私、ツインテールが好きですか?   作:空魔神

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子供は寝る時間でも大人は違ったりもする。というわけで、久しぶりに我らがテイルレッドのターンな13話(^u^)


第13話

 俺―観束総二は1日が終わり、ベッドに横になったもののすぐに寝つける気がしなかった。今日の出来事はどうにも考えることが多いので、眠気を押しのけるように、ついつい頭を働かせてしまう。

 

・テイルギアとは違う武装を纏った新たなツインテールの戦士である謎の幼女。

・白い鳥のエレメリアン。

 

整理すると2つの要素しか無いのだが、その両方がどうにも不可解な点が大きくて困る。

 

 

 白い鳥のエレメリアン――俺達ツインテイルズが現着した時は、既に戦闘中だった為、流れで名前を知ることは適わなかった――妙に手強かった。

凄まじい高速飛行のスピードタイプだったので、体感とは裏腹に戦闘時間そのものは短かったが、あれは明らかに幹部級の実力があった。相手が既にダメージを受けている状態で無ければ、目に見えて苦戦することになっていただろうという確信がある。

しかし、実力者であるほどに【鳥型エレメリアン】という事実が俺に疑問を投げていた。

現在アルティメギルの部隊を率いているのはダークグラスパー(イースナ)であり、彼女の直轄部隊【美の四心(ビー・ティフル・ハート)】は昆虫型エレメリアンで構成されている。先日倒した幹部アラクネギルディも文字通り、蜘蛛のエレメリアンだった。

そんな部隊に1体だけ別種がモチーフになったエレメリアンがいるのだろうか?ダークグラスパーらが派遣されるより以前の、残存部隊の1体とも思えるが、あれほど強力な幹部が残っていたならなぜ今まで出撃してこなかった?

とは言え、今まで趣味に走ってこっそり出撃していたような連中もいた。その逆パターンで、性癖が刺激されず動かない奴もいるのかもしれない。気にすることは無いのだろうか?

アルティメギルの内部事情など知りようもない、と言ってしまえばそれまでではあるが……

 愛香に至っては「顔出してきた奴らは全員挽き肉にすれば解決するんだから同じよ」という恐ろしい血染めの金言を授けてくれた……今回はまともに変態の被害を受けたから機嫌が悪いだけ、という一時的な状態で平常運転がより過激になったのでは無い、と思いたい。折角、ダークグラスパーの件でエレメリアンを惨殺する暴虐期を脱してきたんだからな……

 

 

 そしてもう1つの謎。新しいツインテールの戦士。正直に言えば、多少おかしな点があっても【エレメリアン】【アルティメギル】の枠でまとめることができてしまう鳥型エレメリアンよりもこっちの方が気にかかる。

 まず何を置いても、裏表のない元気そのもののようなツインテールは素晴らしかった。

正体は伏せたいようだったが、あの僅かな間の会話でもそこそこボロを出していた様子から判断して、外見相応の年齢。悪い子でも無いだろう、あの状況で学校気にして飛び去っていくくらいだし。それはいい。

しかし、テイルギアと同等の戦闘力を発揮する未知の技術を持っている事実に対しては、アンバランスが過ぎる。

 探るべきポイントは鳥型エレメリアンの方が多いが謎の深さはこっちが上だ。糸口は協力者がいる素振りだったのでそれが何者か、なんだが。

 

 

 「うーん。俺1人で考えたところで答えが出るワケも無いよな」

 

 結局はこうなる。

 そもそも基地に戻った後も4人で話し合って、情報が少なすぎて答えが出なかったんだから、悩んでもどうしようもない。やはり大人しく体を休めるのが吉だ。

分かってはいるんだが、トゥアールの追跡さえも振り切る未知の技術を持った何者かと、恐らくはこの世界の小学生が交流しているとなると、どうしても心配になるんだよな。

 狙いを定めた世界の人間に【属性力(エレメーラ)を操る基礎技術】を与えて、属性力拡散の為に敢えて対抗する戦士を据え置くのがアルティメギルの第一作戦という事実を知っているからこそ、悪い予想を拭いきれない。

