【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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第122話

UMP45の依頼から3日。

その間のS-12地区は、慌ただしく準備に追われていた。

 

「指揮官、用意した補給物品のリスト。目を通しといて」

「サンキュ、リサ」

「指揮官さん、ノーススター狙撃部隊長から進歩状況ですわ」

「あとで目を通す。置いといてカラビーナ」

「指揮官。ちょっと休憩しましょう」

「春?…あぁ、もうそんな時間か」

 

一旦手を止めて前を見る。

春がいつもの様に準備良くセッティングをしていた。

 

「どうぞ」

「どうも」

 

マグカップを受け取りつつ、資料を流し見しようとしてリサに取り上げられた。

 

「休憩中よ。休憩しなさい」

「はいはい、分かったよ…」

 

ふぅ、と一息付く。

…なんつーか、賑やかになったもんだな。

 

「ねぇ、指揮官。その箱…指輪のケースかしら?」

「え、あー…しまい忘れてた。そうだ」

 

リサに指摘されて初めて思い出した。

対鉄血用の指輪。

 

これもその内使うだろうし周知させないといけないか。

 

箱を開けてなかを見せる。

 

「…黒いですわね」

「誓約の指輪とは逆の効果を与える…『孤立の指輪』だ。こいつで鉄血ハイエンドモデルの性能が九割落とせるらしい」

「………………ジョージ」

 

リサが何か言いたそうに一言漏らした。

言いたいことは分かる。

 

「私達より先に、アイツに指輪渡すんだ」

 

そっちかい。

ドリーマーに思うところのあるリサが口を開いたかと思えば出てきた一言にちょっと脱力した。

 

「…もっと別の事言われると思っていたよ」

「何よ…私達にとっては大事な問題よ」

「そうですよ、指揮官さん」

「待つとは言いましたが、アレより後に渡されるのはまっぴらですよ」

 

まぁそうだろうな。

…装備とは言え指輪は指輪。

こんな物因縁の相手から先に着けるとなるとそれは波乱を呼ぶだろう。

 

「…と、言われてもな。まだ1セットしか届いてなく」

「「「えっ」」」

「あ」

 

しまった。

うっかり口を滑らせてしまった。

 

そう、誓約の指輪は1つだけ…1つだけ今手元にある。

 

「…どうせ指揮官の事ですから、関係を持った人形全員に渡すつもりなんでしょう?」

「まぁ、その通りだが…」

「節操なしですわね」

「節操も無く襲ってきたのお前らだろ」

「アラナンノコトデシタカー?」

「ははは、こやつめ」

「いたたたた」

 

カラビーナのこめかみに指の第二関節をめり込ませてグリグリする。

痛いのにちょっと恍惚とした表情になってる…本格的に倒錯してしまったのか。

 

「最初は誰にするつもり?」

 

リサにそう聞かれてしまい、ちょっと逃げ場が無くなってしまった。

 

「…リサ。今夜…近くの教会廃墟に来てくれ」

「…えっ、ええええぇ!?……………は…はい…」

 

春とカラビーナがとてもいい表情でニヤニヤしている。

…リサは、顔をまた茹でだこのように真っ赤にして。

 

…多分、俺も今顔真っ赤なんだろうなあ。

 

 

 

 




先にこのイベントだけは済ませておきたかった。
平穏回?いいえ、大事なイベントの前フリです。

最初の誓約は誰にするかちょっと迷いましたが…やっぱりこの子ですよね。
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