私、ツインテールが好きですか?   作:空魔神

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ようやく変身する兆し(とその他)が出てきたと思う第4話ヽ(^o^)丿


第4話

       『――――か。』

 

 ――誰?

 

       『――し……か。』

 

 ――誰か呼んでる?

 

       『――好香。』

 

 ――私が呼ばれてる。

 

 

 頭は少しぼんやりとしてるけど、目を開けた私はよく知ってる場所にいた。お隣の総二兄のお家、喫茶店『アドレシェンツァ』。その席のひとつに座ってる。そしてテーブルを挟んだ向かいの席にも誰かいる。

【誰か】って言ったけど私の目には人の姿は映ってない。目の前にいるのは、ふわふわ浮いてる虹色に光る球だった。

 

 「私を呼んだのはあなた?」

 

でも私はそれとお話してる。

 

 『そうだ。』

 

うなずく代わりみたいに光がちかちかと明るさが変わった。聞いたことのあるような声。知ってる、最近も夢で聞いた声。どこか温かさのある声。

 

 『好香が少し思い出してくれたから、ここまで繋がることができた。』

 「ずっと『私のきもちを思い出して』って言ってたよね。でもまだ何のことなのかわからないの」

 『そうか……だがあまり時間は無いんだ。』

 

光から聞こえる声が少しさびしそうになって――すぐにキリッとした調子に変わった。

 

 『私は好香の力になる為に来た。キミの住むこの世界を、多くの世界と同様の静かな滅びを与えない為に。』

 

話ながら光が座席から離れていく。追いかけて手を伸ばしたけど届かない。

 

 ――待って

 

声も届かなくなってる。

 

   『キミがしてくれたことは忘れない。そして侵略者と戦うことは私の使命でもある。』

 

  ――ねえ待って

 

光の声もだんだん遠くなっていく。

 

    『好香の世界を守る為に戦いたいその為に――』

 

言葉の最後は聞こえなかった。ただ、虹色の光の中に銀の人影が見えた気がした。

 

       『まだ夢の中でとは言え、元気な姿のキミと話せて嬉しい。』

   ――あ、私、服着てないや

 

 

 

 

 

 「まだ行かないで!」

 「いったぁ!!」

 「ふぇ?」

 

 手を伸ばしたらなんか堅いものに当たった感触と、さっきまでと違うはっきりした声が聞こえた。てゆーかさっきまでの声じゃない。今度は誰?

 

 「あれ?ここどこ……?なに話してたんだっけ……?」

 

体を起こしたら私のベッドだった……ちい姉がおでこ押さえてもだえてる私の部屋だここ。じゃあ誰かと話してた気がするのは夢……?なんか大事そうな話のよーな感じも残ってるけど、うむむ?

……あれ、今、部屋に変な景色なかった?

 

 「え?」

 

確認するより先に私の顔の前が暗くなった。中指丸めたちい姉の右手?

 

 「このチビスケぇぇ……さっさと夢から覚める!」

 

ゴヅンって絶対デコピンじゃない音が私のおでこからして、衝撃でベッドに引っくり返った。

 

 「いっっ………たああああああああぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~い!!!!!!!」

 

頭が割れるかと思うほどめちゃめちゃ痛い。馬鹿じゃないのちい姉!!

 

 「痛いのはこっちよ……とっとと起きて顔洗ってきなさい!」

 

いきなりひとのおでこにこんな真似してその言い草はなんなの!?おでこがじんじんする……泣きそう。

 

 「いたぁいぃぃ~……いきなり何するのちい姉のばか!!うぅ、おねーちゃーーーん!ちい姉がひどいんだよ~~~~~~!!!」

 

リビングにいるはずのおねーちゃんのとこに走る。昨日はなんか優しいと思ったのに!朝からひどい!!おぼえてろちい姉めぇ。

 

 「いつつつ……!なによ、こんな一発打ててドタバタ騒げるなら元気そうね」

 

なんかおでこ押さえたちい姉が言ってる気がしたけどそんなの知らない。階段かけおりてきた私に目を丸くしてるおねーちゃんに飛びつくのが先だもん。

 

 

 

 

 「それでそんなむくれてんのか好香。どれどれ……うわ、まだ赤いな。どんだけ力いれたんだよ愛香」

 「人聞きの悪いこと言わないでよ、トゥアール相手じゃあるまいし割れないように加減してるわよ。こっちだって不意打ちでおでこにちょうど掌底もらってまだ赤いんだから。あーもう学校行くの憂鬱……」