この世界には既にツインテイルズ(俺たち)がいる以上、新たな戦士を用意する意味は無いはずなので、俺の取り越し苦労であればいいのだが。

 

 (あの女の子の素振り、なんか覚えがある気がするんだよな。けど、あのツインテールを前に見てたなら忘れるはずは無いんだが……)

 

そして彼女にある奇妙なデジャヴ。ツインテールに見覚えが無いので初対面の筈なんだが、妙に親しみやすかった。

この為か、俺の中では正直なところ、謎を明かすことよりも彼女の協力者が正しい人であってほしいという気持ちが強い。

 

 「トゥアールみたいにいい人だったらいいんだけどな……」

 

それを願わずにはいられない。

 

 

 「私の他にアルティメギルの後を追う者がいたとしても、それが複数の並行世界から一つの場所に集うなんて奇跡のような確率ですからね。総二様の懸念も当然ですよ」

 

 

 ……ん?今、俺以外の声がしたような?いつの間にか眠ってしまって夢現になっていたのか。寝付ける気がしないと思いながらも、体は睡眠をを望んでいるのだろう。改めて眠気に任せて、意識をゆったりと手放していき――

ぴちゃん、と腕に何か生暖かい物が落ちた。

やっぱり夢じゃねえ!異変を感じた俺は、直ぐに身を起こすべく目を開いた。

 

 「あ!す、すみません!!【トゥアールはいい人】なんて実質OKを出されたら涎を零しちゃいましたうへへ……」

 「おおおおああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

 直後に網膜に飛び込んだ景色が眠気など霧散させ、意識が一気に覚醒した。

天井―それも自分の真上に張り付いて口を拭っている人型生命体に恐怖の叫びを上げずにはいられなかった。

その人型生命体(トゥアール)は俺がベッドから飛び出すよりも先に、音も無く着地する。なんという見事なスパイアクションか。これが映画なら間違いなくテンションが上がるが、舞台が銀幕から夜の自室に変わっただけで一気に血の気が引いてしまった。

 

 「いつから部屋(の天井)にいたんだトゥアール!?」

 「そんな、いつでも入ってきていいだなんてありがとうございます!ちゃんと総二様が部屋に入られた後に来ましたよ~」

 

曲解されてる気がする上に何がちゃんとなのかよくわからないが、トゥアールの中では規範に則った行動らしい。だが、俺より先に部屋で待ち構えられていたことも、これまで何度かあった気がするんだが。

 

 「例の幼女。私とは異なる属性力変換技術の持ち主だけに、接触したことでテイルギア―ひいては総二様の体調にも影響が無いか調べようと思いまして」

 

その理屈なら俺よりも愛香の方が彼女と接触していた時間が長かったように思う。が、俺が口を開ける前に真面目な顔でトゥアールは話を進めていく。

 

 「検査は勿論ですが、愛香さんは幼女を必要以上に怯えさせていましたから。万が一、未知の追跡技術で向こうからコンタクトを取ってくるならば、対象は総二様(テイルレッド)かな、と。その時になって、テイルレッドの正体でまた混乱させてもいけないので、この姿で潜んでいたんです」

 

するりと白衣をずらしたトゥアールの姿は、薄いネグリジェだったので即座に目を逸らした。

 仮にあの少女が来たとして、ネグリジェに白衣の女性が天井から降ってきて怯えずに安心するものだろうか?いやでも女の子の心理は、男の俺には完全に理解できないし安易に否定もできない。

テイルレッドの正体で動揺させてしまうという意見には、賛成しかできないし。

 

 「とは言え生憎、幼女が来る前に、こうして私は姿を晒してまったので。ここは次善の策として!部屋にいる総二様と私が()()()していれば警戒心を解くはずです!!幸い何故か愛香さんも来ないので今のうちに危険が無いアピールをしておきましょういつ訪ねてくるかわかりませんし邪魔が入る前に今すぐにでも!!!」

 

トゥアールは真面目な表情のままだんだん鼻息を荒くするという器用なことをしながら、矢継ぎ早に説明を続ける。何故こんなに急いでいるんだ?……そうか、ここまで慌てた様子は、もしかしてあの子が訪れるという確信があるのか!?まさか既にこちらの様子を窺っているのでは……!!?だったら俺もトゥアールに協力しなければ!!

