……ここまで遅れたらいっそ2が揃うタイミングで更新しようと年末から決めてたやつです\(^o^)/サーセン
というわけでお待たせしまくってた9月以来の本編15話更新です。
「名前をキめよーと思います!」
『名前……変身時のコードネームかい?』
初等部の昼休み。
朝のニュースを見てからずーっと考えてたことをエレメリオンに伝えてみた。
だってあのニュース!
地上からじゃ誰が撃ったかわからないからって、
しつれーしちゃうよね!
いくらツインテイルズが先輩ヒーローだからって、そこまでゆずる気は無いもん!!
もしかして、ちょくせつ見たテイルイエローなんかが意外とニュースとちがう感じだったのも、こーゆーことなのかな。うーん、テレビの闇を知ってしまった気分。
「ここは、びしっとかっこいい名前で、バーンと新ヒーローってことを見せなきゃいけないと思うんだよね」
『ふむ。今後はツインテイルズと共闘することも想定すれば、コードネームを今のうちに決定しておくのもいいだろうね。』
エレメリオンもさんせーしてくれるみたい。
そう、ツインテイルズにもまだ名乗ってないし、そのうちに考えなきゃとは思ってたけど。テレビがこんなに しゅざい力がとぼしー時代だったなら自分からアピールしなきゃ。これは そーきゅーにしなければいけない あんけん だったんだよ!
謎すぎて何も言えないって、トゥアールさんの意見もさんこーにしたら、名前のこーかいは、早ければ早いほどいいはず。
「かっこよく とーじょーして!私を気にしてないちい姉や総二兄たちだってあっと言わせてやるんだからー!!」
エレメライザーをにぎってる右手が怒りでぷるぷるする。
だって、ちい姉と総二兄どころか……学校来てみれば、クラスメイトだって誰も新ヒーローを話題にしてないんだもん。最っ悪なのだと!テイルブルーから目をそらしてて、いっしょに映ってた私に気付いても無いやつだっていたんだから!!
これはもう、ゆーよは無いじたいなんだよ!!
『そうか。変身した好香の勇ましい姿に似合うコードネームを名付けられたらいいね。』
「うん。……ふふふふふふ、新ヒーローのとーじょー!今度こそ!!ちゃんと見てなさいよみんなーーーー!!!あはははははははははははは!!!!!!」
エレメリオンのエールに気分も上がって、立ち上がってせんげんする。
そーだよ!アルティメギルだろーとスプレムスデリットだろーと目にもの見せてやるんだから!!どいつもこいつもカクゴしてなさいよ!!!
「ねえ、あの個室って誰かいたっけ?」
「昼休みの直ぐくらいなら低学年の子が入っていったようにも思うけど……」
人目につかないよーに高学年のクラスがある階のトイレに入ってエレメリオンとお話してたんだけどね。個室から笑い声がひびいてて、ひそひそウワサになってることはぜんぜん知らなかった。
アルティメギル基地。
ある一室に4人――正確には1人と3体が集まっていた。
たった4人と言えど、侮るなかれ。
指揮官・闇の処刑人ダークグラスパー。
彼女を筆頭に、
故ドラグギルディ部隊の参謀であり、その他この地で隊長を失った現・混成残存部隊のまとめ役となっている老エレメリアン・スパロウギルディ。
そしてデモニア
集まった彼らが見ているモニターには――ロックチョウデリットと
この情報を一般兵に伝達する前に、まずは上官のみで今後の対応を判断すべく集まっているのだ。
「未知数の新たな戦士……加えて、噂には聞き及んでおりましたが、スプレムスデリットですか……」
スパロウギルディの声には焦燥をとうに過ぎた疲れが滲んでいた。
現状のツインテイルズだけでも大きな障害となっているというのに、そこへ敵の増援。おまけに、現れれば必ず台風の目となる暴走集団まで湧いて出てきたというのだ。頭を抱える厄介事ばかりが重なっていく彼の気疲れはどれ程のものだろうか。
「予想外とは言え、小さいのについてはどうとでもなるじゃろ。あれはまだまだ場慣れしとらんヒヨッコじゃ」
が、ダークグラスパーはスパロウギルディの心配の半分は一笑に付す。最強の彼女にとっては、新たなツインテール戦士は何ら脅威で無く。
彼女の眼鏡は、本来ロックチョウデリットを葬るはずだった
