私、ツインテールが好きですか?   作:空魔神

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またもお待たせしました。先行ブログ版のストックが尽きないようにこっちの手もブレーキをかけてたので……

夏休み初日。つまりツインテール部は異世界に行くはずの18話


第18話

 夏休み一日目の朝。

そう、夏休みだからいつもよりゆっくり寝てられる、ベッドから出なくてもいい朝。時計を見たら……夏休みじゃ無かったら2時間目はじまってそうな時間だった。

 

 「うぅ……ねむいぃ」

 

でも私はまだ眠くて、ベッドから出る気になれない。だって、昨日はぜんぜん眠れなかったんだもん。

理由?

 

 「合宿ってなによ、ちい姉のばかぁ……」

 

そんなの、ちい姉が夏休みに家にいないとかゆーからよ!!何考えてんのちい姉!!

思ってもなかったじたいに、頭がこんらんして、エレメリオンとお話しすることもできなかったしちっとも寝付けなかったんだからね!!

 ぽつりと呟いちゃうと、ちい姉がいなくなっちゃうことハッキリ意識しちゃってさびしくなる。

だから!昨日の、なんでもないよーな態度で合宿行くとか言い出したちい姉を思い出したら、腹が立ってきた。なによなによ私の気持ちもけーかくも知らないで!

がばっと布団をかぶって、怒りをぶつけるよーに足をばたつかせる。

私がいくら蹴っても、ぽふぽふとベッドは受け止めるだけ。ちい姉みたいにベッドが割れそーになったりはしないよ。

 

 「もういいや。起きよ……」

 

ベッドを蹴ってるうちにだんだん目がさえてきた。寝ててもいーんだけどね夏休みだもん。でも今は、ベッドにいても合宿行くとかいーだしたちい姉しか頭に浮かんでこないもん……

ふらふらーと立ち上がって部屋から出て洗面所にむかった。

 

 

 「こーなったら、ちい姉が出かける日までに何とかして新ヒーローの とーじょー するしかないかなぁ……?」

 

なんか足がもつれるけど階段を下りながら、まだちょっとぼーっとする頭でこれからの よてー を考える。

 夏休みの間に、かっこいー私を見せつけるつもりだったけど、かんじんのちい姉がいないんじゃスケジュールの ちょーせー が ひつよー になるから。

合宿先でもニュースとかで見るかもしれないけど、それだとちい姉がちゃんとびっくりしてるかが、私にわからないでしょ。

私はちい姉をびっくりさせてやりたいの!

一番は、ちい姉が家にいる間に私とゆー新ヒーローの出番があることなんだけど。だからって、エレメリアンが早く出てこいってゆーのはちょっとちがうと思うし。

 

 「でも、エレメリアンがいないのに変身するのも変かなあ……うーん」

 

でもヒーローだけがしゅつどーしてるってゆーのも変な気がする。パトロール?でもキューティピュアもビーストマンも街を回るのに変身してないし……やっぱり変身は怪人が出た時にするものだよね。いやいやでも今回はちい姉に見せるのが間に合わないかもってゆー ひじょーじたい だし……でもだからって。

 寝起きの頭じゃいいアイデア浮かばない。うぅ、これもちい姉のせいだ。

 

 

 

 リビングのドアを開けたら、おねーちゃんとちい姉が何かお話してた。

 

 「おはよー、おねーちゃん、ちい姉」

 「おはよう好香。あらあら、夏休みになった途端にお寝坊さんね」

 「おはよ、ってうわ。なんて格好してんのよこの寝坊助は……」

 

声かけたらおねーちゃんは笑うし、ちい姉はちょっとびっくりしてる。いーじゃん、それが夏休みなんだから。で、ちい姉の はんのー は何……あぁパジャマのズボンがずり下がってたのか。歩きにくいと思った。

 

 「さっきから足がもつれると思ったらこれかぁ。でも夏休みだしいっかぁ……」

 「よくないわよだらしない。ほんっとにもー、休みになった途端、ダメな方にスイッチ切り替えちゃって」

 

 おーげさにため息ついたちい姉が、「どーしよっかあのチビスケは」なんておねーちゃんに言ってる。

むむ、自分だってさっそくどっかお出かけしそうなカッコでバッグ持ってるじゃん。夏休みだからって気が早いんじゃないの?