 

 「【トゥアールがいい女】って証明を今日こそ――」

 

 ベッドに膝をついているトゥアールが右手を俺に一歩進め。

 

 バリン、バッキン――と金属が壊れる音がした。具体的にはガラスを小さく割った後、施錠してある鍵を設置部の枠ごとへし折ったような。

 

 「ごめん、そーじ。遅くなった……」

 

静かに壊した窓を開けて鬼の形相の愛香が顔を出した。

 その「ごめん」が窓を破壊したことに係っていてほしい、と思うのは俺のわがままなんだろうか。

 

 「ふんっ!」

 「あおわっ!」

 

 ベッドについているトゥアールの右手に向かって愛香が足を下ろす。危うく踏み砕かれそうだった手をギリギリで引っ込めベッドから転がり落ちるトゥアール。代わりに愛香の踏み込みを受けた俺のベッドはメキメキと今にも穴が開きそうな軋み方をしている。

初撃を回避したトゥアールを、獲物をしとめ損ねた野獣の目で睨みつける愛香。幼馴染の部屋でリアルな狩猟は止めてくれまいか。

 

 「ちっ、全力で動けないとやり辛いわね……!」

 

忌々し気な愛香のつぶやきで気付かされた。言われてみれば愛香の動きが大人しい。常ならば、部屋の窓を破壊したと同時にトゥアールに飛び掛かっているような俊敏さと獰猛さを出しているのにそれがない。今も一手を回避されただけで追撃に移っていない。

……その獰猛さでこの数か月ほぼ毎夜、自室が破壊されている現実を改めて直視してしまい涙を零しそうになったが、愛香のこの手加減は一体?

 

 「んのぉぉぁぁああああああああ!!!」

 

 愛香の攻撃を避けたはずのトゥアールが突然、悲鳴を上げた。ノーダメージの筈なのに膝をついて愛香を指差して震えている。こっちはこっちで一体!?

 

 「こんな、こんな精神攻撃を愛香さんからくらうなんて……!総二様との進展を妨害しつつ幼女を侍らせるなんて精神への高度な攻めを!!!」

 

震える声で叫ぶトゥアールに倣って愛香に視線を戻すと、部屋の暗さではっきりしないが、愛香のシルエットが確かにおかしい。横から見ると胴体に厚みがあるような……何か背負っているのか?まさか変身しなくてもいよいよ武器を備えだしたのかと空恐ろしくなり、俺は真実を確かめるべく動いた。

ベッドから降りて明かりを点けると……なるほど、トゥアールの言葉の意味が分かった。

 

 「……なんで好香を背負ってるんだ愛香?」

 

愛香の背中には、毎夜巻き起こる痴女と猛獣の凶宴に無縁であるはずの猛獣の妹(よしか)の姿があった。

 

 「……ぐーすか寝たまんま放さないのよこのチビスケ」

 

愛香は俺の問いに苦虫を噛み潰したような顔で、好香の手を掴んでみせた。それで気付いたが、よく見ると愛香は背中の好香を全く支えていなかった。好香の方が手足を愛香の胴に回して、しがみ付いている体勢だ。愛香が俺に見えるよう、掴んだ手を軽く引っ張るがピクリとも動かない。よほどガッシリ組みついてるらしい。

愛香のため息とは対照的に、背中からは、すぴーと安らかな寝息が聞こえている。

 

 「あああ愛香さんの背中で極上の幼女が至高の寝息を……!?なぜ幼女趣味じゃない愛香さんにそんなイベントが起きてるんです!?」

 「いや姉妹だしな2人は」

 

 少なくとも幼女を見て涎を垂らしてる人間よりはイベントが起きる関係性だと思うのだが、トゥアールには信じがたい光景らしく壁まで後退って慄いている。

 それにしても。

 

