私、ツインテールが好きですか?   作:空魔神

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ブログ版後半あらための12話(^u^)
今回でようやく説明回は終わったはず・・・


第12話

 私は、夢の中でエレメリオンから、ロックチョウデリットとそのどーるいってゆー【スプレムスデリット】について教えてもらってる。

でも、今はちょっときゅーけーして2人でケーキ食べてるの。

 

 「夢でもケーキおいしー!!」

 『味も好香のイメージだ。このお店を好香が好きだと思っているから、これだけの味が再現されてるんだね。』

 

それはそーだよ。未春おばさんには、ごはんごちそーになったり、おねーちゃんといっしょにお店でちゅーもんしたりするんだけど、どれもおいしーんだよ!

 

 

 ケーキ食べて、じゅーぶんにきゅーけーした。うーんまんぞく。

今度は起きてる時に食べたいなあ。

 

 『それじゃあ、そろそろ続きを話そうか好香。』

 「うん。そーだね。もうばっちり聞けるよエレメリオン!」

 

ひと息ついて、姿勢を正したエレメリオンが話の続きをしてくれるから、私も胸をたたいて、どんと来いってアピールする。

でも、顔にちょっとケーキついてるよエレメリオン。

 

 『――それでは、スプレムスデリットとは彼らがアルティメギルとは別の集団だと示す呼称なんだ。集団とは言うがその中身は……あ、すみません。食後のコーヒーください。』

 「あー!エレメリオンがちゅーもんするなら私もー!未春おばさん私コーラがいいー!!」

 

 

 

 

 

 ロックチョウデリットを異空間に引き込み、対峙したダークグラスパー。大人しく投降するはずもないロックチョウデリットに対し、ダークグラスパーは眼鏡を軽く撫で余裕の笑みを浮かべていた。

 

 「スカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!」

 

突撃するロックチョウデリットに向かってダークグラスパーの眼鏡が怪しく光る。

 

 「眼鏡よりの無限混沌(カオシックインフィット)―――」

 

闇の処刑人、その両のレンズより放たれる∞を描いた光が白き魔鳥を包み込む――その刹那。

 

 

 「フフ、ダメだダメだロックチョウデリット。時にはもう少し頭を回して立ち回らねば」

 

 

新たな人影がマントを翻し、両者の間に飛び込んだ。

 

 「ヌゥン!!さらばだ属性力(エレメーラ)の白き魔鳥よ」

 「キサマ、デモニア――ぐあああっっ!!!」

 

乱入したエレメリアンは、ロックチョウデリットに喋る間も与えず、振り下ろした両の手刀で属性力(エレメーラ)の翼もろともに両腕を斬り落とした。そして勢いのまま背後に回り、カオシックインフィニットの光へと蹴り入れた。

 

 

 

 ――カオシックインフィニットに取り込まれたロックチョウデリットは、おぞましい地獄に放り出された。逆さまに浮いている自分――それを取り囲む筋肉質で褌一丁の男たち。いや、取り囲むどころではない。視界の全てが褌のマッチョであり、むしろそうでない彼の方に違和感を覚えてしまう空間であった。

 

 「「「「「俺のスカートになってくれえええええ!!!!!!!!!」」」」」

 「ウオオオオオオオオオアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

 

取り囲む男たちが一斉にしがみ付いてくる。周囲360度からマッチョの褌が顔面に殺到する。唯一の防御となる顔面装甲はとうにテイルブルーに蹴り砕かれて跡形も無い。

 

 「は、離せ!俺の傍に近寄るなああぁ………オオオオオオオオアアアアアあああああーーーーーーーっっっっ!!!!!!」

 

ロックチョウデリットの理想は、女子の脚にしがみついて蹴られる(スカートになって捲られる)ことであってマッチョの腰巻になることではない。恐怖と絶望の叫びがカオシックインフィニットの空間に木霊した。

 

 

 

 「トおおおあああああーーーーーっ!!???何してるんじゃお前はあああああああーーーーー!!!」

 

