気づいたら大自然 小心者の異世界闊歩 作:yomi読みonly
ちなみに、どこかで書いたはず、って気がするのですが、どこで書いたか忘れた、そして見当たらなくなったカキコミを再カキコ。
ベルリバーさんの種族名、そしてスキル能力など…とりあえず見られるようにしました。
とは言え、話もそんなに進んでないのにネタバレされるようで、萎える。
そう思われる方は回れ右していただいて結構です。
話の中で、小出しにされるのを楽しみにしてください。
また、やっぱりこの捏造話でのベルリバーさんの能力が、イメージをつかむためにも見せてほしいという方は、活動報告を見てください。
あんな感じで進めていくつもりなのですが、出し切れないスキルがあった場合はどうかお許しをぉ~><
この話は、フォーサイトの4人が「ルーズィンタールの街」の領主の館に赴く時間にまで時は巻き戻る。
その時間、ベルリバーは、気持ちよく、外の景色、外の空気、ありのままの自然という初めて体感する全てを心行くまで堪能していた。
どこまでも広く続く空だ…とベルリバーはそう思う。
どんよりとしていた自分のいた世界とは違う、見渡す限り自然に満ち溢れた世界。
どんなに見続けても、なにを見ても感動してしまう、森林、湖、沼、それに大地、丘、山、数え上げればきりがない、全てが感動の宝庫だ。
そう思いながら、疾走(地面から小指の太さほど浮いた状態で滑っている、下手に歩くより早い)していると、自分が目的地にしていた場所を大きく外れていることに気づく。
「あれ?今どこらへんだ? 気づいたら道を大きく外れてるし…やっぱりよそ見はいけないな」
と独りごちた。
とりあえず街道に戻って帝都までの道を聞き直すとしよう…とするも、下手に歩いているとモンスターに出くわすような世界、そんな中で、外を通りすがる人など、見かけない。
冒険者やワーカーに会えればいいんだけどなぁ~と思いながらウロウロしているが、はたから見れば立ったまま、足も動かさず滑るように平行移動している人物、見るからに怪しい存在だ。
下手な建物など遠くにしか見えない、人気(ひとけ)のないちょっとした地平線っぽい景色を見やりつつ、シュー…と滑っていると、遠くにポツンとちっちゃい影が4人?かな?って程度には見えた。
「よし! やった! 誰か人がいたぞ。早速帝都までの道を聞いてみよう」
喜び勇んで、速度を上げたはいいが、その行動が警戒させることには気づいていなかった。
☆☆☆
「あの…、前からすごい勢いでなにかが近づいてきます…」 メンバ―の中で先頭を歩いていたエルフが警戒の言葉を出した。
「なにか?何かとは何です?」
2番目を歩いていた武装した男、その者がさらに詳しく、という意味の言葉を発する。
「まだ何者かは…でも人の形はしています、それに一人で…私達の歩くのが「1」だとすると「3」くらいの勢いで近づいてきます。」
「敵かどうか、人型のモンスターという線もありますか…」
と短く言い捨て、臨戦態勢に入るも…まだ距離はある、武技を発動するかどうか…と思って「待ち」の姿勢でいると
「おぉ~い、おぉ~い、よかったぁ、やっと人に会えましたぁ」と女性の声がした。…と思ったら、走っている様子でもないのに地面をすべるように直立のまま、こちらに滑って近づいてきた。
「なんです、モンスターではなかったではないですか!」 剣の持ち手の先端で「ゴツ!」と先頭の女を小突くとよろめいて倒れてしまい、しきりに謝罪の言葉を繰り返していた。
「うわ、大丈夫ですか? なんてことするんです?」とその女性、しかしその男は涼し気にこう言った。
「あぁ、失礼、お嬢さんに不快な思いをさせるつもりはなかったんですが…この3人はみなエルフです、私の買ったドレイなのですよ、これは躾けです。」
そのエルフの女性の手を取り、そっと起こすと「ずいぶんと乱暴な躾けですね、もう少し優しくされた方がいいですよ?」
多分納得はしていないのだろう、軽く肩をすくめて地面を滑ってきた女を見る(…どっちか判断はつきませんね、戦士系か…それとも
