ロックチョウデリットが私とテイルブルーを抱えて空へ空へとのぼっていく。ベアハッグ……と言うにはブルーは上下さかさまだし、腰のあたりをホールドされてるからちょっとちがうかもしれない。
それよりも、私を拘束―じゃない、お姫さま抱っこしたままで捕まったから、両腕までがっちり押さえつけられて密着してて、完全に身動きできないのが問題だと思う。
おまけに、私だって直前のやり取りでブルーにがっちりホールドされてたのに、その上にロックチョウデリットとブルーの体に挟まれてぜんぜん身動きできない。
『これは加速の圧力だけでは無いな。ロックチョウデリットは我々ごと暴風で包み込んで完全に拘束している!生半可な力では引き剥がせない!!』
エレメリオンが言うには、ただ拘束してるだけでも無いみたい。どーやってぬけだそう……
あと、ブルーの胸に押し付けられてるほっぺが痛い。ロックチョウデリットだって硬いんだけど表面には羽毛っぽいのがあるだけそっち側のほーがまだマシ……。
「うぐぇぇ……ブルーは、胸どうにかなら、ならないの?いたいよぉぉ……!」
「いだだだだ!!……どこにしがみ付いてんのよこの変態は!離しなさ―おい今何て言ったチビスケぇ!!」
「だって平たいから押し付けられたらほんとーに痛いんだもん!」
「今度こそ泣かされたいのアンタ!?」
なんとか体を離したりできないのかってことをブルーに言ったらめちゃ怒ってきた。なんで!?さっきもだけどおーぼーじゃない!?
「スカアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーッッッッッット!!!!!!」
「「痛い痛いいたたたたたたたたたたたたたたた!!!」」
ケンカしてる場合じゃなかった、ブルーのばか!ロックチョウデリットがますますスピードアップして、圧力がもっとすごくなってきた。
私たちは逆さまに捕まってるからどんどん小さくなっていく街の景色が見えてるんだけど。そしたら下からこっちに向かってくる赤い光が見えた。
「2人を離せてめええええええ!!」
おお、テイルレッドだ!さっきまでとちがって、ツインテールが下結びになってるし鎧も形が変わってる。ロックチョウデリットに追いついてこれるって、スピード系フォームチェンジとかあるんだ、すごい。
よく見たら、その下からレッドよりスピードが遅いけど近づいてくる黄色い光も見えた。イエローも追いかけてきてる。
あっという間にロックチョウデリットに並んだテイルレッドが二本のブレイザーブレードで斬りかかったけど、スピードが落ちたりもなしにロックチョウデリットは全部をよけてる。
「ほぅ、キサマが噂のテイルレッドか!私に追いすがったことは誉めてやろう。だがその刃を立てるには至らんな!!」
「こいつ、2人を抱えたままで、ここまで小回り利くのか!!」
しっかり捕まってる私たちも同じいきおいでふり回されるから目が回りそう。気持ち悪い……
「だが最早、私の狙いはこの小娘のみだ引っ込んでいろ!!……もっともテイルブルーのスカートを捲るという思わぬ行き掛けの駄賃があったのは僥倖だがなフヘヘ」
「はぁ!?何言ってんだお前!?」
ん?今なんかよくわからないこと言ったねロックチョウデリット。レッドも、ロックチョウデリットに並ばれると、顔が見えない位置になっちゃうんで表情は分からないんだけど、意味が分からないって声出してる。
あ、うん。ブルーは聞いた瞬間に固まってる。
……でも、ブルーのかっこうってスカート無いよね。腰のメカっぽいパーツのことかな?
