気づいたら大自然 小心者の異世界闊歩 作:yomi読みonly
ナザリック入りをするのか?という流れになるかどうか…ってところです
そんな時ですが少し一休みして、脳内で展開されてる昔話を入れてみます。
特に本編に影響を全く起こさない昔話が主題なので、軽い気持ちで読んで
くれればうれしいです。
ちなみに話のメインに上がるのは、ベルリバーさんが初めて作るNPC…って
いう設定。
なので、モモンガさんは決を採るために中立な立場という流れ。
ベルリバーさんは当事者なので、多数決の人数には入れてもらえません。
そんな流れになりますので、あまり深い点は気にせず読んじゃって下さい
今日は久しぶりのユグドラシルだ…ずいぶんログインしてなかったけどまたみんなで素材を狩りに出かけられてよかった。
珍しく、あまり奥に行かない内にけっこういいデータクリスタルも落としてってくれたからレジェンドがいくつかとゴッズも一つ、それからずいぶん奥に潜ってからだけど、ボスクラスのドロップで超希少金属や、LV90金属も落としてってくれたし…、これでみんなの武具も一段ぐらい強力になるかもしれない。
「よかったですね、たっちさん、こんなに順調に素材が落ちるなんて、ここ滅多になかったんじゃありません?」
たまたまフィールドを歩き、エンカウント狙いで彷徨っていた際、新しいダンジョンを見つけ、誰かに見つからない内に…という意見が多数を占め、チャレンジしたのだが、そこで意外にもけっこういいドロップに恵まれたのである。
「そうですね…最近はあまりいいのが落ちてくれなかったんですが、なぜかな?ベルリバーさんがいるとなんでか、ドロップ品いいものに恵まれる気がするんですよね。」
一緒に今回の冒険に付き合ってくれるが、いつものようにリーダーシップを発揮してくれて危ない局面も幾度となく打開してくれた頼もしい友人が嬉しいことを言ってくれる。
「え? そうなんですか? それならたまには餡ころもっちもちさんの装備とか強くしてあげるとかどうですか? 女性陣…と言っても他の2人はほぼ装備が完成しちゃってるので、なんとかしてあげられそうなのってあの人に限られるんですけどね。」
「女教師怒りの鉄拳」などという恐ろしい名前のわりに攻撃力自体はさほどでもないが、殴れば相当遠くまでの「吹き飛ばし」効果が追加発動するため、距離が開いた瞬間、後衛の攻撃魔法や上空(とは言えダンジョンの天井だが)からの弓攻撃が敵に襲い掛かるというパターンが展開されていく…、その反対側でたっちさんがリアルでも女教師である「やまいこ」のフォローをするため、攻撃が集中しないように防御特化タイプの「ぶくぶく茶釜」と一緒に背中を守り、なんとか最後まで戦線が崩壊することなく切り抜けられたのだ。
「ベルリバーさんはいつもそうやって人の装備に回してくれますよね、確かに今回のパーティには彼女も居ますが…ベルリバーさんだって、そんなにいい装備とかになってないんじゃないですか?」
「私はいいんですよ、みんなにはどうあがいたって敵わないのはわかってますから…魔法と剣のシフトタイプですしね、一応武器に属性効果を乗せて、エンチャント攻撃とかはできますが、超位魔法はおろか第10位階魔法も撃てませんからね。 二線級で足を引っ張らないような装備であれば充分ですって」
「欲がないって言うのは美点だとは思いますが、もう少しベルリバーさんは欲張ってもいいと思いますよ? 直接の貢献には関わってなくても、ベルリバーさんが来てくれるといつもドロップに恵まれるのは本当なんですから…みんなもそれがあるからギルドでも2戦級って言われてることを知っていても、いつも一緒に行こうと誘ってくれてるんですからね。」
それに私が思い付かないような局面の切り抜け方を時折り出してくれて、それが命運を分けた時だって何回かあったんですよ?…と言う「たっち」に、一緒に前線を維持してくれていた「やまいこ」も会話に加わってくれる。
