【完結】お兄様スレイヤー   作:どぐう

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さらば、愛しき子供達よ

ㅤ人には皆、生まれてきた意味がある。

ㅤそれは、感動的な物語における台詞か。あるいは、一笑に付される綺麗事か。

ㅤどちらにせよ、僕には生まれてきた理由というものが分からなかった。二度目の生を受け、魔法師として生きるということは、一体何の意味があったのだろう?

ㅤ答えが出なくとも、僕はこれからもこの世界で生き続けなければならない。

ㅤだから、四葉家を、四葉真夜を斃す。彼女ではなく、僕こそが「四葉」となったとき、きっと生まれてきた理由を実感出来る。そんな気がするのだ。

 

 

 

 

 

 

ㅤ魔法大学を卒業し、僕は大学院生になっていた。要は、モラトリアムを謳歌しているに過ぎない――という名目で、自由な立場を保有したままにしているのだ。

ㅤそして、本家にクーデターを起こす時期としては、今が一番良い。下手に僕の身分に色が付くと、今後の身の振り方にも影響が出てくるからである。

ㅤ僕とリーナは、武倉の部隊を少数引き連れて、四葉の村に侵入していた。とはいえ、身内には村の警備も顔パスだ。簡単に中へは入れてしまう。

 

「ねぇ、リズム。本当に撃っちゃって良いの?」

 

ㅤリーナが四葉家謹製の「ブリオネイク」を抱えたまま、不安そうにこちらを見る。

ㅤ今回のクーデターに向け、作戦の全容は彼女に伝えてはいたが、この魔法を全力で使う状況には困惑もあるのだろう。

 

「構わないよ。これぐらいしないと、向こうを動かせないからね」

 

ㅤ第一の作戦は、四葉の村に「ブリオネイク」を数発撃ち込むこと。

ㅤリーナの魔法は、威力調節の自由が利くことが一番の強み。だから、一発で村を壊滅させるのでは無く、威嚇として用いるのだ。そもそも、第四研の為に地下施設は、熱核攻撃にも耐えられるシェルターのような構造になっている。プラズマによる熱線が村を灼いても、運悪く外に出ていたりしない限りは生き残れるだろう。

 

「……責任は貴方が取ってよ」

「勿論、そのつもりだよ」

 

ㅤ失敗してしまった時のことも、ちゃんと考えてはいる。

ㅤたとえ僕が捕まっても、リーナだけは絶対に守りきらないといけない。万一の為、彼女の亡命ルートは既に用意してあった。

ㅤ行き先はスイス。まさか、USNAに戻す訳にもいかないからだ。もしもの時は、部下の中から選定した、メイド兼ガーディアン数人と共に脱出させる予定である。そういう時は来て欲しく無いが。

ㅤそして、リーナに責任を負わせない為の準備もしていた。洗脳の証拠があれば、彼女では無くて僕が悪くなる。

ㅤ来たるべきクーデターに向け、僕は光波振動系魔法の練習を重ねていた。習得した魔法は「邪眼(イビルアイ)」。無理矢理に彼女を逃す際、それを掛けてやれば一石二鳥だ。

ㅤ僕の命と引き換えの片道切符のことは、リーナ本人には言っていない。彼女のガーディアンにのみ、それを伝えている。本人に言ってしまったら、本当に起こってしまう気がしたからである。

 

「……分かったわ」

 

ㅤ彼女はブリオネイクのグリップをきつく握り直す。一瞬で想子がCADに流れ込み、プラズマが勢いよく放射される。建物が一気に幾つか破壊されたが、外からは何も変化は無いように見えるのだろう。認識阻害の結界が、悪い方向に作用している。僕にとっては、都合が良いけれども。

 

「本家の館と離れだけは、そのままにしてね。後はどんどん壊しちゃって。どうせ、老朽化してるから。折角だし、全部壊しとこう」

「そんな軽い理由で良いのかしら?」

 

ㅤ軽い理由の所だけを行わせているからだ。本邸や離れの建物に攻撃すると、後で誤魔化しが効かない。でも、周りの建造物ならば「爆破解体」などで言い訳が出来る。かなり無茶な言い分だろうが。