無遠慮な視線に体を抱き寄せるようにして「な…なんですか?」と小動物のような仕草をみて「そんなに強くはなさそうだ」と結論を出し、会話に入るようにしたようだ。
「あぁ、すみませんね、まるで地面を滑ってきたように見えたので、
「あぁ、少しは魔法もかじってる程度です、さっきのは魔法で、<
⦅はっきり言ってウソである、<
(それにしても<
「え?走っていた様子ではないのはわかってましたが、浮いていたのですか?」と驚いている様子の男に
「ハイ、地面から指一本分の太さくらい上空を浮きながら、滑って移動できるっていうだけの魔法です、歩かないでいいので、急ぐ時は便利なんですよ?」
「私の<縮地>もしくは<縮地改>みたいな感じですね。私にはそんな長い距離はムリですが」
「え?あなたも魔法を?」と女性が興味津々な表情で自分を見ていることに気づき、ちょっとした満足感がわいたようで、少し口が軽くなる。
「いえ、私の今言ったのは武技ですよ。<縮地>は相手との距離を一気に直線的に詰める武技、<縮地改>は前後左右を自由に足を使わずに移動でき、攻撃にも回避にも適応できます。」
そうスラスラと自分の有能さを自慢するかのように武技の性能まで披露した男に「へ~、すごいですねぇ~」と黄色い声で自尊心を刺激させた。
「私、さっきの魔法とかくらいしか自信なくって、武技とかもまだまだ覚えられないし…すごいと思います、他には? 他にはどんなのがあるんですか?」
とキラキラとした瞳で見上げてきていた。
(この女、見込みがありますね、私の有能さをここまで評価するとは…)
なんてことを考えていた…全てが芝居で、声も地声ではなく、マジックアイテムで変えた声とは全く疑いもしてない様子で、自分の武技の全てを気づけばしゃべり終わっていた。
「あぁ、すみません、名前を名乗っていませんでしたね、私は、リバー ヴェールと申します、ヴェールって呼んでください。」
「私はエルヤー、エルヤ― ウズルスといいます、お嬢さん」
「それにしてもすごいですねぇ~能力超向上なんて、私初めて聞きましたぁ♪」
(あぁ~…情報引き出すとは言え、女のフリって疲れるな~…こいつなんか不用心すぎやしないか? まぁ、助かってはいるけどさ)
一通りのことを全て話し終えたのか、こちらに話を振ってきた。
「ヴェールさんこそ、見事な武具の数々ですね、見るからに業物の数々だと見て取れます。」
「そんなことないですよ、女の遠出だなんて危険だってことで、身に着けさせられてるだけですから」
「ところで、なにか私達に御用だったのでしょうか?」と警戒まではしてないようだが、何の用事で近寄ってきたのか、知りたいようだった。
「あぁ、その…私最近、こっちの大陸に来たばかりで、地理に詳しくなくって…帝都というのはどっちの方角でしょうか?」
☆☆☆
…実はベルリバーは朝から迷っていた。
例のワーカーから聞いた帝国という街を見てみたくて、移動を開始したいが「その姿で街道沿いを歩くのは…」とダメ出しをされていたのがず~っと気になっていたのだ。
とは言え幻術魔法など、そこまで持っているわけじゃない、触れられればバレるし…と考えていると、ユグドラシルでは、専ら敵を待ち伏せするのにしか使ってなかった【スキル】がこっちでも使えないかと試そうと思いついた。
使うのは【偽装 Ⅳ】完璧に化けられるわけではないが、姿かたち、肉体としてなら問題ないはずだ…と思い、発動させると…
頭の中に候補が上がってくる〔ヘッケラン、アルシェ、???、???〕と並んでいるが、納得する。
「一度見たことがある相手の姿にならなれるのか…たしか自然の動植物は「Ⅲ」だったはずだし、そりゃ、人間はあの4人しか会ってないしなぁ~」
(そう言えば神官のおっちゃんと、ハーフエルフのお姉さんは最期まで名前教えてくれなかったっけか…)
とは言え、名前は知らなくても変装して化けられるのは助かる…として、???に意識を集中すると、あの神官のおっちゃんの顔が浮かぶ…(イヤイヤ、そっちじゃないって!)
