更新が遅くなってしまい申し訳ありません。
更新するたびに謝罪をしている気がします、更新が遅くなるのが悪いんですけどね、ええ。
そんなわけでこちらもようやく更新させていただきます。楽しんでいただけたら幸いです。
それでは本編をどうぞ、
自由行動日から数日がたったある日の午後。機甲兵達を格納している倉庫の横にある駅にて分校生徒が大きなボックスにさまざまな荷物を積めた状態で待機していた。
「よし、Ⅶ組! 準備は万全か?」
銀髪の中に薄く紫がかった珍しい色の髪を持つ少年は全体を取り仕切っていた。
「ええ! オッケーよ!」
「オッケーです」
ピンク色の髪の活発そうな少女と、回りに比べ頭一つ分背の低い銀髪の少女が答える。
「Ⅷ組! そっちは!」
銀髪の少年が手にしている紙には恐らく経理などを得意とする文官ですら目を剥くような量の情報が乗っていた。
全体で使う予算。それから各学科で使われる備品の予算。機甲兵の運用に対しての注意に予備部品の数、値段、どこで仕入れてきたのか等、上げれば切りの無い数の情報がびっしりと並んだ紙にはチェックや追加でかかれた情報、書いてある備品以外の備品等事細かに書いてある。それとにらめっこしながら生徒に的確な指示をだし、纏め上げていた。
「ああ! 終わってるぜ!」
「こっちは大丈夫だ!」
金髪で荒々しい印象を受ける青年にと青い髪を短く刈り上げた体のがっしりとした青年が少年に答える。
「最後! Ⅸ組!」
再び複数の箇所にチェックを入れながらさらに声を張り上げる。
「こちらも準備完了ですわ」
「じゅ、準備完了です!」
薄い緑色で艶やかな髪に紫色の瞳のお嬢様のような雰囲気を纏った少女とおどおどとした薄い栗色の髪を短く切り揃えた少年が答える。
「よし! 各自自分の役割を果たせば十分に余裕が出来る! 〈デアフリンガー号〉が来るまで休憩だ!」
「「「「「「了解!!!!」」」」」」
銀髪の少年がそう締め括り、生徒達は思い思いの休憩をとる。それを遠目から見ていた教師陣、リィン達同行班は苦笑していた。
「さすがだな。ああやって指示を出しながら細かいところまで見ている」
「ああ、敵の時は厄介だが、味方になれば頼もしいなんてものじゃない」
「アハハ......シオンさんが手伝ってくれるお陰で経理とかの方でも助かってるし、本当に凄いよね」
各々の感想を言いながら銀髪の少年、シオンに目を向ける。クラスの備品の確認だけでなく機甲兵などの専門的な知識がなければわからないものでも確認出来るのだから凄まじい。
「トワ、ほい」
「ひゃっ!? シオンさん!? 何ですかっ!?」
「あ、いや、とりあえず明細書の確認と備品の選別が終わったから明細書渡しに」
シオンがトワに手渡した紙にはびっしりと備品の数、不足分、費用等々、プロにやらせてもここまでは出来ないだろう精度の内容が書かれており、それを渡されたトワも驚きを通り越し、苦笑いが出ている。
「とりあえず、ありがとうございます」
「んー、どれどれ......うーん、さっぱりだ」
シオンがトワに渡した明細書をシオンの肩口から見るランディだったが、全くわからなかったらしく、頭を掻きながら苦笑する。
ランディだが普通の明細書であれば理解はできるぐらいには頭はいいのだ、しかしシオンの作った明細書が恐ろしく細かく、本来では書かれないようなことまで事細かに書かれていたためランディは理解出来なかっただけで、ランディの頭が悪いわけではない。
「さてと、そろそろ来るかな」
トワに明細書を渡したシオンは駅にある時計を見てそう呟く。時計盤は六時半過ぎを示していた。
シオンが呟いて一分も立たないうちに銀色の導力列車が駅に入ってきた。先頭と最後尾の車両には銀色の、角の生えた鹿のレリーフがついており、帝国を感じさせる見た目となっていて全七車両の導力列車、〈デアフリンガー号〉が到着した。
先頭車両、これから向かう先を考えると最後尾の車両の扉が一つ開き、女性が一人出てくる。彼女は灰色の制服を身に纏いピシッと敬礼をする。少し揺れた水色の髪は後ろで一つに纏めてあり、理知的な瞳がこちらを射抜く。
「お久しぶりです、リィンさん。〈デアフリンガー号〉の引き渡しに参りました」
彼女は鉄道憲兵隊特務少佐のクレア・リーヴェルト。鉄血の子供と呼ばれる何人かの内の一人で
