自由気ままに淡々と過ご…せればいいなぁ… 作:あかちゅきぼちゃん
空は灰色だった。
大戦時代の空は、ほとんど常にこうだ。
精霊嵐が空間を歪ませ、遠くでは巨大な爆発が絶えず起こり、空のどこかでは必ず誰かが誰かを殺している。
地平線の向こうで山が一つ消えた。
神霊の一撃か、龍精種の咆哮か、それとも天翼種の天撃か。
この時代では、もはや区別する意味すらない。
そんな世界を見下ろす丘の上に、二人の人影が立っていた。
一人は包帯を巻いた片目の少年。
もう一人は、白い金属の身体を持つ少女。
少年――
**リク・ドーラ**は、遠くの爆発を眺めながらため息を吐いた。
「本当に嫌になる世界だな。空を見上げても星どころか爆発しか見えないし、地面を見ても死体と瓦礫しかない。こんな場所で“世界を取る”なんて言ってる俺は、客観的に見てかなり頭のおかしい奴だと思うんだが……どう思う?」
隣に立つ少女――
**シュヴィ・ドーラ**は、しばらく空を見てから静かに答えた。
「客観評価。
常識基準に照らした場合、リクの発言は狂気に分類される確率が高い。しかし、計算結果ではリクの戦略は合理的である。矛盾は確認されない」
リクは苦笑した。
「そりゃどうも。機械に“合理的狂人”って認められるのも複雑だな」
彼は丘の下を見た。
そこには――
無数の光があった。
数百。
いや、千に近いかもしれない。
機械の身体を持つ兵器の群れ。
冷たい光学センサーが一斉に丘を見上げている。
それはまるで、夜空の星が地面に降りたようだった。
機凱種。
この大戦で最も計算的で、最も合理的で、そして最も感情を持たない兵器種族。
リクはその光景を見て、ゆっくり肩を回した。
「さて……人類史上最大の無謀を始めるか」
シュヴィが静かに言う。
「再確認。
現在状況は、リクと私が機凱種軍団に包囲されている状態。逃走確率は0.02%。戦闘による生存確率は0%。交渉成功確率は0.0003%」
リクは笑った。
「いいじゃないか。ゼロじゃないなら十分だ」
丘の下で、一体の機凱種が前に進み出た。
他の個体より装甲が厚く、センサーの数も多い。
おそらく指揮個体だ。
無機質な声が響く。
「質問。人類種個体リク・ドーラ。交渉要請の意図を再確認する」
リクは丘を降りながら答えた。
「簡単だよ。俺はこの戦争を終わらせたい」
数百のセンサーが一斉に瞬いた。
「確認。
大戦終結は神霊種および上位種族の目的と一致しない。人類種がそれを実現する合理性は存在しない」
リクは笑いながら言った。
「合理性がないのは知ってる。だからお前らに会いに来たんだよ」
機凱種は沈黙した。
計算が走っているのだろう。
シュヴィの視線がわずかに動く。
「機凱種内部演算速度上昇を確認。現在、交渉内容の予測処理中」
リクは地面に棒で線を引いた。
円を描き、そこから複数の矢印を伸ばす。
「この戦争の構造は単純だ。神霊種、龍精種、天翼種、機凱種、幻想種、巨人種、森精種……全部が全部、互いを滅ぼそうとしてる。つまりこの戦争は、誰か一人が勝つ構造じゃない。全員が負ける構造なんだ」
機凱種の代表機が即座に答える。
「否定。勝者は存在する。最終的な星杯獲得種族が勝者となる」
リクは頷いた。
「確かにそうだ。だけどな……星杯を取った時点で世界はどうなってると思う?」
沈黙。
リクは続けた。
「この戦争が続けば、世界そのものが壊れる。精霊は枯れ、空間は裂け、最後には誰も住めない星が残る。つまり星杯を取った奴は“壊れた世界の神”になるわけだ」
