私、ツインテールが好きですか?   作:空魔神

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今回もまだ説明回だったり。
ブログのお試し版11話だと他話と比べて長かったので、加筆修正したついでに11話12話と2分割することにしました。
というブログ版前半あらための11話(^u^)


第11話

 結局、ちい姉が帰ってきてからはエレメリオンと話すのは無理、と判断して。それからあっという間に夜。

で、私はまたちい姉のお部屋に足を運んでるんだけど。

 

 

 「あんたねぇ……何のつもりよ?」

 

困った顔で見下ろしてくるちい姉がいます。

 何のつもり、ってこっちのセリフ。私はパジャマで枕持ってきてるでしょ。だったら理由なんてひとつじゃん、わかるでしょ。

 

 「今日はちい姉といっしょに寝たいなあって……いいでしょ?」

 

もうっ。言わせんなはずかしい、ってやつだから。だって、今日は好きに部屋にいていいって言ったのちい姉だからね。

エレメリオンとお話するチャンスをうばわれてるんだから、これくらいはバチは当たらないでしょ。

 なのに、ちい姉は大きくため息をついたら、腰を下ろしてじいっと私の顔をのぞき込んできた。

 

 「好香、あんた今日ほんとにどうしたの?怖いことでもあったの?」

 

うぅ、そんなふうに見られたら、うっかりしゃべりたくなっちゃう。でもダメだから好香。ヒーローはもっとかっこよく正体をバラすもの!

それに万が一、ちい姉にエレメライザーぼっしゅーされたら目も当てられないんだから。

 

 「べ、別になにもないもん。そーゆー気分なだけ。ちい姉が帰ってきた時もそー言ったでしょ」

 「そーゆー気分、ねえ……大丈夫ならいいけど、怖い目に遭ったんならちゃんと言いなさいよ。あたしでもおねーちゃんでも、ちゃんと好香の力にくらいなってあげるんだから」

 

今日はテイルブルーに続いてちい姉にまでじっと見られるぅ……でも、今のちい姉は怖いモードじゃないからがんばれ私。私の変身はまだひみつひみつ。

 

 「そんなんじゃないってば。ちい姉が『大サービスよ今日は好きにあたしの部屋いてもいいから。』って言ったからだもん。ねえ、いいでしょー?ちい姉が総二兄のお部屋いくジャマはしないからー!」

 

 「ぶふっっ!!?」

 

勢いでたのみこもーとしたら、ちい姉がふき出して尻もちついた。顔も真っ赤になってるし……何?

 

 「な、な、ななな何言ってんのよチビスケ!あたしがいつそんなこと――」

 「えー?最近、毎日のよーに行ってるじゃん総二兄のお部屋。あんなにドカンドカン音してるから何回か起きたことあるもん」

 

ホントのコト言っただけなのに。ちい姉、座り込んだままめちゃ後ずさりしてる。何でそんなあわててるんだろ?

いつも私に夜ふかしするなーって言ってるくせに、自分が夜起きてるのがばれたの、そんなにはずかしいとか?

 

 「かくさなくてもいーじゃん。ちい姉の夜ふかしはふかこーりょくじゃない?トゥアールさんのけんせーでしょ?」

 「いやその違う!か、勘違――いしてないのね。そうそうそれよ!トゥアールのせいだから……あーびっくりした。そうよねまだ早いチビスケなんだから慌てるんじゃなかった」

 

後ずさりしてたかと思えば、肩つかんできて言い訳しようとして勝手に正気に戻ってる……私がどんなかんちがいしてると思ったんだろちい姉。

ただ勝手にごかいしたクセに馬鹿にされてる気がするのは、おもしろくない。

 

 「そのチビスケと同じ体型だからずっと残念なんでしょ」

 「うるさい」

 

けっこー強めにほっぺ引っぱられた。痛い。

 

 

 「と、とにかく!知ってるんだったら、ホラ、あたしがベッドから出入りしてたら起こしちゃうかもしれないでしょ?一緒に寝るならお姉ちゃんのほうがいーんじゃない?」

 

 こほん、と咳払いして仕切り直してきたちい姉は、自分よりもおねーちゃんをおすすめしてくる。

ちい姉のゆーことはわかるんだけど、今日あったいろいろの内容的には、ほら、優しいおねーちゃんよりスーパーゴリラのちい姉のが安心できそーってゆーか、ねえ。……これ言ったらちい姉たぶん怒るし言えないからどーしよ。

 

 「うー……それでも今日はちい姉の方がいい」

 

これだけでも言ってみたけど、ちい姉はまだちょっと迷ってそう。

 おとなしくおねーちゃんのとこに行ってみた方がいいのかな……って思ってきたとこで、なんかちい姉の表情が変わった、ってゆーか私の後ろ見てる?え?なに?