ㅤ最初はリーナを巻き込まないで、「何も知らなかった」で押し切らせることも考えた。だが、スケールの割に問題性は低いところに関わらせておく方が、まだ安全だと思い直したのだ。クーデターの計画を、一番近くにいる人間が気づかない筈は無いのだから。

ㅤ破壊されていく建物を眺めながら、僕は直属部隊に突入の指令を出す。「毒蜂」を配備させた今の部隊は、以前よりも戦力が上がっている。黒羽の叔父様には、足を向けては寝られない。

 

「黒羽と新発田はこちら側に付いた。津久葉は、まぁ僕の方と考えて良い。静と真柴、椎葉は向こう側だけど、それはブラフだ。タイミングを見計らって、こっちに寝返る。あの家達は、外からの突入組なんだ」

「驚いたわね。いくら貴方を可愛がっていたらしいとはいえ、こんなクーデターにまで付いてくるなんて」

「リーナも付いてきてくれたじゃないか?」

「そっ、そりゃあそうよ! 貴方一人じゃ、心配だもの。ワタシがいないと、リズムは本当にダメなんだから!」

「そうだね。僕一人だったら、生き残れないかもしれない」

 

ㅤリーナは一人でもきっと大丈夫だ。そうでないと、こんな作戦は考えない。

 

「黒羽と新発田はどのルートから入っているの?」

「離れで待機させていた。多分、ウチの部隊と既に合流してるよ。――そろそろ、僕も行かなきゃ。じゃあね」

「ちょっと待って! ワタシは!?」

 

ㅤそう叫んだ彼女に向け、僕は「邪眼(イビルアイ)」を発動する。

ㅤ命令はただ一つ。「四葉理澄が死ねば、国外に逃げなくてはならない」だ。僕は魔法の効果を確かめる前に、本邸に向かって急いで走り出す。後は、彼女のガーディアンが何とかしてくれる。

ㅤクーデターは始まったばかり。立ち止まっている時間は、僕には少しも無かった。

 

 

 

 

 

 

ㅤ本家が召し抱えている魔法師は、他の十師族に属している魔法師よりも練度が高い。大漢報復戦レベルを想定した訓練を積まされているのもあって、実戦への比重がかなり重いのだ。その条件は、分家も同様。ぶつかり合えば、苦戦は免れない筈だった。しかし――

 

「――拍子抜けするくらいに、こちらが押してるな……」

 

ㅤ四葉家本拠地の地下で繰り広げられている戦闘は、明らかに侵入側が優位に立っていた。

 

「本家の戦闘員は、護衛に特化した使用人が多いですから。裏仕事をするような人間は、殆どが分家所属でしょう」

「それを考えてもこれは……」

 

ㅤ魔法師だけで行われる戦闘は、ランチェスターの法則における一次法則が成り立つ。一騎討ちを基本とする古典的戦闘と魔法師の争いは極めて近いからだ。

ㅤ1対多数の魔法戦闘であれば、広域干渉魔法を使える。しかし、多数対多数における広域干渉魔法の使用はリスクが高過ぎる。その為に、範囲を狭めた魔法しか使えない。結果、一騎討ちに近い状態になってしまうのだ。

ㅤとはいえ、護衛タイプと戦闘タイプではあまりにも方向性が違うようだった。明らかに差が露呈している。ランチェスターの法則は実力差までは考えてくれない。

ㅤこんな風に話している間にも、本家の魔法師が攻撃しては来る。でも、ベクトル反転術式と鉛直下向きの加重系魔法で黙らせられた。拘束するのを部下に任せ、僕は単独で先へ進む。

 

「理澄兄さん」

 

ㅤ背後から、僕を呼ぶ声がする。振り向くと、文弥がこちらに走って来ていた。今日は女装をしていない。

 

「どう、文弥? 抑え切れてる?」

「村の外からの突入組も到着してるし、今のところ問題は無いよ。ここに敵が突入するというのは中々無いから、向こうも混乱してるんだと思う」

「なるほどね……。それはあるかもしれない」

 

ㅤそこまで話したところで、僕達は嫌な予感を感じる。咄嗟に廊下の端に転がった。すると、そこへに「夜」が通り抜けて行く。

 

