気づいたら大自然 小心者の異世界闊歩   作:yomi読みonly

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とりあえず、気になる方だけ見てもらえれば…
という感じで「クーデリカのタレント」の内容をいつも通り、
「活動報告」の方にアップしておきました。

他の2人に比べて、明らかにわかりにくいタレントです。

そのタレントがこれからの話の展開に大きく関わってくるのか

はたまた、全く出番がなくなってくるのか…それはまだ不明。

とりあえずは、今後を期待してください、としか言えません。


あぁ…スマホ版のオバロ…アインズ様がでません…
出た人がうらやましい…なに☆5キャラ出現率2%って…

統括さまもお一人だけで、2体目以降が出ない…奥義のLVが上がりません…
そんな中で、ヤツメウナギさんばかり出るし~…
男の娘も出なければ、その姉も…竜人様もクレマンさんもモモン様も
出ない~~…運が無いですな、自分…><

現状、有名な存在でまだガチャに名を連ねてないのはガルガンチュア、ビクティム
、オーレオールさん…このお三方は出てくるのかな?…でないかも…

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第19話 カルネ村で過ごす夜、そして迎える朝

 今は陽もとっぷりと暮れた夜…護衛の中でサイゾウだけを残し、ルプスレギナも墳墓に帰らせ、余計な情報が露見しないようにという意味もあり、自らの護衛に…という名目で(そうしないと他の守護者達がこの村に泊まることを許そうとしなかったという騒ぎもあった。)今、骨の支配者の横にはパンドラズアクターが居る。

 さらに逆側の隣にはサイゾウ…という立ち位置でアインズの護衛についていた。

 

 そんな中、アインズの目の前には捕食者(人の姿は維持されているが…)、そして足元にすがるように、というか寄りかかるという表現が近いか…そんな光景で同室を許されているのが3人のエルフという状態だ。

 空き家の2階、そのとある一室にそんな2人が対面している。

 

 護衛2名は静かに支配者の横に立って、言われた通り「異常事態がない限り楽にしていていい」という言葉を受け、「休め」の姿勢で不動のまま立っている。

 

(楽にしていていいって言ったのにな…ホントみんな誰に似たんだ?この真面目さは)

 

 

 反面、昼間はずっと姿を隠していた至高の1人、捕食者の御方の横には護衛ではないためか、適当に床に座りながらベルリバーさんに体を預け、しなを作るように身を預けて安心している3人のエルフが思いっきりくつろいでいるのが対照的だった。

 

「や~、アインズさんもよくやりますよねぇ~、あんな結婚式なんてあっちの世界でもリアルで見たことないんでしょ?」

 

 そう軽い口調で口に出す。

 

 それに対して、支配者も親しい友人と話すときのような気やすさで返事を返す。

 

「いいじゃないですか、この村の中でもあの2人…というかあの両家の一家は特別なんですって!あの旦那の方なんか、チート級のタレントなんですから…味方につけておいて損は無いんですよ」

 

 

「へぇ~…ただのお人よしが災いしてすぐに損をしそうな旦那さんにしか見えなかったんですけどねぇ。…そんなタレントってどんななんでしょう、聞いても大丈夫ですか?」

 

「えぇ、旦那さんの方のタレントは「使用制限のあるマジックアイテム類なども含め、全てのマジックアイテムを装備、使用ができる。」っていうぶっ壊れ能力ですよ。」

 

 

「なにそれ!!!? それじゃ~その気になればワールドチャンピオンじゃなくてもたっちさんの鎧や盾を装備もできちゃうってことですか?」

 

「えぇ、それどころか、下手したら『スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』も使いこなせちゃうでしょうね…させはしませんが…。」

 

「えぇ、それには同意です、あれは他人に使わせていいものじゃないですからね、あれはモモンガ…あ、失礼アインズさんだからこそ…のギルド武器ですし。」

 

「まぁ、そんなことをさせなくても、普段だけでもすごい重宝されてるんですよ、この村では…彼自身は魔力系の職業構成してるのに、信仰系のスクロールだって読めるんですからね。」

 

「『癒しの杖』なんてマジックアイテムを持たせて、パワーレベリングをナザリックでさせたらあっという間にLV60以上いっちゃったりしてね。」

 

「そんなことされたら、うちらの「上位物理無効」「上位魔法無効」とかの能力も通じなくなるじゃないですか、そんな怖いことさせてないですって」

(難度180超えのンフィーレアか…、想像もできん…)

 

 この部屋の中では、直接の関係者でないのはエルフの3人娘だけ…それ以外はみんなギルド関係者だ…特に警戒することもなく暴露話が展開されている。

 