 

 ………え?

 ……お出かけ?

 

 

 「……?何、どうかした好香?」

 

 いやな予感がして、ちい姉のカッコをじぃーっと見つめちゃってたら、私の視線に気づいたちい姉が首をかしげた。

そのとなりにいるおねーちゃんは、私の様子に、はっとしたような顔してちい姉の方に勢いよく振り向いてた。なんだろ?

でも今はおねーちゃんのことよりちい姉だよ。まさか……ね。

 

 「ちい姉……そのカッコ何?お出かけするみたいに見えるんだけど、き、気のせい、だよね……?」

 

おそるおそるバッグを指差しながらちい姉に聞いてみる。声もちょっとふるえてたかもしれない。どーか私の勘ちがいでありますよーに!!

 

 「ん?そうよ。昨日言ったでしょ、部活の合宿。あれ今から行ってくるの」

 

………

…………

……………

 

 「えええええええええええええええええええええええええええええええ!!!??????」

 

なにそれなにそれ!?今からってどーゆーこと!?さけんだ私にちい姉がびっくりしてるけど、びっくりしてるのはこっち!!ちい姉自分が何言ってるかわかってんの!!?

 

 「なんで今から行くの!?」

 「な、なによ!?なんでって、そういうスケジュールなんだから―」

 「昨日はいつ行くか決まってないって言ってたくせに!!」

 「さっき決まったんだって。足元で大声出すんじゃないわよ、なにをそんな怒ってんのよ?」

 「だってだってっ………」

 

さっき決まったって……夏休みの最初から出かけることないじゃん!!なに怒ってるってそんなの、そんな……!え、まさか合宿って夏休みずっと………!!?

 

 「うぅ、うううぅぅ~~~……ちい姉のばかーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!!」

 「は!?ちょ、ちょっと好k――」

 

 もういろいろ我慢できなくなってリビングを飛び出しちゃった。

 

 

 

 「は!?ちょ、ちょっと好香――なんなのよあいつは」

 

 呼び止める間もなく、リビングを飛び出していった好香に、手を伸ばしたまま固まる愛香。

寝ぼけ顔で降りてきたと思ったら半泣きで逆戻りしていく妹。訳が分からず見送るしかなかった。

 

 「あーあ、愛香がいきなり泊まりで出かける(合宿)なんて言うからよ」

 

同じく、階段を駆け上がっていく好香を見た恋香は、しまったなあ、という様子で少しばかり咎めるような視線を愛香に送る。

 

 「えぇ?いきなりって、他にどう言えばいいのよ……」

 

恋香の視線に心外だと目を丸くする愛香。

確かに出発は急遽になったが、元々の予定を伝えただけであんなに騒がれても困る、としか言えない。まして泣かれるようなことを言ったつもりは無い。

 

 「去年の修学旅行の時も大変だったのよ。でもあれで少しは慣れたのかなあ、と思ってたんだけど。今度は【夏休み初日から愛香がいない】って心の準備がなかったのねえ」

 

去年……の出来事を懐かしむように苦笑する恋香。

そして愛香も姉の語るエピソードを思い出して、うげ、と息を詰まらせた。

 去年。つまりは中学生最後の年には当然、愛香も修学旅行があった。

一週間程度、愛香が家にいないと知った時の好香は、それはもう大変だったのだ。

 当時、愛香は一緒に行く、と言いはる妹を【修学旅行に興味がある】だけと思い、適当にあしらって出発した。

結果として、それは失敗だった。

総二と進展できなかったこと以外は概ね楽しんだ修学旅行から帰ってみれば、砲弾のように突撃した好香にボディへの頭突きか抱きついたのか分からないことをされたのが初め。妹はそこからしばらくくっついて離れてくれなかった。数日間、何を言っても離れないチビスケに辟易としたものだ。