「見ればわかろうこの私の
「やだーーー!!こいつこんな気持ち悪かったの!?」
この鳥オバケめちゃ気持ち悪いこと叫んだ。明らかに自信満々って感じの大声で言ってて、もうこの間のスクウェレルギルディよりもキモい。密着していたくない!!さっき、こいつの方が押し付けられるならマシとか思ってごめんなさいテイルブルー。
「離れろこのクソ変態があああああああああーーーーーーーーーっ!!!!!!!!」
「ぐおぁぁっ!?」
私がキモさに引いたのと同時。レッドが動くよりも先に、ブルーが抱きしめられたままで体を揺すって膝蹴りを鳥オバケの顔面にいれた。さっすがブルー、ロックチョウデリットの体がぐらりとゆれたゆれた。
すかさずレッドが斬りかかったみたいけど、顔面けられた直後だってゆーのに、もっと上昇して避けちゃった。しぶとい。
「ぐふぅ、それがどうした?」
ブルーの膝蹴りは効いてそーなんだけど全然、ひるんでない。突撃を私に受け止められた時はあんな驚いてたのに。……それよりもちょっとうれしそーに感じるのは気のせい?
「スカートとは太もも!膝!そう、歩行の際に脚に当たるもの!!開いた脚に押し上げられることに何を怯むことがあろう!!そもそも私の顔面装甲は捲ったスカートの内側を!如何な障害があろうと密着して隠し、かつ私だけが覗く為のぐああああああああ!!!??」
「気色悪いこと言ってんじゃないわさっさと離さんかあああああああああああああ!!!!!」
キモさがあふれすぎる大声をさえぎって、ブルーの膝蹴りが連続で飛び出す。キックの振動に合わせてバラバラと落ちていく破片が見えたし、自慢してる顔面装甲ってやつは砕けてるんじゃないのかな。
「おおぉ……この風の中、スカートが翻ることにも怯まぬ、なんと素晴らしい脚よ……!ぐえあっ!これを小娘のついでなどと、目が曇っていたあがが!!」
「ぎゃー!撫でまわすんじゃないわよっ!!」
テイルブルーの叫び声で気もち悪いことされてるんだろうなってわかる。でも、叫び声といっしょに膝蹴りの音も激しくなってるんだよね。だんだん硬いの割ってる音にやわらかのをつぶしてるよーな音も混ざってきてる。どっちもが怖い。
「ぐぇぇ!!私は遂に、我が身が生涯をかけて覆うに相応しい下半身と出会えたぞ!!テイルブルー!共に燃え尽きるまで貴女のスカートでいよう!!おごごご!!!」
「あーーーーー!!また変態どもには言われたくないことをををおおおおおーーーーーーーーっっっ!!!!!!」
ブルーのこんな叫び声初めて聞いた。キックはめちゃめちゃ激しくなってる。あ、今りょうほーの膝蹴り同時にぶち込んだ。音がヤバい……それなのにロックチョウデリットはずっと蹴られながらうれしそーにしゃべってる。そして、内容がめちゃめちゃ気持ち悪いヤバい。
みんなが言ってる“属性”ってゆーのはまだいまいちわからないんだけど、スカート捲りでこんな気持ち悪いこと言えるやつがいるとは思わなかった。やっぱりこいつら怪物がどーとかの前に変質者として怖いかもしれない。
……こないだ総二兄の前でちい姉のスカートめくったのもういっかいちゃんとあやまろう。
「あ、でも気持ち悪いけどこれって、いちおーはブルーにぷろぽ」
「それ以上、口に出さないで」
「あ、はい」
テイルレッドがロックチョウデリットを追いぬいた。最初、私みたいに空中でジャンプしたよーに見えたのは何したんだろう?遠くてよく見えないイエローのあたりで何か光ったらトランポリンみたいにばいん、って跳ねた気がしたけど。
「そんなに燃え尽きたきゃ俺がいますぐ燃やしてやるよ!!」
レッドがブレイザーブレイドを2本ふりあげてロックチョウデリット目掛けてきゅーこーかしてくる。炎の熱気が一瞬で近づいてきた――でもこの鳥オバケは、スピードもゆるめないで真横にスライドして、避けた。まじか、エレメリアンってこんな凄かったんだ……TVで見る以上の変態って意味でも凄いけど。
「お前の炎では燃えぬ。私はテイルブルーのスカートとして、この空で共に燃え尽きると決めたのだ……もっと加速を……私という強靭なスカートを翻す風を……私とテイルブルーの身を焦がす熱を……!!」
Uターンして足をつかもうとしたレッドをまた追いぬいた……どころかもっとスピードが上がってどんどん引きはなしていく。
『まずいぞ好香。こいつは自分の限界以上まで加速して共にバラバラになる気だ!!』
「え」
エレメリオンがけーこくしてきたけど、え、なにそれ怖い。燃え尽きるってそのままの意味なの?気持ち悪いぷろぽーずとしんじゅーがセットなのこいつ!?しかも私を巻き込んで!!?