「そうですよ?ベルリバーさん、普段は来られなくたって、ベルリバーさんが来ると絶対みんなモンスター狩りに出かけようって話になるのは気をつかってるんじゃないんですよ? こうなることをボクだってわかってるからみんなの意見も一致するんです。」
「ベルリバーさんが来てくれない時は精々、レジェンド止まりだし…何回か死にそうになってようやくゴッズが一個?ってところだもんね。」
今度はレベルアップでの数値は防御に繋がるように極振りすることで、守りに特化したキャラメイクにしているピンクの肉棒にしか見えない彼女、リアルでは売れっ子の声優である「ぶくぶく茶釜」も加わってくる。
「姉ちゃんの言う通りだよ? 実際…ドロップ率アップの神様でも連れてきてるんじゃ、って話も時々出るくらいだしね。」
金の仮面、しかしクチバシの部分だけは前に突き出すようにしないと間抜けな絵面になってしまうバードマンの「ペロロンチーノ」が空を飛びながら警戒の片手間にこちらに声だけを落としてまた警戒に戻っていく。
「でも時々しか来ないボクよりもちょこちょこ来てくれて、一緒に行動することも多い女性陣の戦力が底上げされた方がみんなの生存率も上がるんですから、どうしても余って何か作ろうか?って話になった時に…ってくらいでいいですよ。」
「そうですか?」
意思を変えないことを感じ取ったのか、「たっち」が『苦笑』のPOPをアイコンで浮かべ…ベルリバーの横で『意地悪い笑み』のPOPを浮かべた「ぶくぶく茶釜」がこう返す。
「ホント、物腰も言い回しも柔らかいのに、意見を曲げないとこはベルリバーさんってば、実はA型でしょ?」
「いかにも!ですよ、それがどうかしましたか?」
それがなにか?とでも言いたげに首を少しナナメに傾け、『笑顔』のPOPを浮かばせるベルリバー。
「それこそ今更、ですよ、ギルドに入る際に「入団祝い」ってことで渡そうとした武器を遠慮しようとした辺りから私は勘づいてましたよ?」
と、単純な火力で言えば、ギルド長であるモモンガを凌いでしまう『錬金術師』の「タブラ・ス・マラグディナ」がその話題を横からかっさらう。
「あ、いや…あれはだって、私がPKされそうになってたトコを助けてくれた印象深い武器でしたし、あの武器の第一印象があまりにも『濃すぎた』って印象が強かったからですよ。」
「え?そうですか? カッコよかった。の間違いじゃありません?」
そう顔を向けてくる「たっち・みー」
「まぁ…そのカッコよさも含めての『濃すぎた』って印象なんです。」
と返すしかなかった。
「まぁまぁ、たっちさん、私もさすがにあれはちょっと行きすぎなんじゃないかとは前々から思ってましたよ?武器作成が命の「あまのまひとつ」さんはそうは思ってなかったようですが…」
と、ギルドの頭脳である『ギルド・アインズ・ウール・ゴウンの諸葛孔明』こと、ぷにっと萌え。
「それじゃ~、今ココでその武器のどこらへんがカッコいいのか…その辺りを見せてもらって、みんなで判断する、っていうのはどうです?」
…と、初期から…というよりギルドになるより前の「クラン」時代から所属している暗殺者の「フラットフット」が嫌なことを言い出した。
「イヤですよ、なんでです? そんな必要今は無いじゃないですか…」
ささやかな抵抗をするベルリバーにフラットフットの無情な言葉が突き刺さる。
「必要ならありますよ?前の方から敵の集団です。あのくらいならベルリバーさんでも大丈夫でしょう、おまかせします!」
もちろん、
「ちっくしょぉ~…やってやらぁ~!! せめてやまいこさん、回復と防御魔法の方、今の内、お願いします!」
もはや、みんなの総意だとばかりに一人で敵集団に送り出されたベルリバーはたった一人で、その中に突っ込んでいく。
「<
「まずは範囲攻撃で、全員とは行かなくてもある程度のライフは減らさせてもらう!」
そうすると、後ろのやまいこさんから<
ありがたい、これで物理防御の方は心配ない、この程度のやつらなら…と思っていると…
さらなる魔法で支援される…しかしその魔法は…<
「なにしてるんですか!! そんな無駄に高い位階魔法とか使わなくても<