しかし、自分がいない間、まるで電池が切れたように放心している好香の映像を恋香に見せられると、ちくちくと心が痛むわけで。無下に引っぺがすのも躊躇われる……という地味にハードな修学旅行明けになったのだった。

 もっとも恋香にとっては、ちい姉欠乏症の好香、文句を言いながらも妹に最後まで付き合う愛香、の両方を嬉々として摂取したり映像保存して堪能できた充実の日々だったのかもしれないが。

 

 「あ~~……そうだった。構ったら煩いし構わないとめんどくさいんだからもぉぉ~~……」

 

当時の気疲れが掘り起こされ、頭を抑える愛香。

 そして出発がほぼ当日発表の形になった今回。言われてみれば、下手をすると前よりもぐずぐずと凹んだり、その後に貼りついてくるかもしれないのが容易に想像できた。と言うか今しがたリビングを飛び出した様子からすれば、このままではほぼ確定事項。

想像するだけで疲れる。ため息がこぼれた。

 加えて今はツインテイルズの活動もあることを考えると、ずっと構ってもいられない。なによりめんどくさい。

結果として貼りついてくる時間が増えるのだろう。また気が滅入る。

 

 (好香の辛気臭いの顔なんて見たくも無いっていうのに……)

 

それ以上に、ちょろちょろと動き回って笑ってるのが、あの生意気な妹には似合っているという気持ちもある。

 つまりは、妹がしょぼくれるのを分かって放置する選択肢は愛香にも無いのである。

 

 「出かける前にご機嫌とっておいた方がいいんじゃない?」

 「はぁ~。しょ~うがないなぁ、末っ子サマをおだててきーまーすー。あたしがいない間はお姉ちゃんが何とかしてよ?」

 

 出発前のとんだ一手間に頭を振る愛香。帰ってからの面倒は少しでも減らしたいので、恋香にも合宿中のお守りを念押した。

 

 「大丈夫よ。私はどんな好香でもイケるもの」

 「お姉ちゃんは他人事だと思ってぇ……」

 

穏やかな笑みに見かけたいい笑顔で親指を立てる恋香に、愛香は眉がハの字にならざるを得なかった。

このできた長女は、三女についてはその百面相を楽しんでいる節がある。またその録画を優先して、こちらの気疲れは考慮せず最低限のフォローしかしてない好香を渡される気がする。こういう場合は今一つ信用ができなかった。

 

 実際の所、愛香の自覚が薄いだけで、恋香は【振り回される愛香】についても楽しんでいる。当てにできなくて当然なのである。

 

 

 

 「ほんっとにもー。ほら来てやったわよチビスケー」

 

 リビングを出て好香の部屋に向かった愛香は気怠そうにドアを開けた。

ノックはしてない。どうせ、さっきの様子だと拗ねて無視するのは分かり切っている。

 

 「あれ?」

 

 想像と違う光景に愛香はパチリと瞬き。

てっきり布団にくるまってベッドで拗ねていると思っていた好香の姿が無かった。

 

 「またあたしの部屋に入ってるわねあいつめ」

 

と、いうことは例によって自分の部屋だろうと悟る愛香。

不機嫌にさせた相手の部屋で拗ねるとかどういうつもりだ、小さい仕返しのつもりか?なんて、妹の発想を推察して肩を小さく竦めた。

 

 しかし、改めて自室のドアを開けると、そこにも好香はいなかった。

 

 「え?あたしの部屋でもないの?」

 

物音はしてないので、知らない間に玄関から出たということも無いはず。いつもと違うパターンに首を傾げた愛香。

と、その目に開かれた窓が映った。

 最近は毎日のように、隣家の総二の部屋に飛び入りする通路になっていて、窓なのか扉なのか役割が怪しかったりするそれ。

ついでに、その窓から見える総二の部屋の窓も開いていた。

 

 「んん……?」

 

好香()の居場所に察しがつき、愛香の表情がちょっぴり【怒ったちい姉】になった。

 

 

 

 ――数分前に戻って。

 

 「ちい姉のばかばか!!」

 

リビングを飛び出して一直線に自分の部屋に走った。

ちい姉がなんか呼んだ気がするけど知らないもん!