 

気になって振りむいたら――階段から顔半分だけのぞかせてこっち見てるおねーちゃんがいた。

 

 「あらら、好香にふられちゃったー」

 

なんて笑ってる。え、いつから見てたのおねーちゃん。

 

 「おねーちゃん?」

 「いいのよいいのよ。おねーちゃんは愛香に甘える好香も、好香を困った顔して甘やかす愛香も大好きだから。おねーちゃんにはまた今度、甘えてねー好香うふふ」

 

言いたいことだけ言って引っこんじゃった。ちょっと、ほんといつから見てたのおねーちゃん。あんなこと言われたら急にはずかしくなってくるじゃん、顔が熱くなってきた。

 

 「あーもーお姉ちゃん。優しい顔してすぐ好香をからかうくせに肩持つんだから。で、どうしよっか好香?」

 

ちい姉がどこかあきらめた様子で聞いてくる。けど、あんなおねーちゃん見たら聞かなくてもわかるでしょちい姉だって。

 

 「……ぜったいちい姉といっしょがいい」

 

とーぜんでしょ。今おねーちゃんのとこ行ったら『あら、どうしておねーちゃん選んでくれたのかなー?』とか、からかってくるに決まってるもん。ぜったいにちい姉といっしょに寝るから。

今のおねーちゃんのどこ見て、私の肩持ってるとか思うのちい姉は。

 

 「ま、そうよねえ。お姉ちゃんにからかわれたチビスケは意地張って、そーなるわよね、はいはい。……そーじに何事も無ければあたしもベッドから出ないんだし、優しいちい姉は甘えんぼの要望に応えてあげますよーだ」

 

 私がおねーちゃんの降りてった階段をふくれっ面で見てると、ちい姉がベッドに運んでくれた。ちい姉までちょっと笑ってるように思うのは気になるけど、いっしょにベッドに入ってくれたから許してあげよーじゃない。

ちい姉の温かさが、となりで感じられていい夢が見れそう――。

 

 

 

 

 

 『やあ好香。』

 

 ――ちい姉といっしょにベッドに入ったと思ったら、誰もいない総二兄のお家の喫茶店(アドレシェンツァ)でエレメリオンと向かい合って座ってた。なるほど、夢はこれか……

 

 『ご家族がいる前だと私に話しづらそうだったので、また夢を繋げさせてもらったんだ。一度エレメライズしたことで、夢が繋がる時間も伸びているからね。』

 

 前の時とはちがって、エレメリオンが光の球じゃなくてちゃんとした姿で座ってる。おとなりのおにーちゃんの喫茶店にヒーローが座ってるのも、これはこれで変な感じだなあ。

 

 「夢でお話しできるって便利だね。それでそれでどんなお話?」

 

おっといけない、ついテーブルに体を乗り出してつめよっちゃった。だってさ、前はただの夢だと思ってたけど、不思議な夢ってちゃんと分かってると、ワクワクする。そりゃ、いろいろてんこ盛りの一日がちょっと怖くなって、ちい姉に甘えたくなったりしたよ?けどそれはそれこれはこれってゆーか。異世界とかヒーローのお話とか、楽しみになるじゃんフツー。

おまけに、「確か急ぐお話はもう無い」って言ってたのにこんなことするってゆーのも、何か言い忘れたことがあるのかもしれないし。ふふ、なんかテンション上がってきたかも。

 

 「夢でヒーローとお話ってゆーと……早い気もするけど強化アイテムとか!?」

 『ロックチョウデリットについてだ。』

 「ああ、そっちね……」

 

上がったテンションがちょっと下がった。なんだぁ、あの変態鳥オバケのことかあ……あいつが今日で、いっちばんいらない思い出なんだよねー。

 

 『好香が期待していた話題では無いのは、すまない。だが、アレは生態としてはあくまでエレメリアンだが、アルティメギルでは無い。今後の為に、彼ら――【スプレムスデリット】について知っておいてほしい』