それをキャンセルして、もう一つの「???」を選ぶとやっとあのハーフエルフのお姉さんの姿を選べるようになった、すぐさま発動させる。
外見が【偽装 Ⅳ】で見かけだけ女性の姿になっても、装備を身に着けることに問題はないようだ、装備としては不安の残るレアリティで、ほぼ全部レガシーだけど、このくらいでいいだろう、と思うが、「あぁ~…あぁ~~…」と自分の声を確認し…やっぱり、男の声のままかぁ~…としょんぼりする。
女の子の姿で男の声って…これはさすがになぁ~…と頭を悩ませること数十分、あれなら残ってないか?と思い出し、アイテムボックスをごそごそと探る…あった!!
「
「あ~~~、あぁ~」と声を出すと、間違いなくあのハーフエルフのお姉ちゃんの声…。
1回チョーカーを外し、オフ状態にして今度は頭の中でアルシェちゃんをイメージしながら再び装着…するとアルシェちゃんの声になった。
(やり~♪ しばらくこの声で行動して、違う声が手に入ったら、そっちの声にしよう…あんまり無断でアルシェちゃんの声を使うのは気が引ける…いや、悪いことには使わないけどさ。)
ぶくぶく茶釜さんの声もいいんだけど、こっちの世界に来た時に変化しちゃったみたいだなぁ~…
___________________________________________
※
ユグドラシル時代、ハロウィンの時期になると配られていたログイン時プレゼント用のイベントアイテム、その内の1つだ。
ゲームの中では友達登録していたリストか、ギルドメンバーの中から選んで、特定した人の声を真似することができた。
装備時に選ぶため、選び直すためには一度装備から外して、付け直さなければならないアクセサリ用アイテムだった。
___________________________________________
結局、それから、誰にも会うことはなく…ハーフエルフの姿ではあるが、クロークを装備しているため、フードで隠れて耳の部分はバレていないようだ。
(まさかエルフがドレイにされてる世界だったとは…、まぁさすがにあのワーカーチームもその話題は、チームメイトのために避けたみたいだな、ドレイの話も目の前にコイツに聞いたときは「一辺、死んでみる?」って聞きたくなっちゃったよ~)
(それにしても…こんな可愛いエルフちゃんたちをそんな風に扱うなんて…あまりにもひどすぎる…どうにかできないものか…)
と少し悩んでいると、そうだ、と思い付き…「ねぇ、エルヤ―さんちょっといいですか?」
「ハイ、なんでしょうか?」と振り向いてくれたので、「あの…後ろのエルフさんたちとお話ししてもいいですか?」
とちょっと聞いてみた所
「あぁ、敵が出てこない限りはお好きに? 前の方のこいつには警戒させておきますので…なぁ? おい!」と軽くではあったがケリを入れていた。
頭が沸騰しそうになりながらもなんとかこらえ「先頭の人の名前はなんていうんですか?」と問うと
「知りませんね、こいつも言いたがらないですし、いつも『おい』か『お前』ですね。」
こめかみに青筋が浮かんでいる自分を幻視出来たような気がしたが、「短気は損気」…だったっけか?機会が来るまで後ろの2人に話を通してみよう。
「それじゃ、エルヤーさん、敵が来たら教えて下さい、このエルフさんたちを守りながら、援護させてもらいますから」
「そんな必要ないと思いますよ? そいつらが減ったら、また補充すればいいんですしね」と冷ややかな視線を向けながらエルフを睨むようにしている。
(こいつどこまでもクズだな…うん、こいつはなにかあっても『消化』確定だな)
「ん~…エルヤ―さんはお金持ちなんですね、そんなにポンポン新しいのを買えばいいだなんて」
(エルフの価格がどのくらいか知らないが、俺たちの世界でだって、携帯用の通信機器を買うのにどれだけの苦労が必要だったか…それを思えば「モノ」と思っているとはいえ、大事にしようとか考えないのか!)