 というのも、すでにこのエルフ娘たちはベルリバーのことを全部受け入れている上であの依存っぷりなのだ…この場で何を知ろうと、ベルリバーの不利益になるようなことはしないだろうという判断を支配者も結論を出していた。

 

 何しろ、この部屋に入った瞬間、アインズはベルリバーに1つの提案をされたのだ。

 

 

 

「すみません、アインズさん、ちょっといいでしょうか?」

 

「ハイ、どうかしましたか?ベルリバーさん」

 

「あのですね、この姿の人間を捕食した時にですね…こいつが虐待していた奴隷3名を保護してるんです。 それで今その子たち、ボクのお腹の中でくつろいでるんですが…」

 

「へ? 腹の中に入れてるんですか?そんなことできるように?」

 

「えぇ、ユグドラシルとは仕様が変わってしまったみたいで…捕食すると強化されるのではなく、その外見や能力等を忠実に再現できるようになったというのは前にも墳墓で会った時に言ったと思うんですが…」

 

「腹の中で、捕獲するか消化するかすると、どっちにしろ意識はなくなってしまうんですよ、なのでどちらも選ばずに腹の中で過ごさせている状態でして…」

 

「あぁ…それは退屈でしょうね…でも大丈夫なんですか?私たちの姿を見させて…怯えたりしません?」

 

「それを確かめる意味でも一度出してあげようと思うんです、一応私の見てる光景はお腹の中に居る子達も共有できるので、今日のことちゃんと理解はしてる感じですよ。」

 

「音声も聞かせてるんですか?会話とかも?」

 

「あぁ、それは都合の悪そうなことは聞かせないようにすることはできるみたいです、私が聞かせようと思わなかったら、映像だけで、無音の世界だって言ってましたから、彼女たち」

 

「あ、女性が3人なんですね。」

 

「そうなんですよぉ~、エルフの子達でね、キレイどころが3人も居てくれてるので旅のお供には癒し効果も満点ですよ」

 

「いいですねぇ~…こっちなんか「至高の41人」とかって評されて、崇め奉られて…ほとんど神様扱いですよ…心の休まる暇がない…」

 

「それ、こいつらの前で言っちゃって大丈夫な話題だったんですか?」

 

 ベルリバーはチラっとアインズの護衛で付き従っている2人に視線を向ける。

 

「大丈夫ですよ、サイゾウの方は「シノビ」の職業構成ですし、秘密保持の能力はちゃんと持ち合わせてますからね。 それに私の命令で「他言無用だ」って言えば、他の守護者達だって、それ以上は言わなくなりますし」

 

「まぁ、それならいいんですけどね、パンドラズアクターはアインズさんの息子のようなものですから、アインズさんの不利益なことはしないでしょう。」

 

「息子って…まぁ、そういう認識でもいいんでしょうけど…なんか複雑だなぁ~その言われ方…」

 

「まぁまぁ…それでですね、都合の悪いことは聞かせない風にはできますし、私のチームメイトでもあります。アインズさんには顔合わせも兼ねてどうかな?と思いまして…」

 

「えぇ?でももう一度聞きますけど、本当にいいんですか? 私たちのこのナリなんですよ? 怯えられません?」

 念押しとして、さっきも同じことを聞いたが、再度、最終確認をする…本当にそれで大丈夫なのか?…と…。

 

「まぁ、そういう面も含めて、今この場で確認しておきたいんですよ。」

 ベルリバーの意見は変わらないようだ…、その決心を受けて、アインズも仕方なしに首肯する。

 

「そうですか…それで、この場で吐き出します?」

 

「それをするなら一度、本来の姿に戻らないと大口を展開出来ませんからね、その流れで見せるつもりです。」

 

「ベルリバーさんがそうしたいというのであれば…私はかまいませんよ?」

 

「ありがとうございます、それでは…行きますね」

 

 そう言うと、本来の姿に戻り、体中の口が結集していき、胴体の前面に集まる…まるで、胴体に大きな風穴でも空いたかのように、ポッカリと(牙も生えてはいるが)空洞のようになっていて「ぼぉぅえぇぇ…」という音と共にボト…と吐き出され、3人の女性が床に投げ出された。

 

 その瞬間、アインズは暗い想いを巡らせる。

 

 ギルドを去ることになったとは言え、ベルリバーは確かにアインズ・ウール・ゴウンの輝かしい記憶の中にあるメンバーの一人だ…その大切な仲間を傷つけ、罵るようであれば、それ相応の対応をさせてもらおうと…

 

 もしも彼女らが異形種だという理由で、悪し様に彼を罵倒し、この部屋から逃げ出そうものなら、シャドーデーモンを3体ほど呼び寄せ…ナザリック送りにしてもいい…しかしそれはベルリバーさんに決して悟られてはならない…それこそ、彼から笑顔を奪ってしまうことになるだろうから…と、強く心に刻んで、これからの展開を静かに見守ることにした…。

