ブログ版は元々、変身シーンが書ければ……と始めて伸びていったもの。「新ヒーローの初登場」という意味だと今回辺りが区切りになるはずの14話……2の日に投稿できて何より(^u^)
俺の部屋で(不本意にも)行われる女子のじゃれ合いの筈である惨劇は、沈黙したトゥアールを愛香が連れ出すことで終了する。今回は展開が二転ほどしたが、結果そのものはいつも通りだった。
部屋の外にトゥアールを転がした愛香が戻ってくる。
「それじゃあ私は帰るけど、ちゃんと戸締りしなさいよねそーじ」
そう言ってくるが、お前の手によって戸締りした上で破壊されるドアと窓は、これで幾つ目だと思ってるんだ愛香。
半ば諦めてしまったツッコミは心の内に留め、俺は腕の中でぐっすりと寝ている好香を愛香に引き渡す。本人は何も気づかず熟睡しているが、早めに布団へ戻してやらないとな。
「え、あれ……?」
――そう、引き渡そうと思った。ところが、いつの間にか好香が俺のシャツを握りしめていて放さない。
「おーい好香……?放してくれ、な?く……外れねえ!?」
まじかこいつ。起こさないようにと、やんわり手を放させようとしたがまるで駄目だ。びくともしない。
愛香がしがみつかれたままだった理由を実感することになった。やっぱり素の身体スペックは同じ年の頃の愛香と遜色ないぞこいつ。
愛香も引き剥がそうと、好香の脇に手を入れて引っ張るが結果は俺と同じ。そりゃ手加減はしてるだろうが愛香でもダメか……。
「何してんのよこのチビスケは。そーじを放しなさいってこら……この……っ!もー誰に似たのよこの馬鹿力は」
お前だよ愛香。
「ね、そーじ。そのシャツ破いちゃっていいかな?」
「やめてくれ。なんでそんな力技に走るんだお前は」
妹を引っぺがすのを諦めた愛香の提案は、即座に却下だ。そこまでするほどの非常事態では無いだろう明らかに。
……それに今夜は、ドアと窓どころか部屋そのものが歪ませられている。ついでのように着衣まで引き裂かれたくない。俺の幼馴染は追い剥ぎかなんかかちくしょう……蛮族だったな。
とはいえどうしたものか。てっとり早いのは、好香を一度、起こすことだが、さすがに小学生起こすような時間じゃないんだよな。
「うぅん……」
解決の一手を考えていると腕の中の好香がもぞりと動いた。しまった。気を付けていたつもりだったが、起こしてしまったかな?
「おいてかないでよ、ちぃねー……ムニャ」
「うお!?」
「あ」
呑気に考えていたら、好香の両足が俺の胴に回された。再びすやすやと寝息を立てる好香。
ちょっと待て。
起こしてなかったのはいいが、愛香の代わりに俺がホールドされたんじゃないのかこれ!?
「んぅ……」
「いだだだだだだ!!?」
好香の寝息と俺の呻きが協奏した。俺を抱き枕にしたこのちびっ子、思いっきり締め上げてくる。やめろお前の力は
同じ樹上生物でもコアラとゴリラくらいの差があるなどと思っていたが、これはそうでもないかもしれん。
「どうしてあたしとそーじの区別がつかないのかなこのチビスケは……っ。って、子供の力にそーじも大袈裟じゃない?」
「は……!?」
区別がつかないのは、男女差を無視される程に体型が近しいという悲しい現実が転がっているからでは、というツッコミを口に出す余裕は、今の俺にない。
それどころか、ヒュッと息が切れた。……原因は、ちびっ子の締め上げによるものか、その姉の、同じ剛力を体感したと思えない後半の発言のせいか。
この力でしがみつかれて平然としていたのか愛香。
どうなってるんだお前たち姉妹。
