気づいたら大自然 小心者の異世界闊歩 作:yomi読みonly
ブレインさんのこと…ピニスンさんのこと…アルシェの中の感情の解決…色々片付ける必要のある伏線が…回収するための時間が、あと一日しかないという…。
それが終わればいよいよ墳墓編…に入りたいと思いますが…。
そこまでが色々と…自分で蒔いた種ですが、回収しないと気が済まない気分になっている今日この頃…。
申し訳ありませんが、もう少し、お付き合いくださいませ。
空気が重い…
心底ジエットはそう思っていた…。
しかしながら、その場にいるみんなはそうは思っていない。
それはそうだろう…、彼らはカルネ村に入り、(とりあえずはエンリが気を利かせ、ゴブリントループ達、そしてアーグ以外の亜人種たちは全員見えない場所に避難させている。)今は現村長としてのエンリの家ではなく、元村長の家、今は来客用のフリースペースとして開放されていた。
元村長はどこかと言えば、アルシェの住むことになった家で親代わり…というか、身の回りの世話をするという役目をして居る。
村長自身、息子は王都の方に出て、最近は便りすら寄こさなくなってきている、昔から…誰が言ったのか、「便りがないのは元気な証拠」という言葉がある。
本当にそうならそれは何よりなのだが、本当に何もないと生きているのか、死んでいるのか…それすらも不安になる。
王都の方に着いた、ということは手紙で一度、来たことはある。
その後、しばらくして仕事が見つかったという手紙が来た…、その時の手紙では何かの荷物を「運ぶ」仕事を任されている。ということだった。
次に来た手紙では、荷物の運び人から昇格し、今では王国の土地にある、とある農場で、村では見たことの無い植物を栽培することになった、その責任者だ。と嬉しそうに知らせて来たのを最後に、ぷっつりと手紙が来なくなった。
向こうで、いい人でも見つけ、家庭を持っているなら何よりだが…、突然帰ってきて、「ホラ、この人がおじいちゃんだぞ?」だなんて嬉しいことをしでかしてくれてもいいとも思っている。
だが、そこまで幸せで居てくれている保証はない、王国のどこにある、どんな農場とも、どんな植物を栽培してるかも書かれていなかった。
願わくば、法に触れるような…人様に迷惑をかけるようなものでなければそれでいいのに…と思っていた。
だからだろうか…まるで孫のような年齢のアルシェの妹たち。
そして、そこに訪れてくるエンリの妹、ネム。
双子の女の子、ウレイリカとクーデリカの姉、アルシェ。
その子らと一緒に居ると、昔の賑やかだったころに戻ったような気分になれたのだ。
アルシェ自身、家を飛び出し、ジエットの家で、家事のとっかかりくらいは教えてもらった為、食器を洗ったり、掃除をしたり…そこらへんは問題ないのだが…いかんせん、貴族育ちのため、気の利いた料理は苦手だった。
ワーカーをしていた時の野宿や、テントで手伝っていた調理くらいなら何とかなるものの、家庭で出すような料理は経験がなかったため、元村長さん達がかつていた使用人たちのように色々としてくれるのはありがたい。
そんなこんなで、元村長の奥さんに色々と手料理も習っている、今は少しずつ…作れるようにはなっていた。
いつかこの手料理を…誰かに食べてもらえたら…、最近はそう思うようになっていた。
そんなアルシェの頭に浮かぶのは主に2人、ジエットと、ヴェールの存在だ…。
いつだか、一緒にアイスマキャティアを飲んだことはまだ記憶に新しい、なので、どんな顔で食べてくれるだろうか…なんて思ったりもしている。
ジエットの方は…彼の好きなもの、キライなもの…家でお世話になっていた時に聞いておけばよかったかな…。
なんて思っていたが、今更そんなこと考えても、もうカルネ村に今は居るのだ、連絡しようにも村と帝国では遠すぎるし…うかつに帝国にも戻れない自分では…ジエットに会いに行くことも出来ないだろう。
そう思っていた所に、またジエットが来てくれるという話が聞けた。
だから二つ返事で、「見張り台の上から魔力の程度を見てくれない? …心配ないと思うけど、一応ね。」というブリタの提案にも乗ったのだ。
喜び勇んで行ってみると…当の相手はどうだというのだ…見知らぬどこかの女と一緒に歩いていた…フォーサイトのメンバー3人を連れて来てくれたのはいいが…、耳打ちなどされて、その後に楽しそうに、嬉しそうな表情まで浮かべ、会話などしている…。
「自分と会えていない間に、ずいぶん楽しそうじゃない?」
そんな風に思ったら「…ハ!」…と気が付いたら、彼の足元に<
そして、今は、フォーサイトのフルメンバーが揃い、初顔合わせのフレイラという女性、そして、そのフレイラさんともう打ち解け始めている村長のエンリ。 …そして、ジエット。という構成で、「元村長さんの家」で、歓談していた。
とは言っても歓談できているのは、フォーサイトの内輪での盛り上がり。
そして、打ち解けてきているフレイラと、エンリ。