「問題にすべきは
彼女はスプレムスデリットのみに警戒を置いた。
その警戒対象でさえ自分がいれば問題ない、という自負はある。
が、その自分がアルティメギル首領の命令で、しばらく基地を留守にせねばならなく――勅命は数日前に下っているのにもかかわらず、部下の盛大な、涙の見送りを期待して未だに遠征していないという、後ろ髪を接着した上で腰が重すぎる状態ではあるのだが――闇の処刑人はスプレムスデリットに構っていられないのだ。
今も「ほれ、不安から引き止めるとかあるだろ?」とで言いたげな視線をチラチラと場の3人に送っている。
この場の最上位が彼女なのでツッコめる者はいない。
「承知しております。スプレムスデリット達の相手は、一般兵では荷が重い。御身が不在の間の迎撃は、私と片腕スタッグギルディにお任せを」
不在となる間の対処を任されるのは当然、彼女に次ぐ地位である
おい引き止めないのか、というもう1種類の視線は巧みにスルーした。ビートルギルディは技巧派なのだ。
「このような状況にあって、やはり根本の戦力強化が必要。付きましては、スプレムスデリットについては伏せたまま、暫しの部隊の侵攻を休止し、兵の訓練に専念したく思うのです」
自身の考えを述べるビートルギルディ。
ツインテイルズとスプレムスデリット。両者と三つ巴にでもなれば、手練れの隊長格であっても一筋縄ではいかない。四頂軍に連なる者達はまだしも、本来の一般兵ではひとたまりもないだろう。
こうなっては、指導力に長けたもう1人の副官アラクネギルディが先日テイルレッドに倒されてしまったのはますます痛手だった。
だがそうも言っていられない。脅威が判明している以上、全体戦力の底上げが必要なのだ。
「ふふ、どうですかな。スプレムスデリットは数が揃えば四頂の“剣”にも匹敵しましょう。少々の時をかけて一般兵を鍛えたところで、持ちのいい壁になるかどうかでは?」
スプレムスデリット相手に雑魚を背伸びさせたところで無意味だ、とビートルギルディの提案を鼻で笑うデモニアギルディ。
……それは、スプレムスデリットを《よく知っている》彼の自信と、見下している有象無象への興味の無さの表れ。
彼のサングラスの奥に光る目はロックチョウデリットよりももう一人の戦士に向いていた。
「侮るものではない。目立たぬだけで爪のある者、燻っているだけで思わぬ化け方をする者などいくらでもいる。磨きさえすれば、私がスプレムスデリットを相手取ることになった際に、対ツインテイルズを任せられる者とて現れるだろうさ」
「それではビートルギルディ様のお手並みとしがないエレメリアン達の眠れる才を拝見させていただきましょうかな。フッフッフ」
白い悪魔の嗤いに鎧の王者は動じない。
部下の伸びしろを疑っていない意思。なにより一般兵の言葉にいちいち騒ぎ立てるようではアルティメギルの頂点の一角に立つことなどできないのだ。
そう一般兵。
ただの一般兵であるデモニアギルディの、上官への不遜な態度をスパロウギルディが諫めることが無く。
そもそもまとめ役だけが集っているはずのこの会議に、なぜ彼が堂々と参加しているのか?不思議なことに誰1人違和感を覚えていなかった。
まるで光を遮られ、眼鏡が曇ってしまったかのように。
「それでは部隊の指揮はビートルギルディに任す。兵を鍛えるも侵攻するも自由にやるがよい」
「はっ。では予定通り、スプレムスデリットについてはまだ伏せておきまする。事態を告げるのは、ある程度は鍛え上げてからに。スパロウギルディよ、それまではお前からも極力、噂が漏れぬように働きかけてくれ」
改めてダークグラスパーより全権を譲渡されたビートルギルディは早速、行動に移る。デモニアギルディに部下の伸びしろを説いたが、それが先の話であるのも事実。
知る者の少ない
まずは心身を磨く鍛錬に集中させるべきと判断をしたのだ。
「わ、わかりました。ではそのように……」
スパロウギルディもそれが判っているので異論は挟まない。
「それでは私はこのあたりで失礼させていただきますぞ」
おおよその方針を把握し、いち早く退室するデモニアギルディを気にする者はまたしてもいなかった。