恐ろしい。
耐えきれずに膝を折った俺はベッドに手をついた。
結果として、胸に張り付いてる好香の背中をベッドに接地させる形になったのだが、それが幸いして締め付けが緩んだ。
「いっつつ……た、助かった」
なるほど、体を支える為に無意識でも全力でしがみ付いてるから、ちゃんと横になると力を緩めるのか。当然と言えば当然だが……
呼吸は確保できたが、それでも好香は放してくれない。後の祭りだが、こうなるなら愛香の提案通りに、シャツを破っていた方が良かったんじゃないか。
「すぴー……」
俺のダメージなどまったく気付かず、小さい方の樹上生物は相変わらず気持ちよさそうに寝てくれている。
もはや好香を起こす以外に、状況を変える方法は無い……のだが、こんな寝顔を見せられていると、ますます起こす気になれない。
これはもう仕方ないか……
「なあ愛香。今日はさ、好香は俺のベッドに寝かしておかないか?」
「そうね……えぇ!?」
俺の提案に何気なく返しかけた愛香が驚きの声を上げた。それはまあ、驚くか。でも放してくれないならこれが一番よくないか。
「なんでよ、流石にもう起こせばいいでしょ!?」
「そうだけど……気が引けるんだよ。ここまで気持ちよさそうに寝てる相手だと」
「アンタもたいがい好香に甘くない!?」
手加減なしで好香を引っ手繰ろうとした愛香だったが、妹の寝顔に、うっと呻いて動きを止めた。
要するに愛香と俺。二人揃って好香には甘いのだ。……もう一つ言えば、愛香にしがみついたままだったとしても、俺たちのいつも通りのバカ騒ぎがなければ、子供らしく就寝できている。という根本の原因は自分達だという自覚があるので、躊躇してしまうんだよ。
起きたら隣の家っていうのは、好香がちょっと驚くかもしれない。でも知らない部屋じゃないし、もっと小さい時には一緒に昼寝なんかもしてたし大丈夫だろう。
「好香くらいなら一緒に寝られるスペースはあるからさ。起こすのもかわいそうだろ?」
「そうだけど。うーん、好香だってもう9歳……いやまだ9歳のチビスケか……だしいいのかな。そーじの家だし」
ぶつぶつと愛香が考え込みだした。そうか。俺にしてみれば小さい子供でしかなかったが、やはり好香も女の子だし、ちょっと軽率な提案だったか?
「いいじゃないですかぁ……」
「うおおお!?」
「きゃあ!?」
突然、足元から聞こえた震える声に背筋を冷やされた。
見れば、ついさっきまで部屋を跳ね回らされた末に放逐されたはずの、よく知る銀髪が床を這いずって来ていた。怖え。
「好香ちゃんに先を越されるとは全くの予想外でしたが、総二様と私で好香ちゃんを挟んで寝てくれれば今夜はもうそれで満足です……好香ちゃんの寝顔をペロペロするのも気付かれないように総二様と激しく動くのも夢じゃない最高の夜になれますからぐへへへ……」
好香に反応して急速にリカバリーが始まっていたらしい。足元からゾンビのようにガクガクと立ち上がり始めている。垂れ下がった銀髪で表情が見えずに不気味に笑うネグリジェの女、すまんが普通に怖くて言葉を失う。
好香を抱えたまま、咄嗟にベッドへ飛び乗って距離を置けただけでも、我が身は褒められるのではないか。
「わかったわ。好香の代わりに私が挟んであげる」
「え、待ってくださ、蛮族サンドじゃ回復どころかマイナスううううううううううううう!!!!!!!」
恐れ戦いて言葉を失った俺とは対照的に、愛香は復活した
「そーじ。やっぱり好香のことお願い。あたしはもうこいつが目覚めないようにするから」