*
俺は他の生徒達と共に荷物を運び込みそーっとしていたが見つかり話に加えられていた。
「シオンさんがリィンさんの生徒とは、想像出来ませんね」
「まあ、本当にシオンが生徒しているところを見るとギャップがありすぎるけど」
「クレアは相変わらずか、いや、少佐に昇格はしたか」
「ええ、そうですね。まだまだ技量では及びませんが」
少しぶっきらぼうに答えるがそれでもいいのかクレアは少し嬉しそうに会話を続ける。俺はクレアから渡された〈デアフリンガー号〉についての情報を纏められた紙を眺める。最高速度だったりは書かれているが耐久性等は書かれていない、どこまで耐えれるのか実験しないといけないな。
「シオンー! 積み終わったよー!」
クレア達の話に付き合わされていた俺にユウナの声が届く。
「ん、わかった! クレア達、積み終わったらしいからとりあえずは目的地に向かわないか?」
どうにかしてここから逃げ出したかった俺はクレア達にそう提案する。
「そうですね......それでしたらリィンさん、話は
しかし、その後の予想外の言葉に俺は硬直してしまった。
*
「シオンさん! 私に銃を創ってください!」
「だぁー!! わぁったから離れろっ!」
〈デアフリンガー号〉に乗り込み、目的地、セントアーク付近の街道に向かって出発して数十分後、〈
「あはは、シオン君は人気だね」
「これを人気と言っていいのかはわからないが......ハァ」
近くで見ていたトワが苦笑する程にクレアが
俺の隣で尻尾をブンブン! と激しく振る犬のような幸せオーラ全開のクレアをちらりと見て目が合うが、一旦無視してトワ問いかける。
「そう言えば、俺の分の部屋を取れないんだろ?」
「ああ、それは、その、すいません」
「あ、全然大丈夫だぜ? 再確認だし」
本当に申し訳なさそうに謝るトワに困惑しつつもどうにかして宥めてクレアの方を向く。
「さて、クレア。銃を創って欲しいって言ったけど、今の銃じゃ駄目なのか?」
「今の銃もいいんですけど、やはりシオンさんのオーダーメイドの方が......いいんです」
「......ハァ、わかったけども形状や性能で何か注文はあるか?」
「いえ、特には無いです。シオンさんに創って貰えれば」
クレアのその言葉に苦笑しつつも銃を創り始める。部品ごとに分けて少しづつ、丹精を込めて創り出す。徐々に出来ていくパーツを嬉しそうに眺めるクレアを横目に部品の精製に集中する。そして二時間程したときには魔導銃が一丁、完成していた。
場所が三号車の食堂等になっているからか、人が集まり、俺が銃を創るのを見ていた。クレアに渡した時には拍手を全員がして、輪の中心にいたクレアは頬を少し赤らめくすりと笑う。
俺はそーっと輪から抜け出して一息つく、クレアの持つ魔導銃に興味が行っている間にソファーに腰掛けて、手首に同化している
その手には二つのコーヒーカップが握られており、片方が俺の前に置かれる。
「お疲れさん、ほれ、砂糖はいるか?」
「あ、ランドルフ。サンクス、砂糖はいいよ、ブラックの方が好みだしな」
コーヒーを持ってきてくれたランドルフに感謝を伝えつつ、ずずず、とコーヒーを啜る。ブラックコーヒーならではの苦味が口いっぱいに広がっていくが、その苦味が美味しく感じるのだ。
コーヒーの味を楽しんでいたとき、不意に霊脈の乱れを感じた。
「......? どうした?」
「いや、霊脈が乱れたようなんだが......気のせいか......」
しかし、すぐにその気配は霧散してしまい感じれなくなってしまった。ランドルフは俺の言葉を聞いて怪訝そうな顔をしたが、感じれなくなった事を伝えると、少し注意するか、と言い砂糖を入れたコーヒーに口を付ける。
二人ともゆっくりとコーヒーを味わっているとリィンとトワが話ながら歩いていたので声をかけると二人ともソファーに座り、話をしていると、
『マイクテスト、マイクテスト、あー、あー。教官三人とシオン・アルテミアは二号車の会議室まで来るように』
放送が流れ、全員が一斉に立ち上がる。クレアは魔導銃を撫でるようにして見ており、それぞれ生徒達も会話に花を咲かせていた。
俺達は今後のことについて考えつつ二号車の会議室に向かって歩いていった。
*
