自由気ままに淡々と過ご…せればいいなぁ…   作:あかちゅきぼちゃん

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気分が乗ったので次話投稿。原作の続編がなかなか出なくて、でもなんかクライマックスになりそうで複雑な気分。ここまで心理戦が凝っている作品ってないよなと思う今日この頃。そろそろ新刊来てくれても良いんですよ?


まだまだ続くよシリアス回!いや〜そろそろイチャイチャ成分欲しくなってきたな・・・

世界は、神の戦場だった。

この時代には、もはや「国家」も「文明」も存在しない。

あるのはただ、種族と種族の殺し合いだけだ。

空は裂け、山脈は崩れ、大地は何度も作り直されている。

精霊は嵐のように荒れ狂い、空間そのものが歪んでいる。

遠くの空で巨大な光が弾けた。

それは、神の戦いだった。

神霊種同士の戦闘。

あるいは、神霊と他種族の戦争。

だがどちらにせよ、結果は同じだ。

世界がまた壊れる。

その光景を地下から見上げながら、少年は静かに言った。

「……本当に、ろくでもない世界だ」

その少年の名は

リク・ドーラ

そして彼の隣には、機械の少女が立っていた。

シュヴィ・ドーラ

彼女は静かに空を観測しながら言った。

「分析。現在観測された爆発は、龍精種の咆哮か神霊種の攻撃である可能性が高い。推定被害範囲は半径三百キロメートル以上」

リクは苦笑した。

「三百キロか……ほんと、この時代の戦争はスケールが狂ってるな。人類種が弓矢で戦ってるのがバカみたいに思えてくる」

シュヴィは答える。

「事実。人類種の戦闘能力は、全種族中最低値を記録している」

リクは肩をすくめた。

「知ってるよ。でもさ……だからこそ勝てるゲームもある」

地下空間の奥で光が点灯する。

そこには、巨大な投影装置が設置されていた。

機凱種の通信装置だ。

空間に無数の光が浮かび上がる。

それは――

数百の視線だった。

機械の種族。

兵器として生まれた存在。

機凱種。

その演算ユニットの一部が、今この地下基地と接続されている。

無機質な声が響いた。

「質問。人類種個体リク・ドーラ。作戦会議を開始する理由を再確認する」

リクは地面に広げた地図の上に手を置いた。

「理由は単純だ。俺たちは戦神を殺す」

その言葉で、空間が静まり返る。

数百の機凱種演算ユニットが同時に計算を開始した。

シュヴィが静かに補足する。

「作戦名――神撃コピー作戦」

空間に巨大な立体図が浮かび上がる。

それはエネルギーの波形だった。

巨大な衝撃波。

歪む空間。

崩壊する精霊構造。

機凱種が説明する。

「これは過去戦闘において観測された、戦神の必殺攻撃“神撃”の断片データである」

戦神。

この世界で最強と呼ばれる神。

その名は

アルトシュ

戦うために存在する神。

戦闘そのものが存在理由の神。

リクは投影された神撃の波形を見ながら言った。

「結論から言う。俺たちはこの神撃をコピーする」

森精種の魔導端末から声が響く。

「それは不可能だ。神撃は単なるエネルギー攻撃ではない。あれは精霊の構造そのものを書き換える現象であり、神霊種の権能による攻撃だ。魔法体系では再現不可能だ」

シュヴィが静かに答える。

「魔法ならば不可能。しかし機凱種は魔法を使用しない。機凱種は現象を計算によって再現する」

空間に新しい図が現れる。

精霊構造のモデル。

シュヴィが説明する。

「神撃の本質は“空間構造の再定義”。精霊の振動を強制的に変化させ、空間そのものを崩壊させる攻撃である。つまりこれは魔法ではなく、物理現象として再現可能な可能性がある」

機凱種の代表ユニットが言う。

「理論的再現可能性――7.4%」

森精種の端末が言う。

「7%だと?」

シュヴィは続けた。

「ただし条件がある」

リクが笑う。

「そう。観測だ」

彼は指を立てた。

「神撃は強すぎる。普通に観測しようとしたら観測装置ごと消し飛ぶ。だから今まで誰も解析できなかった」

空間に新しい作戦図が現れる。

第一フェーズ

戦神誘導

第二フェーズ

神撃観測

第三フェーズ

神撃再現

リクは言った。

「つまり俺たちは、アルトシュに神撃を撃たせる」

沈黙。

森精種の端末が低く言う。

「誰に?」

リクは笑った。

「俺に」

地下基地が静まり返る。

シュヴィのセンサーが微かに震えた。

「リク。その選択は合理的ではない」

リクは答える。

「知ってる。でも合理的なんだよ」

彼はゆっくり説明した。

「アルトシュは戦神だ。つまり“強い敵”と戦うことが存在理由だ。だから俺みたいな最弱種族が挑発すれば、必ず本気の攻撃を撃つ。神撃を撃つ可能性が一番高いのは、俺が挑発したときなんだ」

機凱種が言う。

「しかし神撃発動時、人類種個体は消滅する」

リクは笑った。

「だろうな」

シュヴィが言う。

「拒否」

地下基地が静まり返る。

シュヴィはゆっくり続けた。

「その結果は許容できない」

リクは少し驚いたように彼女を見た。

そして優しく笑った。

「シュヴィ……これはゲームなんだ」

彼は静かに言った。

「勝率は低い。たぶん負ける。でもな……誰かが盤面をひっくり返さないと、この世界はずっとこのままだ」

シュヴィは黙っていた。

そして小さく言った。

「……理解できない」

リクは答えた。

「それでいい。人間だって自分のことよく分かってないんだから」

同時刻

天空都市アヴァントヘイム。

巨大な浮遊都市。

天翼種の拠点。

その最上層で、少女が退屈そうに空を見ていた。

アズリール

彼女は森精種の魔導端末を見ながら笑った。

「いやぁ……ほんと、人類種って面白いにゃ」

森精種の声が響く。

「何がだ」

アズリールは言う。

「だってさ。世界最弱の種族が、戦神を殺そうとしてるんだよ? こんな面白い話、数千年生きててもなかなか見ないにゃ」

森精種は冷たく言う。

「成功すると思うのか」

アズリールは少し考えてから答えた。

「成功確率? たぶんゼロに近いにゃ。でもさ――」

彼女は笑った。

「面白いことって、だいたい成功確率低いんだよね」

彼女は空を見上げた。

遠くの雲の向こうに、巨大な存在の気配がある。

戦神アルトシュ。

アズリールは小さく呟いた。

「さて……神様。あなたのゲーム、そろそろ終わるかもしれないにゃ」

作戦前夜

地下基地。

機凱種が報告する。

「観測装置配置完了。半径三百キロ圏に分散配置」

シュヴィが言う。

「神撃観測成功確率――11%」

リクは笑った。

「さっきより上がったな」

シュヴィは静かに言った。

「しかしリクの生存確率は依然として0%」

リクは軽く肩を回した。

「ゲームってのはさ、勝率が低いほど燃えるんだよ」

彼は出口へ歩き出す。

シュヴィが聞いた。

「どこへ行く」

リクは振り返って言った。

「決まってるだろ」

彼は空を指した。

「神様にケンカ売りに行くんだ」

遠くの空で、巨大な雷鳴が響いた。

それは神の笑い声だった。

戦神アルトシュは、戦いを求めている。

そして今――

その願いを叶える者が現れようとしていた。

 

 




いや〜モチベがすごい・・・いつまで続くかな・・・
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