 そして一方、外の空間でも突然の出来事にダークグラスパーの叫び声が響きわたった。

 

 「は!?いやその……ダークグラスパー様のお手伝いを、と思ったのですが……まずかったですかな?」

 「まずいわたわけ!!もうちょーっとだけ追い込んで口を割らせるつもりのカオシックインフィニット(手加減)じゃったのにあんな追加ダメなんぞいれたらトドメになってしまうじゃろうがあああああああああああ!!!!!」

 

やらかしたことが分かっていない相手にツッコミとダークネスウィップを飛ばすダークグラスパー。

ぐぬぬ、と地団太を踏む彼女の言う通り、ロックチョウデリットが姿を現す気配は無い。ついに消滅したようだ。

 

……この乱入者を目にした際のロックチョウデリットの反応は、まるで隠すように翻っていたマントの向こう側にいたダークグラスパーには見えていたのかいなかったのか。

 

 「これは申し訳ありませぬ。その眼鏡置き、もといご尊顔を彩る美しき神眼鏡(ゴッドめがね)にヤツの手が触れるのでは……と不要な危惧をしたばかりに。眼鏡の危機に己を抑えることが敵いませんでした」

 

新たなエレメリアンはダークネスウィップの一撃(ツッコミ)には身動ぎもせず、自ら膝をつき頭を下げる。

姿は白の身体に白マント白い角、と白一色でありながら悪魔を思わせるシルエット。そしてなによりも、その全て白の中に置いて、濃青のサングラスが異彩を放っていた。

 

 「まったくじゃ愚か者め。わらわがそのような、レンズを素手で触るような無様を晒すと思うたか!?この、うぬぬ、じゃがその眼鏡属性(グラス)への愛は本物……ええいもうよい!……ふー。そもそも何故ここにおるのじゃ【デモニアギルディ】よ。お前がロックチョウデリットをこの空間に捕えたと申してきた際に、下がってよいと言ったはずじゃぞ」

 

尚も咎めようとしたダークグラスパーだったが、ぐっと堪えるように言葉を詰まらせ、大きく息を吐いた。

彼女は、己の神眼鏡(ゴッドめがね)は全てを見通すと謳う。まして同じ属性に懸ける想いの真贋ならば尚のこと。

相手の眼鏡を愛する故という意に二心は無い、と判断してこのエレメリアン――デモニアギルディの乱入については渋々、怒りを収めることにしたようだ。

 しかし、彼がこの場に現れていること自体は別。

 

 

 デモニアギルディ。人事の巡り合わせが悪いのか未だ幹部ではない一般エレメリアン。だが、彼もまたダークグラスパー同様に強力な眼鏡属性(グラス)の使い手であった(ダークグラスパーが彼を知ったのは、ツインテイルズと戦うこの混成部隊と彼女が合流してからだったが)。

 ロックチョウデリットはこの空間を創り出したのはダークグラスパーだと思っていたようだが――実際、彼女はその場のノリで自分がやったことにしていたが――事実はデモニアギルディの仕業であった。

ツインテイルズ他1名と争うロックチョウデリットを捕捉したデモニアギルディは、決着の瞬間を狙い、誰にも悟られることなくロックチョウデリットをこの精製した異空間に引き込んでいたのだ(もっともダークグラスパーも同様の事は行えるだろうが)。

 

 

 ロックチョウデリット――スプレムスデリットの活動という報告を受けたダークグラスパーは処刑人として処遇を引き受け、現在地であるこの空間ごとデモニアギルディから受け取ったのである。つまりデモニアギルディの役目はそこで終わっており、この場に留まっている理由は無いはずなのだ。

虚偽は許さぬ、と再び跪いた頭を見下ろすダークグラスパーの目が鋭さを増す。

 

 「は!それにつきましては申し開きできませぬ。スプレムスデリットの動きを知り、貴女様にご報告したものの……自身の手柄が、それだけでよいのかと功を焦った次第の愚行でございますれば」