幹部勢の会合を後にし、通路を歩くデモニアギルディ―デモニアデリットはこれからを考え楽し気に笑っていた。
「さてさて。ビートルギルディ殿の部隊育成はどの程度が間に合うものか……我らの一角が倒されたことは伝わっている。思っているよりも近々に誰ぞが来ますぞ?」
ロックチョウデリットがツインテールの戦士に倒されたことは既に伝えた。興味を示した血の気の多いやつから順に現れる。もっとも、血の気の少ないスプレムスデリットなどいないのだが。
「のんびりしているとこの地も部隊も滅ぼす魔人が揃う。ツインテイルズ、属性勇者、アルティメギル……私を楽しませてほしいねえ?フフ」
白い悪魔は揃えたカードで始まるショーに思いを馳せてただ笑う。
こうしてどこの陣営も次の動きに向けた新たな準備を始めていた。
あっという間に午後の授業も終わって放課後。
いっしょに帰ろうって、友だちからさそわれたけど、残念ながら今日はパス。
なぜなら今の私にはしんこくな問題があるの。
なので図書室のすみっこで
「これだって名前がぜんっぜん思いつかない……!」
しんこくな問題はこれ。
ひじょーじたいにもほどがあるでしょ。せっかく授業中も寝ないでずっと名前を考えてたのに。
「そもそもとして、ツインテイルズとおそろいにできないのがさぁ~……」
机にぐでんと広がってみても めーあんは浮かばない。
最初はさー、テイル“ブルー”みたいな色でかっこよくいけると思ってたんだよ……でもね、そー思って変身した私を そーぞーしたら。
「テイルブルーと色かぶりすぎでしょ私……!」
ほぼ青と銀色だもん私。青と白のテイルブルーと色が似すぎてた。
エレメリオンは、私がイメージしたからこの色になったってゆーけど、とにかく色で名前つけるのはダメ。
かっこいいテイルブルーが先にかつやくしてるんだから私のメージが埋もれちゃうかもしれない。
『テイルスカイブルーやテイルシルバー等ではダメなのかい?』
「テイルブルー2号みたいでいや。シルバーも鎧がメインみたいでやだ」
『そうか……。』
エレメリオンがちょっと案を出してくるけどきゃっか。
テイルブルーは好きだけど、セットあつかいで埋もれるわけにはいかないの!ただでさえテイルブルーに捕まった、ひがいしゃAみたいに思われてるんだから!!
ブルーとはちがうってゆー“さべつか”が必要なんだよ!
「もぉぉ~~~!!このままじゃ『お前たちになのる名は無い!』ってツインテイルズのピンチの時しか出られなくなっちゃう~~~~~!!!」
よそーされる、いただけないじたいに机の上でごろごろ転がっちゃう。
ヒーローのピンチにさっそーと現れる謎のヒーローもかっこいーけど、まずツインテイルズが強いんだよめったにピンチにならないの!そんなツインテイルズを助ける謎のヒーローなんかしちゃったら私の出番とかほとんどなくなっちゃうでしょ!?
ついついさわぎすぎて図書室から追い出された……しかたなく帰ることにしたんだけど、ほんとどんな名前にしよう?
「かっこいい名前考えるってむつかしーんだなぁ」
エレメリアンなんか毎日のよーに出ちゃうんだから早く決めなきゃいけないんだけど、あせると よけーに思いつかないや。
『1人で考えて答えが出ないなら、誰かに相談してもいいんじゃないかい好香?』
「うー。そー簡単に言うけど、かっこいい名前なんて考えてくれそーなの総二兄くらいしかいないよ……」
エレメリオンの意見にも いちりあるけど。でも、私が「かっこいい名前いっしょに考えて」って言ったら……
ちい姉はきっと笑って相手にしてくれない。
スーパーゴリラに名前なんか ふよーかちい姉。私がスーパーゴリラって言ったら怒るんだから、自分で名前くらいつければいーのに。
おねーちゃんは手伝ってくれそう。
だけど、“かっこいい”っておねーちゃんのイメージじゃない。かわいい名前になっちゃいそうで不安。私はかっこいいヒーローの名前がいいの。
総二兄とトゥアールさんはいけそう……なんだけど。
トゥアールさん頭いいし、私が変身するってバレちゃいそうでちょっとなあ。そしたら総二兄にもバレちゃいそーだし。
お願いしたら しょーたいをひみつにしてくれるかなあ?
