IS世界のMS少女   作:LIA

2 / 8
明貴美伽のMS少女アートワークスの2巻そろそろ出ないかな、と思ってます。
ガンダムエースでの連載ももう結構長いし、出せるくらいの点数は溜まってるよね?


2話

 さて、3歳の誕生日に記憶が戻ってからはや2年と少々。現在5歳児なわたし、雪菜です。

 

 いまわたしがなにをやってるかというと。

 

「あははははは!」

 

 走ってます。

 

「あはははははは!!」

 

 ご近所を。

 

「あはははははははは!!!」

 

 全力で。

 

 いや待ってくれ。ちゃうねん。おかしくなったわけちゃうねん。

 チートや! このチートボデーがいけないんやっ!

 なにせこのチートボディ、いくらハシャぎまくっても息が切れて疲れるだけで翌日には一切疲労を残さない。当然のことながら熱が出て寝込むとかそんな体調不良はけして起こさない。

 当たり前といえば当たり前なのだが、前世では幼児期からしょっちゅう熱を出して寝込んでた身としてはひたすら全力で動き回っても、たっぷりご飯を食べてぐっすり眠れば翌日にはまた全開で動き回れるというのが楽しくて仕方が無いのだ。

 

 なので全力で遊び呆けてても仕方ないよね!

 セミ取りのために木に登って高さ3mから落ちても!

 紅葉して落ちてくる葉っぱを空中で捕まえようとして歩道走ってた自転車とぶつかっても!

 公園の池にやってきた鴨を餌付けして捕まえようとして池ポチャしても!

 

 わたし、のっとぎるてぃ!!

 

 あ、ちなみに住んでるのは日本の片田舎です。こんな時代でも自然が豊富に残ってるのに都心には電車で一本で行けるという立地です。

 田舎ちがう? いやでも家の周り田んぼとか畑ばっかだし、お隣の家まで20m離れてるんだよなぁ。まあおかげで遊ぶ場所には事欠かない。野山を駆け回るなんて、前世でも機会が無かった。体調的な意味と場所的な意味の二つで。

 でもって、アッシュブロンドな髪と苗字から察しがつくと思うけどわたしは日本人じゃない。日独ハーフだ。

 おかん共々世話になってるのは私の父方の祖父母であるらしい三河のじいちゃんとばあちゃんのとこ。このへん、なんか深い事情があるらしいんだけどわたしには教えてくれない。なぜおとんが居ないのかも。

 まあ、たぶん幼児にはまだ早いと思って教えてくれないだけだろう。よっていまはひたすら遊び倒すっ! 今日はテレビで見たパルクールの再現(っぽいもの)だ!

 

 

 

 そうやって遊んでたら上空を何かが通過していき、サイレンの音が響き渡った。

 ……? あ、白騎士事件ってこの頃だっけ? 原作ってよく憶えてないんだよなぁ。

 

 

 *

 

 

 しょーがくせーに、なりましたーっ! いや保育園にもちゃんと通ってたけどね。

 白騎士事件以降、世間はてんやわんやだったようだけど、幼児にはんなもんかんけーなく遊んで過ごしてておりました。

 それよりも、とにかくひたすら外を走り回っては面白そうなものを見つけるとソッコで突っ込んでハシャイでたらいつの間にか近所のやんちゃ坊主どもが舎弟になってた件について。ガキ大将を目指してたつもりはないんだけどなぁ。

 

 そんな女の子とは思えない遊び方をしてるわたしに、ついにおかんがキレました。

 

 とは言っても声を荒げて叱り飛ばしてきたわけじゃあない。

 もっとおそろしい策略を仕掛けてきたのだ。

 

 この時期になると、おかんが何をお仕事にしてるのか教えてくれるようになった。ガッコから親の仕事を調べようという宿題が出たので聞いてみたら教えてくれた。

 なんと、服飾デザイナーだというのだ! すげー! おかんすげー!