機凱種のセンサーがわずかに揺れた。
「質問。
人類種は何を提案する」
リクは笑った。
「この戦争をショートカットする方法だ」
シュヴィが小さく言う。
「リクの作戦。成功時、大戦は即時終了する」
機凱種が言う。
「説明要求」
リクは空を見上げて言った。
「神を殺す」
その瞬間、機凱種の光が強くなる。
「対象確認要求」
リクは即答した。
「戦神――
**アルトシュ**だ」
同時刻
深い森の奥。
そこは森精種の領域だった。
巨大な木々が空を覆い、精霊が漂う神秘的な場所。
しかしその静寂は、突然破られた。
空が裂けた。
雲が一瞬で消し飛び、空の一部が真空のように消滅する。
だが森は無傷だった。
森精種の魔導士たちが息を呑む。
その中心に立っていたのは――
黒い翼を持つ少女。
アズリール
彼女は笑いながら言った。
「安心してほしいのにゃ。今のは威嚇だから、本気じゃない。もし本気だったら、この森どころか大陸ごと蒸発してるにゃ」
森精種の魔導士が低く言う。
「天翼種が交渉だと? 冗談にしては質が悪い」
アズリールは肩をすくめた。
「でも現実にゃ。今日は戦いに来たんじゃなくて、取引に来たのにゃ」
森精種の長がゆっくり現れた。
「……話を聞こう」
アズリールは嬉しそうに笑った。
「ありがとにゃ。じゃあ単刀直入に言うにゃ。私たちはこの戦争を終わらせたい。そのために森精種の知識と魔導技術が必要なのにゃ」
森精種の長が眉をひそめる。
「理由は?」
アズリールは楽しそうに答えた。
「未来のためにゃ」
沈黙。
森精種の魔導士たちがざわめく。
アズリールは続けた。
「例えば、数千年後の魔導理論とか、精霊制御技術とか……そういう“未来の知識”を交換条件にしたらどうかにゃ?」
森精種の長の目が鋭くなった。
「……興味深い」
アズリールは笑った。
「でしょ? じゃあ交渉を始めようにゃ」
丘の上
機凱種の代表機が言った。
「神撃観測が必要。アルトシュの神撃を観測し、再現することで機凱種は同等攻撃を生成可能」
リクは満足そうに頷いた。
「やっぱりな。お前らならコピーできると思ってた」
シュヴィが補足する。
「機凱種演算能力は、戦神の神撃構造を解析し再現する可能性を保持する。ただし観測条件が必要」
機凱種が言う。
「質問。
人類種はなぜ機凱種に協力する」
リクは少し笑って答えた。
「簡単だよ。俺たちは最弱だからだ」
彼は丘の上を見上げた。
「この戦争は強い奴が戦って、強い奴が死ぬ。でも最弱の俺たちは戦場の外にいる。だから全体を見渡せるんだ。つまり……この戦争の“盤面”が見えるのは、俺たちだけなんだよ」
沈黙。
機凱種の計算が続く。
そして代表機が言った。
「結論。
協力可能」
シュヴィが小さく言った。
「成功確率上昇。現在0.03%」
リクは笑った。
「10倍か。悪くない」
彼は空を見上げた。
遠くでまた山が消えた。
リクは静かに言った。
「よし……神を殺そう」
ふと思ったんですよ。AIを使えば自分が読みたい話が書けるんじゃないかってね。文法も随時修正すれば読めなくもないなと・・・その内オリジナルで自分用で作ってみようかな・・・
あ、アズリールの翼がなぜ黒いと思った方、目ざといですねぇ。うーんなんとなくですが、強いていうならオリジナルのアズリールとの差別化でしょうか?この話の彼女もアズリールではありますが、オリジナルのキャラも大事にしたいので・・・もしかしたら、パラレルコラボあるかもしれないし笑・・・それはそれで面白そうだな・・・