「二人とも、よく訓練しているのね。とても偉いわ」

「御当主様……!」

 

ㅤ先程は不意打ちだったとはいえ、「流星群(ミーティア・ライン)」が脅威であるのには変わりない。レーザー光線が身体を掠めたせいで、僕も文弥も無傷では済まなかった。焼け焦げたタンパク質の匂いが、周辺に不快な臭いをさせる。流れ出た血は、床にどす黒い染みを作った。

 

「でも、残念ね。そんな貴方達を処分しないといけないなんて」

 

ㅤ彼女はそう言い、CADに手を伸ばす。けれども、「流星群(ミーティア・ライン)」は発動しなかった。僕の光に対する干渉力が、御当主様の干渉力を上回ったのだ。僕が光波振動系魔法を訓練したのは、この為だったのである。「邪眼(イビルアイ)」の習得は精々副産物に過ぎない。

ㅤすかさず「加速」を相手に掛け、御当主様の身体を壁に無理に叩きつける。思考操作型CADを愛用しているので、倒れたままでも魔法は放てる。

ㅤ衝撃によって向こうの情報強化が弱まったところで、すぐに重力制御魔法でCADを奪い取った。

ㅤ確かに御当主様は、「夜の女王」と呼ばれた最強の魔法師だった。だが、それは昔のことだ。今は殆ど戦いには出ない。逆に、僕は現役の戦闘魔法師である。しかも、制圧よりも対人戦闘に特化しているのだ。

 

「……処分されるのは、どちらの方でしょうか?」

「誰に物を言っているつもり……!?」

「お判りになられませんか?」

 

ㅤ御当主様は僕を鋭く睨みつける。そして、それは焦点の合わない虚ろな目に段々と変わって、何処か遠くを仰ぎ見た。

 

「母親が大変な時なのに、息子が居ないわ……。一体、何処へ行ったのかしら。達也は本当に、困った子……」

 

ㅤ立ち上がった僕は、文弥の身体が御当主様の視線から隠れるような位置へと移動する。

 

「……達也なら、もう来ませんよ」

「……! 貴方、まさか……」

「彼らは、この先四葉に一切関わらないでしょう。――いやぁ、苦労しましたよ。あの兄妹は我儘ですからね、黙って隠居はしてくれない。新しい箱を用意するのに、かなり骨を折らされました」

 

ㅤ高3の時、僕は達也を四葉から解放すると、本人に宣言した。そして、魔法を使ったエネルギー開発を目的とした研究所の設立こそが、それの答えだった。金の卵を産むような研究なので、設置の認可は直ぐに降りた。まぁ、方々に金を握らせたりはしたのだが。まず、金脈はその目的で作ったのだ。

ㅤその為にも、四葉家ではタブーであった、政争への介入を僕は行ったのである。国立の研究所は、僕だけの力では設置出来なかったからだ。政界に足を突っ込んだのは、その辺りの事情が大きい。

ㅤある派閥の後ろ盾になった僕は、特務機関的な役割を担っていた。黒羽でなくても、それくらいの仕事はこなせる。対魔法師で無ければ、尚更のことだ。

 

「政治家と連みだしたと思っていたら……。最初から、達也さんを追い出す腹積もりだったのね。私が深雪さんを当主に選んだから、その腹いせかしら? 当主の地位が、そんなに欲しかったの?」

「少し違いますね。四葉を率いることに、深雪はあまりにも向いていないと思ったからです。だけど、達也が四葉に居たままの状態で、僕が当主になろうとするのは危険なことだった」

 

ㅤ僕の言葉に、御当主様が眉をひそめた。

 

「……貴方が当主に向いているのは、確かにそうでしょう。でも、深雪さんが向いていない、ということは無い筈よ。あの子も怒りに呑まれれば、幾らでも冷酷になれます」

「それですよ。損切りと、感情的な粛清では意味が違ってくる。恐怖だけで統治出来るのは、3代目まで。そのことは、今までの歴史が教えてくれる」

 

ㅤこのまま進めば、四葉は崩壊の一途を辿るだろう。しかし、崩れてバラバラになっても、深雪は困らない。達也は、どんなことがあっても彼女を守ってくれる。そういう風に作られているからだ。