 で、「どうせなら、ママのお仕事見学しに来る?」 なんて言われたのでホイホイ着いて行ったのだ。その先に何があるかなんで気づかずに。

 

「はーい雪菜ちゃーん、こっち向いてー」

 

 パシャリ

 

「はいじゃあちょっとしゃがんでー。そうそうそのままー」

 

 パシャリパシャリ

 

「いいわーいいわー。笑顔そのままー」

 

 パシャリパシャリパシャリ

 

 あい、雪菜です。

 げんざい羞恥刑に処せられております。

 

 おかんの職場である服飾メーカーに見学に連れてってもらい、ガッコの宿題として提出するノートにいろいろと聞いたことを書きつけたあと、ふと、こんなことを言われました。

 

 「モデルやってみない?」と……。

 

 当然断りましたよわたしは。なにが悲しゅーて動きにくいひらっひらーのふりっふりー、を着なくてはならんのか。されど逃げ場はありませんでした。おかんの手によって塞がれてしまったのです。

 

「雪菜ちゃーん、ママ最近ちょっと雪菜ちゃんに言いたいことあるかなー」

 

「な、なにかなおかんー」

 

「もうちょっと、女の子らしさ身につけよっかー」

 

「い、いえすまむっ!」

 

 あのえがおはこわかったとです、はい。

 まあそんなわけで。服飾メーカー『ネェル・アーガマ』の新作カタログにキッズモデルとしてわたしの写真が使われることになってしまいました。おのれー。

 ちなみに、そのカタログを見たよそさまから仕事の依頼が来たそうですが断ってもらいました。恥を広げる気は無いんじゃい! けどおかんの要請だけは断りきれず、その後もネェル・アーガマのカタログモデルとしてだけお仕事することに。

 社員の身内だから報酬は安いんだけど、それでも子どもに渡すのはちょっと躊躇う金額がわたしの専用口座に振り込まれるようになりました。うん、これは将来必要になるときまでとっておこう。

 

 

 社名には、突っ込まないぞ。

 

 

 *

 

 

 小学3年生になりました!

 わたしの通う小学校では、3年生になるとクラブ活動なるものが行われるようになります。週に2・3回放課後に集まってわちゃわちゃやるのです。擬似部活動みたいなもんだね。

 で、わたしは何に入ろうかちょいと迷った結果、バスケ部にしてみました。

 

 思い出してないぞー?

 【少女はスポコン! コーチは□リコン!?】なんてフレーズ、思い出してないぞーぅ?

 

 さて、そんなかんじで新学期も一ヶ月あまりが過ぎ去り、バスケ部の活動でちょっと遅くなった帰り道をスーパーの駄菓子コーナーで買ったゴムボールでドリブルしながら帰ってたときのこと。近道として通り抜けようとした団地そばの小さな公園にクラスメイトがいるのに気がついた。

 あのちょっとぽっちゃり体格にふわふわの癖毛は……たしか馬場さん、だとおもう。あんまクラスの女子覚えてないんだよ、男子とばっかり遊んでるから。バスケ部の仲間は別だけど。で、その馬場さんが1人ブランコに座ってゆらゆら揺れてたので声を掛けてみることにした。いやだって、もう結構遅い時間だぞ? 放課後遊び呆けてた悪ガキどもも家に帰る時間だぞ?

 

「どした、こんなところで」

 

 隣のブランコに座るまでこっちに気づいてなかったらしい彼女ははっ、と俯かせていた顔を上げて驚いた表情を見せてくる。そんなに意外か? わたしが声かけるの。女子には優しく接してるつもりだったんだがなぁ。

 

「あ、シュネーライン……さん」

 

「もう遅いぞ。帰んなくていいのか?」

 

 そう問いかけるとまた俯いてしまう。あー、こりゃ家でなんかあったな? ほれほれ、おじさんに話してみんさい。

 

 んで、聞き出してみた所、パパとママがけんかばかりでいやだ、帰りたくない、とのこと。内心で(あちゃー)とか思ったけれど、こうなったらもう愚痴を聞くだけ聞こう、とぽつりぽつりと零れ落ちてくる言葉にうんうんと相槌打ってひたすら聞き役に徹する。

 30分は聞き続けたか、ちょっとすっきりした様子の馬場さんに、こんどはこっちから言葉を投げかける。

 

「んでさ、それ。そうやって馬場さんが考えたり感じたりしてること。ちゃんとパパとママに言ったか?」

 

「……え?」

 

 思ってもみなかった。そんな顔でふるふると首を横に振る馬場さん。

 

「やっぱさ、家族だから言わなくてもわかることってあるじゃん? でもさ、逆に家族だからこそ言わなくちゃわかんないこともあると思うんだ」

 

 だから、自分はこう感じた、こう思った、こう考えた、っていうのをはっきり伝えるのは大事だと思うんだ、と締めくくる。

 ……うん、いまひとつよくわかってない顔だなこれ。ともあれ、親御さんに話しかけることは忘れんな、と念押ししたあと家まで送っていくことにする。ちょうど馬場さんの自転車もあることだし、2人乗りだぜヒャッハーァ! とかやろうとしたらすっころんだ。そういえば、わたし転生してから自転車乗ったこと無かった……っ!