 

上から数えた方が早い地位にいる上司の詰問に臆することなく、ありのままを謝罪するデモニアギルディ。

 

 「な、なんじゃお前、正直すぎるんではないか?そのへんはもっとこう取り繕った屁理屈を捏ねるところじゃと思うが……」

 

あまりに正直な謝罪に、面食らったダークグラスパーは思わず一歩後退ってしまう。わざわざ出向いたことを台無しにされた根本の原因だけに、下手な取り繕いするならばダークネスウィップを打ち付けるつもりではあったが、こうまでストレートに白状されると、それはそれで戸惑うし気勢も削がれてしまった。

 

 「貴女様のその美しき神眼鏡は全てを見通してしまわれる。私ごときでは取り繕うことすら叶いませぬ……ならば偽りなく語る以外に術は無く」

 

サングラスで顔こそ見えないが態度と謝罪は間違いなく丁寧。

数秒の沈黙の後、ダークグラスパーは頭を振って背を向けた。

 

 「……さっきも言うたがもうよい。その眼鏡属性(グラス)愛に免じて今回は不問じゃ。功を欲するならもう少し上手く立ち回れ」

 

失態を見逃し去ってゆくダークグラスパーの背中に再度、礼をするデモニアギルディ。しばしの間を置いて、ダークグラスパーの後を追った。

 

 

 

 「承知しておりますとも。私の遮光眼鏡(サングラス)は全てを遮るモノ故。そう、光も視線も――本心も姿も立場も全てを……フフ」

 

 前を歩く小さな背中へ向けた呟きとサングラスの奥で光る眼に気付いた者は誰もいない。

 

 

 

 そして数秒前のカオシックインフィニットの空間において

 

 「あの世界に呼び込んで……と、取り入る為にわ、私を利用したと言うわけか……やってくれたなぁぁぁぁ……デモニア()()()()ォオォォ……あが………」

 

ロックチョウデリットが消滅間際に遺した言葉を知る者も誰もいなかった。

 

 

 

 スプレムスデリットは各々が自由に欲望のままに行動する。一応は同属と名乗る存在であっても利用はすれど、それだけのこと。行動指針さえ定まっていないという点ではあるいはアルティメギルよりも厄介な、形だけの統率者すらいない危うい存在の集まりなのである……

 

 「あぁ……背後からでも伝わる神々しき神眼鏡。はやくこの手に取りたいペロペロして感触も堪能して掛けてみたいねぇ……」

 「ん?何か言ったか?」

 「いえ」

 

本質的にはエレメリアンであるヤバさも持っている存在の集まりなのである……

 

 「しかし……やはり一般兵にして、その眼鏡の輝きは見所があるのう……どれ、光栄に思うがいい。わらわのアドレスをくれてやろう!」

 「いえ。上司の個人アドレスなど煩わしさの極み故、不要にございます」

 「寛大な心を見せてやったのに貴様ほんとはわらわをおちょくっておらんか!?上役への気遣いぐらいはせぬかアホーーーーー!!!」

 

ヤバさも持っている存在の集まりなのである……

 

 

 

 

 

 『――これがスプレムスデリットだ。総数こそアルティメギルに及ばないが、危険度は極めて高い存在と言える。』

 

 説明が終わったエレメリオンが、コーヒーをぐいっと飲みほした。

そーいえば、いっしょにケーキ食べてたけど、寝る前だとエレメリオン飲んだり食べたりはしないって言ってたのに、お腹こわしたりとはだいじょーぶなのかな。夢の中だから食べられるのかな……どーやって食べてるのかは今のコーヒー飲むの見ててもよくわかんなかったけど。

 あ、未春おばさんがお店の奥に入らないで、そのままカウンターに立ってる。何回もちゅーもんしたからかな。ますますホントのお隣のお店みたいになってるなあ変な感じ。

 おっといけない。

それよりもスプレムスデリットとかゆーのの話だ。じっさいに戦って、危ないやつらってゆーのはわかってたけど。こーやってくわしい説明を聞いてると

 

