【完結】借金から始まる前線生活   作:塊ロック

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AR小隊が合流してから、三ヶ月の月日が流れた。

ある日、執務室は。


第三章 目指せ借金返済ー目標1000万ー
目指せ借金返済ー目標1000万ー


「次!ローテーション組んで追い込め!」

「スカウト!報告は!」

『鉄血ハイエンドモデルのスケアクロウを発見しました!』

「仕留めろ!」

『こちら第一部隊、交戦開始します!』

 

指揮室で慌ただしく指揮をする。

ドローンの映像には、GrG3が榴弾でスケアクロウを粉砕した瞬間が映し出されていた。

 

「最高だGrG3!愛してるぜ!」

「…指揮官?(ニコォッ」

「ひえっ、M4…いつの間に」

「先の戦闘の報告に参りました…それで、今のは?どなたに?」

 

M4の笑顔が怖い。

 

「第一部隊が無事スケアクロウを狩ったからな…出迎えに行かないと」

「GrG3ですね」

「エスパーかよ」

 

報告書を受け取る…手を握られた。

固い。離して。

 

「M4?」

「…指揮官、私達の時間は…まだ埋められていません」

「…そうだな」

「だから、その」

「妹に手ェ出すなっつってんだろこの野郎!!」

「うおおおぉぉっ!?」

 

飛んできた灰皿をマトリックスばりに回避する。

こ、腰がっ…!!

 

「油断するとすぐこれだ…!M4、遅いから心配した。戻るぞ」

「ね、姉さん待って、私まだ」

「知らん。行くぞ」

「あ〜〜〜〜」

 

M4はM16に引きずられていった。

最近の俺達の距離感は、そんな感じだ。

 

必要以上に接しようとすると、保護者の妨害が入る。

 

「…ま、そうだよな」

「入るわよー指揮官。…何か、貴方AR小隊と何かあったの?ずっとそんな感じだけど」

 

グリズリーがフロッピーの束を持って入ってくる。

俺は、ついうっかり口を滑らせ…。

 

「グリフィンに入る前に…な、何でも無い」

 

あっぶねぇぇぇぇぇぇ!!

そういやこいつ委員会の回し者だったじゃねぇか!!

 

最近残念な姿しか見てないから忘れてた。

こいつに俺とAR小隊の確執がバレると拙い…。

 

「それにしても、最近はよくハイエンドと戦闘するわね。何かあったの?」

「え?ああ…簡単だよ。奴らの首に懸賞金が掛かった」

 

そう、それが俺のハイエンド狩りの正体。

 

「狩りまくれば借金の査定に色付けてくれるらしいからな!!」

 

ここに、借金返済作戦がスタートした。

 

「え、指揮官借金してるの?」

「あれ、知らなかったか?まぁ、ちょっとした事情でグリフィンにな」

「へぇ…大変ね」

「まぁな…でも、君に会えたし悪くは無かった」

「ちょっと、やめてもらえる?失恋した女口説くなんて趣味悪いわよ」

「あー………すまん。口説いたつもりは無かった」

「無自覚…ジョンよりタチ悪いわね」

「親父よりマシだと思いたい」

「悪いけどジョン以下よ。あいつ、意識して口説いて手込めにしてたし」

「人としては最低じゃね?」

「惚れた弱みね」

「さいで…」

「あと、私アンタより歳上よ?こんなおばさん口説くんじゃないの」

 

机の上の散らばった書類を目にしてため息を吐いた。

まだまだやる事は山積みだ。

 

「ま、頑張んなさい。正しい事をするなら協力は惜しまないわ」

「サンキュー、グリズリー」

 

AR小隊を抱えた事により、少しずつ他の基地からも仕事が回される様になってきた。

お陰でハイエンドを狩れる機会にも恵まれてきた。

問題としては…。

 

「ドリーマーの目撃情報が、無い…か」

 

未だ見つからないドリーマー。

奴はどこへ消えたのか?

 

「…こんなに奴を焦がれるとはな」

 

 




第三章スタート。

ジョージの借金はハイエンドを倒すたびに査定され減っていく。
つまり、戦えと言う事だ。

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