ベッドに飛び込もうってドアノブを掴んで……あることに気付いたの。

 

 「いきなり今日から合宿って……」

 

そのよてーって誰が決めたんだろ?

合宿……部活……じゃあそーゆーの決めるのって ぶちょー かな。ちい姉の部活ってツインテール部?だし ぶちょー って言ったら……

 

 「むむむむむ……!」

 

ちい姉が出かけちゃう原因がわかった。わかったらその相手に腹が立ってきた。

こーしちゃいられないこーなったら じかだんぱん してやる!

 自分の部屋のドアノブから手を放して、ちい姉の部屋のドアを開けた。

窓から見えるおとなりの窓は――よし、開いてる!

私は、窓枠によじ登って、おとなりの―総二兄の部屋の窓に飛びこんだ。

 

 「てぇいっ!」

 

 

 窓から総二兄の部屋に飛び込んだら、ぼふっとベッドに落ちた。

がばっと顔上げたらびっくりしてる総二兄が目の前に。総二兄みつけた!!

 

 「好香!?何してんだ危ないだr」

 「そーじにーでしょーーーー!!!ちい姉をいきなり連れてくのはーーーーー!!!!!」

 

総二兄がなんか言い終る前につめ寄った。だって、こーぎ するのは私だもん!総二兄はだまって聞くの!!

 

 「なんで夏休みの最初の日から合宿にしちゃうの総二兄のばかーーーー!!」

 

総二兄の胸元をぎゅっとつかんで文句を言ってやる。なによ!がっくんがっくん揺れてないで なっとく のいく答えを言ってよ!無いなら合宿なんか反対だもん反対!!

 

 「ちょ、いきなりなんだ……それより揺らすなっ、お前の力で引っ張ったらシャツが破れる破れる!!」

 「シャツよりちい姉でしょー!!私のちい姉とのよーてーーいぃぃーーーー!!!」

 「おわっ!!」

 

 ゆさぶってたら、総二兄がバランスくずして引っくりかえった。

よし、逃がさないように上に乗っちゃえ!

総二兄のお腹にぺたんと座った私は、まだ何も言わない総二兄を見下ろした。しらばっくれよーったってそーはいかないんだからね!

 

 「これで逃げられないからね。さあどーゆーことかせつめーをぶっ?」

 「いてて……ちょっと待てって。説明してほしいのは俺だよこの小型猛獣め……!」

 

 総二兄のじんもんを続けよーとしたら、両手伸ばしてきて顔をはさまれた。振りはらおうとしたけど、しっかりつかまれてて顔が動かせない。ぐむむ。

 

 「まずは落ち着いて順を追ってだな……いや、その前にちゃんと服を着ろ。家の外に出てくるかっこじゃないだろ!」

 

 総二兄は私を見て呆れたように言ってくる。

ああそっか。起きた時のかっこのままあわててきたから、パジャマの下が脱げて片足に引っかかったままになってた。

ってそんなのどーでもいいし!!

 

 「それどころじゃないでしょ総二兄!!」

 「こっちの台詞だ!それどころだよ!!」

 

うぐ。なんで総二兄の方がさけぶの。でも今ちゃんとはきなおそうとしたら総二兄の上からどかなきゃいけないし、事はちい姉の今後についてだからホントにそれどころじゃ……

 

 「だって急いでたし……総二兄にげない?」

 「逃げない逃げない。ごちゃごちゃ言う前に服を着るのが先だ馬鹿。はぁぁ~~……愛香も恋香さんもズボンも穿かずに走り回るチビを放って何してんだよ……」

 

 下じきになってる総二兄が頭を抱えて せーだい にため息をついてる。

何よ。私がこんなにあわてなきゃいけないのは、総二兄が夏休みそーそーにちい姉を連れて行こーとするのが原因なんだからね。

 

 「何してるっていーたいのはこっちだもん。わかってるの?」

 「だから口答えの前に!はしたないから身なりを直せ!!」

 

 口をとがらせたら、私の下じきになったままの総二兄が床をたたいてさけんだ。

これじゃ叱られてるみたいじゃん、怒ってるのは私の方なのにぃ。

 