「ちょ、まだ回復しき……ないから……これ以上は……!」
呻くゾンビの足首を掴んだハンターが部屋から去っていく。あの様子なら今夜はもう復活できないだろう。
今度こそ静寂を取り戻した部屋には、疲れ切った俺と何も知らずに眠りこける好香だけが残された。
それにしても直接、起こされることこそ無かったとはいえ、これだけの声と打撃音で眠り続けていられる好香には、いっそ感心さえする。
「お前もあの2人とは別の方向で凄いのかもな、はは……いててて」
苦笑していると、立ち上がっていたせいでまた好香の締め上げが強くなってきた。早く横にならないと、俺は俺で絞め落とされそうだ。できるなら俺も失神ではなく熟睡したい。
好香をくっつけたままベッドに転がった俺は、適度?過剰?な疲れによってこれ以上の思考する余裕など無くバタリと意識を手放すことができた……
「――か。好香」
んぅ……誰かが揺さぶってくるから、ぽやんと目が覚めてきた。
あーそっか、ちい姉かぁ。起きていいから私はもーちょっと寝かせて……
「あさごはんできるまでまだねてるぅぅ……」
「好香。お前にはちょっと早いかもだけど、起きて放してくれ。俺はそろそろ動かなきゃいけないんだよ」
体をよじって布団にもぐろうとしたのに、まだ声をかけて揺すられる。私は寝るんだってば、ちい姉しつこいなぁ……まるで総二兄みたいな声出しちゃって。
……ん?総二兄の声だよね、いまの。
聞こえるはずなのない声が引っかかって、しぶしぶ目を開けた。
最初に見えたのは目の前にあるシャツの生地、それと……ぺたんとした感触。あぁ、ちい姉にしがみついて寝てたから起こされたんだ……それじゃ今の声は聞きまちがいかあ。
それで顔を上げていくと、寝る時はツインテールを解いてる、私とおんなじ黒い髪――じゃなくて赤い髪があって。
「あれー?……ちい姉が総二兄になってるぅ……?」
おかしいな。さっき聞きまちがえた声に合わせてちい姉が総二兄に見える。
「おう、おはよう。ちい姉じゃ無くてお隣の総二兄だぞ好香」
まだぼーっとしてる私を、総二兄が持ち上げて身体から離した。
あれ?寝る前はちい姉の背中にぴったりくっついてたと思うんだけど、体も総二兄だ……
ベッドから立ち上がった総二兄は、ぐいーっと伸びをしてる。
部屋を見回すと、ちい姉どころか部屋もベッドもちい姉の部屋じゃなかった。
「……なんで総二兄のお部屋にいるの?」
まちがいない、ここ総二兄のお部屋だ。
なんでお隣の家に私はいるんだろう?
……………
………
……!
ちょっとずつはっきりしてきた頭でじょーきょーを整理してみると、1つの答えにたどりついた。
「ああ、それはお前が――」
「まさか総二兄……寝てるあいだに私をさらってツインテールにしよーと!?」
きょーがくの事実に、雷が落ちたよーなしょーげきを受けて一気に目が覚めた。総二兄ってば新しいツインテールにうえて、とうとうそんなことを……!
「そんなわけあるか!!お前は俺を何だと思ってんだよ!?」
総二兄がひてーしてくるけど、あわててるのがますますあやしい。ドラマでも犯人はおーじょーぎわが悪いしこれはやっぱり……!
どうしよう、ちい姉になんてせつめーしたら。
「いやがる私にきょーこー手段でツインテールにしたんでしょ!?うすい本みたいに!うすい本みたいたっ!?」
「するか!いい加減しっかり起きろ馬鹿!!」
総二兄におとなしく罪をみとめてもらおーと思ったらチョップを落とされた。いたい。
あれ、頭押さえたらわかったけどツインテールじゃないや私。それじゃあほんとに私の早とちり?