「『そんな魔法』だなんてヒッドイな~、ボクの心配をわかってほしいよぉ~…そいつらに魔法とか使われて瀕死になったりしないようにって言う仲間想いからの支援魔法なんだよぉ~」
どこか楽し気な声で反論しているが…
「こいつら、ほとんど魔法なんて使っても来ないの、知ってるんでしょぉ~~?!!」
「あっれぇ~~~?? そうだっけぇ~~??」
とやまいこさん。
そしてそれに追髄するようにぶくぶく茶釜さんも悪乗りしてこんな無責任な声援を送ってくれた。
「でもベルリバーさんなら大丈夫だよぉ~、がんばってぇ~! ファイトォ~♪」
☆☆☆
「こいつで最後だぁぁぁぁ~~~!!!」
味方によって壊滅的に魔法攻撃力が下げられてしまったベルリバーは観念して「ギルド入りしたお祝い」で受け取った武器で戦っている。
その名も「あまのまブレード」
たっちさんの特撮ヒーロー好きに同調してギルド入りしたという異色の経歴の持ち主…「あまのまひとつ」さんがたっちさんの監修の元、クラン時代、面白がってノリで造り上げた傑作らしい…。
キメ台詞を言って敵に斬り付けるだけでも音は鳴るのだが、それだけではなくキメ台詞と共に与えたダメージでライフがゼロになったら、妙に気合の入ったような斬り付け音と…盛大な爆発音へと移行して…、敵が爆発したようなエフェクトが発生する、どこまで作り込んでるんだろう…、あの二人がワルノリした結果がこの武器というわけだ…。
どうやらそのキメ台詞はどんなのでもいいようだ、さっきの「こいつで最後だ」も有効なら「死ねやコラ~~!」でも「往生せぇや~~!!」でも変わらず爆発のエフェクトは発生していた。
なんの叫びも上げずにトドメを刺した時は発生しなかったので、何らかの条件は設定されているのだろう…
それはそうと…これは一体どんなデータクリスタルを組み込めばこうなる?
あまのまさんの「バフ料理を食べる」っていう験を担ぐ行為の結果だろうか…ここまで来ると謎すぎていっそ清々しい。
「お疲れさま~…さっすがだねぇ~♪」
「なにがですか?全く、みんなしてもぉ~…」
ジト目で見つめるPOPのアイコンを浮かべて、みんなを見やると…やまいこさんが地面を指さして「下をごらんなさい」とでも言うようなゼスチャーをしている。
下に目を向けると…意外にもそれはLV70金属…これで作られた武器は確実に<上位物理無効化Ⅲ>をも貫いてしまうだろう。
単なるエンカウントモンスターがこんなの出すなんて…普通はこの辺りだと精々
「これはベルリバーさんが1人で全滅させた戦闘なんだから、ベルリバーさんが持ってて大丈夫だってことだな。」
ダンジョンより外に出てから今まで見てるだけだった「獣王メコン川」さんもそう言って、みんなが肩を叩いて祝福してくれる。
手を貸してくれるように引き起こしてくれて、一旦ギルド拠点である「ナザリック地下大墳墓」まで戻って行った。
☆☆☆
「それで…今回の獲得報酬の内訳は済みましたね、資金はみんなで頭割り…、人数分まで行き渡らず余った分はギルド保管、みんなで倒して手に入れた素材等は保管庫行きってことでぇ」
「おっしゃ~、さて、今日はどんな話なんだっけ?」とメコン川さん。
「一応、今日はベルリバーさんの作成してるNPCがどんなキャラになったのかって報告と、そのキャラをギルドポイントを使って起動させるかどうか…っていう話し合いですね。」
ギルドに戻ってきたら、遅れてログインしていたモモンガさんが「おかえりなさい」と出迎えてくれて、こうして会議の議長役をしてくれている。
「あぁ、アイデアはまとまったんだね、おめでとう。 どんなのにしたの?」と餡ころもっちもちさん
「一応、
「おぉぉ~~!! ジャガーかぁ、ネコ科ってことねぇ~…いいんじゃない?、餡ちゃん好きそうだもんねぇ~動物ぅ、やまちゃんも好きだったよね」
そう言いながらも、実は彼女も動物好きで、自分が作ったNPCに動物を使役する能力を付けさせているぶくぶく茶釜さんが、嬉しそうに女性陣だけで盛り上がっている。