 「トゥアールストライク!!」

 

 「うおおお!?」

 「ひゃあ!??」

 

 総二兄の上からおりよーとしたら、イキナリ部屋のドアが蹴り開けられた。

間一髪で総二兄は飛び起きて、頭に当たりそうだったドアをスレスレで避けた。

その総二兄にのしかかってた私は、とーぜんいきおいで引っくり返るはずだったんだけど、そーならないようにしっかり総二兄に抱きとめられてた。

 ドアを蹴り開けたのは……トゥアールさんだった。

トゥアールさん、すごいあわててたみたいで息を切らしてる。でもキックでドア開けるとか、トゥアールさんもちい姉みたいなことできるんだ。

 

 「ぜーぜー……何気なくタブレットにカメラ中継したらまさかの光景。いくら好香ちゃんでもこれはダメです!!ダメ!!」

 

 キッと眉をつり上げたトゥアールさんが私を指差してさけんだ。え?私!?

 

 「え、その、あの」

 

びくっと体がふるえた。

トゥアールさんがこんなに怒るなんて、かっこを気にせず飛び出してきたの、そんなにいけなかったかな……

でもでも、ちょっとぱんつだけでおとなりの家になぐりこんだくらいで大したことは……

 あれ?ちょっと れーせー になると、そーとーダメなかっこしてる気がしてきた。確かにトゥアールさんにまで見られてると、はずかしくなってきたかも……

 

 「ほら。トゥアールだってこんなに怒るんだ。好香はもうちょっと――」

 「総二様を押し倒してその先まで行くのは私ですからね!!優しいトゥアールさんでもこれは好香ちゃんにだって譲れません!!!」

 

 「何の話だあああああああああ!!!!!怒りのポイントが違うだろそこじゃねえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」

 

あれ?トゥアールさんが怒ってるのって別のことなの?総二兄がさけんでるけど、それじゃトゥアールさんなんで怒ってるの?

いやでもでも、トゥアールさんが怒ってる理由はよくわかんないけど。服着てないのしかられてるんじゃないなら、私も引き下がるわけにはいかない。

 だってそうでしょ。

 夏休みの間ずっとちい姉がいないとかそんなのやだ!

新ヒーローの自慢もできないし、宿題だって手伝ってもらえないんだよ!それにそれに、いっしょにご飯食べたり遊んだりもできないんだよ!いっしょにも寝れないし……

もーちょっとちい姉といっしょにいたいよぉ……ちい姉といっしょにいられるようにしてほしい……

 

 「だってだって、そんな夏休み最初から(合宿なんか)するなら、いっそ私もさそってくれたっていいのに……」

 

 トゥアールさんにツッコんでる総二兄のシャツを引いて、不満のひとつを伝えた。

考えたらまたさびしくなってきちゃったせいで、俯いて声があまり出なかったけど。

なんで私はちい姉といっしょにいられないの?どーしてもちい姉が行くなら私もついていきたい。

 会話を止めた2人が、キョトンとして私を見つめる。変なこと言ったかな?

 

 「えぇ?好香もしかして一緒に―」

 「――っ!!なるほど好香ちゃんは、私に総二様と一緒に誘われたかったからそんなかっこだったんですねじゅるる」

 「トゥアールなんて?」

 

総二兄もトゥアールさんもちょっとは分かってくれたみたいなんだけど。総二兄の方は、なんかトゥアールさんの方を見て固まっちゃった。

 

 「そういうことでしたか。いやこれは怒ったトゥアールさんが大人げなかったですね。総二様と極上の幼女(好香ちゃん)のハッピーセットなんて大歓迎ですよもちろんグフフ」

 「え!それじゃあ私もいいの!?」

 「ちょっと待ってくれ話が噛み合ってる気がしない」

 

トゥアールさんが私も来るのOKだって!

ちい姉といっしょにいられるなら家でも合宿でも私はぜんっぜんかまわないから。むしろちい姉とお出かけできるんだと思ったら合宿の方が……えへへ。あ、それならおねーちゃんもいっしょに来れないかなあ。

 でも総二兄はひょーじょーが固まったままストップかけてくる……ダメなの?