心の中で、グツグツとしたものを感じながら、質問を投げかける。
「エルヤーさんってお強いのですよね? もし不意打ちや、自分と同等の強さの人達3人くらいに襲われて、このエルフさん達…奪われたら、どうします? エルヤ―さんの基準で言えば、誘拐ではなく強盗…ということになりますよね?」
その言葉を受けたエルヤ―は信じられない者でも見たような目をヴェールに向けて、急に笑い出す。
「イヤ、そんなことはないでしょう、近隣諸国でも私以上の…というか私と同等の実力者なんてガゼフ・ストロノーフくらいでしょう…とはいえ、今では私の方が強いでしょうけど。」
…と自信満々に言い切ったので、それを記憶に刻み込む(ガゼフ・ストロノーフか…どんな男か今後の楽しみにしておこう)
「ということは、誰が来ても負けないということですね? エルヤ―さんは懐の大きい人でしょうし「モノ」を強奪されたくらいじゃ、目くじら立てて、探したりなんてしない心の大きい人なんでしょうね」
一応、誉め言葉として、それだけ認めているという意味と、「そんなことしたら、自分は小物ですって自分から触れまわる行為だということですよ」という意味の二つを込めて言い放ってやる。
「ずいぶん私のエルフに同情的なようですね、良ければお譲りしましょうか? …まぁ私もそろそろこいつらに飽きてきたところですからね。元々の出費の半額、2000金貨ほどでお渡ししますよ。」
こめかみに青筋を浮かべながら「ずいぶん思い切った提案ですね、もし私が、それを即金でお支払いしたら、どうするんです?」
「そんなことができそうな人だとは思えないからこその提案なんですよ、飽きてきたとは言え、まだまだ使い道がありますからね。使いつぶすまではお渡しできませんよ」
(それができるんだよな~…ユグドラシル金貨、たしか毎回ギルドに1万貯まったら預けに行ってたから1万は行ってないだろうけど…たしか8000~9000前後はあったはずだ)
※実はこの世界では、ユグドラシル金貨1枚はこの世界の金貨で2枚の価値がある、つまり
16000~18000前後の現金をアイテムボックスに入れて持ち歩いてることになる。
まだベルリバー自身は、そのことに気づいていなかったが…
(それにしても、この男、私のことを本当に女だと思って、それを言ってるのだろうか?だとしたらクズっていう表現ももったいなさすぎる、クズに申し訳ないってレベルだな…まぁ、私は外見だけで中身男なんですけどね。)
「ふぅ~…」とため息をついて「総合的に考えると『人権がない』以上、奪われれば奪われる奴が悪い、そういう認識のようですね。」
そう言い切って、エルヤーに「それでは、後ろのエルフさんとお話してきますね?」と言い捨て…
「それができるのなら、そうでしょうね、もし私相手にそれができる実力者がいれば…という前提が成立すれば…ですが?」と、エルヤ―はどこまでも自信過剰だ。
「それでは、前のエルフさん、あなたも気を付けてくださいね、なにか気づいたらすぐに教えて下さい、一番前は一番危険なんですからね?」
「…はい」と短く返事が聞こえた…すぐにでも消え入りそうな声だと思った。
「どこまでもお優しい方だ、こんな消耗品にそこまでする必要なんてないというのに…」とまた私の導火線を短くしようとしている。
(さて、これでなんとかなるといいけど…)と半ば望み薄かと思い<
(そうだよなぁ~、会話ができたとはいえ、名前…聞けてないんだもんなぁ~)
(そうなると後ろのエルフさん達だ、名前を教えてくれないなら、自分が呼び名をつけてあげたらどうだろう?これも試しだ、うまくいけば儲けもの♪)
「初めまして、エルフさん達、私はリバー ヴェール。ヴェールって呼んでね? よかったらお名前を教えてくれない?」
そう優しく語りかけたが、どうやら何かを思い詰めてるのか、顔を伏せたまま…の表情にどこかで見たことある表情だなと既視感に襲われる。
(どこだろう?)と思っていると、そうだ…自分が居たあのくそったれ世界のみんなだ…アーコロジーの外で生活してた人達の目だ…と気が付いた。
(この子たちは同類だ…あの時の自分らと同じような環境で、それでもずっと生きているんだ…でも生きることをあきらめかけてもいる。すぐになんとかしないと…)
と自分の決心を強くすると、返事が戻ってこないことはわかりながらも、根気よく話しかける。
「それじゃ~、よかったら、私が呼び名だけでも考えてあげるね?」
というと、後ろの2人とも、ぼんやり…というかどんよりというか、そんな表現にピッタリした瞳を向けてきた。
(良し!とりあえず反応はあった!)