そこから離れ、1人取り残されているジエット。
そういう構成のため、その場で「空気が重い」と感じているのはジエットただ一人だけという状況だった。
「それにしても、本当にゴブリンたちと一緒に居て生活が成り立ってる村があるなんて思わなかったぞ?すごいとこだな、アルシェ」
「まぁ…、そこは私も…そう思う。」
「そこに居る子は、ゴブリンの子供?」 と少しそちらに目を向けるイミーナ。
「あぁ…オレはもう、このカルネ部族の一員、ここで勉強をしてる所だ。」
「勉強だけじゃなく、腕っぷしも強くならなきゃな…、早く俺らよりも強くなって、エンリの姐さんのために働けるようになるんだぞ?アーグ!」
「あぁ、もちろんだ!」
「…なんか、すごいね、ここのゴブリンって、今まで私が会ってきたゴブリンとは全然レベルが違う感じ…、ねぇ?エンリさん…ここのゴブリンってみんなこうなの?」
少し離れた場所でフレイラと話し込んでいるエンリに、イミーナが声を掛ける、そこでエンリは話を一度やめ、イミーナの質問に、逆に彼女が問い返す。
「え? いつもこんな感じですけど? こうなの?…とは?」
エンリにしてみれば、最初に接したゴブリンという存在が、このゴブリントループ達なのだ…彼女の中のゴブリン像というのは彼らのことで、一般の人たちの考える「ゴブリン」というものとはすでに次元が違うということにエンリは気が付いていない。
「いや、ここにいるゴブリンって、えらく普通に話してるけど…、私たちがワーカーしてて、会ってきたゴブリンって、大体もっと頼りない話し方って言うか、単語だけの話し方っていうかさ…そんなのだったから、こっちのゴブリンって、なんなのかな?って。エンリさんがここまで教え込んだとか?」
そこで話に入ってきた人物が居た、その男は、最初にこの家に来た時に招き入れてくれた者で、どうやら村長代理、という地位にいるらしい。
名前は「ンフィーレア」、エンリさんの旦那さんだと聞いている。
「このゴブリンたちは特殊なんですよ、この村を救ってくださった
そう言いながら、もってきた飲み物をそれぞれの人たちの目の前に置いて回っている。
「でも見た感じ、6人くらいよね? ここにいるゴブリン。…これで全員?」
そう質問してきたイミーナに、ンフィーレアが答える。
「いえ?ここに居る以外にも、村人に弓を教えているゴブリンアーチャーが2人、村の外を巡回して、警戒任務にあたっているゴブリンライダーが2人、それからゴブリンメイジさんにゴブリンクレリックさんが一人ずつ。あとは難度36の隊長さんも居ますよ?」
「えぇ??? ! ウソでしょ? 難度36?ゴブリンで?聞いたことないよ!」
イミーナも驚いているが、声も出ずに驚いているのはロバ―デイクにヘッケランも同様の感想だったようだ、目を見開いてゴブリン兵士らの方を見ている。
「まぁ、隊長さんが特別強いって感じですね。ここに居るゴブリン兵士さんたちは皆さん難度25ですしね…アーチャーさん、ライダーさん、メイジさん、クレリックさんはみなさん難度30ですよ。」
「はは…ゴブリンの集団が、冒険者の基準で言えばシルバー以上、ゴールド手前って…何かの冗談みたいですね。」
ロバ―デイクが、思わず自嘲気味に乾いた笑いを漏らした。
フォーサイトの全員はまだ知らないことではあるが、実はトループの全員が「1つのチーム」として…19人が1個の意志として機能し、さらにエンリが指揮官になって行動を共にする際、その実力は跳ね上がり、全員がゴールドの域にまで到達する、それはゴブリントループ全体が、「エンリ」という一人の指揮官を仰ぎ、同じ優先順位を持ち行動できるという点で常に最適化した結論を19人全員が導き出せ…、示し合わさなくても通じるものがあるためだ。
戦闘でもそれは同じで、ゴブリン兵士に至るまでそれぞれにエンリがつけた名前、その名前をトループ同士で呼び合うだけでトループのメンバーは、何を求められているのか…を悟り、すぐに「応!」と応じることが出来る。
これは熟練の冒険者でもなかなか至ることの難しい水準であるが故に、それが出来る状況下での彼ら、もちろん隊長はジュゲムだが、アインズから贈られた結婚指輪を装備した状態の「指揮官エンリ」を頭に戴くゴブリントループは、カルネ村でもかなり信頼された戦力となっているのは確かなのだ。
「この村は、同じ同胞である人間に大虐殺されかかったという痛ましい事件がありましたから…、救いの手があったとは言え、全く犠牲者が出なかったわけではないですからね…、信用できない人間よりも気のいい亜人種、っていう…、言い換えれば、少しでも心のよりどころが欲しかったということかも知れません、事実、エンリの為、常に村人に尽くそうとしてくれ、話も通じるゴブリンたちは村人にとって人間以上に信用できる存在に映ったのも仕方ないことですからね。」
その時はまだボクはこの村に移住する前の事でしたけど…という注釈も入れながら、ンフィーレアがこの村の歴史について語って聞かせていた中…。