 あああ、泣かないで泣かないで。だいじょーぶだいじょーぶ、ちょっと手のひらすりむいただけじゃないこんなのツバつけとけば治るよ! 治るよ!!

 後日聞いた所によると自分の怪我よりわたしが血ぃだくだく流してたことにびっくりして泣いてたそうな。まあ転んだときに庇ったらとんがった石でざっくり切っちゃったもんなぁ。つーてもたかだか皮一枚だし、3cmも切ってないんだけどなあ。ま、それはともかく馬場さんの家で手当てしてもらいました。でもこのくらいの怪我はいつものことなんだけどな。

 そんでついでとばかりにごはんご馳走になっちゃって、さらに夫婦喧嘩で馬場さん――呼びにくいな、薔子ちゃんだからショーコと呼ぼう――が居心地悪い思いしてたと伝えて仲の改善を促してみたり。まあ、がきんちょ1人の言でなにが変わるわけじゃなかろうが、こういうのはまず動いてみるもんさ。やるだけやってみようや。

 

 

 

 で、ショーコとつるむようになって3ヶ月が過ぎた結果。馬場さんちのパパさんは見事に通院患者にジョブチェンジしました! わたしのせいじゃないぞ!?

 いや、夫婦喧嘩の原因は元キャリアウーマンだったママさんがショーコも手が掛からなくなってきたから仕事に復帰したいと言い出したことで。それをパパさんが、いや、君がきっちり家を守ってくれてるから僕は安心して仕事が出来るんだ、出来ればこのままでいてくれないかと反対。それでまあ、ちょっとエスカレートしそうになってたわけだけど、ショーコとわたしの意見で歩み寄りを見せてたわけだ。

 

 ところが好事魔多し。

 どこで聞きつけてきたか知らんが『女性の権利を主張する主婦の会』とかいう女性団体……市民団体? が夫婦の間に割り込んできた。いわく、女性の働く権利を認めないつもりか、とかなんとか云々。で、パパさんを攻撃し始めた。

 これがまたいやらしいと言うか陰湿なやり口で、あっという間にパパさんは追い詰められて職場を自主退職させられた挙句に気鬱を患って病院のお世話になるハメに。そしてパパさんがそんなになっちゃったから結局ママさんが働きに出ることに、と。

 わたしはひたすらショーコのフォローに奔走するので手一杯な状況。いやだってあいつらショーコの方にまでちょっかいかけてきていらんこと吹き込もうとしたり、誘導尋問仕掛けて余計なこと言わせようとしたりでうっとおしいことこの上なかったんだもん。

 じいちゃんばあちゃんの伝手やらPTAやらを通じて連中に対しての注意喚起はしてみたけれど、PTAって基本ママさんの集まりじゃん。逆に連中に同調しちゃう人も出てくる始末で……。

 

 うーん、子どもの身の限界を感じさせられたぜ。

 

 で、そんなこんなでママさんが働いてパパさんが療養という状況になっちゃったし、ショーコも軽く対人恐怖症気味になっちゃったので彼女の面倒はうちでみることに。とはいってもまあ学校から帰ってきて夕方まで預かるくらいでたいしたことじゃないけど。

 それでも慣れてるわたし相手じゃないとショーコの方に負担掛かるしねぇ。

 

 それからはバスケ部がある月・水・金はクラブ終わるまで学校の図書室で待っててもらって、そうじゃない日はうちに直帰して、一緒に本読んだりお絵かきしたりゲームしたり。

 学校の勉強以外で本を開くのはちょお久しぶりなのでコレはコレで楽しんでる。

 だからそこ、こっそり「雪菜が女の子らしい遊びをしてくれるようになったのが不幸中の幸いだわ……」とか言ってるんじゃないよおかん。

 そもそも、わたしは前世ではオタクだった。今でもその気質は残ってるので、こういうインドアな遊びも好んでいるのだよ。今までは体を動かす欲求の方が強かったからそっちを優先させてたけど、それもバスケ部で解消させられるようになったし。

