東方二次創作 普通の魔法使い   作:向風歩夢

162 / 213
銀鏡の剣

「『量子空間』? 何よ、それ……」

 

 鈴仙・優曇華院・イナバはイワナガ姫に問う。イワナガ姫が素直に答えるはずもないだろうことは鈴仙も承知しているが、時間稼ぎをする目的もあった。量子空間なる結界の性質を見極める猶予が少しでも欲しい。

 

「貴方はもうここで死ぬのです。理解しても意味はないでしょう?」

 

 どうやら、少しも猶予を与えてくれるつもりはないらしいイワナガ姫。彼女は扇を広げ、鈴仙の首元を斬らんと振りかざす。

 

「無駄なことを……」

 

 イワナガ姫が呟く。彼女が呟いた標的は、扇を撃ち落とさんと飛んでくる矢だった。次の瞬間、扇に向かっていたはずの矢が消滅したかと思えば、矢を放った本人の前に再び現れる。運動エネルギーを保持したまま、空間移動を成功させた矢は持主である「八意永琳」の肩に突き刺さった。痛みを堪え、悲鳴を押し殺した永琳はイワナガ姫の能力が自分の予想したものだと確信する。

 

「『量子空間移動(テレポーテーション)』、ね……? まさか完成させていたなんて……!」

「さすがは思兼様。一目で看破されるとは。しかし看破されたところで、どうにもできないでしょう?」

「量子もつれ(エンタングルメント)を利用した瞬間移動……。たしかにそれを用いれば、理論上は光速を超えることができるわ。……エンタングルメントを起こした量子のペアは未知の交信原理で情報をやり取りしている。優曇華の波長を操る程度の能力が効かないのも納得ね……」

 

 永琳は肩に突き刺さった矢を抜きながら分析結果を語る。その額から掻く冷や汗は痛みによるものか、勝ち目のない能力をイワナガ姫に見せつけられたからか、あるいはその両方か。

 

「さっきから、わけの解らないことばかり言いやがって……!」

 

 文句を垂れていたのはイワナガ姫との戦闘で弱っていた妹紅だった。妹紅は鈴仙と永琳の戦闘を見守っていたが、戦局が不利になったと感じ取り、立ち上がった。

 

「まだ、戦う気力が残っていましたのね。蓬莱の薬に手を出した地上の穢れた人間よ。……もう、あなたに興味はありませんわ。大人しく死になさい」

 

 イワナガ姫は四方八方にビーム攻撃を繰り出した。どれも的外れな方向に飛んでいく。

 

「ふん、一体どこに飛ばしてやが……る!?」

 

 的外れに飛んでいると思われたビーム攻撃が一斉に空間移動(テレポーテーション)を開始した。空間移動したビームは三百六十度、全方位から妹紅を囲むように放出される。集中砲火を受けた妹紅はその場で真っ黒こげにされてしまった。

 

「これも『量子空間』の効力の一つ。私が繰り出す攻撃はその位置に関わらず、必ず敵の死角からの攻撃や逃走不能の包囲攻撃となり襲い掛かることができる。この結界内で私の攻撃から逃れることはできない」

 

 真っ黒こげになった妹紅の体が炎に包まれる。再誕が始まる前触れだ。炎が収まると、中から復活を遂げた妹紅が現れる。

 

「……くそ……!」と苛つく妹紅。

「まったく、蓬莱人というのは本当に厄介ですわね。まあいいわ。今度こそ、死ぬまで殺してあげましょう」

 

 妹紅は永琳に耳打ちする。

 

「……私はあいつに勝てない。出来るのは時間稼ぎだけだ。あいつの能力の穴を見つけてくれ。……頼むぞ、先生」

「約束はできないわね……。善処はするけど……」

「そいつは残念だ」

 

 妹紅は苦笑を浮かべて、イワナガ姫の方に向き直る。

 