「あのな。ツインテールは無理矢理するものじゃないんだ。ツインテールは、ツインテールを好きな人がツインテールにして本当に輝くんだ。俺はそんなツインテールの輝きが大好きなんだよ。もちろん、どんな形であっても生まれたツインテールは祝福されるべきだけど、嫌がってる妹を無理矢理にツインテールにするわけないだろ。そんなことしたって好香もツインテールも喜ばないんだから当たり前の事さ」
ツインテールを泣かせる真似は断じてしない、って断言された。
ツインテールが多くてよくわかんないけど、総二兄のいうツインテールはよくわかんない説得力があるなあ。
総二兄が私のいやがることしないのはほんとだし、やっぱり私の早とちりだったのか。
「うぅ、ごめんなさい」
「はぁ~、寝起きに勘弁してくれ。テレビの見過ぎだよ。うすい本?とかどこで覚えてくるんだ……」
総二兄が頭を押さえながらため息ついてる。悪いことしちゃった。
「よく分んないけど、追いつめる時はてーばんのセリフの1つだって――」
「このロリコンがテメエだなああああああああああああーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」
「がああああああああああああまだ推定無罪なのに暴力のR18Gにされるうううううううう!!!!!!!!」
私の声をさえぎって、1階からちい姉とトゥアールさんの叫び声が聞こえてきた。ちい姉も総二兄のお家に来てたんだ。
「あ、えっとね。追いつめる時のてーばんだって――」
「いやもういいどこで覚えたのか今わかったよ……」
総二兄は疲れたみたいにずるずると床にすわり込んじゃった。
うーん、下からドカンドカン殴る音がしてるあたり、トゥアールさんが教えてくれたのって、みんながあんまり使わない美人ジョークだったのかな。
けっきょく、私が総二兄のお部屋で寝てたのは、ちい姉が私を連れてトゥアールさんのげーげきに出かけたかららしい(連れてったくせになんで置いて帰ったの!ってちい姉に言ったら、何も言わないでほっぺった引っ張ってきた。なんで??)。
未春おばさんが「いいわよ、好香ちゃんもウチで朝ご飯食べちゃって」って言ってくれて、私は家に戻らないで(着替えとかランドセルはちい姉が持ってきてくれた)ちい姉といっしょに総二兄のお家で朝ごはんごちそうになることになりました。
ちい姉は家でもう朝ごはん食べたみたいなんだけど、総二兄のお家でもまた食べるのかあ。
リビングに行ったら用意してあったイスをかたづけて、私に向かって膝をぽんぽんしてるトゥアールさんがいた。顔はホータイぐるっぐる巻きでぜんぜん見えないんだけど、銀髪と白衣だしトゥアールさんだよね。
「
「この置物どかすからここ座りなさい好香」
ちい姉がトゥアールさんのホータイ顔を打ち抜いてイスから叩き落として、その空いたイスに私をすわらせてくれた。いいのかなあ……
「コヒュー……ちょっと愛香さん……コヒュー昨夜からずっとで回復しきってないんですよ……コヒュー
「次に好香にくだらないこと吹き込んだら皮剥ぐわよ」
もう息づかいがおかしいトゥアールさんにちい姉が怖いこと言ってる。トゥアールさんいったい何したんだろう……
後ろでピクピクけいれんしてるトゥアールさんは気になるけど。それはそれとして私は、未春おばさんが用意してくれた朝ごはんをほおばる。おねーちゃんが作るごはんもおいしーけど、未春おばさんのごはんもすっごくおいしい。さすがは喫茶店マスター。
「簡単な朝食なのに好香ちゃんは美味しそうに食べてくれるから作り甲斐があるわー」
「だってモゴほんとに未春おばさんのごはんおいしーんだもんモゴモゴ」
「ああコラ、口にいれたまま喋らないの。それとあまり動くんじゃないってば」
コップにオレンジジュース注いでくれる未春おばさんにピースしてたら、ちい姉に引っぱられて座ってる姿勢をなおされた。
今日はちい姉が髪をすいてくれてるの、えへへ。
ずっとツインテールにしてるだけあって、ちい姉も髪のお手入れ上手なんだよね。
普段のーきん100%なのにこーゆーとこもずるいよねちい姉。いーでしょわたしのちい姉。
「ふふ、寝起きから騒いでくれたのに。お前は楽しそうだな好香」
「むぐ、それはあやまったじゃん……総二兄のいじわるー。だって未春おばさんのごはんもちい姉に髪ととのえてもらうのも好きだもん」
頬杖ついた総二兄が笑ってくる。ぬーん、寝起きにえん罪をかけたのはじじつだし強く出れない。
でも今は私のせいじゃないもん、ちい姉と未春おばさんが理由なんだってばー。
「ねえ、ちい姉も総二兄になんとか言ってよー」
「だから頭を動かすんじゃないの!そんな顔してムシャムシャ食べてるチビスケには、あたしだってそーじと同じ事しか言えないわよ」
振りむこうとしたら強引に前を向かされた。せっかくほめてるのに、私のあつかいが雑だよちい姉。
そーこーしてたら、テレビから流れる朝のニュース番組が次の話題に変わってた。お、ツインテイルズだ。昨日ってカメラが集まる前に帰ってたのに、それでもニュースにするんだ。
あ!今の変身した私だ!!テレビに映ってる!!