 

 総二兄とちい姉が、私の赤くなったおでこを見ながら話してる。ちい姉はジト目で私を見下ろしながらゲンナリしてるけど、それは私も同じだもん。ううん、私の方がぜったい赤くなってるし。ちい姉の方がどれだけ力強いと思ってんの。

 

 「私だってゆーうつだよ。私はわざとじゃないのにちい姉、私より力いれたでしょ。スーパーゴリラ」

 

すね蹴ってやる。これくらいやって同じくらいだよ、ぜったい。やった、きれーに入ってちい姉が跳ねた。ふふん、たまには思い知ったかちい姉め。

 

 「あいたぁっ!こんの、昨日の今日だから優しくしてたら調子乗って……」

 「ふんだ。優しいってゆーのは、おねーちゃんみたいな人だもん。ちい姉なんか服着たゴリラでじゅーぶんですよーだ」

 

ちい姉が厚かましいこと言ってる。寝起きにデコピンしただけのちい姉と、ちゃんとおでこ冷やしてくれたおねーちゃんとじゃ、どっちが優しいかなんて一目りょーぜんでしょ!

やっぱりもう一発くらい蹴ってやるちい姉め。あ、よけられたゴリラのくせに。

 

 「よーし、もう一発お見舞いされたいわけねこのチビスケ!」

 

私を捕まえようと伸ばしたちい姉の手を飛び退いてよけた。ふふん、広い外なら昨日の夜みたいにすぐ捕まったりしないもんねーゴリラちい姉。

 

 「ナマイキな……」

 「まぁ待てって愛香。寝起きにぶたれたら好香だって不機嫌にもなるさ。だろ?ちょっとくらいは手加減してやれって」

 

追いかけてこようとするちい姉の前に総二兄が立った。ほーら見ろちい姉め。総二兄だって私の味方だぞーうらやましいでしょ。

 

 「そーじまで好香に甘いんだから。子供相手なんだから、じゅうぶん手加減してるってば。本気だったら割れてるわよ」

 「割れなきゃセーフって、お前の優しさの基準はどこなんだよ……好香も、面白くないのはわかるけど愛香を怒らせるな。偶然でも愛香の顔打ったのは悪い、だろ?今だって蹴りつけるのはどうかと思うぞ。わかるだろ?」

 

むぐ、私にもおせっきょーするのか総二兄。わかるけど、そう言われてもモヤモヤするものはするでしょ!私はまだこーせんするんだから!

総二兄がちい姉をなだめてる隙にトゥアールさんの後ろに隠れた。目には目、ちい姉にはトゥアールさんだ。揺れる白衣からちい姉に向かって顔だけ出した。

 

 「べーっ!」

 「よーし。トゥアールが盾になると思ったんなら、盾の脆さを教えてあげるわチビスケ」

 「ちょ、好香ちゃん蛮族の盾にしないででもこんな可愛い幼女にしがみつかれたらこの身を懸けて立ち向かってしまう!」

 

私をつまみ上げようと迫ったちい姉の手を、トゥアールさんが華麗に白衣で受け流した。その一瞬に私も抱き上げて、わ!後ろ向きに宙返りしてちい姉の手が届かないとこまで離れた。やっぱりトゥアールさんも凄い人だ。

 

 「トゥアールさんやっぱりかっこいいぃぃーーーっ!大好き!!」

 「ひぃえええ朝から幼女が抱きついてくれるご褒美!!紛れもなく今日は吉日ですよラッキデー!!そうですとも好香ちゃんの為ならトゥアールさんはゴリラの突然変異した蛮族には負けませんよ!!」

 

トゥアールさんに抱きしめられたら、やわらかくていいニオイいがする。さすがちい姉のライバル。このおねーさんも好き。抱かれたままハイタッチしてたら、ちい姉が悔しそーにギリギリと歯ぎしりしてる。

お、総二兄がちい姉を落ち着かせようとツインテールをさわってる。直ぐおとなしくなってきたちょろい。

 

 「ふへへ幼女から飛びついてくれるとか何時ぶりですか……しかもこんな極上のやつがよぉ……抑えろ抑えなさい私……とりあえずちょうど赤くなってるおでこペロペロしてあげて気持ちを鎮めて……」

 「そのツラを妹に近づけてんじゃねえええええ!!!」

 「ごあああああああああああ幼女から頼られたのに悪党扱いされる理不尽んん!!!」

 「トゥアールさーーーーーん!!!?」

 