「作戦会議は終わりかしら?」

「作戦なんかあるかよ。すぐにお前をぶっ潰してやる」

「無理ね」

 

 イワナガ姫はアポイタカラ合金の鉄扇を閉じると一振りする。それと同時に妹紅の右足に激痛が走る。すでに足は切断されていた。イワナガ姫は自身の鉄扇の切っ先だけを妹紅の右足付近に空間移動させていたのである。

 

「貴方たちはもう、私に近づくことすらできない」

 

 イワナガ姫は立て続けに鉄扇を振る。彼女が振るごとに妹紅の体は切り刻まれていった。

 

「さっきは三百回くらい遊びながら、殺して差し上げましたけど……、もう手加減はなしですわ」

 

 イワナガ姫は妹紅の心臓を一突きにする。復活を繰り返す妹紅を容赦なく殺し続けた。

 

「これでトドメですわ!」

 

 イワナガ姫が鉄扇を開き、一振りするとかまいたちが巻き起こった。イワナガ姫のエンタングルメントはかまいたちの斬撃をも空間移動させる。月の科学を持って作られた扇から繰り出されるかまいたちをゼロ距離で受けることになった妹紅の体はスライサーを使用された野菜のようにバラバラにされてしまった。……分割された妹紅の体から炎が現れない。まだ死んでいないのか、それとも蓬莱人の限界を迎えてしまったのか……。妹紅に復活の兆しはない。

 

 時間を稼いでもらった永琳だったが、イワナガ姫の弱点を見つけることができないでいた。むしろ、彼女の結界『量子空間』の完成度の高さを見せつけられる。量子空間内はあまりに高密度な量子もつれ(エンタングルメント)で覆われていたからだ。量子空間移動(テレポーテーション)は決して魔法のようなものではない。ペアとなる量子もつれが予め設定されていることが空間移動をするための最低条件となる。そして移動が行われればその分、量子もつれを起こしている量子は減少していくのだ。しかし、この量子空間中に浮遊する量子もつれの数は常軌を逸した多さである。すなわち、量子もつれ(エンタングルメント)切れを狙った長期戦も不可能だった。

 

「……次は私の番だね。長いこと生きたけど、今日が年貢の納め時になるのかな?」

 

 口を開いたのは、永遠亭の兎のリーダー因幡てゐ。彼女もまた、時間稼ぎをしようとイワナガ姫の前に立つ。

 

「……不死身の体を持つわけでもないのに、私の前に立ちはだかろうとは、その勇気だけは認めてあげますわ、地上の素兎(しろうさぎ)」

 

 言いながら、イワナガ姫は手に持っていた扇を胸元に納める。

 

「……おや、武器なしで闘ってくれるのかい?」

 

 因幡てゐの軽い口調にイワナガ姫は首を横に振った。

 

「私をここまで追い詰めた貴方たちに敬意を表して、私の持つ武器の中で最も鍛えられたモノで殺して差し上げますわ」

 

 イワナガ姫はその右手に剣を召喚した。鈍く銀色に光るその剣には、とてつもない怨念が込められていることが術に造詣の深くない因幡てゐにも一目でわかる。

 

「……えらく、呪いのこもった剣だね。嫌な気配しか感じないよ」

「これは『銀鏡(しろみ)の剣』。私の数千年、数万年に渡る呪いを込めた刀。元々は鏡だったものを剣に作り替えた代物。その一振りは兎の千匹、二千匹くらい容易に殺傷するでしょう」

「そりゃまた物騒な得物を持ち出してきたもんだ。恐ろしいことにハッタリでもなさそうだね。ビリビリと怨念のような強い思いが感じられる」

「今すぐその首刎ねてくれましょう」

 

 イワナガ姫は横一線に銀鏡の剣を振るう。量子空間移動で剣の切っ先がてゐの首元に現れた。逃げる時間も一切与えられぬ光速を超えた一撃はてゐの首に触れる。

 