おまけにTV以外でぷろぽーずなんて初めて見たのにこれ!?
「初めて見たぷろぽーずがこんなのとかやだぁぁ……!」
「口に出すなって言ったでしょーー!!されたあたしはもっと嫌よ考えないようにしてんのよ!!」
最初はいろいろありすぎてわからなかった相手の変態ぶりが、よりによって身動きできなくなってからどんどん見えてきた。さいあくぅ……。
思わず、しょーじきな気持ちをこぼしたらブルーに怒鳴られるし。なによぅ怒らなくてもいいじゃない、って思いかけたけど確かにブルーの方がきつかったよね、ごめん。
あ、さすがに相手がキモすぎて鳥肌立ってきてるブルー…………でも鳥オバケと鳥肌か。これはなんてゆーか、おそろい……?
「……何考えたか知らないけど、それ口に出したら後の覚悟はしなさいよ」
「はい」
やせーの勘かな?するどい。
げ、レッドが元の姿に戻って落ちていっちゃった!やっぱりいつもの姿じゃ追いつけないんだ……
「……レッドのフォーラーチェインは22秒しか使えないのよ。私たちは
レッドが完全に引きはなされちゃったのを見てるとブルーが教えてくれた。なるほど、だからイエローは全然追いついてこなかったんだ。
「じゃあ自分でどーにかしないとだめってこと?」
「そーゆーことよ。腕が動かせたらこんな変態トリ、今すぐ串刺しにしてやるのに……あんたの方は動けないの?」
つまり、助けてもらうのはあんまり期待できない、と。
ブルーに言われて、体をひねってみたけど全然だめ。今となっては変態と密着してるのわかって、めちゃめちゃいやになってるんだけど、ぴったりはさまったままで動けない。
自由なのは風に振り回されてるツインテールくらい。
「エレメリオン、私にも武器とか無いの?」
『残念だがこの姿に武装は無いようだ。――だがまだ髪がある。』
「へ?」
ツインテイルズみたいに凄いアイテムが出せれば何とかなるかなーと思ったんだけど、返ってきた答えは無し。それと、よくわからないアドバイス。
『私の属性は
やっぱりよくわからない。でもなんかわかる気がするのはエレメライズが続いてるからかな。
「えれめりおん?やっぱり指示出してるやつがいるのね?」
「え?うん。指示ってゆーか、いっしょに変身してくれてる?ってゆーか……?」
エレメリオンのアドバイス聞いてたらブルーがこっち見てた。そっか、エレメリオンの声ってまだ私にしか聞こえてないんだ。
説明したいけど私もまだよくわかってないんだよねそういえば……。どっちかってゆーと私の方がツインテイルズに聞いてみたかったし……
それにしても私が望めば……かあ。私のツインテールはちい姉だし、ちい姉と言えば力づくが浮かぶけど。それに……目の前のテイルブルー。睨まれたら怖いんだけど、こんな変態に捕まった状態で反撃できてるのは……やっぱりかっこいい。実は今だって、ずーっと蹴り続けてるし……ロックチョウデリットの顔つぶれてるんじゃないかな。
まとめるとちい姉みたいに力づくでテイルブルーみたいにかっこよくをツインテールで……?うーん……
「スカーーー……何を考えても無駄だ小娘おごっ、この加速と圧では何もできまい。【
「お前も気色悪いことしか言わない口を開くんじゃないわよ!!!」
……イメージ固めようとしてるのにジャマな声がはいってくる。ええいうっとーしい。そもそもなんで変態のぷろぽーずに私が巻きこまれなきゃ……あれ?