 

 そして…

「キャ~~!!!」という叫び。

 

(やはりか…ここでもやっぱりオレ達のような異形種は…)

 

 と、少し暗い考えに陥り…

 

「これがヴェールさんなのね…ホラ、見てごらんなさいセピア、口ですよ口!牙ですよ牙!…やっと、このお姿を見せていただけたのよぉ。」

 

「ホントだぁ~…すっごい鋭そ~…。」

 と言い、セピアと呼ばれた女性が指先で、牙の先端を「ちょん」とつついて…「いったぁ~い♪」と喜んでいる。

 

「聞いてはいましたが、聞きしに勝るお姿ですね、これこそコワカワ…というのでしょうか?」

 

「まるで「ブサカワ」の亜種みたいに言うのやめてくれないかな…ルチル…。」

 

「まぁ、いいじゃありませんか、例えヴェールさんがどのようなお姿でも…お人柄をよく知っている私たちからすれば、外見がどうだろうと…ちゃんと受け止められますよ? 私たちを見くびらないでくださいね?」

 肝が据わっていると言った方がいいのだろうか…水色の髪色をして、ボブカットのようなヘアスタイルをした方のエルフが堂々とそう答えた。

 

 

「そう…か、ありがとう…みんな、これからもついて来てくれるかい?」

 

「「「ハイ、ヴェールさま!喜んで。」」」

 

 三人がそろってそう声に出した。

 

 ベルリバーさんは顔のパーツが口以外ほとんど無いので、表情からは読み取れないが、声の感じからして、喜んでいるようだ…。

 

(良かった…わざわざ「手間」をかけずに済んだようだ…彼も喜んでいるようだし心の支えの一助になっているんだろう…となればそれなりの存在として認めてもいいだろう。)

 

 そう心に刻み、致命的な未来は回避されたことには、アインズ以外の誰も気づいていないのだった。

 

 

                   ☆☆☆

 

 

 ということが起こって今…ベルリバーに寄り添い、しなを作るような体勢で身を預けている…少しも彼から離れようとしていないようだ。

 

 そしてベルリバーはと言えば、エルフが寄りかかる場所、足や腿、ヒザの辺りなどにあった口の数々を上半身へと移動させて、傷がつかないように気を使っている。

(これも一つの信頼関係の形なんだろうな…)

 

 としみじみ思いながらアインズは1つ問いかける。

「ところでベルリバーさん、あの子のことはどうするんです?」

 

「あの子? あぁ…もしかしてアルシェちゃんのことですか? う~~~ん、どうしましょうかねぇ~…」

 

「何も考えてないんですか?」

 

「そうじゃないんですけど、最優先は「あの親から離して安全な場所の確保」っていうのがありましたからね、それが解決したばかりだし、とりあえず明日、彼女に聞きに行ってみますよ。」

 

「そうですね、1つの問題が解決されると、また新たな問題が…ってなると考えることが多くて大変なんですよね…今、向こうで身につまされてますよ。」

 

「アインズさん…なんだかヘロヘロさんっぽい雰囲気になってきてますよぉ、元気出してください!」

 

「あぁ…すみません、つい…」

 

(ずいぶんストレスを抱えているみたいだな、モモンガさん…そりゃそうだろな…ユグドラシルがなくなるって話になって、ずいぶん落ち込んでいただろうし、その上で覚悟を決めて最終日まで最後の一秒までユグドラシルと共に…って思っていたら、こんな世界に来ていて…NPC達も動き出したり、神のごとくあがめられたり…ギルドメンバーは誰一人いなかったって言うんだし…)

 

 静かにその様子を見守っていたベルリバーはこのままだと、心が悲鳴を上げて限界を迎えてしまうんじゃないだろうか…ついそう思ってしまう。

 

「そんな顔しないで下さいって…モ…ぉ~…、アインズさん…墳墓のサプライズの件が「無事に」終わったら私もナザリック入りしますから、安心してくださいよ」

 

「え? ホントですか?ベルリバーさん…でもそれだとその3人の子たちはどうするつもりです?」

 

 急に自分たちの方に話題の趣旨を向けられ、驚きながらも不安そうにバルリバーさんを見上げている。

 

「ん? もちろんナザリックまで連れて行きますよ?」

 

 目に見てわかるほどホッとするエルフ3人には悪いと思いつつも、大事なことだ、と判断し事実を突きつける。

 

「あそこ、異形種しかいませんけど…」

 

「それでも…です、よかったら、第6階層あたりで、暮らせる場所を作っといてくださいよ、人間種の捕虜のために使う住居だから…とかって理由付けて。」

 