 

 「大丈夫ですよ総二様。もうすぐ出発時間ですし、今はちょっと好香ちゃんをつまむだけでおひひひ……」

 「待て待てやっぱり噛み合ってないだろ大丈夫に思える顔じゃねえよ!!」

 「総二兄、私じゃダメなの?」

 「そういうことじゃなくてな!?ややこしいからちょっと待っててくれるか好香!」

 

トゥアールさんと総二兄がまた揉めだした。がんばって総二兄をせっとくしてほしいなトゥアールさん。

これでなんとかちい姉といっしょにいられるようにならないかなあ……

 

 話が終わるの待ってたら、トゥアールさんが笑顔で私を見た。わぁ、ちょっとドキッとしちゃうくらいキレイな笑顔。やっぱりトゥアールさん美人。

 

 「絶対、誘ってあげますから!今はちょっとペロペロするだけで我慢してくださいね好香ちゃん!!」

 「え?」

 

 なんか白衣を脱いだトゥアールさんが抱きしめてきた。けっきょく、私は合宿いっしょに行けるのかな?

トゥアールさんに期待していーのかな。

 

 「トゥアールさんにお願いしてもいーの?」

 「ふへへ、そうですトゥアールさんにお任せですよ。まずはその可愛いぱんつを脱い――」

 

 

 「させるかクソボケロリコン痴女おおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 「幼女から誘われて同意の上だったはずなのにいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!」

 「え?え!?」

 「おあああああああ壁ええええええええええ!!!!!」

 

 トゥアールさんがだんだん笑顔をぴくぴく震えさせながら顔を近づけてきたと思ったら、いきなり吹っ飛んで壁をやぶって向こうの部屋の壁に突きささった……

ななななななに!!??

 じょーきょーがさっぱりわからなくなって目をぱちぱちさせてたら、誰かがぽん、と肩に手を乗せた。

総二兄、じゃないや。壁の穴を見てヒザをついてる。

 

 「ふぅー……好香」

 「あれ、ちい姉?」

 

ちい姉だった。いつの間にかお部屋にいる。

あ、カーテンが揺れてる……そっか、私と同じで窓から入ってきたんだ。

でもそうだね。トゥアールさん吹っ飛ばせるのなんてちい姉しかいないよね。

 

 「あのね、聞いてちい姉!合宿だけど私―」

 「その前に、ね」

 

それよりもトゥアールさんが私も合宿来てもいいって、OKしてくれそうな感じだったのを言わなきゃ!

と思ったんだけど?

ちい姉なんか右手を振り上げてるんだけど??え?

 

 「あんたもあんたで!!何してんのよチビスケええええええ!!!!!」

 

ごどん。

 

ものっすごい音が頭にひびいた。

 

 「いいいぃぃっっっ~~~~~~~~~~……………たああああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~いぃぃぃいいいいい!!!!!!」

 

いたいいたいいたいいたいいたいいたい!!!!!!!!頭どころじゃない全身がびりびりしてくる!!!なにすんのちい姉!!

 

 「あううう……なにすんのちい……いたぁぁぁいいい~~~~~~~~!!!!!!」

 

だめ。痛すぎて文句言うどころじゃない。目もちかちかしてきた。

ちい姉なんでぶつの。なんでなんでぇ……いたいよぉぉぉ~~~。

 

 「ほんっとにもぉ~~~。出かける直前だってゆーのに、ウチのチビスケがごめんねそーじ……」

 「いや、それよりも壁とかがその、な……おう」

 

痛すぎて部屋をごろんごろん転がってる私を放っておいてちい姉と総二兄は何してんのよばかぁ!……いたいいたいぃぃぃぃ~~~~~~~!!!!!!!

 

 




ツインテール部がすんなり異世界合宿に行けるとは言っていない(^u^)

アルティメギルも育成休暇の声名を出してますが、ちい姉が気がかりすぎて好香はまだ知りません(エレメリオンは知ってる)

これでもちい姉はちゃんと妹に手加減してるんですよ壁に突き刺さってる痴女を見て下さいよ。
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