「なるほど…だからこの村にはこれほど大勢の悲しい声が響いているのですね…。」
と、今までじっと話を聞いていたフレイラが突然そのようなことを言い出した。
「は? 悲しい声?そんなのどこにだ? 全然響いてなんて居ないだろ?静かなもんだと思うが?」
「そうですね…皆様には恐らく視えないでしょうし、聞こえないでしょう。しかしたしかに…私には聞こえるのですよ。 悲しげな声が…、それだけでなく、どこまでも恐怖に染まって逃げ惑う声も…
それに、必死に誰かに「逃げろ、早く行け!」と繰り返し言いながら、こと切れるという場面を幾度も繰り返す父親らしき誰かの声…。」
その声をどこか異質な者でも見るような目を向けていた面々の中、1人だけ、最後の言葉に反応した人物が居た。
「あの…フレイラさん、その…最後の「逃げろ…」という声の人は、他にどんなことを言っていましたか?」
「恐らくよほど強い感情が刻み込まれているのでしょう…同じ場面を…何度も何度も繰り返し…こと切れてしばらくしたら、またどこかから聞こえてくるその絶叫は…きっと誰かのために命を落としたのでしょうね。」
「あ…あなたは…死者の声でも聞こえるというのですか?」
ロバ―デイクが違った意味で信じられないという声を上げる、その声は忌避するというよりも自分では届かない物を持ち合わせた相手に対する…同意したいが、同じ気持ちになれないもどかしさのようなもののようだ。
「私の持っている職業の中で、そういう物に特化したものがありまして…不可視の…というより実体を失った…または最初から持たない存在に対して働きかける事を仕事とする能力です、たまたま持ち合わせていた力なので…それを伸ばしていただいた経緯があるのですよ?」
フレイラが持ち合わせているクラス構成は、まずは一番強いクラスはLV10が二つ、
シャーマニックという精神体に関わる職業に加えて
それとは別系統の職業、タブラ・スマラグディナも所持していた錬金術師という職業を、フレイラは3LVで取得している。
この世界では、どのような物まで作れるのか…試せるのなら試せさせて欲しい所だろう。
錬金術師の職と合わせ、
種族レベルとして
戦闘時には召喚を用いて、呼び出した存在と共に、バフ、デバフを使い、自分が呼び出した存在が精霊種なら、非実体のモンスターにも攻撃が通じる為、自分の「非実体に攻撃することに特化」してる能力と組み合わせて戦う仕様、最初から実体のある相手ならばどちらにしろ通常の攻撃は通るので問題はないという寸法だ。
「それに恐らく…私が聞こえている声は…死の間際、強烈にその場所に刻み付けられたもの…その人達本来の魂は多分、別の所にあると思われます。エンリさんはその人に心当たりでも?」
「あ…はい、その人は…多分、私の父なのではと…、私とネムを助け、森に逃がせば、襲い来る騎士団からも身を隠せるだろうということで…、数人の騎士たちに囲まれる中、父が一人で注意を引きつける形で…私たちの命は長らえることが出来たんです。」
そこまで言った後、一区切りして溜めていた想いと共に最後の言葉を紡ぎだす。
「その時、私を逃がすために言った言葉が、その言葉と非常に良く似ていた言葉だったので…。」
思いつめたような表情のエンリを見て、気持ちが動かされたのだろう、フレイラが椅子から立ち上がり…。
「申し訳ありません、まだお話の途中ですが…エンリさんの心の中のシコリを晴らすための手伝いをしようと思いますが…、お話の途中で退座することをお許しください…みなさんはどうかそのまま…。」
フレイラは「ここで話を続けていてください」と続けるつもりだったのだが、フォーサイトの面々がそれを途中で遮って言葉を割り込ませる。
「なに言ってるのよ? せっかくなんだし、お手並みを拝見させてもらいたいんだけど…ご一緒しちゃ迷惑? ね?いいでしょ?ヘッケラン、ロバー、アルシェ?」
「えぇ…私も今の話の流れは…どうにも気になって仕方ないですからね…どうやら同じ神官系のお仕事の様ですし…後学のためにも是非、同席させていただければ…。」
「アルシェはどうする?」
いきなり話を向けられたアルシェは少し逡巡するも…ジエットと耳打ちして話していた当人ということもあり、どういう女なのか…気になっているということもある、そのため了承した。
「私は…かまわない、行く。」
「なら決まりだな、邪魔じゃなければ一緒に行かせてもらえないかな?迷惑にはならないからよ…な?」
「そうですか…この村の人たちの魂なら、危険はないと思いますが…、一応、注意はしておきましょう。」
★★★
こうして、エンリ夫妻、フレイラの後ろについて来たフォーサイトのメンバーと、所在なさげに最後尾で立っているジエットの8人、そして、姿を消してひっそりとフレイラの隣で様子を見ているベルリバー。という感じで、かつて村人を葬った場所の前まで案内してもらっていた。