「軽く言わないでくれません? ギルド入りするための条件、知っているでしょぉ?」

 

「おや?そんなこと言っていいんですか?あそこの守護者にはちゃんと亜人種のダークエルフが2人も居るじゃないですか?それに領域守護者にも1人、人間が居るの知らないとでも思ってます?」

 

「えぇぇ~?それ出します? その話はみんなで話し合って解決してることじゃないですか? それにギルドメンバーじゃなく守護者ですから、同じじゃないですよ?」

 

「でも事実でしょ? あの子たちは居てもいいけどこの子達はダメってのは明らかに平等じゃありませんよ、それに明美ちゃんだって、招いたことあったじゃないですか」

 

「それはギルメンの身内だったからでしょぉ? 変な所を混ぜっ返しますね」

 譲らないベルリバーに苦笑する様子で…でも、どこかこんな食い下がってくる姿勢での話し合いはずっとなかったアインズにとって、心のどこかで求めていたものなのかもしれない、そこまで不快という感覚は抱いていないようだった。

 

「じゃ~こういのはどうです? 墳墓の調査で入る私たちのメンバーの前にそれぞれ階層守護者を中ボスみたいに出して戦うんです、それで5回戦った内の2回以上勝てたら、この子達が住むこと、許してくれません?」

 

「3回じゃないんですね、2回ですか?」

 意表を突かれたような、愉快げな雰囲気で答えを返しながらも少し悩んでいる。

 

「だってみんなレベル100なんでしょ? 3回なんてどうやって勝てって言うんです? ボクはガチのビルドじゃないの知ってるでしょ、アインズさん」

「まぁ…5回チャンスの内、どういう階層守護者の組み合わせにするかのメンバー選抜はアインズさんに任せますよ。でもインターバルなしの連戦とか5体いっぺんにとかは勘弁してくださいね?」

 

「丸投げですか? それだとアウラとマーレはどういう扱いにしたらいいと思います?」

 

「あぁ…あの子たち、二人で1組って概念の階層守護者ですもんねぇ~」

 

「あいつがいたら、ボクのパートナーとして、一緒に戦わせられたんだけどなぁ~…アインズさん、アイツ消しちゃったんですよね?」

 

「あ…アレのことですか?消してやしませんよ?何言ってるんです?」

 

 急な話の転換をしたベルリバーに、その真意をすぐ理解したアインズは即答する…そしてしばしの空白の時間が過ぎ…「は?」と疑問の声がベルリバーから返された。

 

「なんでです?ギルド辞める時、消しちゃっていいですよ、って言っといたじゃないですか!」

 

「なんでって…それは他のみんなの神器級装備のアレらと同じですよ、捨ててもいい、売ってもいい。そう言われてそんなことすると思います?」

 

「まぁ…ギルド長はそんなこと平気でする人じゃないとは思ってますけど…でもNPCを作るポイント、もうないんじゃありません?」

 

「あの子、精々が50LVでしょ?そのくらい残してありますって…」

 

「うわぁ~…軽い冗談のつもりで言ったのに残してくれてたなんて…これも一つの黒歴史か~?」

(どうしよう…)

 

 はっきり言って頭を抱えてしまったベルリバーにからかうようにアインズが声を掛ける。

 

「こっちの黒歴史のこと(パンドラズアクター)もさぞや楽しんでくれたんでしょうから、ベルリバーさんもあきらめて下さい。」

 

「そんなこと言われたって、100LVキャラ2人との戦いに50LVキャラが1人加わって、勝率どれくらい上がると思ってるんです?」

(そんなことされたら、一回分の負け確定じゃん!)

 

「5回中2回ってアイデアを出したのベルリバーさんでしょ? 今更なに言ってるんです? 難しい方が達成した時の喜びもひとしおでしょ?」

 やたらそのやり取りを嬉しそうに返しているドクロ顔の支配者、中身はこんなに愉快な人(?)だったんだ…とエルフの3人は見守りながら会話を聞いている。

 

「そりゃ~そうですが…そうだ…起動はどうするんです? あの夜の時みたいにノコノコとナザリックに入ったら、今度こそ、気配確定されて大騒ぎになるんじゃありません?」

(この意見を返されたらおしまいだぞ?…頼みます、ギルド長…助けると思ってぇぇぇ)

 

「それなら、自分が起動させますよ、テキストの所に「企画、作成、監督ベルリバー」「産婆役、モモンガ」って一番最後に書いて起動させますから安心してください!」

 片方の眼窩の赤みが暗く消えて、片手をグーにし、親指だけ立てている…このポーズに込められた意味は、エルフの3人にわかるはずもない。

 

「アインズさぁぁぁぁぁん!!」

 