そうだ、最初は私がおそわれたってゆーのにになんで今オマケあつかいされてるの。
「ねぇ……私いきなりさかさまに持ち上げられてスカートのなか見られちゃったんだよね……そのまま変身したりお尻打ったりしてるのに……なんで今あつかい下がってるの?」
思い出したらなんかよけーに面白くない。なんでこんな変態鳥オバケにふり回されてるの私。
「ふん、キサマを始末するよりこの素晴らしい脚のスカートになることの方が重要なだけよ!!小娘が我らのひと時を邪魔するでなぐえああああっ!」
あいかわらず蹴られながら、私がもうがんちゅーに無いみたいに言ってくる……あったまきた!!
そーいや地面に投げただけで殴ってないのも思い出した!こいつ絶対ぶん殴ってやる!!
「な、なによそれ!そーいえばそうよ!!地面壊しちゃったのもテイルブルーに睨まれたのだって全部あんたのせーじゃん!!そのくせに……変態鳥オバケのくせに、えらっそーにしてないでよ!あぁーーー!!ずっと怒ってたけどもー怒った!!」
そー思って叫んだら、頭のとなりでバチバチッていう音がした。
「うわ!あんたそのツインテールどうなってんの!?」
まぶしそうに目を細めるブルーに言われて、自分のツインテールがどうなってるのか気付いた。
ロックチョウデリットの暴風にふり回されていた私のツインテールは、光になっていた。頭の両側で結んでる根元からバチバチと電気みたいにスパークして、ツインテールそのものがビームみたいになってる。
エレメリオンが言ってたのってこれ!?
「でも、これなら……!これでどうよ鳥オバケ!!」
ビームになったツインテールは私の思い通りに動いた。テイルレッドの攻撃はよけてたけど、ブルーとおなじで密着してる私のツインテールはよけられないでしょ!ビームみたいになってる私のツインテールは長さも伸びて、ロックチョウデリットの体に絡みついて、ビリビリとしょーげきを与えながら縛り上げてく。今度はこっちが捕まえる番だ。
「グ、オオオオオオ………!!」
「いーかげんに、テイルブルーもはなしな、さい!!」
両肩にも巻き付いたツインテールは、締め上げて力づくでブルーにしがみ付いてるロックチョウデリットの両腕をはがした。ほとんど上半身全部を締め上げたことで、私たちを押さえつけてた風も、ロックチョウデリットの移動も止まった。ふふん、どんなもんよ!
「やるじゃないのチビスケ!そんじゃ、くらえおらあああああああっっ!!!」
ロックチョウデリットの腕から離れたブルーが、私の両足をつかんでぶら下がった。わあ、そこで止まらないで空中ブランコみたいに勢いつけて今日一番の膝蹴りをロックチョウデリットの顔に叩き込んだ。えぐい。
今ので、ちょっとだけは残ってたロックチョウデリットの顔面装甲は完全になくなっちゃった。
「ぐああああああああああ!!!!!」
ロックチョウデリットがもだえた。私のツインテールに全身を縛り上げられて身じろぎもできないとこを思いっきり蹴られたんだし当然かな。
テイルブルーは膝蹴りの勢いで一回転すると頭のリボンぽいメカパーツを大きくして自分で飛んだ。おお、あれが【
「あー気持ち悪かった………!!」
自由になったブルーは腰や太ももを手ではらってる。当たり前だよね。
「馬鹿な……!