「いいですね…他の石たちもそれなりですが…エンリさんのご両親を埋葬したこの場にある石からは…、理想的な波動が感じられます。 どうやらエンリさんは毎日の様にここでご両親のことを想っていたようですね。」
「え…? わかるんですか? そんなこと…。」
振り向いたフレイラがエンリに向けた表情は、まさに慈母と言っていいほどの微笑みを湛えていた。
「えぇ、この石からは負の感情などはあまりなく、ご両親に対する想いが詰まっているようです、この石自体もその気持ちに応えるように想いを媒介してくれようとしています。」
「えぇ? 石がか? そんなこと聞いたこともないぞ?」
批判的な空気はなく、単純にそういうことがあり得るのか?という疑問を感じたようだ。
「石にも精霊が宿るでしょう? 土の属性の魔法で土の精霊だけではなく、石に由来する精霊を呼び出す魔法もありますし…鉱石系の魔法を好んで…限定して覚えることで威力を上げる人も居るという話も聞きます。 そういうこともあるというくらいは覚えておくと、何かの役に立つかもしれません。」
「あぁ…そういえば、何かで聞いたことはあるかも…。」
魔法のことに関して言えばアルシェの方が他のメンバーよりも多くの知識を持つ、一時期は帝国魔法学院で魔法学も学んでいたのだ、聞き覚えくらいはあっても不思議はない。
「さて…では始めましょう、きっとこれなら…喚びかけに応えてくれるはず…。」
フレイラが墓石代わりの丸石の前にヒザをつき…祈りをささげるような体勢をとると…石の周囲からおぼろげな…淡い陽炎のようなゆらめきが立ったかと思うと…フレイラが魔法を唱える。
<
すると、目の前に立ったと思っていた陽炎のようなものに色が付き、宙に浮く形で、穏やかな表情をした男性が立っている。
「お…お父さん! お父さん!」
しきりにエンリが呼び掛けている、どうやら本当にこの人がエンリの父親らしい。
すると、フレイラがエンリの肩に手を置くと、エンリに対して魔法をかけてやる。
<
すると、一方的に語り掛けていただけのエンリの雰囲気が変わる。
時折り、「うん、うん、大丈夫」とか「そう…あの時は…ネムも大変だったんだよ?」とか、どうやら会話が成立しているようだ。
すると、近くに来たロバ―デイクが「何をしたんですか?」と声を掛けて来た。
エンリの方に顔を向けたまま、見守るようにしてロバ―デイクの問いに答える。
「特別なことはしていません、あの子の父親に呼びかけ、出て来てくれた父親を見えるようにしてあげて、エンリさんに会話が出来るようにしてあげただけ…、それだけですよ?」
(間違っても死霊系の魔法だなんて、口に出しては言えませんけどね…。)
しばらく話していると、エンリの表情に喜びの涙があふれ出す。
それは夫のンフィーレアでも見た事は無い物だった、基本エンリは泣いて気持ちを切り替えるということはない。
村長として振る舞うようになってから、弱みを見せるべきではないとずっと張り詰めていたのだろう。 それがどういう会話が成され、その思い込みを解きほぐされたのか、他のみんなにはわからなかったが、それは当人たちが分かっていればそれでいいのだろう…問題は、エンリ自身が分かればいいことで、彼女の中で昇華できればそれでいいのだから…。
「それでは…そろそろですかね?」
他の面々が見守る中、フレイラがエンリの父親の前まで歩いて行き、色のついた映像と化しているエンリの父親に話しかける。
「そろそろ…よろしいですか?」
それは、エンリに向けて言った物でないことはエンリにもわかった、視線が明らかに父親の方を見つめているのだから…。
「え?フレイラさん…何を…言っているんですか?」
「彼…イヤ、あなたの父親を、本来居るべき場所に送り出してあげるのです。」
「居るべき…場所?」
不安そうにエンリがその言葉に意味を求める、何を言われているのかわからないようだ。
「ハイ、そうです、魂の安息の場所、魂となった者たちが安らげる場所、そこにあなたの父親を上がらせるのです。」
エンリの顔色が一気に変わる、やっと出会え、話せるようになった父親と、また離れなければならないのか…という想いが心を染め上げる。
「待って! まだ待って! まだ…まだ話したいことがあるの…まだ話していないこともあるの…だから、まだいいでしょ? 今すぐにじゃなくてもいいんでしょ?」
すがるようにエンリがフレイラに詰め寄る、しかし、曇ったような表情はそれを良しとしない雰囲気を漂わせている。
「今しかないの…、今までずっと、ここに居て悪霊化…アンデッドとしての変化がなかったのは、エンリさんが好意的に世話をしていたおかげ、父親も誰かを恨むことなどなくここに眠っていたおかげ…ということもあるでしょう。」
そう言ってエンリの頭を優しくなでながら…母親が子供に言い聞かせるように言って聞かせる。