「あの…ヴェールさん…話がわからないんですが…何の話をしてるんです?なにか都合の悪い話なんですか?」

 身体を預けながら、話の一部始終をおとなしく聞いていたエルフの1人が疑問に思っていることを直接、アタフタしているベルリバーに問いかけている。、

 

「あぁ、いや…なんでもないよ…なんかね?生き別れた娘がまだ生きてるんだって聞いてね? ちょっと動揺してるだけさ…」

 

「え? 娘さんですか? ベルリバーさん……そうですよね、婚姻の一度くらい、ヴェールさんほどの人ならきっとされてますよね…」

 

「あ…いや、違うんだって、ディーネ。 そういう娘じゃなくて…自分一人で作り出した「作品」みたいなものなんだって!」

 

「え? じゃ~奥さんがいるわけじゃ~ないってこと?」

 

 嬉しそうな茶髪のエルフ…この子はセピアとか言ってたっけ、その言葉に顔を上げ、そのセピアという子の隣で期待しているような目を向けている金髪のエルフ、この子は確か…ルチルだったか…。

(それにしても『1人で生み出した』って爆弾より『奥さんは居ない』って方を重要にしてるってことに驚いてるよ!)

 

「でも…アインズさん、あの子って、色んなNPCとキャラが被るし、それに実戦向きじゃない職業構成だからって話し合いになった所で、ボクが遠慮したじゃないですか…いいんですか?」

 

「まぁ…そうですけど、いいんじゃないですか? 今思い出してみると夢のある職業構成だったじゃないですか、もしもこっちの異世界であれがその真価を発揮したらナザリック的にもメリットが大きいんですよ。」

 

「そうですけど…それがこっちで本当に作れるかわかりませんよ? 本気でゼロから「有」を生み出すようなもんなんですから…」

 

「まぁ、大丈夫ですよ、そういうものを作る器具は、この村のポーション職人の一家に一通りは持たせていますから…もちろんユグドラシル製のね。」

 

「まぁ…ナザリックの役に立てるかも、とまで言われたら…それ以上の固辞はできませんが、それは賭けですよ? せっかく生み出してもらっても何の効果も起こらないかもしれないんですからね?」

 あきらめたような雰囲気になり、そしてどこか期待しているような雰囲気にもなり始め、最悪の時の状況を先んじて提示して最終確認をとる。

 

「な~に言ってるんですか、誰かさんといっしょに「ユグドラシルの世界の1つだけでも征服してやろうぜ」なんて悪乗りしてた頃のベルリバーさんはどこに行ったんですか?」

 

「あちゃぁ~…そのこと、まだ覚えてますか…いい加減忘れてくれません?」

 

 エルフの3人が驚いて彼を見上げている、今の彼から判断して、そんなことを言うような人間だと思っていなかったせいだろう…真相は、「ウルベルトさんに感化されただけ」っていう事実なのはオレたちだけが知っていればいいことだ…この話題を共有できるのはギルドメンバーだけでいい。そう思っているアインズはそんなことまでは言わずに意地悪い返事をベルリバーに告げる。

 

「忘れるわけないじゃないですか、あの時の思い出も全部がオレの全て…輝かしい記憶…宝物なんですから。」

 

 そして、照れくさいような気持ちになったベルリバーは、話題をアインズが言いにくかった内容、アルベドの一件に移り…お互いに恥ずかしい想いをしながら、夜は更けていく…。

 

「眠くなったら、いつでも好きな時に眠っちゃっていいよ」

 そう優しく3人のエルフたちに語り掛けてあげながら、2人の会話は弾んでいくのであった。

 

 

                   ☆☆☆

 

 

 そして、朝を迎え、至高の2人とその護衛(パンドラズアクターは弐式炎雷さんに変化してアインズの影、サイゾウはアインズの指示で、外見がエルヤ―の姿をしたベルリバ―の影に隠れているので見えていない。)、さらに3名のエルフまでもが現れ…、朝を迎えて外に出たら昨日まで居なかったはずの何者かがいきなり沸いて出てきてるのだ…そうなればもちろんエルフの3人と共にいる見知らぬ1人の剣士のことを村人は驚きながら、朝の挨拶を通して、その素性を…というかコトの経緯を尋ねている。

(そりゃ~、昨日まで居なかった存在が4体も現れたら、驚くし、不安にもなるだろうし、警戒もするだろうな…)

 

「あぁ、昨日までは居ませんでしたが、私の魔法で来てもらった者たちですよ、警戒しなくても、この村のことは外に漏らさないと言う確約は取ってありますので、安心してください。」

 

 そうアインズが村人に説明をすると「ゴウン様がそう言われるのなら…」と安心したようだ。

 