 「よく落ちずに寝てられるな好香のやつ……」

 

ゲンナリした愛香の様子から、起こさない程度の力で妹を引っぺがそうと挑戦はしたんだろう事は伺える。結果は御覧の通りに、諦めてしがみ付かれたままトゥアールの迎撃を優先したわけか。

手加減してたとは言え、愛香の力でも剥がされずに背中に張り付いたまま眠っていられるのは感心してしまうぞ好香。

 愛香と好香の祖父は熊殺し可能な孫を2人にしないよう、好香には武術を教えなかったが、こういうシーンを目撃すると、じーちゃんのその判断は正しかったと讃えられるだろう。

 

 (天性の腕力そのものは愛香譲りなんだよなあ好香も)

 

好香くらいの年齢の愛香を思い出すと、同様の力は見せていたはず。とはいえあちらはその時点で狼を仕留めたりしていたんだが。

 

 「なーにが『ちい姉が総二兄のお部屋いくジャマはしないから!』よ。妖怪みたいに張り付いてくれて……」

 「まあまあ、妖怪は止めてやれよ」

 

妹を子泣き爺扱いする愛香に苦笑する。可愛い妹なんだしせめてコアラと言ってやれ。愛香、お前も腕力は樹上生物だろう……コアラとゴリラくらいの差はあるが。

 

 「ふ、ふふふ……幼女にしがみつかれて一夜を過ごすという奇跡を蛮族が享受している怪奇現象!しかしトゥアールちゃんはまだ倒れませんよ!!考えようによってはまたとない好機!!」

 

 己にとって未知の現象に打ちのめさていたトゥアールがふらふらと立ち上がってきた。

 

 「この怪奇現象を解明するには私も体を張って検証しなければなりません!解明して再現してこそ科学!!なので総二様、私が正面からしがみつくのでそのまま――」

 

トゥアールの得意技らしい虚無の思考時間(シークタイム=ゼロ)。そこから導き出される理由は数分前からすっかり変わっている。例のツインテールの少女のことはどうなったんだ。

 

 「近づくじゃねえこの痴女があああああああああああああ!!!」

 

 俺のささやかな疑問と白衣を置き去りに床を蹴ったトゥアールを、愛香は撃墜すべくベッドから一足飛びに俺とトゥアールの間に滑り込み、右拳を唸らせる。

 

 「ぽうっ!」

 

しかし、トゥアールは壁を蹴って寸前で方向転換。愛香の攻撃をまたしても回避した。ここまで愛香に捉えられないトゥアールは珍しい。

それはそれとして極薄の肌着だけで部屋を飛び回らないでくれ。目を逸らすために俺も首を高速回転させねばならない。

 

 「ゲーハハハハハハハ!!!!!動きにキレが無いですね愛香さん!!」

 

美少女がするとは思い難い笑い声が部屋に響く。

 俺に出来るのは、何も知らずに目の前の愛香の背中で眠り続ける好香を起こさないよう、そっと耳を塞いでやることくらいだ。

 だが狙われた獲物(トゥアール)が高笑いするのが、少しだけ解ってしまうほどには今夜の愛香の動きは精彩を欠いているのも事実。好香(いもうと)を振り落とさないよう起こさないよう、というハンデは想像以上に大きいらしい。これは勝敗が読めないぞ……!

場所と時間が俺の部屋と夜中でなかったら、もう少し余裕をもって観戦できたかもしれない。

 あ、好香を起こさないようにしてるから窓の壊し方も静かだったのか。妹への優しさが表れた結果、鍵周りのガラスと鍵そのものの破壊に留められた訳だ……どうあっても破壊なくしては生きられない蛮族の業を感じて悲しくなる。

 

 「これ…ちい姉……ムニャ……」

 

 無駄に白熱する状況を無視して微かな寝言が聞こえる。でもな、総二兄はこの騒ぎの中でしっかり熟睡できてるお前が羨ましいんだぜ好香よ。いつまで続くんだ……

 

 「好香ちゃんにしがみつかれてるのは羨ましいですが!それで動きが鈍っている今はまたとない好機!!追撃のアイカユルメールで大人しくなってもらいますよゲハハハハハ!!!」

 

 胸の谷間から例によって新たなアンチアイカシステムを取り出した。今回は見た目が丸い小さい紙?シール?みたいだな。

相手が思うように動けないのをいいことに、わざと胸を見せつけながら取り出している。その顔は元ヒーローがしていい顔なのか……?