 「うーん……強いふりょーのエレメリアンってこと?でも変質者なのはアルティメギルとちがわないよーにも聞こえたんだけど……?つまり、変質者のふりょー・・・?」

 

そんな感じにも聞こえた。

変質者のふりょーとはいったい?だめな変質者だから……逆にまとも?ちがうねロックチョウデリットめちゃめちゃ気持ち悪かったもん。

 

 『そうだね。諸々を総合して危険度を言ったけれど、戦闘力以外で分かり易く差を表すなら……

【鼻息がかかるまで近づいて離れない変態】がアルティメギル。

【堂々とおさわりして離さない変態】がスプレムスデリットだ。』

 

エレメリオンがわかりやすくまとめてくれた。

でも、そのあたりのせいで、むしろ危機感がお話を聞く前よりうすれちゃったよーな気がするんだけど……

 

 「結局どっちもヘンタイなのはいっしょじゃん……」

 

めちゃめちゃ気持ち悪いヘンタイだったけどさロックチョウデリット。そーゆー意味での危機感のほうが増えたよーな。

どっちがいい、って言われたらどっちもイヤなんだけど、なんかモヤモヤする。

 

 『確かに属性力(エレメーラ)の強奪という点では、被害側からするとアルティメギルと同じだ。だがスプレムスデリットは一度動けば、手練れの部隊長クラスが闇雲に暴れるに等しい。同じ世界に集まってこられた場合、物理的被害がより大きく出てしまうのが最大の問題だ。』

 「えぇー……それって暴れるヘンタイってこと?バカじゃないのめちゃめちゃメーワクぅ……」

 

 聞けば聞いただけヘンタイとして気持ち悪い上にたちが悪いじゃんスプレムスデリットとかゆーの。そんなのがロックチョウデリット以外にまだいる、って知っただけで頭がいたくなるよ。

それは知ってた方がいいことなんだけどさー、でも今はさ、ほらせっかく、ちい姉といっしょに寝てる時にさぁ、こーんな頭痛の種を知りたくなかった気がする……うーん、アルティメギルより数が少ないらしいのがまだましなのかなぁ。

 

 『アルティメギルの四頂軍が投入される程の激戦区となりつつあるこの世界に、興味を示してやってくるスプレムスデリットは間違いなくいるだろう。私は、この世界の人々に、なにより幼女(好香)に迫りくる更なる脅威を見過ごすわけにはいかない。』

 

 エレメリオンが真っ直ぐに私を見つめてくる。

話を聞いても、スプレムスデリットを必要いじょーに怖いとか思えないのは、どーしたって相手がヘンタイの一種のせいな気がするけど、それだけじゃなくてエレメリオンが傍にいるおかげかもしれない。

ちょっとズレたとこあるよーにも思うけど、やっぱり勇者って感じがして、ちい姉とはちがう感じの安心するんだよね。

 

 『私は遍く世界を守る使命の為、そして幼女(好香)、キミを守る為に改めてお願いしたい……私と共に戦ってほしい津辺好香。』

 

 

 「え、いいよー。しんこくな顔(?)して急にお願いとかゆーからから何かと思ったじゃん」

 

 じっと見つめてくるから、もっとじゅうよーな話があるのかと身がまえちゃったじゃんびっくりさせないでよ。そのせいで答えるのにちょっと間が空いちゃったんだから。もーエレメリオンてば。

 

 

 『……………』

 

 

 あれ、エレメリオンなんか固まってる。なんで?