 そこでアインズへと聴きなれた声が朝の挨拶をしに来てくれる。

「おはようございます!ゴウン様!」「ゴウンさま~♪ おはよぉ~」

 

「おぉ、エンリにネムか、昨日はよく眠れたかな?」

 そう何気ない一言に返ってきた返事は2種類。

 

「ハイ、よく眠れたかは置いておいて、すっかり元気です!」

「うん!よく眠れたよぉ~!」

 

 そこで、アインズははたと気付く…1人足りないと…。

 

「ところでエンリ…キミの旦那さんはどうしたんだい?朝からポーションの仕事にでも行ったか?」

(昨日、行動による疲労の半減効果と、1日に1度とはいえ、疲労の全回復効果の指輪を贈ったんだ…単純に言えば、指輪をしてない時よりも4倍くらいの行動をしても大丈夫なはずだからな。)

 

「あぁ、昨日はンフィにはちょっとムリをさせちゃったみたいで、疲れて寝ています。もぉ少し寝かせてあげようかと思ってまして…」

 

 と、顔を少し俯かせ、耳を赤くしているエンリの言葉に仮面の下でアゴが外れんばかりに「開いた口が塞がらない」状態でいるアインズはここですごく興味がわいた。

 

(いくら何でも、この体力の変動具合はありえないだろう…普通の成長ではない…、一体どんなことがあったらこんなことになる? 本人は全く自覚していないらしいが…)

 

 そう思い、目の前のエンリに気づかれないように一つの魔法を唱える…<職業構成の精髄(クラス・エッセンス)>…普通はPKを仕掛ける際、もしくはPVPの前に相手の情報を得る段階で使用するもの…そのつもりもない相手に使うことはしたくないのだが…あまりにもエンリの成長具合が気にかかる。致命的な何かなら、早急になんらかの手段を講じる必要がある、という想いもあり、昨日は後日と言ったがそうも言ってられないという気分にさせられ、アインズは、目の前の光景に愕然とする…こんなことがあり得るのかと…。

 

 

 (一般)でも(ジーニアス)でもない…これはなんだ…なんでこんなことが起きるんだ?

 

 

 もしや、これはアレか?死獣天さんが話していた「覚醒遺伝」とかいうやつか?それとも「先祖返り」というものか…彼女の遠い先祖がプレイヤーか、もしくは軍隊所属の…官位を受けていた者がいたとか…

 

 とりとめのない考えに陥りそうになり目の前の少女から声がかけられる。

 

「ゴウン様、どうしたのぉ~?」

 

 そこでハッと我に返る…すぐさま魔法の効果を打ち消し(目に見える発動エフェクトは無かったため誰にもバレてはいないが…)「いや、なんでもないさ、ネム…ンフィーレア君が過労で倒れはしないかと心配でね」

 

「かろう?」意味が解っていないのも仕方ないか…と思いネムに言って聞かせる。

 

「イヤ、何でもないよ。 いつまでも彼が元気に居てくれるのが家庭円満の秘訣だからね、心配になっただけってことさ」

 

「そうなんだぁ~…でも大丈夫だよぉ、ンフィ君、あれで結構回復早いんだよぉ~?」

 

「そ…そうなのか…そういえばムラサキのポーション以外にも何か研究してるとか言ってたし、そういう(・・・・)回復薬も試作してるのかもな…」

 

 

「あぁ、そう言えばンフィ、そんなこと言ってたかもぉ…」

 そう呑気に言っている張本人が一番ンフィーレアを精力的に枯渇させていることになど全く気が付いていないだろうことに「気の毒に…」と少しだけンフィーレアに同情した。

 

 そしてそれと同時にこうも思う…

「魔法使いでよかったと思える日が来るなんてな…頑張るんだぞ?ンフィーレア…将軍(上官)の命令に抵抗(レジスト)できるほどの精神力を養うんだ…」

(…ん? この場合、肉体の抵抗値だったか?…まぁ…どちらにしろ…疲労無効の指輪だったとしても、アッチの方は無限にはしてあげられないからなぁ~…)

 

 なんてことを考えていると、ベルリバーさんから声がかかる。

「それじゃアインズさん、ボクはこれからアルシェちゃんのとこに行ってどうするか聞いてきますよ。」

 

「まぁ、彼女には水晶玉と、クリスタルグラスを買い取った際の1500+500、さらに水晶玉を1日レンタルした際の即金、500も渡してるので、計2500金貨持ってるんですよね、だからムリに墳墓に来る理由は無いんですが…、他の理由での場合はその理由を聞いておいてください。」

 

「了解です、アインズさん、それじゃ、行ってきます。」

 そう言ってエルフの3人を引き連れてアルシェが泊っただろう、昨日式場として使った家に歩み始めた。

 