それを見て本気でショックを受けた叫びをロックチョウデリットが上げてる。何言ってんのこいつ。
「そうね全部だよ!死ね」
「おげえええええ!!!」
ブルーが顔面をサッカーボールみたいに蹴りぬいた。ロックチョウデリット、やっぱり私に縛られて空中で動けないから、しょーげきは全然逃がせてないっぽいね。おまけにもう生の顔だし。でもそれ分かっててブルーも蹴ってるよね。かわいそーとは思わないけど。
「ブルーもはなしたしそれじゃあ……痺れるくらいって思わないでよ!リクエストどーり焼き鳥にしてやる!!」
次は私の番だ。ツインテールのパワーを上げる。バチバチってスパークがもっと強くなって、ビームがもう雷みたいになってロックチョウデリットの体を焼き焦がしていく。
「ギィ、ガアアアアアアア……!!!!」
ロックチョウデリットの全身に火花が散る。体の装甲がベキベキってひび割れて、白い羽毛にまんべんなく焦げ目がついたところで、最後の仕上げ。私は大きく頭を――ツインテールをふりかぶった。
「やああああああああああああああああああああああ!!!!!」
ビームになってよーとツインテールは頭から取れたわけじゃない。縛り上げてるツインテールでロックチョウデリットをふり回してふり回して、もっと高い空へ勢いよく放り投げた。ざまーみろばーか!!
「よくやったわ、後はあたしに任せなさい!」
ブルーが頭のメカリボンを叩いてウェイブランスを出した。
予告どーり串刺しにする気だろうけどちょっと待ってほしい。さっきまではロックチョウデリットにツインテールを巻き付けてたから空中に浮いてたけど、ほんとは飛べないんだよ私。このままじゃ落ちちゃう、だから。
「その前に乗せてよブルー!」
「オーラ……うわ、と、と!何すんの!?」
光の柱で拘束するオーラピラー?ってやつをやろうとしてたみたいだけど、私はそこへ飛びついた。ブルーは急に飛び込まれてバランス崩しかけてたけど、上手く抱きとめて踏ん張ってくれた。さすが。
「危ないわね!ここ何処だと思ってんのよ!?」
「だって私、飛べないんだもーん」
「ああもう、手がかかるわね!ほら、折角の特等席よ!」
私を素早く小脇に抱えこむとブルーは槍を構えなおした。なんだかこーゆーとこまでちい姉と同じに手慣れてるなあ、あなどれない。
「オーラピラーーーーーーー!!」
あらためて、落ちてくる黒こげのロックチョウデリットにウェイブランスを構えて円柱型の水流に閉じ込めるブルー。あとは振りかぶったウェイブランスを投げつければ必殺のエグゼキュートウェイブ。
「あ、ちょっとまって」
「エグぜええええええい!とぉ、おお!!だから空中でバランス崩させるなって!今度は何よ!?」
なんだけど、私がその長柄をつかんだから不発に終わった。
邪魔した私に頭突きでもしそうな勢いで顔を近づけて怒鳴ってくるブルー。
「あれだけ蹴っとばしたんだしブルーはもういいでしょ?私だってスカートめくられたのに、まだ1回もちゃんとぶん殴ってなかったから私がやる!!」
返事を聞く前にブルーの腕からぬけて、空中二段ジャンプ。
これがちい姉なら、相手が熊でも最初から最後まで1人でやっちゃうんだし、私も最後くらいは自分で決めないとね!
お、下からレッドとイエローが追いついて来てる。よーし、ちょーどいいや。新ヒーローを見ててよね!
「ねえ、エレメリオン。必殺技なら私にもあるんだよね?」
『勿論さ。この
「わかった、おっけー!!」
全身にみなぎる力を胸のエレメライザークリスタルに集中させる感覚。ツインテイルズは
「『
声が重なる。
(私がかっこいいって思う人は武器がどーとかよりもー“なんか強い”んだから考えることないや!なんか強いの出せばいい!!どーせならぶん殴るより強いの!!!)