 

 「どうしたのエレメリオン?だから私はOKだってば」

 『いや……私が想定していたより軽く決断してくれたね好香。正直に言えば、拒否される可能性も考えていたんだよ。』

 「えー?だってもう、1回変身していっしょに戦ったのに?。エレメリオンが、私を選んでくれたって言ったのに」

 『確かにそうだが。あれは緊急事態でもあったからね。私は好香を選んだけれど、好香にも、ちゃんと考える時間が必要だろう。』

 

ごーいんに変身させてきたと思ってたら、気にしてたんだ。家の人にごあいさつしたいとか言ってたり、けっこー細かい性格なんだなあエレメリオン。

でも、考える時間ってゆーけどもう考えたんだから。私をだれだと思ってるの、ふふん。

 

 「よーするに、誰でもおそって暴れるヘンタイなんでしょスプレムスデリットって。ちい姉……は自分で何とかするかもしれないけど、おねーちゃんや総二兄とかがおそわれたら大変じゃん。私がやっつけられるんだから、やっつけるでしょそんなの」

 

それに、そもそもこーゆーことなんだし考える時間ってそんないらないと思うんだよね。

とーぜんでしょ、あんなのがおねーちゃん達に近よってくるとかありえないって。私がぶっ飛ばすよ。

 自分の属性どーこーはまだよくわかんないけど、ちい姉のツインテールはとーぜんだし、おねーちゃんのロングヘアも好きだよ私。

総二兄だってさ、急にツインテールツインテール言わなくなったりしたら、それはそれで怖いじゃん絶対……大好きが力になるのがエレメライザーとエレメリオンなんでしょ。なら私にだって、あんなヘンタイくらいぶっ飛ばせるのがとーぜんでしょ!

 

 『もちろん危険もあるんだよ好香。』

 「1羽?1体?やっつけたばかりなんだから知ってるってそれは。なによぅ、私のことはエレメリオンが守る、って言ってお願いしてきたくせに。いまさらもったいつけなくてもいーじゃん!」

 『私ができる最大の防衛は変身してもらうことだからね。』

 「ほらー!ならそれでいーじゃん、でしょ?エレメリオンが2人で戦うって言ったんだから」

 

 しつこいくらい確認してくるねエレメリオン。私を心配してるみたいだけど、なんか面白くない。だいたいさー、きんきゅー事態だからーってグイグイ押して変身させたのエレメリオンだからね。私が早く返事したくらいで迷わないでよもう。

ええい、じれったいなあもう!

 

 「自分で選んだ相手なんだから心配しすぎ!!ほら、ツインテイルズだっているんだしダイジョーブだって!私たちはね!次はもっとこー【新ヒーロー登場!】って感じでテイルブルーにあっと言わせるくらいになるの!!わかった!?」

 

だん!と、テーブルに飛び乗って、腰に手を当ててエレメリオンを見下ろしてやった、どうだ。これくらいビシッと決めたら文句も言えないでしょ、さそってきたのはエレメリオンなんだから、ふふん。

 ……やっべテーブルに立ってるのちい姉やおねーちゃんが見たら怒ってたね。ここ夢で良かった。

 

 

 『好香の言う通りだ。お願いした私が戸惑うのはおかしな話だったね。』

 

 エレメリオンがよーやく納得してくれたみたい。むつかしー話は長くするものじゃないんだよ。さてと、私もちゃんと座りなお……だめだ座ったら手が届かない。しょうがない、おぎょーぎ悪いけどこのままテーブルに座ろう。

 

 「それじゃあ、私からも。これからよろしくエレメリオン」

 

 じっと私を見るエレメリオンに手を差し出した。あいぼーの握手だよ!……ここ夢だけど、未春おばさんがテーブルに座ってる私をじーっと見てるから早くして居心地悪い。

 

 『ああ。よろしく好香。』

 

わ、わ、握手のつもりだったのに本のお姫様みたいな手の取り方された。さすがにちょっと照れる。これが属性勇者なの……こーゆーとこでかっこいいのずるくない?

 

 

                 ※※ ※ ※※

 

                      〈離れろこの痴女があああああああああああああ

                      あああ!!!〉

                      〈ゲーハハハハハハハ!!!!!動きにキレが無

                      いですね愛香さん!!〉

 

                 ※※ ※ ※※

 

 

 「『……………』」

 

 エレメリオンにちょっとドキドキしてたら上?からスゴい声が響いてきた。なに今の?