「あ、そうだ、一応女性の部屋に行くんだし、<伝言(メッセージ)>で知らせておかないとな、身支度を整える前だったら大変だろう。今は妹さん2人とも一緒なんだし…」

 

 そういうとすぐさまこめかみかと思われる場所に指をあてて魔法を唱えた。

 

 

                  ☆☆☆

 

 

「朝早くから押しかけてしまって悪かったね、昨日はよく眠れたかい?」

 

「えぇ、妹たちも無事でしたし、のどかなここの雰囲気でよほど安心したようで妹たちはまだ寝ています。」

 

「そうか、それはよかった、あまりあの子たちに現実的な話は聞かせたくないからね…」

 

「でもまずはこっちの事情から説明をしよう。」

 さすがに朝早くに見知らぬエルフ連れで家に来られれば驚くだろう、何から驚いていいかわからないような様子だった。

 まずは事情の説明をして理解してもらう。

(昨夜、アインズさんのとこでも説明したから、今回はよどみなく説明できたぞ!)

 

「ところで、まだ午前中なのにどうかしたんですか?」

 急に訪問されたことが単純に疑問なだけで、非難めいた雰囲気はどこにも含まれていないことに安心して用件を伝える。

 

「まぁ…ひと段落ついて、落ち着いたとこ悪いんだけどさ…ワーカーの方の依頼はどうするんだろうな?って思ってね。」

 

「まだ、どっちにしたらいいか悩んでる。」

 そう短くいつものような言葉で返してきた。

 

「そうか…どんな点で悩んでいるのかな?」

 

「事実、この村でひっそりとのんびり暮らすだけなら充分な蓄えはある…そこの心配はしてない。」

 

「そうか…お金以外の理由で、そこに挑戦したいって想いがあるのかな?」

(少し探るような言い方だけど、そうであってほしい気持ちもあるからなぁ…)

 

「もちろんそれはそう…自分が引退するなら、今まで世話になったチームのみんなと…締めくくる意味でもいい冒険にしたい。」

 ぎゅっと手を握るようにしているのが、まるで今の気持ちを物語っているようだ…

 

「その気持ちは他のメンバーも同じで居てくれてるってことならいいよね…」

 

「この村で慎ましく暮らすなら、お金の心配はない…でも仲間のみんなはきっと…」

 言い淀む様子のアルシェの言葉をベルリバーが引き継ぐようにして言葉を続けていく。

 

「未探査の遺跡で財宝があれば、手を出す?」

 

 そう言葉を続けると「コクン」と首を縦に振られる。

 

「その彼らを止められれば、命が助かるとしても?」

 

 その言葉を受け、アルシェはヴェールの顔を見上げる…そうすると本気の瞳がそこにあった。

 その瞳は確信を持ってこう告げているのだ…

「止められなかったら、メンバーは殺される。」…と…。

 

「止めてあげたい…誰にも死んでほしくない…でも…私だけじゃ…」

 握りしめた拳にポタン、ポタン…と涙の雫が落ちて手の甲を濡らしていく。

 

「なら…ボクも一緒に彼らと同行しようか?」

 

「え?」

 

 いまだに涙を浮かべたままで見上げてくる瞳は何かに望みを見出しているかのようだ。

 

「でもさすがに、墳墓に入るまでは先日のカフェでも言ったように『天武』のエルヤ―でいなきゃならない。 そう振る舞うけど、信じてくれるね?」

 

「それから、こんな感じにもしていくコトになるんだけど、そこはちゃんと知っておいて?」

 

 そう言うと、エルフたちに魔法をかけ、幻影で包み込む…すると見る見るうちに耳が途中から切り取られ、衣服もみすぼらしいものに変化して見えた。

 

「これが…『天武』なの?」

 初めて見るエルフたちの痛々しい姿に目を逸らすこともできないまま、見つめている。

 

「そう…こんな扱いをエルフたちに強要して、いざとなればモンスターの盾として戦おうと…いや、実際にそうしていたのが本当のエルヤ―=ウズルスという人間なんだよ…」

 まるで言いたくもない、見たくもない、伝えたくもないことを口にした…口内いっぱいに汚れた空気でも流し込まれたかのような…そんなしかめられた表情になり…

 

「みんなと待ち合わせる拠点に行って、前金を受け取って、中に通してもらうまで…この姿で居るしかないんだ…その演技もしなければならない。」

 

「そんな…そのエルフさんたちは?そんなことされてもいいってことなの?」

 信じられないという表情で未だに痛々しい姿の幻を纏っているエルフがそろってこう答える。

 

「それがヴェールさんのためになるんなら喜んでこの幻にも耐えましょう、そして芝居での罵りや叱責も…ヴェールさんからなら喜んで…」

 

