前、何処のどいつだ?」

男は俺に疑問を投げ掛けた。

「それはこっちの台詞だ。いきなり殴り掛かって来て何言ってる?」

「ケッ、包帯野郎に名乗る名前なんてねぇ。家の前にいる不審者は容赦しねぇ」

後ろには大きい洋風の屋敷がある。恐らく男は横の屋敷に住んでいるだろう。戦わなければ、殺される。

「俺は不審者じゃない。妹を探してるだけだ。戦うつもりは無い」

「妹だぁ?名前は?」

男はまた疑問を投げ掛けた。

「美遊って言ー」最後まで言わせてくれなかった。とてつもない衝撃が俺の左の頬を襲った。

「ーガッ!」殴られた衝撃と吹っ飛ばされた衝撃が俺の背中を叩きつけた。

「ハハ…最後まで、言わせてくれないとはな…」俺はゆっくり立ち上がる。

「ミユのチビに兄がいるなんて聞いた事がねぇ…てか包帯野郎、なんで動けてんだよ!!」男は目を見開いて驚いていた。

殴られる寸前に反射的に左の頬を強化していたから少し背中が痛いな程度で済んだ。けど顔の包帯が緩んでいて、もう取れかかっている。

「美遊の事を知っていることは…お前、【ロキ・ファミリア】の連中か…」

「お前何者だ?」怒りの篭った口調で言う。

無論「別に、タダの英霊の紛い物さ」と言っておいた。

男は再び拳を構えた。

多分俺を殺す気なのだろう…。

ならばこちらも殺す気でやらなければ。

投影・開始(トレース・オン)

生前使っていた二振りの夫婦剣、干将・莫耶を創り出し、胸の前で構えた。

「なんだ?オイ包帯野郎、お前魔法使いか?」

「正確には魔術使いだな」

両者共に気を張り詰めていた所、「ベート!貴様何をしている!」

ふと振り向くと、本とかでよく見かける美人。エルフがいた。

「るっせーな、リヴェリア!観ての通り悪人退治だよ!」ベートと呼ばれた男はエルフに対して反論した。

そのエルフの後ろから小柄な子が出て来て俺は目を見開いた。

紛れもなく、

 

 

 

 

 

 

 

美遊だった。

「お、お兄、ちゃん?」

「美遊!」

ベートとリヴェリアはその間唖然としていた。

 

ベートとリヴェリアが驚きの声を挙げたのはその直後だった。




とまぁこんな感じで書いていきますので、どうかよろしくお願いします。
それではまた次回でお会いしましょう。
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