 ちなみにバスケ部では上級生に混じって練習してます。幼児期から暴れまわってたせいか練習についていけちゃうくらい体力ついてたんだよねえ。おかげでクラブ内ではスタミナお化け扱いされとります。

 そうそう、家のお手伝いもちゃんとやってるZE? なんで掃除洗濯お料理なんかのスキルも地味に上達中じゃ。まあコレに関してはおかんとばあちゃんの教え方が上手いからだろうな。

 

 さて、馬場さん家の一件以降、新聞やネットニュースなんかもチェックするようになったけど連中、たまに問題を起こしているようで。 うちのご近所だけでなく、他所の土地でも揉め事を起こしているんだが、あんまり取り上げられてない。問題になっても、無罪放免か驚くくらいの軽い罰で出てきてる。

 これはあれかな。いよいよ女尊男卑主義が表面化しだしたかな。

 うーん、ガワだけとはいえ同じ女性として、こういう声が大きくて人の迷惑顧みない連中と同一視されたくはないなぁ……。

 

 

 *

 

 

 さて、5年生になった今年度、いよいよあのイベントが開催される。

 

 そう、第1回モンド・グロッソである。

 

 日本代表は原作でもおなじみ織斑千冬。選考会の様子も放映されてたけど、うん、他の連中じゃ相手にならんね! 真面目にレベルが違いすぎて鎧袖一触どころじゃなかった。まさしく指先一つでダウンさレベル。

 この調子なら日本の優勝はカタいな、とお風呂上りのほこほこモードで牛乳飲みながら中継を見る。

 1回戦第1試合からいきなり織斑千冬の登場か、うわ暮桜マジ綺麗な桜色……とか余裕持って観戦出来てたのも対戦相手が出てくるまでだった。

 

 対面には全身装甲が主流の第1世代において珍しく顔を始めとした各部の素肌が露出したIS。

 深紅に小豆色が各部に入っているその機体は、他のものに比べるとひどく小さかった。なにせ暮桜で全高3m越えるのに、こちらは2m強くらい。左手には縦に長く引き伸ばした八角形の実体シールド、右手にはメイン武装となるビームライフル。

 何より目を引くのが、頭部ユニットのV字型ブレードアンテナ。

 

 どう見てもガンダムですありがとうございました。それも明貴美○デザインのMS少女版です。あとカラー、それキャスバルガンダムだろおい。

 製作はアナハイム・エレクトロニクスだそうです。

 極めつけに、パイロットはインド代表のララァ=スンさんです。

 もうどこからつっこんだらいいのかわからないよ。

 当然のごとく思いっきり牛乳吹きましたが、なにか。

 

 そうやってむせている間にあっという間に試合が終盤戦に突入。展開早過ぎやしませんかねぇ?

 

 なんてボケを挟める余地が無いくらい双方ぼろぼろになっていたのには驚いた。

 ガンダムは頭部ユニットと右腕部を喪失。シールドを捨てて左手にビームライフルを装備しなおしていた。ハイパーセンサーに不調が出ているのか、暮桜を見失ったらしくゆっくりと周囲を見渡している。

 一方の暮桜も両脚部を喪失。背部のスラスターも完全に沈黙しており、もはやPIC制御でしか移動できないようだ。当然、機動戦なんて望むべくも無い。

 

 

 暮桜がゆっくりとガンダムの上を取る。ガンダムは気づいていない。

 

 そしてPICを切って自由落下、重力を利用しての斬撃か。

 

 瞬間、ビームライフルの銃口が跳ね上がって暮桜を捉える。間髪入れずに発砲。

 

 斬撃と射撃、お互い同時に被弾。そのまま地に横たわる両者。勝敗は判定に委ねられ……。

 

 

 勝ったのは暮桜だった。

 

 

 結局、第1回モンド・グロッソは織斑千冬の優勝に終わった。

 暮桜に傷を与えたのはガンダムだけという有様だった。2回戦で戦ったアメリカ代表なんて修理が終わってない暮桜相手に10秒持たなかったもんなぁ……。

 なにはともあれ、大いに盛り上がった第1回大会だった。暮桜vsガンダム戦は今大会ベストバウトに選ばれ、末永く語り継がれることになったのだった。

 

 しかしなにをどうやったら暮桜の背中にガンダムハンマーを当てられるのか。

 試合の映像を何回見直してみても良くわからないんだけど……?