素手で蹴散らす
「『マグニフィセントォォォぉぉぉーーーーーーーー………バスターーーーーーーッッッ!!!!!!』」
胸のエレメライザークリスタルから放たれた閃光は切り裂いた空を照らして突き進む。“強い力でぶっ飛ばす”。単純すぎるイメージだがそれ故に強力。極限の光線は
「―――――――――――――――――――――ッッ!!!」
ロックチョウデリットが上げた断末魔の叫びすら掻き消し、遥か彼方へと光の軌跡を続け―――爆発。周辺の雲海までも奇麗さっぱり吹き飛ばし青空を完成させ、マグニフィセントバスターは消えた。
「……やっべ」
『これは……
初必殺技で広がった青空を眺めて最初に出てきた言葉はこれ。いやだって、まじやばでしょ。
“とにかく強いのぶっ放しちゃえ”とは思ったけどこんなの出るとは思わなかった。
初めてだしちょーせつとかできなかったし……そもそも威力のちょーせつとかできる必殺技なのこれ?
「下で撃ってなくてよかったぁ」
街中で撃ってたらまたなにか壊してた気がする。ロックチョウデリットが空にのぼってくれててラッキーだったかも。
ぽけーっと自由落下してたらテイルブルーが近づいてきた。そーだそーだ、受け止めてもらわなきゃ。
「ありがとーブルぐえっ」
「ふん」
抱きとめてくれると思ったら鎧の襟首つかんで止められてまた脇に抱えられた。なにすんの。
「え、なんでこーなの?ちゃんと運んでよー」
「うるさい。あのトリに挟まれてた時の態度、忘れてんじゃないわよ。こんだけ手間かけさせるチビスケは、これでじゅーぶんよ」
「私はしょーじきに言っただけじゃん。ヒーローのくせにケチ」
「手ぇ離してもいーのよあたしは」
せいとーなしゅちょーをしたのに頭を小突かれた。人気とか気にしてたクセにファンサービス雑でしょブルー。不満をこめた目で見上げてるってゆーのに、そっぽ向いてスルーしてくれちゃって。ヒーローのすること?
私の無言のこーぎをスルーしながら、こっちに飛んできてるレッドとイエローに向かって降りてってる……せんぱいヒーローのはずなのに、せっかくの新ヒーローをなんだと思ってんのよ、ぐぬぬ。
「あんな
そー思ったら素っ気なくほめてくれた。なんだちゃんと見てくれてるんだ。だったらもーちょっと態度で示してほしーけど……いいよ。私は心が広いからね!代わりに私が新ヒーローらしいくーるな態度を見せてあげよーじゃない。
「え……ふふん、かっこよかったでしょ?」
「はいはい。嬉しそーにニヤついてんの隠せてたらね」
せっかく、くーるに決めようとしたのによけーな指摘を……!さっきの仕返し!?こんなとこまでちい姉みたいなんだから……!!
「もー!新ヒーローのとうじょーは大切だってイエローも言ってたでしょーー!!」
「ソーデスネー。でもあたしの知ってる新ヒーローとやらは、こんなキャンキャン騒がないけどねー?」
この後もさんざん文句いったのにぜんぶ笑って相手にされないまま……私とブルーは空の上でレッドとイエローに合流した。
「なあ!痺れるようなツインテールの気配があったんだけど君のツインテールだよな!?下からじゃよく見えなかったんだどんな風にツインテールを使ったんだ!!?」
「え?え!?」
――合流したら、なんかレッドからツインテールについてめちゃめちゃ質問されたんだけど、なんなの……?
いわばチュートリアル用の敵なので空飛ぶ頑健な変態ができあがっていた。
そして空飛ぶ変態に対応してるうちに、正体知らないまま自然な距離感になってきた姉妹(知ってたらちい姉が、もうちょっとだけ妹の見栄と屁理屈に付き合ってくれたりする)