「一応、どんな感じか詳しいことを教えてくれないかな…他の…プレアデスとかの都合もあるし、ナザリックでどんな役職に就けるかっていうことも話し合わなくちゃいけないんだしな」
と冷静に話を聞いていたぷにっと萌えさんが「キャラデータ見せてみろ」と促してきた。
「そうですね、それでは見せても大丈夫ですか?ベルリバーさん」
「あぁ、ハイ、大丈夫ですよ、でも一応みなさんに言っておきます、ユグドラシルで実装されてないかもしれない…こんなのがあればプレイが楽なのにってずっと思っていたアイデア…まだ誰も作れていないアイテムを作れるって言うことにして、それを勝手に設定として付けてます。」
「えぇ? なんだそりゃ!」と素頓狂な声をぷにっとさんが上げた。
そしてモモンガさんは取り出した「マスターソースが見られるパネル」をコンソールを用いてポチポチと操作し、ボクのNPCであるキャラのページを開くとそれをテーブルに置いた…そのままモモンガさんはそれをみんなにも見られるような位置へと滑らせる。
もちろんキャラの外装データ、モンスターとしてのスキル、クラス取得によって覚えたスキルに…、人間時のグラフィック、獣人化した際のグラフィック、さらには獣化したグラフィック。
そして、いよいよ、核心となるクラス構成と…その実態のない…作れたという実績も未だユグドラシル内のどの<
「これは…どうなんだ…?」
誰に言うでもなく口から漏れ出てしまった素直な答えが自分の発した声だと気づき、手の平を口に当てるようにして、しばし考えこむフラットフットさん…。
「確かに設定としては筋が通っていなくもない…実際にそのアイテムがその職業構成から作り出されるかは疑問だしユグドラシル上で作り出される保証はない…なにしろNPCなんだから作成する動作をプログラムで組めるはずはないんだから、あくまでもこのキャラの「オリジナル設定」として考えるだけならばこれはいいのかもしれない。」
神話と、TRPG、ホラーと、設定を考える事…そしてギャップ萌えという隠された要素のあるタブラさんが好意的な意見を発してくれる。
「だが、自分はこのキャラを起動させてナザリック内で…このギルド、アインズ・ウール・ゴウンに組み込むべきじゃないと思う。」
先程まで、好意的な意見を言ってくれていたその口から、いきなり逆の「反対意見」が飛んできた。
「いいじゃないですか、タブラさん…この黒髪、スタイル、豊かな双丘!くびれたウエスト!健康的な肌!なによりエロい! エロいケモ耳娘バンザイ!」
よほどグラフィックを気に入ってくれたのか、ペロロンチーノさんが高らかに賛成意見を一票投じてくれた。
「お前ぇ~…、身内の前でそういう発言するのいい加減にしろよなぁ? …ってまぁ私も賛成は賛成、このケモ耳ちゃんが可愛い気がするしねぇ…」
…と、前半はかなり低い声で…いつもの高い声の片鱗すらも見受けられない声での弟への脅しをした後…後半は打って変わり、ウットリとした声音で…ペット屋でカワイイ小動物を見かけた時の女子状態になっていた。
「うんうん、こういう凛々しいけど、カッコよくて、どこか愛嬌を感じさせるのっていいよねぇ」
「私は居てもいいじゃないかなぁとは思うんだけど…、何がダメだと思ったの?」
凛々しいという評価は餡ころっちもちさん、そして反対意見に対して疑問を投げかけたのはやまいこさんだった。
「まずは戦力的な面で言えば…最新アップデート『ヴァルキュリアの失墜』で作られたCZ2128デルタは46LV、要は46ポイントな訳だが…正直に言って、このキャラよりデルタの方が戦えると思うぞ?」
反対意見に対してまずは戦力的な面からタブラさんはこう考察をする。
「戦うというのなら戦えるキャラメイク、そうでないならそっちの方に特化した方がキャラとして立つと思う、そのいい例がペストーニャだ、あいつは戦いには不向きだが高位階の信仰系魔法が使える。あくまでも戦えるように…という設定を残しつつ信仰系も持っていて作成系も入れたいのであれば、どうしても中途半端になってしまう…しかもキャラとしてもルプスレギナと被ってしまっている以上、できれば他の割り振りでステータスを上げる方がいいというのが正直な所だ。」