煽られて幼子を背負った猛獣の殺気が魔獣にパワーアップしている。その形相はヒーローがしていい顔なのか……?

 

そして俺には痴女も魔獣も止める力は持っていない。俺の部屋に今ヒーローはいないのだ。

 

 「考えれば蛮族の動きをその身で抑えてくれる幼女なんて、天が私に与えてくれた天使ですよありがとうございます実質私の好香ちゃん!!」

 「させるかぁっ!!」

 

投擲された謎アイテムについてか好香の所有権についてか分からない叫びと共に、愛香はトゥアールの新兵器を払い落と――されずに右手に貼りついた。やはりシールか。

 

 「うわっ手に力が……!?」

 「更におかわり!!」

 

と、シールを貼られた愛香の右手が力を失いだらりと下がった。トゥアールは、愛香の動揺したその隙を逃さず左手にもシールを投げ貼り、両手の自由を奪うことに成功していた。

 

 「これぞ電気刺激で筋肉を弛緩させ脱力させるアイカユルメール!!私の好香ちゃんまで背負った状態では、これ以上身動きできないでしょうゲハーーーハハハハ!!!!!」

 

アイカユルメールは肩こりの治療で売っているあれと似たようなものか。

それでも愛香が動きを封じられたのは事実。まさかの劣勢だ。トゥアールはもう悪の幹部じみたセリフと笑い声で勝ち誇っている。

さらりと好香の所有権まで主張している。

 だが、天は悪の幹部を許さなかったのだろうか。それとも妹が無意識に姉の味方をしたのだろうか。

 

 「ムニャ…くらえちいねー…すぴー……」

 「あれ!?ちょっとこのタイミングで愛香さんを放さないで好香ちゃん!!?」

 

どんな夢を見ているのか好香の右手が愛香を放した。そして一ヶ所を放すと流石にバランスが取れないようで、ズルズルと瞬く間に左手両足も愛香の胴から外してしまった。

 寝言から察するに愛香に挑んでいたような気もするが、結果としてはトゥアールの懇願に反応することもなく、絶妙なタイミングで愛香を解放している。

 

 「おっと危ない!」

 

まるで木から零れるカブトムシのように愛香の背中から落ちる好香をキャッチすることができてほっとする。近くにいてよかった。

 そして俺が好香を受け止めたのと同時。メインの枷が外れた愛香が、一瞬で青い顔をしているトゥアールとの距離を潰した。

 

 「いいわよく放した好香!くらえやトゥアーーーーーーーーーーール!!!!!!!」

 「ベンダーーーーーーーーーーッ!!!!!!」

 

身体を捻ることで、脱力した両手を鞭のように振り回してベシンバチンとトゥアールを打ち付ける。決して広いとは言えない俺の自室で、人体が何度も宙に舞い壁と床を往復している。その度、壁と床に人型の凹みが出来ている。俺の部屋はどうなってしまうんだ……

人体()人体(ボール)操る妙技の壁打ちは愛香の手からシールが剥がれるまで続いていた……

 

 

 

 「おや…え……おん……ムニャ」

 

楽しい夢なのか、俺の腕の中で、笑顔と微かな寝言を呟いている好香が本当に羨ましい。

 




好香が夢で説明会されてる間の現実はこんな感じのやかましさ。
好香の基本スペックは武術補正の無い場合のロリ香さんなので、獣は狩れないけど力はある様子。
なので好香とちい姉の年齢がもっと近かった場合、熊殺し×2なった上で姉妹喧嘩ができてしまうので蛮族バフが相互にかかり続けていた危険性(^u^)
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