 「あやまらなくてもいーよ。エレメリオンが教えてくれるってゆーなら大事なことなんでしょ、わかってる」

 

また知らない単語が出てきた。とゆーことは、むつかしーお話か知ってた方がいいお話だ。鳥オバケについてはいらない思い出だけど、忘れていい思い出じゃない。あの危ないやつについてのお話ならちゃんと聞かないといけないよね。

 

 「そーいえばいつもテレビで見てるアルティメギルと名前もちょっとちがうねロックチョウ()()()()って。それもあいつが変なやつだったから?」

 

アルティメギルだって、どれでも変なやつだけどさ。

 

 『その通りだ好香。ロックチョウデリット――彼らスプレムスデリットとは―――』

 

 

 

 

 

 光のまったく差し込まない完全な暗黒の空間。全方位が闇一色の中に一点だけ浮かぶ白いシルエットがあった。

その正体は――ロックチョウデリット。倒されたはずの彼だった。

 

 「ウ……ォォ――ハッ!?」

 

黒い世界を漂うだけだったロックチョウデリットは、程なく意識を取り戻し身を起こした。

 

 「ここは一体……?私は確か」

 

死んだはず、という考えは、全身を亀裂と共に奔る痛みが否定している。だが覚えている最後の光景は、この身を焼き尽くす程の閃光。それが夢でないことも、自慢のスカートや翼が焼失していることが伝えている。

 

 「何故だか分からんが間違いなく私は生きている。ならばこの闇は何処だ……?精神生命体に地獄でもあるまいに」

 

完全に立ち上がった(と言っても上下の感覚さえ無い空間だが)ロックチョウデリットは、周囲を見渡し脱出口を探す。如何な偶然でこんな空間に落ちたのは分からないが、いつまでも留まる理由は無い。さっさと抜け出し、適当に属性力(エレメーラ)を食い漁って身体を回復させるに限る、と思考を切り替えた。

 

 

 「いや、地獄で間違っておらぬぞ」

 

一歩を踏み出そうとしたロックチョウデリットに、届けれらた肯定。そして共に伝わる強大な属性力(エレメーラ)

 

 「あのような可愛らしい幼子の初舞台を失敗させるのは気が咎めたのでな、こうして手間暇かけてお前を招待したのじゃ」

 

 

 「何者だ!どこにいる!?」

 

声の主を探してぐるぐると首を動かす魔鳥を嘲笑うかのように、暗黒空間に∞を描いた光が走り、新たなシルエットが降りたつ。

 おさげのようなツインテール。周囲の闇よりも漆黒の鎧、しかしそれを照らして支配する双眸に輝く眼鏡。

 

 「はぐれ者には名乗ってやらねば分からぬか?わらわはダークグラスパー。アルティメギル首領直属の戦士」

 

 

 「ヌゥ……貴様があの闇の処刑人の小娘だと……!」

 「ほぉ、()()()()()()()()はぐれ者にしては耳聡いではないか」

 

目の前に現れた黒い少女から距離を置き身構えるロックチョウデリット。彼にとって、エレメリアンの組織であるアルティメギルの処刑人が人間であることに、驚きは無かった。()()()()()()()だから。

 問題は、相手が自分への殺気を隠していないこと。そして肩書に見合う実力者だと明らかなことだった。この闇の空間も恐らくは眼前の少女が創り出したもの。そう納得させるだけの属性力(エレメーラ)をダークグラスパーは発している。

 

 「だが今さら身構えてどうする?翼をもがれた鳥に何ができると?」

 

緊張するロックチョウデリットを、対照的にダークグラスパーは冷笑する。彼女の言う通り、ロックチョウデリットは満身創痍。そもそもがこの空間に引き込まれなければ、マグニフィセントバスターで消滅していたのだ。最初から戦うどころの状態では無かった。

 

 「さてと、わらわも勿論知っておるぞ。貴様たちスプレムスデリットのことはな」

 

そうでなければわざわざ死の淵より呼びつける理由は無い。ダークグラスパーの顔を彩る眼鏡のレンズが、ギラリと光を放つ。

 

 「どこぞで生まれたのかは分からぬ、或いは発生地も定まっておらぬのか?ともあれ、アルティメギルに属することを選ばなかったエレメリアン。未だに食らう属性の選り好みもなく、ただ野放図に属性力(エレメーラ)を奪い歩くだけの愚か者。精神生命体の生みの親と言える人間への敬意も忘れた、喋る獣の集まり……と言ったところじゃったな」

 

 

 

 精神生命体(エレメリアン)はどこで生まれどこから来るのか。年月を経て徒党を組むことを覚えたエレメリアンは、いつしかアルティメギルという組織を作った。

―では、全てのエレメリアンがアルティメギルに就くのか?