なんてことだトゥアールさんが何かぶつぶつと息荒くしてつぶやき始めたと思ったら、ちい姉の膝蹴りで地面に3回バンウドしてからくずれ落ちちゃった。膝蹴りの威力で人間が3バウンドするってどうやればいいの……ゴリラなんてもんじゃないでしょちい姉。

 私は、にぎってたトゥアールさんの白衣に引っ張られて空中に飛ばされた瞬間に襟首つかまれて、ちい姉に持ち上げられてます。なにこれ格ゲーの浮かし技みたいなことをなんで普通にできるのちい姉。そーっとちい姉の顔色うかがってみたら……見るんじゃなかった。ちい姉は殴った分だけちょっとスッキリしたようにさわやかな顔してる怖い。その笑顔のまま持ち上げた私に目線合わせてくる怖い。

 

 「さーて可愛い好香ちゃんに優しい優しいちい姉から質問です。10数えるまでに謝れば許してあげる。どうする?」

 

めちゃ怖い。総二兄はあきらめた表情で首を横にふって、抵抗するなとうったえてくる。うん、これ以上はやばいのわかってる……ここからちい姉に本格的に喧嘩売れる度胸は無いよ怖すぎて泣きそう。

 

 「………ごめんなさい」

 

ちい姉が数えだすより先に謝るしかなかった。だって仕方ないでしょ本気で怒ったちい姉めちゃめちゃ怖いんだからね!!

 

 

 

 

 

 初等部の昼休み。

おでこ赤くして学校行けば、それについてきかれるのは当たり前なわけで。時間のある昼休みには自然と詳細を聞きたがる友達との会話になる。私だって、こーなったら友達にぐらいはちい姉の文句言ったっていいでしょ。

昼食の話題に今朝の出来事を話せば、返ってくる答えはだいたい2つ。

 

 「好香ちゃんのお姉さんってあのツインテールの人でしょ?そんな怖い人に見えないのに意外~~」

 

という知らない意見。

 

 「津辺のお姉さんって伝説の【小魔王姫(サタンプリンセス)】だろ。それに蹴り入れたとか正気かよ津辺……」

 

私の行動を勇気ではなくむぼーだと引いてしまう、知ってる意見。

 

どっちも正しいんだけど私としては

 

 「ちい姉は動かないと美人なのに荒っぽすぎるの!私はちい姉とちがって熊とかやっつけられないんだから、同じレベルで考えないでほしーと思わない!?そんなかっこいいのちい姉くらいなんだから!ねえ!ふつーそうでしょ!?」

 

という腹立たしー所業についていろいろつみ重ねがある。今日だけじゃないんだから。ちい姉は美人で強くてかっこいいくせに妹の扱いが雑なんだもん。こーぎしたっていいでしょ!?

 

 

 「姉自慢か」

 「不満なのか惚気たいのかどっち」

 「好香ちゃん怒ったテンションでよくそれ言えるね」

 

 

だというのに、この周りの声はなに解せぬ。

 

 

 

 

 

 ちい姉への愚痴をクラスメイトに褒めてるとしか受けとってもらえないまま午後になった。私の友達はちゃんとひとの話聞いてるの?まったく。

 こそっとスマホを見ると、ツインテイルズが海外で戦ってるなんて速報。めずらしく海外にエレメリアンが出たのかな。

ま、そんなことは関係なく私は掃除の時間。面倒なことに今週はゴミ捨て担当なのでゴミ袋持って移動中。

 

       『好香、それ以上、進んではいけない』

 

 「え?」

 

声が聞こえた。

 

       『気を付けるんだ。この先には危機が迫っている!』

 

また聞こえる。今朝、夢で……その前にも聞こえたのと同じ声。今まででいちばんはっきり聞こえる。

 

 「ねえ、あなた誰なの?どこにいるの!?」

 

 

声は先に進むなと言ってるけど、声の正体が気になる私は足を進めてしまった。ここの校舎の角を曲がればグラウンドが見えるゴミ捨て場に続く道。

 

 「あ……」

 

 そこには――エレメリアンがいた。

体つきは人間みたいだけど、もっと大きくて白くて羽のある鳥っぽいやつが立ってる。上を向いてるけど空か校舎の上の階見てるのかな?