 ガキッ! という音がした。音とともに、吹き飛ばされる因幡てゐ。てゐの体は永遠亭の米蔵に叩きつけられる。

 

「いてててて……。とんでもない威力だね。なんて呪いの力だ」

「……銀鏡の剣を受けてなお、生きている? ただの兎が……?」

「悪いね。あたしゃちょいとばかり運が良いのさ。でなきゃ、ここまで長生きできちゃいないよ」

 

 イワナガ姫が目を凝らす。てゐの首元には結界が張られていた。その結界で銀鏡の剣を防いでいたのである。しかし、イワナガ姫には兎に自身の攻撃を止められたことが信じられなかった。目の前の兎は見た目以上に年齢を重ねていることはイワナガ姫も看破している。経験は豊富なのだろうが、イワナガ姫の剣を受け切ることができるほどの魔力量があるとは思えない。

 

「地上の老兎。貴方、どうやって私の剣を受け切った!?」

「言ったろう? 少々運が良いのさ。私は幸運を操ることができるんだよ」

「……そうか、運脈を使っていますのね。それも効率良く……。だから、私の剣をも受け止める結界を生成することができたのですわね?」

「まあね。そうでもしなきゃ、この地で生き残れなかった」

 

 イワナガ姫の分析に対して得意気に口角を歪める因幡てゐ。因幡てゐは続ける。

 

「運脈は幻想郷の血管だ。大きな血管なら誰でも利用できる。だが私は大動脈だけでなく、幻想郷中に広がる毛細血管のような運脈からも運を取り出せるのさ」

「運脈の取り扱いに長ける者というわけですわね。面白い。貴方もお母様の役に……。いいえ、お母様の目的を果たしたあと、私の目的であるサクヤ姫の復活の役に立ってもらいましょうか」

「やなこったね」

「私の剣を一撃防いだだけで得意にならないでくださるかしら」

 

 再び銀鏡の剣を振るうイワナガ姫。どこから飛んでくるかわからない斬撃に備え、因幡てゐは周囲全てに結界を張る。斬撃はてゐの背後から襲いかかってきた。先ほどよりも強力な斬撃は結界をガラスのように割り、衝撃でてゐの体は吹き飛ぶ。

 

「そんな……。『龍神の運』で強化した結界がこんなにいとも容易く……!?」

「眠ってもらいましょう!」

 

 てゐの体が吹き飛んだ先はイワナガ姫の正面。イワナガ姫は刀を反転させ、刃のついていない方でてゐの腹部を殴るようにしばいた。吹き飛ばされた勢いと殴られた勢いに挟まれたてゐは地面に叩きつけられる。うつ伏せに倒れた因幡の素兎の髪は白くなり、肌も老婆のように皺だらけに変化してしまった。それは因幡てゐが気絶したことを意味していた。

 

「くっ……!? てゐ!?」

 

 永琳はてゐに呼びかけるが、もちろん返事はない。

 

「年を取っているとは思っていましたが、そこまでの老婆だったとは……。……老い先短いその命、私の目的のためにもう少しだけ永らえて差し上げますわ。嬉しく思うことですわね、老兎!」

 

 イワナガ姫も気絶したてゐに語り掛けていた。邪悪な微笑みでその顔面を歪めて……。

 

「さて、残りはもう一匹の兎と思兼様ですわね」

 

 自身も矢を撃ち抜かれ、大腿部も負傷していた八意永琳だったが、体を引きずり移動する。向かう先は腹部を扇で突き刺されて負傷した動きの鈍い鈴仙の元。永琳は鈴仙の耳元で小さく囁いた。

 