「でもね…あなたと話したおかげでお父さんも上に上がるための心の準備をしてしまっている、そのため、上に上がるための扉が開き始めている…あれが開き切って…そして閉じてしまったら…もう次にその扉がいつ開くかは私にもわからない…ずっと、この中に縛り付けておくのはお父さんのためにもならない…時間が彼を変え、悪霊…アンデッド化する前に…送り出してあげて? 今なら、あなたのお母さんも、一緒に上に送り出してあげられるの…。」
しかしエンリはすぐに了承はしない。
「でも…でも…、せっかく…。」
といつものエンリらしくない嗚咽混じりの声が彼女の口から洩れている。
それを目にして、1つ、決意をしたようにフレイラがエンリの肩に手を置き、体を離す、そして目の高さを合わせ、ゆっくり言い聞かせた。
「エンリさん、お父さんと話したことは今はわからなくても、後で意味はわかるわ…、でも話すこと自体はもうできなくなるわけじゃない、エンリさんがお父さんを想い、心の中で語り掛けてあげれば…それはきっと届くの…お父さんも、エンリさんを上から見守ってくれる…、今までだって何かあったらお父さんは助けてくれてたのよ? 今度はエンリさんがお父さんを助けてあげて?」
しばらく、見つめ合い、考えを巡らせていたのだろう…一番気になっていた内容をフレイラに問いかける。
「フレイラさん、1つだけ聞かせて? お父さんが上に昇ったら、もうここには戻って来られないの? この石の場所は空っぽになってしまうの?」
変わらず、エンリの目の高さに合わせた姿勢でいるフレイラがそれに答えを返す。
「いいえ、この場所は…転移系魔法で言えば、到着するためのポイントと言える場所、帰って来ようと思えばいつでもお父さんは上の世界からこっちの世界には遊びに来られるの…でも、それはエンリさんやネムさんには感じられず、視えもしない…声も聞こえないだけ…でもちゃんとお父さんは、ずっとエンリさんのことを気にしてくれて、見守ってくれるし、時々様子を見に来てくれるわ。 …だから今まで通り、この石の世話をして、石に向かって父親に語り掛けていれば…エンリさんの言葉はお父さんに届く…なにも心配はないわ。」
優しい目でそこまで言い聞かせると、その直後、真剣な目になったフレイラが、ゆっくりと、意味が分かるようにエンリに語って聞かせる…とても大事なことを…。
「いい?エンリさん、上に上がったお父さんは、その気になれば、いつでもこっちに戻って、好きな時に上の世界と行き来することができる…でも、上の世界に昇れるチャンスは今しかないの…、エンリさんがお父さんにずっと居て欲しい気持ちはわかる…でもそれが強すぎると、上がろうとするお父さんにとってエンリさんの想いは重い錘(おもり)になって、上がれなくなってしまう…、だから笑顔で送り出してあげて?」
…エンリは迷う。
どうすればいいだろう…さっき会ったばかりの私になんでそんなに親身になってくれるのだろう…もしかして、父になにかするつもりなのだろうか?
そんな有りもしないことまで勘ぐってしまいそうになるも、日頃からゴブリンやホブゴブリン、オーガ達と接し、表情筋の動きや目の動向、それらとずっと接してきたからこそわかるそれに「信じてみよう」という気持ちが生まれる。
これがルプスレギナであったなら、間違いなくその申し出は辞退しただろう…何しろ、彼女は自分では労力を使ってまで人を陥れることまではしないが、たまたまそこにあった状況を利用して、目的にした人物が不利な状況に勝手に落ちてくれることを、どこかワクワクしながら見ているような…それでいて、ソコに誘導させるような言動自体には労力を惜しまないタイプ…エンリにはルプスレギナという人物はそんな性格に思えるのだ…だから、助言される時も「どこまで信じ、どこからは自分の判断」とするかを見極めなくてはとてもじゃないが全面的に信用はできない…長い付き合いでそれが良くわかって来ていた。
しかし、目の前の彼女は違う、真剣な瞳、心底心配しているような…差し迫った表情、声の感じ…どれをとっても安心できるものだ。
彼女のことはまだ会ったばかりで…話し始めたばかりで知らないことの方が多い。
でも少しの時間でもわかることがある…、彼女は求めれば力になってくれる。求めなくてもなんとなく察してくれる…そんな風に感じるのだ。
信じてみよう…本来であれば、言わなくてもいい事だったのだ。
父の幻影が悲痛な叫びをあげているなど…
彼女にとっては、そのことを黙っていたところで、どちらにしても損も得もなかったはず…それどころか、そんなことをいきなり言い出せば、まかり間違えば今後の自分に向けられる目がどんなものになるか…その可能性を考えれば逆に言わない方が無難であったかもしれないというのに…、なのにここまでして、力になってくれようとしている。
それに…なんの見返りも、今の時点で求められていない…、ゴウン様の次に信じられるかもしれない…と思った、もしかしたら、「信じたい」という気持ちが先行していただけなのかもしれないと思うが…それはどうでもいい。
今は、父をどうするかなのだから…。
エンリはコクン…と首を縦に振ると「お願いします」とフレイラに短く告げる。