 

 

 *

 

 

 小学6年生。ついに最終学年である。

 うちの学校では6年生女子を対象に身体測定と平行して簡易IS適性検査を行っている。

 

 で、本日その検査結果が返ってくるわけだ。

 ぐっと身長が伸び、あちこち膨らんだり引き締まったりしてけしからんボディを獲得してかわいやらしく成長したショーコと2人、たあいないおしゃべりしながら先生に呼ばれるのを待つ。

 程なくして名前を呼ばれたので教卓まで行って検査結果の書かれた紙を受け取り、中身を見ずに席まで戻る。こういうのは「せーの、」で見せ合いっこするのが楽しいのだ。

 周囲の喧騒ををBGMにショーコが受け取ってくるのを待つ。ついでに、去年同じクラスになって以来やたらと突っかかってくる浜田さんちの香奈ちゃんも待っててやる。彼女、何が気にいらんのかことあるごとに勝負を挑んでくるのだ。まあ、競い合うのも楽しいから受けて立ってるんだけど。こんかいは当然のごとく適性ランクの高さで勝負らしい。これ、細かい数値出たっけ?

 

 で、3人揃って誰から開く?と目配せしあう。こういうときに真っ先に動くのは香奈だ。

 公共料金の用紙みたいになってる紙を端っこからそっと開き、

 

 「見なさい! Bランクよ!」

 

 と高らかに宣言。おお~~……と教室がどよめく。小学生でBとかすげーな。マジ才能あるんじゃねーのこいつ。続いてショーコが開封。

 

 「あー、Cだったー」

 

 とちょっぴり残念そう。いやいや、Cでもじゅうぶん高いから。うちのクラス女子15人中4人しか居ないからいまんところ。

 で、最後に残ったわたしが開封、目を通す。

 

 凍りつく。

 

「……? 雪菜ちゃん?」

「なによ黙っちゃって。そんなに悪かったの?」

 

 にやにや笑いの香奈がわたしの手の中から用紙をひったくって目を落とす。同じように動きが止まる。

 横から覗き込んだショーコも同じく。

 様子がおかしいわたしたちが気になったのか、他の女子もわたしの検査結果用紙を見る。悲鳴が上がった。

 

 

 簡易IS適性検査結果:S

 

 

 …………What’s?

 




人物·用語集

●シーナ=シュネーライン
雪菜のおかん。服飾デザイナー。作中名前出てないけどここで。
雪菜が頭が上がらない人そのいち。
名前の元ネタはZ+C1少女『椎奈ちゃん』

●馬場薔子
雪菜の幼馴染ポジ。彼女のおかげで雪菜は女の子らしくしてられます。
いなかったら山猿ですよ雪菜は。
実は6年生時点で身長162cmのEカップという規格外ボディの持ち主。
名前の元ネタはロザミア=バダム

●浜田香奈
雪菜が気に入らなかったので突っかかってみたらバスケ勝負に持ち込まれたクラスメイト。
ひたすら走り回らされて動けなくなるまで勝負を続行させられて以来、ほどほどのところで切り上げることにしている。
名前の元ネタはハマーン=カーン

●IS適性Sランク
正確には機動兵器適性:S。これがIS世界に合わせて変質したもの。
あらゆる機動兵器に適応し、その特製を理解しつくし、その性能を十二分に発揮させる資質。
その才能を正しく開花させ、時と場所に恵まれれば歴史に名を残すことも不可能ではない。
実は雪菜が前世から持ち合わせていた天稟の才。もっとも前世では平和な日本に生まれた上に病弱だったため正しく宝の持ち腐れであった。
『かみさま』からのチートではない正しい意味でのギフトなのだが、雪菜本人はチートの一部だと誤解している。


 *


 主人公、初志をきれいさっぱり忘れ去るの巻。
 たまにはこういう残念主人公がいても良いと思うんだ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。