……その前にみんなまだ学校に行ってる時間でいないんだよね。くおお、頭をかかえるしかない。
「かっこいー名前が考えられて今すぐに そーだんできる人……うむむ」
どこかにいないのかーそんなうってつけのじんざいはー……あ。
「いた」
思わず足が止まった。なんで気付かなかったんだろう。いるじゃない総二兄よりもうってつけな人!
『頼りになる心当たりが見つかったのかい?』
「うん!ぴったりなひと思い出した!!」
エレメリオンに返事しながら私は走り出した。そーとわかれば、とぼとぼ帰っていられないからね。
ぜんはいそげダッシュだダッシュ!!
ふつーならずっといるはずなんだけど、意外と出かけてたりもするからまだゆだんできない。
「うりゃあああああああああーーーーーーー!!!」
ぜんりょくしっそーしてる間に家が見えてきた。でも今は帰ってきたんじゃないの。
目的地はおとなりのお家!喫茶『アドレシェンツァ』!!
やったとびらにOpenの札かかってる!
「あら?好香ちゃん?」
いきおいよくとびらを開けた私を、いっせーに振り返ったお客さんと
そう、未春おばさんだよ。最近かっこいーことよく言ってるみたいだし、もしかしたら総二兄よりもそーゆーの得意かもしれない。
お家が喫茶店だからこーやって会える時の方が多いし、これは間違いない じんせんでしょ、ふふん。
「おかえり好香ちゃん。んー、どうしたの?総二や愛香ちゃんに用ならまだ帰ってないのよ」
「あ、ただいま未春おばさん。えっとね、総二兄じゃなくて未春おばさんにその……」
未春おばさんは、お客さんの1人にコーヒーを淹れながら首をかしげた。
しまった。未春おばさんがいたのはいーんだけど、思ったよりお客さん多くていそがしそう。どーしよ。
「
未春おばさんにいちばん近いカウンター席のおじさんが、大げさに腕組みしてかっこよさそーなこと言ってきた。
レディって私?……なんか照れる。
「ココの噂を耳にするなんざ、それなりに事情があるって証だ。だろ?」
今度は真っ白なスーツと帽子のおじさんが、帽子を深くかぶり直して目元をかくしながら、こっちにほほえんできた。おお、ドラマで見た探偵みたい。
……やっぱり、ちょっと見ない間にかっこいい動きするお客さんが増えてる気がするなあこのお店。
「ふー、やれやれ。ノンビリと喫茶店マスターできると思ったら次の
未春おばさんもわざとらしーため息ついたら、さっとカウンターの奥から出てきた。そして流れるよーに私の手を引いてくれて、お店のはしっこの席に。
私を座らせて、その向かいに未春おばさんはニヤリと笑って座った。肘をついて顔の前で手を組んで……これもなんかドラマの刑事みたいでかっこいい!
「それじゃあ、話を聞こうかお嬢ちゃん。――さて、おばさんにどんなご用事なの好香ちゃん?」
「あ、うん」
と、思ったら自然なよーすでいつもの未春おばさんにもどっちゃった。お仕事のとちゅーだったのに私の話を聞いてくれるみたい。
えと、これはもう そーだんしてもいいんだよね?
……でも、これだけすらすらとかっこいーやりとりができる未春おばさんなら、私の力になってくれるはず。ううん、私の目はたしかなはず!よーし。
「お願い未春おばさん!朝、テレビに出てた新しいツインテールのヒーローの名前いっしょに考えて!!」
幼女「ヒーローは正体をかくすものだからそれとなくそーだんしないとね!」(隠すのが上手いとは言っていない)(但し、色被りを気にしたことで後々の名前被りは回避した幼女ファインプレー)
属性勇者「
・お客さん
探偵ドラマのテイストを取り入れた【仮面ファイヤー
総二たちが幼等部の時には続編【仮面ファイヤーデュオ】が放送。師匠として年齢を重ねた登場した鳴風壮一の人気もまた再燃した。
(残念ながら好香は世代が合わず。黄のツインテイルズなら恐らくめっちゃ詳しかった)