それに応えるように頷いたフレイラは、エンリの父親に向かいヒザを折る。
その姿勢のまま祈りを捧げると同時に、父親の立っている場所より上の方から優しげな光が降り注ぐ、それはエンリの父親に降りかかり、少しずつ光り輝くモノへと変えていく。
薄く透けて見えそうな程にきらめく見た目になってきたのを見て取ったフレイラが、両手を上に挙げた。
すると、今度は優しく吹き上がる淡い光に包まれたエンリの父が少しずつ空へと昇っていく。
一同が呆然と見ていると、次第に空に飛び立って見えなくなっていった。
「ハイ、これでまずは安心です、エンリさんもお疲れさまでした。」
「いえ、ありがとうございました。」
そういう言葉を交わす中、興味を覚えているのはロバ―デイクだ。
「い…今のは…何をされたのでしょうか?」
「今の…ですか? ただのターンアンデッドを応用した技なだけですよ? 本来は信仰する神の力を授かり、行使することによって本来は前方に照射する攻撃的な波動を、前方ではなく上方へ…叩きつけるような強いモノから威力を弱め、優しいものにする代わりに長い距離を作ってあげ、光の道を示しただけです。 この御業は
ポカンとするロバーデイクの後ろで「ほえぇ~…」というため息と共に、一連の流れを見ていたフォーサイトの面々、後ろで見ていたジエットも展開される驚きの連続に、次第に前に来ていたのだろう。
「良かったですね、エンリさん。」と話しかけていた。
何気ない光景なはず…気にすることのない場面、の筈なのになぜか心がざわめくのを感じたアルシェが、ジエットの腿のあたりをつねる。
「いった!」
という声を出し、振り向くと、既にプイと顔を背け、仲間の下に戻ったアルシェが自分との距離をとっていた。
〝いったい、どうしたんだろう〟
そういう想いで居るのはジエットだけではない…当のアルシェ本人にも、自分の行動の真意がつかめずにいた。
★★★
正直なところ、アルシェも戸惑っていた。
(何故、私はあんなことを…)
ジエットは、私からすれば、言わば弟のような存在だったはずだ…、それがここ最近どうにも変な感じになってきている。
自分が慣れ親しんだ帝国から、見知らぬ王国という…しかも亜人と共存が可能という意味の解らない「村」に移り住み、知ってる存在は妹たちだけ…、今まではチームメイトとも離れ離れだった…だからだろうか…、帝国を離れるまで親身になって自分を助けてくれたあの子を見る目が今になって変わってきたというコトだろうか…?
実際、あの子、ジエット自身は「恩返しをしたいだけ」
そう言っていたではないか…きっとそれ以上ではないはず…それは知っていたはずなのに…。
この村に来て、早く周囲に馴染めるようにと頑張って来たが、想像以上に「顔見知りすらいない環境」というものに精神がすり減っていたのか…思い起こせばジエットを思い浮かべる回数も増えていた気もする。
しかし、それを言うならヴェールさんもそれは同じくらいの回数、思い出している。
なのに、なんであの子…ジエットにだけ、こんなトゲトゲしい…ささくれ立った感情を覚えるのだろう…。
(別にあの子がエンリさんと話すくらいどうってことないじゃない…)
表面では確かにそう思っている。
ンフィーレアさんがどういう人かも私は聞いている。
この村に来る直前、ゴウン様に招かれた際、あの子に聞いた話…香辛料の話をしていた流れで、ついでで聞いた内容…、友人にンフィーレアという存在が居るというコト…。
ゴウン様のために新しくポーションを作り出すことに協力する。という挑戦のため、進捗状況の報告ということで来ていたンフィーレアさんと、当時、帝国での文字と…帝国外でも通じる一般的な共通用語などをゴウン様に「ナザリックの面々にも分かりやすく教えられるように…の知識交換会」という名目で(実際はジエットが教師役、ゴウン様が生徒役という位置づけでの勉強会をしていた際に)顔合わせする機会があり、ンフィーレアもエンリに「早く香辛料や、砂糖なんかを…」と折に触れ要求されていたため、それが得意なジエットとの交流を通し、その生活魔法を学ばせてもらうことを通じて、友人となった経緯があったのだと…。
そういう意味で言うならジエットにとってエンリという存在は「友人の奥さん」程度でしかないはず。
それは頭では分かっている…いたはずなのに…、何故か自分以外に笑みを向ける彼の顔を見ると…ん?…彼?…イヤ、違う、違う…あの子、そう、あの子よ。
別に彼なんかじゃ…なんかじゃ…?
そう…別に特別な感情などはない筈だ…と必死に自分に言い聞かせながらも、本当にそうなのだろうか…己にそう問いかける…。
それならば、この気持ち悪い感覚…これは何なのだろうか…?
初めて自分の中にこんな醜い感情があったことを知った。
そもそも、あのフレイラさんという女性が一緒にいる所を見てからずっと変な感情を覚えてしまった、一体彼女はジエットとはどういう関係なのだろうか…?