そこに「ルプーと被っちまうって言うのには同意見だな…」とつぶやいているメコン川さん。
「それにそうだね…この感じじゃ…主に何に重点を置いているかだが…多分、この未発見の未知のアイテムがあればそれが作れるようなキャラであってほしい。そこなんだろ?」
とキャラの職業構成からそれを読み取り「それで間違いはないか?」という目で見てくるフラットフットさん。
「ハイ重要なのはそこなんです、戦闘面はあくまで、ナザリックに所属するなら身を守れるくらいには戦える子であってほしいって言う想いからです。」
静かに聞いていたたっちさんは「おれはこのままでもいいと思う。」
そう言ってくれた。
「なんでだ?たっちさん…このキャラを起動させたとして、どこらへんにメリットがあると思うんだ?」
なんで賛成なんだ?と意味が解らないとばかりに問いかけているタブラさん
「まぁ…敢えて言うなら、種族が気に入ったのが第一、そして一番レベルの高い職業に感じるものがあった…それくらいかな…今この場で言えることは…」
たっちさんがそう発言すると皆が押し黙る…直接正面からたっちさんに物申すことができるのはウルベルトさんくらいなのだが、今日はウルベルトさんは来ていない…。
たっちさんの賛成意見で風向きがそっちに行きかけた時、ずっと黙って考え込んでいたぷにっと萌えさんがその空気を変える。
「オレも反対だな…たっちさん…」
「ぷにっと萌えさん?」
「たしかにプレアデスは玉座の間を守る戦闘メイドっていう位置づけで「それは面白い意見だ」ってみんなで納得はしたよ…でもな…?」
とそこで1拍、間を置いて…再び言葉を続かせる。
「どっちにしろ8階層のアレらが楽勝で突破されるようなプレイヤーに攻められたりしたらオレらの勝算はまずないだろうという考えから…、だからこそ、プレアデスは時間稼ぎ的な役割でもいいから、そこに彼女ら6人を居させることに意味があって…「魔王として」のモモンガさんを引き立たせる為にも必要だという意見でまとまったはずだろう?」
それらの経緯をみんなも思い出しているのか、声はない。
そんな静かな沈黙が続く中、その雰囲気を払拭するように声を上げた人が居た。
「それではここまでの話を整理しましょう。」
そう言って、その静寂を切り裂いたのはモモンガさんだ。
「まずはたっちさんは、〇
タブラさんは…✕
メコン川さんも…✕
餡ころもっちもちさんは、〇
ぶくぶく茶釜さんも…〇、ですね。
やまいこさんも〇でしたよね?
それでペロロンチーノさんも〇
フラットフットさんが✕
ぷにっと萌えさんも✕でしたね。」
…とすらすらと議長らしく進行していくモモンガさん。
「現在は賛成が5、そして反対意見が4…ですね。」
「賛成が多いので、過半数の賛成は得られたということで…」
と、モモンガが決を採ろうとした時…ピロピロン♪ という音が響き、ログインしたギルドメンバーが来たことを教えてくれる。
ウインドウのログを見てみると…「るし★ふぁー」さんだ。
と思っていると、バン!と扉が開き、円卓の間に問題児が入ってきてしまった。
「やっほぉ~!! みんな元気~? 今なにしてんのかな~? おっしえてほしいなぁ~。」
「あぁ、今ちょっと多数決を取っていた所です、今ちょうど決まろうとしてたトコでして…」
「ウソ! 多数決してたん? 悲しいな~オレっちも入れて欲しいな~…入れて欲しいなぁ~…」
ジ~~~っと見つめられ、根負けしたのかギルド長が渋々折れていた。
「参加したいのならお好きにどうぞ?とりあえず、賛成か反対か…どっちに入れます?」
(説明する気もないんだ、モモンガさん…)
「ところでどっちが勝ってんの?どっちが負けてんの?」
「教えると思いますか? 公平性もなにもなくなっちゃうでしょ、教えたら…。 そんなこと聞かないでくれませんか?るし★ふぁーさん…」
