争奪戦が、今開かれた。
「トカレフ!!出てきなさい!」
「トカレフさん!?早く出てきた方が身のためでしてよ!!」
「トカレフさん?どちらに…」
「トカレフー?」
「おーい、トカレフ、どこだー?」
…基地内が、トカレフを探す声で溢れ返っている。
人形達と一部のメンバーがひっきりなしに走り回っでいる。
「大事になったなぁ…」
「ジョージ、何だコレ」
「ローニン。それがな…」
経緯をかいつまんで説明した。
すると、ローニンがニヤニヤし出した。
「なんだよ気持ち悪い」
「いーやー?しかし、指輪ねぇ…こりゃお前もそろそろ覚悟しなきゃなんねぇかな?」
「…あくまで所有権を変えるだけだろ」
誓約システム。
戦術人形と言うのはあくまでIOPからグリフィンに貸与されているに過ぎない。
退役させるならIOPへの返還義務が生じるのだ。
が、誓約システムとはその戦術人形の所有権をイチ個人で買い取るものだ。
その行為に対してその名前を付けるというのは、中々皮肉が効いている。
「かー…でもまぁ、愛した女と一緒になるってのは…良いもんだぞ」
「…そうか」
ローニンが自分の手…鈍く輝く指輪に視線を落としながら、そう言った。
「ま、散々あの子達を口説き落としたツケだな。いい加減決着つけろ」
「…そう、だな」
もう誤魔化せない、か。
人形だろうと関係ないとか言ったのは他の誰でもなく自分。
「…誓約、か」
「確か誓約した人形はリミッター周りも調整されて強くなるんだろ?少しでも戦力が欲しいならやるべきだと思うがね」
「それもそうなんだが…そんな理由で交わすべきじゃない」
「わぁーってるよ。あくまでそれはオマケだ。本題はお前が誰を選ぶか、な」
人形達の中に俺に対して好意を持ってくれている奴等は…俺の自惚れじゃない限り、居る。
「ま、そればっかりはお前の選択だ。せいぜい悔いの無いようにな」
「ああ…。ローニン、今度飲まないか」
「お、万年金欠指揮官が珍しいな」
「最近稼ぎが良くてね」
「お前が稼いでると俺達の懐も温かくなるからいい話だ」
S-12市街で開かれる店舗のリストを思い出す。
PMC向けの飲食店なんかも出てくるらしい。
「今度オープンするらしい、良い店を知ってるんだ」
「いいねぇ…リージョンも誘うか」
「そうだな。偶には野郎だけで飲むのも悪くない」
「…嬢ちゃん達に言うなよ。俺が刺されかねん」
「ははっ、俺も流石に二度目はゴメンだ」
…麻酔利かないから本当に勘弁して欲しい。
「で、お前はのんびりしてて良いのかよ」
「ん?まぁー…大丈夫だろ。トカレフなら多分…」
ドシリアスな本編を書いてたから、偶にはほのぼのしたっていいじゃない。
久しぶりに後書き書いた気がする…真面目に書くとここでなんか書きにくくて。
本当は摘出編は一週間くらい休んでからやろうかなと思ったんだけどSNSでわーちゃん概念にフルボッコされてね…。
ヒロイン、完全にわーちゃんになってしまったけど…M4に戻すべきだろうか…。