【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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スプリングフィールドの抱える物。



遠い春

 

「おはようございま…あら、指揮官。今日はそれと一緒でしたか」

 

結局、あれからカラビーナの添い寝を許して一緒に寝てしまった。

…正直に白状すると、安心感を感じてしまいすぐに意識を手放してしまった。

 

誰かと一緒に居る、それだけでだいぶ救われるのかもしれない。

 

「スプリングフィールド。『それ』は辞めろ」

「…っ、すみません」

 

ベッドで未だ眠っているカラビーナに対しての発言を諌める。

…何となく、思うのは…スプリングフィールドはあまり怒られ慣れていない様な気がする。

 

スプリングフィールドタイプの人形は基本的に温厚だが、他人に対して親身になり時に優しく時に厳しく接してくる。

典型的なお姉さんタイプの性格をしている。

 

包容力のある年上の女性に憧れる気持ちは誰しもあると思う。

 

…話が逸れた。

 

「同じ部隊の仲間なんだ。難しいけど仲良くやってくれ」

「…貴方が、そう言うなら」

「すまないな。おい、カラビーナ朝だぞ」

「んへへ…指揮官さん…大好きです〜」

「…真正面からそう言ってくれりゃな」

「…」

 

そう呟いたら、スプリングフィールドが掛け布団を引っ剥がしてカラビーナを床に落とした。

 

「ぐぅっ!?」

「ちょっ、おい!?」

「…あ、い、いえ…これは、その」

「痛…あ、指揮官さんおはようございます…よく眠れましたか?」

「あ、ああ…お陰様で」

「ふっ、ふふ、どうですスプリングフィールド!」

 

あっ、こらお前そこでスプリングフィールド煽るな。

ユラリ、とスプリングフィールドの姿がブレた。

 

「「え?」」

 

一瞬でカラビーナの目の前に現れ、スプリングフィールドの右手が顎を撃ち抜いた。

 

「…きゅう」

「………あっ」

 

スプリングフィールドが小さく声を上げた。

 

「スプリングフィールド!」

「ひっ、す、すみません…すみません…!」

「…?」

 

つい声を荒げて名前を呼んだ。

すると、スプリングフィールドは肩を震わせて、ただひたすら謝っていた。

 

「…スプリングフィールド、落ち着いて。目を俺に合わせてくれ」

「こんな、つもりじゃ、」

「スプリングフィールド」

 

へたり込んだスプリングフィールドの前にしゃがみ、手をとってやる。

 

「落ち着いて」

「は、い…ありがとうございます…ジョージ…」

「ああ…まだ何も聞かない。話したくなったらでいい…ゆっくりと整理してくれ」

「…」

「とりあえずカラビーナには謝ってくれよ?俺も付き添うからさ」

「はい…」

「よろしい。それじゃあ先に顔を洗っておいで。またいつもの笑顔が見たいからさ」

「…小さい子に諭すみたいですね」

「俺からすりゃみんな妹みたいなもんだ」

「ふふ…グリズリーさんは年上ですけどね」

「…そうだな」

「すみません、ジョージ…」

 

スプリングフィールドが部屋から出ていった。

彼女の抱える物も、重そうだ。

 

「カラビーナ、起きろ。風邪引くぞ」

「きゅう…」

「…完全にノビてる…すげーなスプリングフィールド」

 

体術とか習った方がいいかな…。

 

 




リクエストであったスプリングフィールドの絡み…と言うか症状と言うか。
カラビーナにはまた出汁になってもらってしまった。

短くてすまない…一話に付きこのくらいしか書けないんだ。

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