などととりとめもないことを考えている内に全員で、元の村長宅に戻ってきてしまい、「そろそろいい時間だし、お昼の準備でもしませんか?」と言い始めたフレイラに同意する面々という状況になってしまっては自分だけ意地を張っているわけにもいかず…女性メンバーが揃って食材の皮むきから、何から…ワイワイと始まってしまった。
案の定、この村での「水道」というものは帝国でも見かけたことはないらしく、ひねったら水が勢いよく出る様を皆が見て驚いていた。
自分もちょっと前、同じ反応をしたな…と思いながら、いつも元村長の奥さんが使っていた包丁を借りて、自分もそれに加わる。
エンリさんは自分の家から自分用の包丁を用意してきて食材を細かく切っていく。
フレイラさんは一体どこに持っていたのか、普通の物より一回り小さい包丁、果物やじゃがいもなどの皮をむくのにちょうど良さそうな大きさの一本…、それとやけに立派そうなまな板を持ってきて、それとは別に半円型の鉄の入れ物?っぽいものまで持ち出している。
よくよく見てみると、どの道具も淡い魔力を帯びている。
(実際は、なんの道具もそう言えば持たせてなかったな…と気づいたベルリバーが、フレイラの為に、元村長宅に入りながらこっそりとLV10鉄鉱石、それに同レベルの木材を使い、包丁とまな板、さらには「せめてボウルくらいは必要だろう」という事で、<
やはりというか、何と言うか…他のみんなにはその魔力は見えていないらしく…「すごい切れそうなナイフだね」とか「それ、どこかの逸品?」とか話題になっているが…自分も魔力を込められた「まな板」なんてものは見たことがなく、暫らく呆然と見入ってしまっていた。
ようやく意識をそれらの物から、切り離せたのはエンリからの言葉であった。
「あ、そういえば、ごめんなさい…ひとつ言い忘れていましたが、お昼の準備中、もしかしたら途中でこの村に人が訪れるかもしれません…とはいえ、門前までなので…すぐにここに戻って来られるかと思いますが…」
「…村長…それ、もしかして…この前の剣士さん?」
自分は一応、新入りということで避難していたが、翌朝に話題になっていた剣士を遠巻きに、見張り台から見させてもらっていた。
自分が見たのは、ず~っと、跪いて、額を地面にこすりつけたまま、微動だにしない剣客の人物であるが…、村長が話しかけると、頭を上げ、会話をしていた風なのは見えた…しかし一体どういう話をされたのかまでは聞いていない。
「あぁ、アルシェさんはそのお話しは皆さんに聞いているようですね…それなら…、その剣士さんがお昼ごろ…と言ってたので、今になるか「昼食を終えてから」来るかはわからないので何とも言えないのですが…その時は、少しの間、お願いしますね?」
「ねぇねぇ、アルシェ、それって何の話よ?」
興味深げにイミーナが、事情を聴きたがっているが、事情が事情だけにどこまで話していいものやら…と思案していると、それを感じ取ってくれたのか、エンリさんが代わりに説明してくれた。
「それは面白そうな話ですね、その人のこと、もう少し詳しく聞かせてくれませんか? とても興味深い方ですね。」
先ほど見た慈母のような微笑みとは少し違った笑みを見せるフレイラさんが、イミーナ以上に興味深げにその話に食いついてきてしまっていた。
★★★
(ほぉ…なかなかに面白そうな話が聞けたものだな…。)
フレイラのそばにずっと控えて状況を見守っていたベルリバーが、その剣士の話を聞いてちょっと興味を示していた。
だからこそ、フレイラに耳打ちをして、もう少し詳しく聞いてくれないか?とお願いしてまで、聞かせてもらったのだ。
こっちの世界でまさか自分の国でも昔は使われていた時代もあるらしい「刀」そしてそれを得意武器として使える職業、ユグドラシルで言う所の、サムライ…その職業を持つ者が扱うことで武器の性能を充分以上に引き出せる設定だった「刀」という分類の武器。
それをまさかこっちで作れる者が居て、さらに使いこなそうと志す剣士が居たとは…と、ちょっとウキウキしていた。
自分がユグドラシル時代、武人建御雷に幾度となくPVPを挑み、そして結局一度も勝つことは出来なかったことを懐かしく思い出す。
(一回だけ、条件付きでお互いにスキル使用を無しにしてのPVPで、やっと引き分けに持ち込めたのが、あの人と渡り合えた中で一番「戦えた」って実感が得られた瞬間だったな…)
その、結局超えるどころか、並ぶことも出来なかった相手、彼が好んで使用していたのが「刀」で、その素材の中でレアリティの高いものを入手したなら…彼は色んな組み合わせでデータクリスタルを組み込み、コンボを組み、やたら攻撃力重視でしこたま作っていたっけ…自分が戦った時は、たしか…ナザリック攻略して、拠点にした後すぐに新しいのを作った時だったから…「七式」だったかな?