 

 

                 ※※ ※ ※※

 

                     〈好香ちゃんにしがみつかれてるのは羨ましいです

                      がそれで動きが鈍ってる今はまたとない好機!!

                      追撃のアイカユルメールで大人しくなってもらい

                      ますよゲェハハハハハ!!!〉

 

                 ※※ ※ ※※

 

 

 また聞こえた。トゥアールさんの声だよね……どんな夢になってるのこれ。

 

 『これは外―現実空間の声だね。私が感知する処だと、好香の周りに3人いる。彼女たちの会話を好香が聞いてるんだ。』

 「あー……じゃあこれって、ちい姉とトゥアールさんがまた総二兄の部屋で暴れてる声かあ」

 

 なるほど、なっとくした。結局、今夜もトゥアールさんが総二兄の部屋に入ってて、ちい姉はげーげきに出かけたわけかあ。

よくわかんないけど、トゥアールさんの声がいつもより強気に聞こえたのは、有利なことでもあったのかな?

 とりあえず、こっちの空気は完全に壊された。私にとってはその方が問題だよちい姉たちめ。

 

 「あれ?なんか周りがぐにゃぐにゃしてきてない!?」

 

壊れたのは空気だけじゃなかったみたい。

 お店のBGMみたいになったちい姉とトゥアールさんのバトル音声を聞いてたら、テーブルがこんにゃくみたいにくにゃくにゃしてきた。と思ったら、お店そのものがぶよぶよと揺れてきてる。うわ、未春おばさんまでぐにゃぐにゃしてる!怖い。

 

 『好香の意識が現実の音に反応しているから、私の精神との繋がりが切れ始めて夢が終わるんだ。今夜はここまでしか話せないみたいだね。』

 

 状況がわかってるエレメリオンは、落ち着いたようすで教えてくれる。あまりにもエレメリオンがじーっと座ってるから、すっかり粘土みたいになっってぐにぐにしてるイスが、ちょっと新しいマッサージチェアみたいに思えちゃうね……。

 って、そんなことよりも、つまりちい姉たちがうるさいのが原因ってこと?

えぇー……まだエレメリオンと話したかったのに、ちい姉たちもーちょっと静かにケンカしてよ。

 そうだ!ちい姉たちが傍にいるんなら一発くらいお返しできないかな。こう、目をつむって、ぎゅーっと念じて

 

 (現実の私の右手ぇぇ動けーーー!)

 

うーん……?動かせたのかぜんぜんわかんないけど、ちい姉の頭1回くらいポカッとはたけたりしてないかな……?

 あ、目閉じてる間に体が浮いてる。エレメリオンもまた光る球になってる。夢が終わっちゃうみたい。

 

 『それじゃあおやすみ好香。私を共に戦う者と認めてくれて感謝する。キミは素晴らしい幼女(おんなのこ)だ。』

 「もーだから照れるってばー!えへへ、おやすみーエレメリオン」

 

 

 エレメリオンの光る球がどっかに飛んでっちゃうとすぐに眠くなってきた……最初から夢の中だけど。

明日はエレメリオンとなに話そうかなあ……

 

 

                 ※※ ※ ※※

 

                      〈あれ、ちょっとこのタイミングで愛香さんを放

                       さないで好香ちゃん!!?〉

                      〈いいわよく放した好香!くらえやトゥアーーー

                      ーーーーーーーール!!!!!!!〉

 

                 ※※ ※ ※※

 

 

頭が眠気でぽやんとしてたら最後にトゥアールさんの悲鳴が聞こえた気がしたけど、まあいっか。

 

 それにしても夢の中ってやっぱり服着てないんだなあ。

 




性癖(ゆめ)のヒーロー「え?夢でも幼女の衣類は必要だったのかい?」


デモニアデリット
眼鏡属性(グラサン特化)
デザインは改造魔人の白い人とSSSS.不死身の魔人をまぜまぜする感じで。属性勇者があれだからね自然とね(^u^)

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