…その前に俺の命がこの世とお別れしそうなんだが、誰か助けてくれない?
「す、スプリングフィールド!ここで会ったが百年目ですわ!」
カラビーナがスプリングフィールドに飛び込んだ。
アッ、馬鹿、ダミー2体分の力量差を考え…。
「ハァッ!!」
「?!!?!」
…スプリングフィールドが飛び込んできたカラビーナを抱え、思いっきり地面に勢いそのまま叩き付けた。
「ぎゃふん!?」
「それで、ジョージ?誰ですかこの女」
「彼女は俺n「指揮官さん逃げて!ここはわたくしが!!」」
「
あ、やべぇ。
何でかは知らないけど俺今一回死んだかも。
「そ、そうですわ!わたくしは指揮官さんの下に配属されましてよ!」
「カラビーナ一回静かにしろ状況を考えて」
「うるさいので強制スリープさせますね」
「あ、ちょっとやめてください!ひっ、こ、この中古おn『ブツッ』」
…カラビーナがうつぶせになって大人しくなった。
「し、死んでる…」
「『寝かしつけた』だけですよ」
「アッハイ」
「…私を、選んでくれなかったんですね」
スプリングフィールドが目を伏せる。
「…すまん」
「ふふ、冗談ですよ。クルーガーさんと上の決定なら仕方ありません」
「そういってくれると、助かる」
「ジョージ。私が2ヶ月、眠っていた貴方を待っていた間…どんな気持ちで待っていたと思いますか?」
「…わからない」
「…このまま起きなかったら、そう考えてしまう時がありました」
最低限の調度品しか無くなった部屋を一望して、彼女は続けた。
「頭のどこかで、ジョージの下には行けない…その考えが頭から離れません」
「…」
「ねぇ、ジョージ…私と一緒に、お母様の所へ行きませんか?戦いから離れて…」
「それは出来ない」
手をとろうとしたスプリングフィールドを、はっきりと拒絶した。
そうしなければ、流されてしまう魔力が篭っていたから。
「俺には返さなきゃいけない恩と、金と…屈辱がある。特に、鉄血のあの代理人とか言う奴にな」
「…どうして、自ら厳しい道を歩くんですか、貴方は」
「生きてるからだよ」
「その過程で今回みたいに大怪我して…死んでしまうかもしれないんですよ。貴方には
「分かってる…それでも、だ」
自分で選んだ道なのだから。
「スプリングフィールド、お前はどうして…」
「…駄目です。駄目ですよジョージ」
首を振ってスプリングフィールドは俺を拒んだ。
「今、私を救わないでください…きっと、貴方に依存します」
「そんな訳…」
「トカレフさんの事、忘れたとは言わせません」
「…WA2000にも言われたよ。あの子の事はどうするんだって」
「貴方と一緒に行けないのに、貴方への想いを…置き去りにされたくありません」
「…わかった。理由は聞かない」
いつもの強気な彼女の姿は無い。
…スプリングフィールドの手を取る。
「…武勲を建てて、迎えに来る」
「…え?」
「時間が掛かるかもしれない。他の指揮官に取られるかもしれない…でも、必ず俺の指揮下に…迎えに行く。それまで、待っててくれないか?」
「ふ、ふふふ…ジョージ、私の答えは変わりませんよ…いつまでも、待ってますから」
スプリングフィールドが胸元に飛び込んできた。
慌てて受け止める。
「お、おい…」
「今だけ…今だけは、優しくしてください」
「…しょうがないな」
「お別れは言いません。絶対、必ず…貴方の元へ行きます…どうかそれまで、私を忘れないで…」
…春先はまだ遠い。
けれど、ここに彼女の暖かさは、確かにあった。
「…あ、あれ…わたくし一体何を…ハッ!?あ、あああああああ貴方達何を…!?」
…カラビーナが目を覚ました…が、無言でスプリングフィールドが摘み出した。
湿っぽい空気が何処かへ行ったからカラビーナに後でお詫びしないといけないな…。
「スプリングフィールド。コーヒー、淹れてくれないか?」
「…はい、喜んで」
またこんなちょっとシリアスなの書いて自分でも困惑している。
スプリングフィールドと、しばしの別れ。
…また、会う日まで。