「優曇華、静かに聞いて。……イワナガ姫の波長を観察しなさい」

「……っ!? でも師匠。アイツの空間移動は光などの波長で情報伝達をしているわけではないのでしょう?」

「そのとおりよ。あの姫の『空間移動』は波長によるものではない。故に『見かけ上』は光速を超える。でも、あの量子空間移動(テレポーテーション)には条件があるのよ」

「条件……?」

「量子空間移動を成立させるには古典的情報伝送……つまり、光や音と言った物理的方法で情報のやり取りをしなければならない。イワナガ姫が出すその情報さえ潰せば……」

「空間移動は止められる?」

「そういうこと。じゃ頼むわよ。不比等の娘やてゐが体を張ってくれたんだもの。私も張らなきゃね」

「どのような策を練ろうとも、無駄ですわよ。思兼(オモイカネ)様!」

 

 イワナガ姫は銀鏡の剣に魔力を込める。何かの恨みを晴らそうするかのように……。

 

「まったく、量子空間移動を見極めるのにも苦労しているというのに……、綿月姉妹の……、依姫の『祇園の剣』クラスの剣を出してくるんだから。師匠泣かせだこと」

「思兼様にはまだ利用価値がありますわ。生かして差し上げましょう」

「……舐められたものね。妹の呪縛を解くこともできない未熟者のくせに……」

「……なんですって? 聞き捨てなりませんわね、思兼様」

「貴方は妹への嫉妬心や復讐心や羨望でしか生きていない。貴方がバカにする地上の人間の方が、よほど切り替え早く自分の人生を見つけるわよ? 妹のせいで自分の人生が不幸なものになっていると考えているようだけど、全ては貴方の弱い心のせいなのよ。未だにそれが理解できないのだから、貴方は未熟者でしかない」

「ぐ……!? 貴方に……、貴方に何が解るというのよ!? 月の賢者の名を欲しいままにした天才である貴方に私の気持ちなど解るものか!!」

 

 八意永琳は心を痛めていた。心無い挑発で相手の心情を意図的に逆なですることほど、心苦しいものはない。だが、今は全ての憎しみを永琳自身に向ける必要があった。鈴仙に手を出されて倒されれば、間違いなく永遠亭側の敗北が決定する。あえて、イワナガ姫を激昂させることで永琳にしか攻撃しないように誘導しなければならなかった。現状、永遠亭が勝つには鈴仙の波長を操る程度の能力しか倒す術がないのだから。

 

「そんなことだから、サクヤ姫に敵わないのよ」

 

 これは永琳の本心だった。……姉よりも優秀なサクヤ姫なら、こんな幼稚な挑発に乗らなかったに違いないと。

 

「だまれ!」と怒鳴りながら、イワナガ姫は銀鏡の剣を振るった。永琳の体に空間移動した切っ先が襲い掛かる。

 ガキっという金属とコンクリートがぶつかったような音が響き渡る。永琳の張った結界がひび割れながらも銀鏡の剣を受け止めていた。

 

「ほらね。貴方の剣など、私にとめられる程度なのよ」

 

 強がりだった。永琳は全力で結界を張っている。にも関わらず、イワナガ姫の攻撃は永琳の結界を破る寸前まで追い詰めていた。永琳は思う。心以外はすでにイワナガ姫はサクヤ姫を超えているのではないか、と。もっとも、その心こそが一番重要なのだが……。……このまま、結界を全力で張り続けたとしても、持って数発に違いないと永琳は分析する。そして、その計算は当たってしまった。イワナガ姫の4回目の剣戟が永琳の結界を完全に破壊する。結界を破った銀鏡の剣は永琳の胸部を深く切り裂いた。永琳の口から鮮血が吐き出される。

 

「……っ!? お師匠様ぁあああああああああああああああああああ!!!?」

 

 鈴仙の悲痛な叫びがこだました。仰向けに倒れた永琳はぐったりとして動かない。

 

「心臓と一部の肺を切断しました。さすがの思兼様でも……、……思兼でもしばらくは動けないでしょうね。殺して差し上げたいところですけど、この屋敷には赫夜の姫が隠れているのでしょう? ……人質として生かしておいてやりますわ」

「よくもお師匠様を……!! 絶対許さない!!」

 