―勝手気ままに動くことを好とした者がいたら?

巨大組織(アルティメギル)の勧誘も追撃も撥ね退ける程の突出した戦闘力の者たちが生き残り、各個に散っていたら?

 

 

 

 「……違うな。己が属性は勿論、有象無象の属性も全てを貪りつくしてこそエレメリアン。数を揃えてツインテールに縛られるアルティメギルが何だというのだ?我らスプレムスデリットこそが正しきエレメリアン!人間に触れることすら厭わぬ属性力(エレメーラ)より出でた真の魔人よ!!」

 

 

 ―そんなはぐれ者の猛者たちはいつしか謳った。自分達こそ、より上位の精神生命体だと。人間への敬意も属性力(エレメーラ)の盛衰も歯牙にもかけない、ただ衝動に従い属性力(エレメーラ)を食いつくす純粋なる精神魔人【スプレムスデリット】だと。

 

 

 「翼無き鳥崩れが囀るでないわ。最低限の一線さえ踏み捨てた貴様らが矜持を語るなど片腹痛い。わらわがお前を生け捕った理由は一つ……何名がこの世界に目を付けた?さっさと答えよ」

 

吠えるロックチョウデリットをダークグラスパーは意に介さない。自分の問いにだけ答えろと()()する。

 

 「……ッ!ぬかすな小娘が!誰に向かって物を言っている!!」

 

 エレメリオンが力を与えた戦士も眼前のダークグラスパーも、たかが人間の小娘が自分を下に見ている。スプレムスデリットである自分を。

その事実に逆上したロックチョウデリットは己の状態も忘れ、ほぼ燃え尽きた翼を広げて黒衣の少女に飛び掛かる……飛び掛かろうとした。

 

 「ヌグッ、これは……!?」

 「己のダメージすら忘れるとは頭の出来も鳥そのものか貴様は?あまりに遅すぎてメールが十件も送れてしもうたわ」

 

 ロックチョウデリットが一歩を踏み出すよりも先に、その身は相手が背中より抜き放った武装である暗黒の鞭―ダークネスウィップに縛り上げらた。

呆れるダークグラスパーの言葉通り、彼女の右手には暗黒鞭、左手には携帯電話が、恐るべき早業で瞬時に握られている。やはりアルティメギルの処刑人。満身創痍のロックチョウデリットが戦える相手では無いのだ。

 

 そしてこの粘着質の上司から、通常の恐怖メールとは別に突然のメール爆撃を受けたとある白鳥のエレメリアンは、悲鳴を上げてアルティメギル基地内で倒れた。

 

 

 「さて。考えなしに暴れ回る貴様らは、鉢合わせすると我らの侵略作戦を引っ掻き回しよるのが常。この世界はツインテールの戦士たちに骨があってのう、余計な手間を増やしたくないのじゃ……今一度、問うてやろう。己が身の状況も弁えた上で口を開け。貴様らのうち何匹がこの世界に目を付けておる?」

 

 仕切り直しと言うように、黒鎧に覆われた指が眼鏡のブリッジをなぞる。そのレンズは虚偽を許さない、偽りなど意味を成さずに真実を見抜くと告げる輝きを見せている。ロックチョウデリットを縛る鞭は、徐々に締め上げる圧力を増し、答えなければこのまま輪切りにするだけと、無言で宣告していた。

 ロックチョウデリットを始めとする彼らは【スプレムスデリット】などという集団名称こそあれど、実態は組織立っていない寄り合い所帯。それ故に各個の行動予測が難しく、かといって放置すれば、その戦闘力で遭遇した部隊が少なくない損害を被る、アルティメギルにとっても悩みの種だった。

当然の排除対象ではあるが、闇雲な迎撃で損害を増やす前に、生け捕りにして情報を聞き出せるチャンスがあるなら活用したい、というのがダークグラスパーの思惑だ。

 

 