「だから、なるべく率先して先行したりしないように…、ボクが合流するまではなんとかチームのみんなを足止め…とまでは言わないけど、じっくり行動させるように…お願いしていい?」

 

「うん、わかった、できる限りがんばる。」

 固い決意の瞳に満足し、1つの救済策を教えてあげる。

 

「そこの墳墓は<伝言(メッセージ)>の魔法は問題なく使えるはずだから…、もし自分たちの位置を見失ってわかりやすい大きな建物や、目立つものを見た時はすぐに教えて?急いでそこに合流するからさ。」

(転移系のワナがあるだなんて言っても今は何のことだかわからないだろう…この忠告が精いっぱいだ。)

 

「多分、最初は油断させて「奥に行ってもどうせタカが知れている」って程度のモンスターしか出ないはずだから…先を急いで財宝を目指そうとしたら…とにかく止める事…そう思わせることもワナの1つなんだからね」

 

「うん、わかった…」

 

 こうして、たった一人の少女の肩に「メンバーの命」という重い荷物を背負わせることに引け目を感じるが…きっと頭脳担当の彼女なら…なんとか警戒させながらの行動を受け入れさせることはできるだろう…。

 

(仲間を失うというのは、誰であれ、悲しいことだろうからね…。)

 

やっぱりこういう考えは「カルマ」も関係してるんだろうか…、ボクは基本的に前線に出て、局面を切り開く役じゃなかったからカルマもそこまで低くはなかったけど…たしか…覚えてる範囲だと50前後、40~60の間くらいだったような気がするから…それも関係してるのかもしれないな…。

 

 時々、変な思考になることはあるけど、意識を強く持てば、自分を見失わないようにする程度にはなんとかできてる感じだから…このまま精神まで「異形化」しないことを祈るしかないな…

 

「それじゃ…ボクはそのことをもっと安全に運べるように色々手を回すことにするよ…当日に、ボクが自分から正体を明かすまで…メンバーには黙っててね?」

(さてと…約束通り、アルシェちゃんの考えをアインズさんにも伝えておかないとだしね。)

 

「あ…そうだ…これは一応、念のために渡しておくね。」

 そう言うとヴェールさんは懐からなにやら引き出して目の前に渡してくる。

 

「…これは?」

 思わず両手を皿のように広げ、それを受け取ってしまったが…

(見たこともない腕輪…というより白く輝くブレスレット?…これは銀?…いやプラチナだろうか…でもそれとは違う輝きのような印象を感じる…)

 

「ただのお守りさ、もし自分たちが墳墓内のどこかで危ないと思ったら、………と大きく叫ぶんだ、大きければ大きい分お守りの効果は大きいからね?」

 

 そう言って、幻を解除して、いつもの豪華な冒険者姿に変わったエルフたちを連れて、ヴェールさんは外に出て行ってしまった。

 

 私の手元に残されたのは、謎のブレスレット…よく見ると真ん中に小さなピンク色のカッティングされた宝石のようなもの…そしてその中には…見たこともないような謎の紋章があったが…少しイヤな予感がして、言われた『叫び』の言葉は言わないでおいた、お守りというのだから、これはギリギリまで使わない方がいいだろう…一度使ったら壊れるような物だったら申し訳ない…

 

 ピンチにならずに使わずに済むなら、それはそれでいいんだし…と思い、一応は普段から身に着けてはおこうと袖の下に隠して身に着けておくのだった。

 

 

 

 




 さてさて、すでに間に入れた、別エピソードの話を抜かせばやっと次で20話…ですね。

 ここでようやく墳墓に行くかどうか…っていう話にまでこぎつけました。

 ここまでくるのにすでに20万文字オーバー …。

 このままエンディングまで気力がなえずに突っ走らせたいですね。

 そして、なにやら、文才もないのにオリキャラでも出てきそうな雰囲気…。

 いつ、どんな時に出てくるのでしょうか?

 護衛役のパンドラがやけにおとなしいですが、至高の創造主たるアインズが自分と話す時より喜んでいる。もちろんギルドメンバーとの時間が楽しくないわけはないと分かっているため、創造主のお望みであれば…という意識のもと、余計なチャチャは入れずにおこうと、決心して、護衛にのみ集中しています。
(彼にとってはアクションもとれないというのは苦行な時間でしょうが…)

 そしてどうやらクーデリカのタレントの真価を墳墓内で発揮できる機会はなさそう…
 設定作ったはいいが、どこで効果的に使わせるか…そこが悩みどころ…。

 あぁ…オバロゲーム、アインズさま0.06%ってどうせぇっちゅうんじゃい!
 …って感じです。><

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