二号車、会議室に集まった俺達はミハイルから実習の予定についての説明をうけ、すっかり暗くなってしまった外を窓越しに見ながら四人で思い思いの飲み物を飲みながら実習について考えていた。
「セントアークか、あそこの霊脈は大きいからな。何が起こるかわからない」
「シオンの口からそんな弱気な言葉が出るとはな」
「まあ、そうだな。基本的にシオンは強気な口調が多いし、どうしたの?」
「あのな、俺も今は弱体化してるんだ。全力の〈劫炎〉とやりあえば確実に封殺されるぐらいには弱い」
俺の言葉にはぁ、とため息をつくリィンとランドルフを睨みつつ、コーヒーを啜る。
「私は、その〈劫炎〉って人は誰か知らないけど、演習中には来てほしくないな」
「さて、どうだろう。結社が動いているんだったらあいつが来る可能性もあるが」
無いだろう、と付け加えてコーヒーを飲み干す。そして手元にあったスイッチを押すと、
『あー、あー、テステス。明日は朝早いので、生徒の皆は自室に戻って休息をとって明日に備えてね』
トワの声で放送が流れる。目の前に座っているトワはえっ? と声を漏らし、俺を見る。
「前に言ってって言ったときあっただろ? あのときに録音したんだよ。
コーヒーをずずず、と啜り、さらっと爆弾を落とす。
「「
リィンとランドルフに怒鳴られるが、素知らぬ顔でそっと席を立とうとするが腕を掴まれ強引に座らせられる。
「何の
「何って、
「
俺とリィン達との間に出てきた未知の単語にトワが反応する。ここはランドルフに説明してもらおう。
「ん? 俺が説明? はいはい。トワちゃんは知らねぇか、
「その記録を弄くったり出来るんだよ」
「おいっ! 俺の説明を途中で奪うんじゃねぇ!」
「悪い悪い、ま、
俺は軽い口調でそういって、ヒョイッとソファーから立ち上がる。まだ話があると腕を掴もうとリィンが立ち上がって腕を伸ばすが、その時には既に後方列車に続く扉の前に俺はいた。
「んじゃ、俺はもう寝るわ。ちょっとこの体でいるのが辛くなってきたんでな」
「あ......そう言えば......」
「ま、そんなわけだ。明日はカレーな」
「ちょっ......」
何かを言おうとしたリィンを無視して四号車に移る、六号車で寝ようと思っていたためゆっくりとした足取りで後方列車に向かって歩いて行くが、途中で足を止め、ごほごほと咳をするが、
「あ? 血か......」
押さえた手にピチャッと音を立てて血がつく。思った以上に体にガタが来ていたことに舌打ちをして六号車に向けて歩き出すが、
「あれ、シオン? どうしたの? ......っ!? どうしたのその血!」
「どうしたのですか? って! 吐血をっ!?」
「ああ、大丈夫大丈夫、吐血なんてよくあるし。体を休めれば大丈夫だよ」
ユウナの声に反応して部屋から出てきたアルティナも俺の掌についていた血を見て急いで教官を呼ぼうとするが、俺が手を振って制止する。少し説明をして呼ばれるのは防いだ。あいつに心配されるなんて本末転倒だ、あいつらが安心している為に俺は来たと言うのに。
軽い自嘲をしながら六号車までたどり着く。体を保っているのがついにきつくなったのか体が女体になる。倦怠感に包まれていた体が少しだけ軽くなった。
「ふむ、その反応はシオンか。どうした? やけに反応が希薄だが」
「ん、そう言えばヴァリマールもいたんだったけ。まあ、リィンに言わないのなら」
「む、まあ、隠し事ぐらいは良いだろう。それでどうしたのだ?」
「ん、この頃魂を磨り減らし過ぎてな。体がうまく構成出来ないんだ。そのせいで不調をきたしていてな、この頃は少なかったんだが」
そう言いつつヴァリマールに寄りかかるようにしてずるずると座り込み、ふうーと息を吐く。
「ちょっと今日はもう寝るよ。おやすみヴァリマール」
「ふむ、おやすみと返しておこう」
やはりどこか独特なヴァリマールの返答に苦笑しつつ、冷たいヴァリマールの装甲を背にして目を閉じる。すぐに意識は細くなっていき、暗闇に落ちていく。
いかがでしたか?
今回は少なめの字数で更新しました。
未だに謎が多いオリ主ですが、これから書いて行こうと思っています。
拙い文章ですが、これからも楽しんでいただけたら幸いです。
感想、評価等待っています。
それではそろそろ、次の話で!