「わっ!ブラシかけてる途中で動くなって言ってるでしょ!!絡んでる髪の毛が抜けちゃうでしょうが!!」
自分が映ってる画面を見つけて思わず立ち上がったら、ちい姉に押さえつけられた。いったいなぁ、イスでお尻打ったじゃない!
TVに映るなんて初めてだからちょっとドキドキしてきた。
なんかちい姉たちも静かになったと思ったら、じっとTVを見てる。そーかやっぱり
ほら、テイルレッドはいーからもっと私のこと言ってよ。さっきからちらちらっとしか映ってないじゃんこのニュース。
(でもテイルブルーに抱っこされてるとこしか映ってないなあ……もーちょっとかっこよく映ってればよかった。テイルブルーがあんなおどかすから……うぬぬ)
まだ話題がテイルレッドだから変身した私がアップで映らない。おまけにさっきから見切れるのは、テイルブルーの腕の中で手足をバタバタさせてるとこばっかり。これってやっぱり、直前でブルーが私をおどかしたの原因でしょ。
ちい姉といいブルーといいなんで私のあつかいが雑なの!?
『ツインテイルズと一緒に映っている少女ですが――』
なかなか話題にしないニュースにモヤモヤしてたら、とうとう私がアップで映った。きたきた!ついに私の出番だ!
「………………」
あれ?私だけ顔にモザイクかかってない?ねえ?ちょっと?
『ツインテイルズになりきったコスプレですかね』
『一般人の可能性があるので映像を加工してお送り――』
ちがうよ!?ツインテイルズと同じだってば!新ヒーロー新ヒーロー!!
『見てください。こんな少女にまでテイルブルーは凶暴な目を向けている』
『もしかしたらテイルブルーが世間の目を誤魔化そうとテイルレッドのファンを無理矢理に捕まえているのでは』
ちがうって!テイルブルーについてはだいたい合ってるけど、私は本物!!あとテイルブルーのファン!!ニュースちゃんとやってよ!!
『テイルブルーとあんなに近くで接触してしまった女の子は心の傷が心配――』
心の傷って何よ初とーじょーの新ヒーローにたいして!!
な、な、な………
「「なんっなのよこれええええええええええええ!!!!!!」」
ニュースのあつかいに、もーガマンできなくて叫んだらなんかちい姉とかぶっちゃった。
みんなが一斉に私を見てくる。いや、ちい姉がかぶってくるのがおかしーんでしょ。でもかぶったってことは、ちい姉も同じこと思ったんだよね!?
「このニュースおかしくない!?ちい姉もそう思うよね!?」
「あんたも思う!?さすがあたしの妹よ!」
画面を指差して言ったら、ちい姉がはげしくうなずいてくれた。やっぱり私のちい姉だ話が分かる!このニュースのおかしさをりかいしてくれてる!!
「おかしいよね!せっかくの新ヒーローをひがいしゃAあつかいだもん!!」
「優しく子供を抱き上げてるテイルブルーをどう曲解してるって話よね!!」
「「え?」」
思わず顔を見合わせた。
意味が分からないって顔でちい姉が私を見てるんだけど、それはこっちのセリフでしょ。ちい姉ニュースのどこ見てるの?
「テイルブルーはまちがったこと言われてないでしょ?だって、どー見ても新ヒーローのかっこいい初とーじょーをジャマしてるよね?」
「いやいや。あれは腰抜かしてるちびっ子を助け上げてる優しいヒーローの姿じゃないの。あっちの小さいのこそ、ツインテイルズに会いに来たコスプレに見えたって仕方ない映り方でしょ?」
なんか話が合わない。ちい姉のニュースのちゅーもく点おかしくない?