「えぇぇぇ~~~?? なぁぁ~んで おっしえてくんないのぉ~~?? モモンガさぁ~ん、つっまんないじゃ~~~ん!」
「はぁ……つまるとかつまらないとか、そういうんじゃありませんから…」
「オレはみんなのこと仲間だと思ってたのになぁ~~…もしかしてオレってみんなの仲間じゃなかった?」
「まぁ……、そんなことよりも、るし★ふぁーさん…大事なこと忘れてますよ…?」
「え??? な~になに? オレっち、なんか大事なことスポ~ンと抜け落ちてた?なになに?なになに?」
「この多数決のそもそもの話の内容です…何に対して賛成なのか、反対なのか…それも聞いてないでしょ?」
「あぁぁ~~!!! そうだったそうだった、すっかり忘れてた~~。教えてちょぉ~~??」
「はぁ…いいですか?よく聞いてくださいね…」
(と言って、説明をし始めたモモンガさん、それを最後までチャチャを入れずに聞いている、るし★ふぁーさん…こういう時は普通なのになぁ~)
「なぁ~んだぁそんなことかぁ~…別にどっちでもいいんじゃん、そんなのぉ…オレっちはどっちでもいいよぉ~?」
…と言いながらもぐるぅ~~っと円卓の間に居るメンツを一通り見やった後…
「みんなを見てたら何となく賛成の方が多そうだから…反対の方に1票ねぇ~?」
「「「「「「はぁぁぁ~~?」」」」」」
みんなが呆気にとられた表情をしてるのを見て満足したのかその部屋から出て行こうとする。
「あ、ちょっとぉ、るし★ふぁーさん、どこに行くんですか?」
慌てて、モモンガさんが声を掛けると…
「ん?気が済んだから、レメゲトンちゃんたち作りに行くわぁ~…、って今、何体目だったかな~…そろそろ飽きて来たかもぉ~? 今度はちっちゃい小悪魔の女の子ちゃんでも作ろうかなぁ~気分転換に~……。」
そんな声がどんどん遠ざかる中、円卓の間の扉は閉められる…
「なんか…どっちも同じ数になっちゃいましたね…ジャンケンで決めます?いつものように…。」
少し疲れたように決を採ろうとするモモンガさんを見ていて申し訳なくなってきた…
「ありがとう…モモンガさん…もぉいいよ…あれは…動かさないでおくよ…、とりあえずはそのままにしとく…」
これ以上何か言えば、自分がただのわがままを言ってるだけのような気がしてきてメンバーのみんなにも申し訳なくなってきた…。
「あ…ちょっと? ベルリバーさん? 待ってくださいって、まだ話は済んでないですよ?まだなんとかなるかも…」
「だからいいですって、ボクのわがままでモモンガさんたちの時間をこれ以上ムダにさせたくないですから…あのNPCを置いておくためのデータ量が心配なら…あとでその分の容量を課金して買っておきます。」
「あ…そんなの気にしないでいいですって、ベルリバーさん…この前のタブラさんの一件は、勝手にギミックを大量に…他人の分のデータ量まで使い込んだタブラさんが一方的に悪いんです!、今回の件はベルリバーさん、何にも悪くないんですし、気にしなくたって…」
「本当にもぉいいんですよ…、あれは…動かすことなく、私のNPC第一号として保管しておきますから…動かすことは出来なくても…置いておくくらいは…いいですよね…?」
(別にプレアデスのみんなにとって代わろうとか、加えて欲しいとかそんな気持ちがあったわけでも、言ったわけでもないのに…、なんであんな言い方をしたんだろ…ぷにっと萌えさん…それがどんな場所でも…ナザリックの一員になれるだけでよかった…極論、スパリゾートナザリックの番台娘としてでもいい…なにかに関わらせてほしかった…ただそれだけだったのにな…)
「えぇ…そのくらい…、問題ないです…ベルリバーさん…その…気を落とさないでくださいね…」
(ごめんなさいモモンガさん、これはモモンガさんのせいじゃないのに…モモンガさんこそそんなに気にしないでくださいよ…)
かろうじて首を縦に振ると…その日はそれ以上そこには留まれず…
一旦、ナザリックの自室に行くと…部屋の片隅に、未起動のまま…目の前で直立の姿勢でたたずむ彼女…物も言えず、まだ何の反応もしない自らのNPC…自分の娘になるはずだったその娘を、目をつぶって抱きしめる。