 怒りの言葉を口にするのは、唯一残った鈴仙・優曇華院・イナバである。イワナガ姫の観察を命じられた彼女であったが、結局イワナガ姫の『古典的情報伝送』を発見することはできていなかった。そもそも永琳の時間稼ぎがイワナガ姫の攻撃数発しかなかったのだから、無理もないのだが……。

 

 勝つ術の見つからない焦りと師匠を痛めつけられた怒りで歪む鈴仙の顔を見たイワナガ姫は、勝ち誇った表情で見下していた。

 

「私の『古典的情報伝送』の方法が解らない、といったところかしら?」

 

 鈴仙は眼を見開く。そう、イワナガ姫もまた見切っていたのだ。永琳が『古典的情報伝送』を潰そうと動いていたことに気付いていたのである。イワナガ姫は言葉を続けた。

 

「貴方達に見抜けるような伝送方法を用いているはずがないでしょう?」

「……くっ!?」

「この『量子空間』は私の脳と魔力で直接繋がっている。そして、空間の歪みを伝送方法としているのよ。……貴方は精神の波長も操れると言っていたけど、それは幻覚を見せる程度のものなのでしょう? でなければ波長を操り、私を洗脳することだってできたはず。それができないということは能力に限界があるということ。光子に変換した私の身体を操られたときは、一体どれ程の波長を操れてしまうのか脅威だったけど……、蓋を開けてみれば大したことはなかったわね。……さぁ、大人しく安楽死されなさい。どうせそのお腹(なか)の傷じゃ、大して長生きできないのだから」

 

 イワナガ姫は銀鏡の剣を振りかぶる。

 

「まだ、殺されるわけにはいかない……!」

 

 鈴仙の眼が紅く光る。……『幻朧月睨(ルナティックレッドアイズ)』。鈴仙・優曇華院・イナバの切り札。相手を狂気に誘う精神波長である。通用する可能性は低かった。しかし、藁にも縋らなければ、イワナガ姫を倒すことはできない。

 

「まだ悪足掻きするか、穢れた地上の兎ぃいいい! っぐ!? 目が耳が、頭が、気持ち悪い……!?」

 

 思ったよりは効いている。鈴仙はそう思った。しかし、思ったより程度では全く足りない。全力で放つ幻朧月睨により、鈴仙の魔力はごっそりと持っていかれる。魔力切れは近い。

 

 術を受けているイワナガ姫も反撃の糸口を探していた。……イワナガ姫は気付く。鈴仙が狂気の波長を操るには送信だけではなく、受信することも必要だと。波は干渉する。ならば、干渉させる前の波長が解らなければ、狂気の波長に変化させる波を……すなわち、相手の脳波に干渉させる波を撃ち出せないはずだからだ。

 

 送信機はご丁寧に紅く光らせている眼に違いない。だが、眼が何かを受信しているような素振りはない。ならば、受信機はどれだ。……程なくしてイワナガ姫は見つける。なんてことはない。耳だ。鈴仙・優曇華院・イナバの耳こそ、波長の受信機。

 

 送信機か受信機、どちらかを潰せば、この狂気の波長は止まるはず。イワナガ姫は狂気に苛まされながらも銀鏡の剣を空間移動させる。小さな目より、長い耳の方が精神を犯されているこの狂気の中では狙いやすい。テレポートした切っ先が鈴仙の両耳を切り裂いた。……電気回路が短絡(ショート)したような微かな稲光を発しながら、鈴仙の耳が切断される。

 

「あ、あ、うあぁあああああぁあああああああああああああああああ!!!?」

 

 受信機を失った鈴仙は幻朧月睨を解除せざるを得なかった。

 イワナガ姫は愉悦の微笑みを浮かべていた。

 

「あらあら。作り物の耳を付けていたなんて。貴方を兎と呼ぶことさえ間違いだったわね。兎ですらない無様な耳なし兎さん」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。