 なんで二日続けて会うのとかツインテイルズは海外ってニュースで言ってたのになんでこっちだけ初等部の校内にいるのとか疑問はあるけど、いちばん気になることは

 

 「あなたが私に話しかけてたの?」

 

ずっと私に話しかけていた人?かどうかってこと。声をかけたら、そのエレメリアンはゆっくりとこっちを向いた。

 

 「ム……このあたりの女児はほぼツインテール属性が拡散されたと思っていたが珍しいな」

 

私が聞いてた声じゃなかった。人?ちがいってことはエレメリアンだし防犯ブザー、はランドセルにつけたままだしスマホから通報……まず先生呼ぶ方がいいのかな。

 

 「騒がれると面倒なのでな――お前の属性力(エレメーラ)からいただこうか」

 

       『いけない!走るんだ好香!』

 

 ポケットからスマホを出してたら、鳥エレメリアンの声と探してる声が聞こえて――景色が回って、次の瞬間は私の目に映るのは空だけになった。

 

 

 「下から眺めるのも悪くはないが……やはり空と風の中で見るのが絶景よな」

 

右足をつかまれて逆さまに空を運ばれてる。自分の状態を理解するころには学校は見えなくなってた。

 

 「―――――っ!―――――――っっ!!」

 

スカートめくれてじっとパンツ見られてる気がするけど、ものすごいスピードで飛ばれて声が出せないし体が痛いし高すぎの速すぎで怖くてそれどころじゃない。なんかしゃべってるのもよく聞こえない。

 

 「アルティメギルに見つかると面倒なんですぐに属性力(エレメーラ)を食わせてもらうから案ずるな。直に恐怖も感じなくなる」

 

風でよく聞こえないのに言ってる事もよくわからない……でも、なんか怖いことされるのはわかった。昨日のスクウェレルギルディはきもかったけどそれとは全然ちがう怖さ。向かい風に関係なく体が震えてきた。

 

 (やだ、怖い……!助けて誰か……!テイルブルー……ちい姉!!)

 

頭に浮かぶのは強くてかっこいいと思った2人。でもどっちもいないしこんな空の上で――もう駄目だ。こんなことならちい姉に意地悪するんじゃなかった。

 

 

 「そうはさせん!」

 

 ぎゅっと目をつぶってたら、すぐそばであの声が聞こえた。そしたら昨日ポケットにいれたまま確認してなかったライト?が昨日よりも強く光りだしてた。

 

 (これ、夢で見た光と同じ……)

 

夢に出た光の球と同じ虹色の光。それに驚いた鳥っぽいエレメリアンが移動を止めた。

 

 「なんだこの属性力(エレメーラ)は……グオオッ!!?」

 

 「トオッ!」

 

光から銀と赤2色の脚が飛び出してエレメリアンの顔を蹴り飛ばした。思わずエレメリアンが手を放して私は自由になったけど、これってつまり空の上に放り出されたわけで。

 

 「お落ち、ひぃっ――あれ?」

 

でも、身構えてどうにもできなくて、落ちていく前に受け止められてた――銀と赤2色の腕に。

 

虹色の光から出てきたのは銀色に赤色が混じったロボット?鎧?みたいな人間くらいの何か。私を支えてくれてる腕も体をあずけてる胸も金属ぽくて硬い。

 

 「でも温かいなあ……」

 「もう大丈夫だ好香。」

 

温かい体と声が安心させてくれる。

 

 

 「キサマァァァ……よくもこの【ロックチョウデリット】の顔を……たかがアルティメギルのエレメリアンの分際で!!」

 

鳥のエレメリアン―ロックチョウデリットが睨みつけてる。おもいっきり顔蹴られてものすごく怒ってそう。

 

 「私はアルティメギルではない。そしてエレメリアンでもない。」

 

でも私を優しく抱いてるエレメリアン?は相手が怒ってるのにはまるで反応しないでエレメリアンじゃないって訂正した。そして自分が誰なのか堂々と名乗った。

 

 「私はマグニフィセントエージェント。属性勇者エレメリオン!!」

 

 

 

 ―――…………………………………………………………………………………助けてもらった。助けてもらったんだけど、あとから思い出すとね。なんか全然わけわかんないのが出てきてたんだなあって気がする。

 

 




属性勇者エレメリオン
並行世界から来たマグニフィセントエージェント。
声は多分、緑と川が光ってそうな感じ。
性癖(ゆめ)のヒーロー。

【挿絵表示】


ロックチョウデリット
ロック鳥がモチーフらしいエレメリアン。
アルティメギルとは違う模様?

【挿絵表示】


新しいツインテールの前にワケの分からんのが増えたのよ・・・\(^o^)/
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