前を歩いているのはショートヘアのブラウン系の髪をした子、恐らくレンジャーを獲得してるだろうから、こっちの言葉は聞こえていると判断して、後ろの2人にも少し落とし気味の声をかけ続けた。
「キレイな水のような色、透き通るような青い髪がステキなあなたは「ディーネ」ね、水の精霊のウンディーネからとって、あなたはディーネって呼ばせてもらうから、よろしくね ディーネ?」と笑顔で微笑んで目を見てあげると…少し、色が戻った気がした。
(でもまだ足りないな、どこまでの絶望を味わって生活してるんだか…)
「ねぇ、ディーネ? 返事くらいしてくれない? せっかく名前を呼べるようになったのにさみしいな。」と言葉をかけると「………はい」
この子も先頭の子と同様、消え入りそうな声で答える。
(これでダメなら、本名を聞かなきゃいけないんだろうが…あのワーカー達が本名じゃない名前で名乗ってくれたことを祈るしかないな)
そう祈るような気持ちで<
「<
『この魔法なら、小声でも充分な声量で相手に届けられるから、あの男には聞こえない、だからちょっとだけ話に付き合って?』と言って
『もしそれでいいなら首を一回、縦に振ってみて?』と<
(やった、これでなんとかなりそうだぞ!)
しばらくの時間、ディーネと話をした、というより自分が話して、それに対して首を縦に振るか、横に振るかしか反応はなかったが、それでも充分だ。
こっちの意図をディーネに告げて、全ての計画を事細かに説明する、それをディーネが隣を歩いている金髪のセミロングのエルフの子に「エルフ語」で文字にして見せるようにさせている。
筆記具はもちろん自分が提供した。
アイテムボックスの中に残っていた「メッセージボード」これはプレイヤー同士のやり取りで、緊急ではない用事で相手に意図を伝えたい時、例えばなになにのイベント、いついつのレイドボス討伐に参加しませんか? のような文面を板状の四角いワクの中に書いていくもので、ゲーム内ならそれが同じメッセージボードを持つ者同士のギルドメンバー、友達登録している者の間でのみ、伝わるような仕組みになっていた。
(実際は、結局他の友人や、ギルメンからのメッセージが届いたら、自分のが後ろに埋もれちゃってた、なんてことは普通にあったんだけど…こっちではそれもないだろう)
エルフ語でも使えるかと不安ではあったが、問題なく指の動きで文字が表示されていく。
そして、文章がいっぱいになったら、手の平をボードに当てて、横にスライドさせれば消去完了だ!
(便利だなぁ~…これはいくらでも応用が利きそうだぞ?)
試しにボードの文字を見ながら、<
問題なくエルフ語を読むことに成功した。
ということはこっちの世界の言語も読めるだろう。
(幅広く読みたい時は、<
そうやって着々と、エルヤーお仕置き、エルフちゃんたち強奪計画は始まった。
もちろん、強奪するということも彼女たちには告げている。
『余計なお世話ならごめんなさい、でもちゃんと聞かせて? 助けてほしい?』と<
しかし、こうも言われた。
『この計画が失敗しそうだったら、私たちはエルヤ―に逆らう気力はもうない…だからきっとあなたに敵対することになると思う』
と、申し訳なさそうに言われたので、心配いらないからね?という言葉と共に
『もちろん、危なそうだったらエルヤ―に全力で支援していいよ? それでも多分、この計画はうまくいくから、安心して?失敗なんてないから!』
と保証したら、目に涙をためていた、この時にはもう彼女たちの瞳は、かすかな希望を持っているようで、あのどんよりとした目もずいぶん薄まっていた。
『さて、それじゃ、これから私はあなたたちを強奪する、強盗犯になるつもりだから、ちゃんと盗まれる覚悟はしておいてね?』
と、笑顔で見やると、後ろを歩いていた2人は何度も、何度も頷いていた。
…そう、「強奪されて、さらってくれる」という希望を前に、もう彼女たちの中に迷いはなかった。ただただ計画が成功するように…との願いを込めて。
…そして後編に続く
みなさん、いつも評価、感想ありがとうございます。
いつも励みになっております。
そして、お話の中での一応の注釈
「幻術魔法はそこまで持ってない」とは言ってますが「全く使えない」とは言ってません。
その辺は理解してくれると、今後の話に違和感は覚えないと思います。
後編はもしかしたら、流れ次第でちらっとエッチっぽい表現が出るかもしれません。
書いてるうち、私の手が勝手に違うストーリーを展開させ、出ないかもしれません。
しかも、話の流れ次第ですが「私をいつから〇〇だと思っていた?」なのやってみたいなぁ~なんて思ってます。
どうなるかは乞うご期待!