「あんたテイルブルー好きなんでしょ?ブルーの扱い何とも思わないわけ?」
「テイルブルーは好きだけど、別にテレビでウソ言ってないじゃん。きょーぼーはきょーぼーでしょ。それより新しいヒーローの方を見るべきじゃないの?」
「違うでしょ。名前、も顔も分からない小さいのより、テイルブルーは優しい一面があるってアピールされてるシーンが正しく注目されるのがね……」
「どこ見てんのちい姉?テイルブルーのあれはムリヤリだってぜったい。ごーいんに優しさアピールしてる暴れヒーローよりも、かっこいい新ヒーローをあうあうううう!!???」
「なあ、お前ホントににテイルブルーのファンか?ああ?」
話がへーこー線のままつづいてたら、急にちい姉がほっぺた引っぱってきた。なんでそんな怒るの!?
「まあまあ愛香さん。テイルブルーが相変わらずの扱いだからって、好香ちゃんに八つ当たりするもんじゃないですよプープププー」
ちい姉にぐいぐいほっぺた伸ばされてたら、トゥアールさんがさっとスーパーゴリラの魔の手から助けてくれた。
トゥアールさんの腕の中にすっぽりおさめられた私は、そのまま膝の上にすわらされてる。
ついさっきまでホータイだらけだったはずなのに、きれーさっぱり治ってるなあトゥアールさん。
「それにしても、好香はツインテイルズにあまり興味なさそうだったのに、あの新しい女の子はやけに気にするんだな」
ちい姉に引っぱられたほっぺたをむにむにとトゥアールさんにさすられてたら、総二兄が意外そうな顔して聞いてきた。
「えー?だってじぶ、じゃない新ヒーローってゆーのは気になるよ。総二兄は気にならないの?」
危ない危ない。私ってゆーのはまだヒミツにしなきゃ。
こんな時にばれてもかっこよくないし、ちい姉にエレメライザーぼっしゅーされないようなさくをろーしてからじゃないと。
「いやツインテールは気にはなるけど、あの映像はヒーロー……か?」
「あー!総二兄までそーゆーこと言う~~~!!」
私の言うことに総二兄は首をひねってる。
どーしてあの私がヒーローだってわからないかなあ!?ツインテールの気配を感じるとか言ってるなら、画面に映ってない私のかっこよさだって感じてよ!!まったくニブいんだから!!!
そんなだからちい姉としんてんしないんだよ、もう!!
「ぷにぷにの膨れっ面になる幼女香ちゃんもとい好香ちゃん最高ですねふひひ」
「好香ちゃんのお気に入りに言うのは残念ですが、このニュースじゃ名前も行動も不明。その上でおっかないテイルブルーに抱っこされてるとこしか出てませんからねえ。何とも言えませんよ。好香ちゃんだって、“かっこいい”んじゃなく謎すぎるから気になるのかもしれませんよ?」
直前にぜんぜんちがうことをつぶやいてた気がするけど、私のほっぺたつついて遊びながら、トゥアールさんがニュースをぶんせきしてくれる。それでも私は新ヒーローなんだから、このほーどーはなっとくできない。
「ぜったいヒーローだもん……」
おもしろくなくて、小さくつぶやいちゃったのは聞こえなかったみたい。
でも……ちい姉も総二兄も、未春おばさんまで、変身した私をヒーローって観てない感じがする。
トゥアールさんの言うこともそのとおりなのかなあ。
ツインテイルズには、あえて名乗らない!って感じでかっこよく決められたと思ったのに。謎だらけのヒーローじゃニュースだともり上がらないのかな?
名前。名前かあ………
よし。次にすること決まったかも。
私服の好香はこんな感じ。ちい姉と似た格好を選んでるのか、或いはちい姉のお下がり。
【挿絵表示】
好香の抱きつきについては?
ちい姉「姉より優れた妹など存在しねえ!」(普通に平気。スペック耐久余裕)
銀の痴女「いいでしょう。溢れる
隣のお兄「子供の力じゃない。下手すると肋骨が死ぬ」(肉体的には常人なので普通にダメージ強)
おねーちゃん「甘えてくれて可愛い。(大きくなっても抱きついてくれたら)いろいろ楽しみ」(自然に手加減されてる?スペック耐久余裕?)