 「貧相なレンズを取り換えてよく見るがいい小娘!この偉大なるロックチョウデリットが人間やアルティメギル如きに頭を垂れると思うなぁっ!!!スカーーーーーーーッッッ!!!!」

 

 ロックチョウウデリットが怒りの咆哮と共に全身から属性力(エレメーラ)を放出し、身を縛めていた鞭を弾き飛ばす。その背には、焼失した翼を補い属性力(エレメーラ)の光が、翼を形作っていた。

自分達が頂点であるという自負心が、瀕死の身であっても、ロックチョウデリットに敗北を認めない服従を受け入れさせない。

 

 「フーッフーッ……貴様から属性力(エレメーラ)を奪いつくして傷を癒す。そしてこの空間から脱出し今度こそあの世界からも属性力(エレメーラ)を奪う……それ以外にない!!」

 

満身創痍の身に負荷を無視した力の解放を加えたことで、息を荒げながらもロックチョウデリットはダークグラスパーより上空に陣取り相対する。

一方、ダークグラスパーは血走った眼で見下ろしてくるロックチョウデリットを、更に呆れた視線で持って射抜いた。

 

 「おぉ、まだそんな力を出せる気概は誉めてやろうぞ。じゃが、身の状況を弁えろと警告はしておいたぞ……?」

 

プライドが高いのは勝手だが、彼女にとっては尋問に余計な手間がかかるというだけでしかなかった。万全の状態ならいざしらず、事実はアルティメギル最強の処刑人と瀕死のエレメリアン一体でしかないのだから。

 

 「スカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!」

 「やれやれ。捕えた野鳥の躾に手間がかかるのも道理ではあるな……まあよい次の予定も鳥じゃ、予行演習とするか」

 

突撃するロックチョウデリットに向かってダークグラスパーの眼鏡が怪しく光る。

 

 「眼鏡よりの無限混沌(カオシックインフィット)―――」

 

 

 

 

 

 『――アルティメギルとは混同されるのを好まず彼らは【デリット】という呼称を、そしてロックチョウデリットの例にあるように、通常のエレメリアンよりも箍が外れた性質……彼らは【原始の魔性を失わぬ真のエレメリアン】などと自称している。が、実態としては――あ、どうも。』

 

 エレメリオンが説明してくれてたら、誰かがテーブルにお水持ってきた。

 

 「あれ、未春おばさん?」

 

顔上げたら、そこにいたのは未春おばさん(お店のマスター)。さっきまで、私とエレメリオンしかいなかったのに、いつの間に。

テーブルにお水置いた未春おばさんは何も言わずに、お店の奥にもどっていっちゃった。

 

 『ここは夢の中だからね。この場所(アドレシェンツァ)への好香のイメージが反映されて、店長さんも登場してきたんだろう。』

 

未春おばさんを見送ったエレメリオンが、コップのお水を飲み干しながら説明してくれる。私が、アドレシェンツァは未春おばさんのいるところ、って思ってるから夢の中でも出てきたってことね。

 それにしてもエレメリオン、どうやってお水飲んだんだろう?ヘルメットみたいな顔で口とか見えないのに。

 

 「でも、ちょーどよかったかも。げんしのましょーがー、とかよくわかんなかったし。いったん整理させてほしーのと、もーちょっと分かりやすくせつめーしてほしーかなーって……えへへ」

私もお水飲みながら、小さく肩をすくめてごまかすよーに笑った。話のとちゅーだけど、また思ってたよりよくわかんない言葉もあって、一気にせつめーされると頭が追いつかない気がしてきてたから。

……もしかして、未春おばさんが出てきたのそのせーもあったりしたのかな?

 

 『すまない好香。また話し過ぎていたようだね。それでは少し休憩しようか。すみません、注文いいですか?』

 

エレメリオンがきゅーけーいれてくれた。あ、声かけたら未春おばさんお店の奥から出てきた。

 

 『それでは、イチゴのショートケーキを1つずつで。』

 

エレメリオンがメニュー開いてちゅーもんしてくれてる。夢の中だけど、ケーキ食べてちょっときゅーけーかな。

 

 

 

 




黒のツインテールもようやく登場。
説明会が続くほど頑丈なサンドバッグになるロックチョウデリット。チュートリアル用のぽっと出だからねお前。

恋香さんは原作より獲物が増えてる感じ。
次女がちょいちょい三女を泣かしたり、三女が次女を泣き落としたりする様子でフォルダは潤ってる模様。
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