そして…「ゴメン…ゴメンな…」そう言いながら涙も流せないアバターの身体で、縋りついてあげる事しかできなかった…。
その円卓の間から姿を消したベルリバーに対しての償いか…それとも叶えてあげられなかった罪悪感からか…たっちみーからその日、ダンジョン攻略で手に入れた超希少金属を器にして、そしてゴッズのデータクリスタル…そしてその時に手に入れた2つのレジェンドのデータクリスタルを使い、ベルリバーのためになにか贈り物をしたい。そう言いだしたその内容に反対する者は誰もおらず全員一致でその案は可決された。
そして、その経緯があって作り出されたのが「風車のベルト」
ベルトのバックルに相当する場所にはその超がつく希少金属によって、横長に丸い塊が作られ…その前面部、そこの左右に当たる両端にはプロペラのような風車がある。
そしてその風車であるプロペラには左右それぞれに1つずつ、レジェンドのデータクリスタルが組み込まれた…。
中央のVの上部にある赤いランプの部分には落胆させてしまったベルリバーのためにと今回のダンジョン攻略で手に入れたゴッズのデータクリスタルが組み込まれたことは彼には知らされていない事実である。
ユグドラシルを引退すると決め、ギルドを辞める前…、自分が初めて作った「娘」のデータは、自分のパソコンに大事に保存する。(アカウント自体は残して去った。)
それをいつか…この子のために…どんな形でもいい…ユグドラシルで与えてあげられなかった「生」を吹き込んであげたい…。
そう思いながら…仕事通いの日々で毎日が忙殺される中…、運命のいたずらが起き…知りたくもない事実を知ってしまうことになる。
それが彼の命を大きく左右する程の事態に発展するとは気付かずに…。
…そしてその数か月後…彼は、ギルドを去る決心をする……そう…ギルドを去ることになるその日、たっちみーに手渡された、最期の餞別だと…そう震える声で手にムリヤリある品が握らされた。
それから「最期に数時間だけ…」と言われ一緒に彼と軽い戦闘をする。
完成した「風車のべルト」と共に。
その時のエンカウントモンスターを使っての「風車のベルト」の性能実験。
一通りの使い方がわかってからの「たっちみー」とのPVP…。
最後に教えてもらった、そのベルトの…効果もすごいがデメリットも大きい切り札にも瞠目してしまったが…それを有効に使える日はきっともう来ないだろうと思った。
そこだけがなにより申しわけなく思ってしまい…、それが最後の想い出となった。
そうしてネットの海に流されることになってしまった己の全てのデータは…不幸な事件を介して、最も幸運なアクシデントに遭うことになる。
異世界に行ってしまった彼にはもう、どうにもならなくなってしまった「あの事件」がきっかけになって…。
転移してからはそんなコトを思い出す時間も少なくなり、遠い遠い過去のように感じられてしまうコトになる「その出来事」…、それが彼自身にとってはとても不幸な…、そして…信じられない奇跡が生み出される事になってしまうだろうとは…
その「衝撃的な異変」が起きるまでは彼自身でさえ、夢にも思っていないのだった。
そこから先のコトは、また別の話となって行く…。
人生において、初めて書いた執筆作品、なので文字通り処女作品となるこの
テンポの悪い作品をお気に入りしてくれる人もすでに250を目前にという
嬉しい状況の中、やっと「U A」(総合閲覧数の合計?)の数値が3万を超え、
さらにはしおりを選んでくれた人も100人に到達し、さらに総合Ptの方も
500まで目の前となりました。
他のすごい方々と比べるとまだまだでしょうが、私のような拙い文章でも、
読んでくれる人が居ると言うだけでおかげさまで意欲が維持できています。
その感謝という程のモノではありませんが、ギルメンの方々を少し出させて
もらいました。
この作品が最後まで続くよう、みなさまの励ましを受け、がんばります。、