一般的な刀とは見た目も変えて、外装にも手を入れたりして…かなり印象も強そうな感じにしてたっけな…、多分旧式扱いになったお下がりのモノは…建御雷さんのNPCがきっと持ってたりするんだろうな…。
え~~っと、たしか、外国で言う所の地獄の…階層のどこかの名前と同じだったよな…、コキュ…? えっと…あ、そうそうコキュ―トスだったか…。
確か生粋の武人って設定でカルマも中立だったはずだから、セバスと並んで敵対はされないだろうなって言うのはこの2人かな…プレアデスで言えばユリも…たしか善寄りだったはずだし…味方してくれないかなぁ~?
まぁ、どう絡むかは侵入してからのお楽しみだ…。
それはそうと…その剣士が「武技」ってやつを使えるなら…ちょっと親交を持ってもいいかもしれないな…。
そう思うと、フレイラにこっそりと<
「フレイラ…いいか?その剣士が望んでいた条件を聞かせるための魔法ってやつ、心当たりがあるから、その時はフレイラが<透明化>こっちが<透明化>を解除して入れ替わろう…、まぁその時はついでに<
今は「ヤシチ」の演技も必要ないため、あの黒ずくめの装備はしていない…そのため影に潜むことは出来ないことも考慮して、ベルリバーからの指示が成される。
フレイラは器用に指先をこめかみに移動させ、そこをさも「かゆい所をかいてる」仕草に見せて、応答している。
もちろん声で返答しては周りに人が居るのでバレる恐れを危惧し、首の動きだけで返答していた。
<
緊急避難的にランダムで1~3ターンの間、(最大でおよそ30秒)停止するのではなく、時間を休止させる。
つまり時間の動きを休ませ、最大の3ターン経過後であっても、効果範囲内にいる者達には1秒程度しか経過したように感じない魔法だ。
ユグドラシル時代では、CPUが操作する敵モンスターに使った際は、戦闘開始時に発動させると効果時間が切れた時は敵モンスターが「戦闘行為の選択肢」を選んだ直後くらいの時間から再開されたから、多分1~3秒程度なのだろうと思っている。
低魔力で発動できるという利点はあるものの、無詠唱化にするほどの使い勝手の良さはなく、効果時間を延長する強化魔法も精々が倍の時間を延長出来ればいい方という…しかも時間対策用のアイテムを持っていれば効果はない、というゼロか1か…という微妙系魔法である。
とは言え、アインズのように<
この魔法って、ユグドラシルでは戦闘時間で最大3ターンだったし、戦闘画面では有効だったけど…こっちの世界ではどこまでの範囲が有効なんだろう…。
一応念のため、使う時はこの間取りの中央くらいで使った方がいいのか?
などと思案していると、村長代理であるンフィーレアからエンリに声がかかる。
「あのさ…エンリ…、今日の所はもう村長代理の方は大丈夫そうだし、昼食が終わったら久しぶりにお婆ちゃんの手伝い…して来ても大丈夫かい?」
台所仕事をこなしながら、エンリは自らの夫に返答する。
「そうね、ここのとこずっとポーション作成の方はゴタゴタしてて手伝えてなかったもんね、いいよ?いってらっしゃ…って言いたいところだけど、夕食はちゃんと帰って来てね? また気が付いたら徹夜だった、なんてなったら…また「埋め合わせ」してくれないと許さないんだから…。」
(え?ポーション作成? ンフィーレアってそういう仕事だったの? …そう言われれば、アインズさんと語り明かした翌朝アインズさんが言ってたな…、村長の旦那は「ポーションの仕事か?」とかどうとか…、生産系の職業だったか…そんなこと聞いたら、フレイラを作ったそもそもの理由、思い出しちゃったじゃんか…、うわ~…手伝わせてぇ…どうしようかなぁ…)
人知れず、透明なまま頭を抱えて悩んでいるベルリバーが、せめて、その時間と「剣客の訪問」がブッキングしないように…と誰かもわからない何かに祈るのだった。
どんどん新しい魔法の捏造が増えていく。
フレイラの方は信仰系に死霊系…あとは精霊とかの召喚に創造などの使役系?とはいえアインズさんの死霊系とは(基本的には)被らないように進めていく予定…。
フレイラは設定が50LVなので、そんな低レベルな死霊系の魔法はアインズさんはきっと使わないはず…ですしね。
ベルリバーさんは魔力系を戦士系と一緒にどっちも中途半端に取得しているので、ナーベラルのように戦士を1LVだけ持っているのとはまた違う感じで戦力に差が出ているという感じ。
とはいえ、ナーベラルはアーマード・メイジ10LV、ウォーウィザード10LVが上乗せされてるので、余裕で鞘付きの剣でスケリトルドラゴンを殴り飛ばせるだけの力は持ち合わせているでしょう。
脳内ではそんな職業構成なので、建御雷さんには能力的に及ばない…という感じ。
スキルの性能の差がなければ、たぶん立ち回り次第でドッコイくらいの力はあるのでは?という感じの強さは持たせたい…そんな感じ。
でもその程度で、シャルティアには勝てるのだろうか?
多分勝てないかもなぁ~…なんて悩んでしまうこの所…。
素の力で最初から最後まで戦わせるつもりはないんですけどね…。
風車のベルトの出番も欲しいですし(((^^;)