ㅤしかし、今まで四葉に仕えていた人間はどうなる? 為す術も無いまま、時代に流されていくのは何とも忍びない。

 

「理由は、もう一つあります。――……御当主様、貴女に世界は滅ぼさせません」

「どうしてよ!? どうして、私の邪魔をするの!?」

 

ㅤ金切り声が廊下に響く。けれども、僕はそれに応えなかった。

 

「……昔、わたし達はどちらも同じだったわ! わたしはわたし達! 真夜は深夜で、深夜は真夜だった! それなのに、それなのに……――」

 

ㅤ御当主様は、頭を掻き毟り始めた。綺麗にセットされていた髪型が、どんどん乱れていく。抜けた髪の毛が、彼女の指の間に挟まっているのが見えた。

 

「――どうして、『わたし』だったの!? 他の誰でも無く、わたしだったのは何故? ……貴方達、それに答えられるの? 答えられないでしょう!」

 

ㅤ御当主様から目を逸らし、思わず目を伏せた。

ㅤそんな僕を見てか、少し前の錯乱具合が嘘のように、彼女はこちらに優しく微笑みかけた。

 

「理由なんて無かったのよ。世界は、無作為にわたしを選んだ。そして、不幸の全てをわたし一人に押し付けたの……。そんな理不尽な世界に復讐したい、って気持ちは何処か間違っているかしら」

「……それでも、認められません。それをしても、誰も貴女と共に堕ちてはくれない。御当主様が、もっと不幸になるだけです」

「それはおかしいわ。子供を産み育て、親は子供に自らの夢や期待を重ねる。それが、わたしの望むささやかな幸せだわ。……達也が世界を滅ぼせば、きっとわたしは幸せになれるの」

 

ㅤそう言って、夢見る乙女のように指を組む。けれども、目は光を失っていた。

 

「いいえ。達也は深夜様の息子です。お間違え無きよう」

「……うるさい! うるさいのよ! あんたなんか、姉さんから生まれてもない癖に! そこまで期待もされてなかった癖に! 偶然、使える魔法を持ってただけのお前が、思い上がるなっ!!!」

 

ㅤ御当主様は僕の首に手を伸ばし、思い切り締め上げた。気管が狭まり、息が吸えなくなる。本能的に、そこから逃れようと僕は身体を捻る。しかし、「流星群(ミーティア・ライン)」によるダメージで思うように動かない。

ㅤ反撃の方法を考えていた時、急に御当主様の身体に黒い羽が纏わりついた。それにより拘束が緩まったので、僕は後ろに飛び退く。

 

「理澄さん!」

 

ㅤ御当主様の背後に、CADを構えた亜夜子が居た。何か言葉を返そうとしたが、咳き込んだせいで何も言えなかった。すると、誰かに背中をさすられる。

 

「大丈夫か、理澄くん」

 

ㅤふと気づけば、僕の横に勝成さんが立っていた。それだけでなく、他の人間もここに集まっている。文弥も黒服に肩を貸して貰っていた。

 

「僕は、一応……大丈夫。それよりも……」

 

ㅤ言葉を途中で切り、目の前に視線を戻す。御当主様は感情のパラメータがおかしくなったのか、蹲って子供のように泣き始めている。そちらに、そっと歩み寄る。勝成さんは僕を止めようとしたが、その手を強引に振り払う。

 

「……御当主様。貴方は昔に、こう仰られました。『分家の子供達は、私の子供のようなものだ』と。それは、決して間違いではない筈です」

「……覚えていないわ、そんなの。言ったとしても、口先だけのものよ」

「えぇ。本心から仰られた訳では無いでしょうね。ですが、『四葉の子供』のアイデンティティの源泉は貴女の存在故です。自分達の両親だけでは、そうはいきません――」

 

ㅤ僕は御当主様の手を、包み込むように握る。

 

「――四葉である僕達は紛れも無く、貴女の子供だった。だけど、みんな大人になってしまいました。もう、貴女を頼らずとも生きていける。だから、ここで終わりにしましょう。……40年近くも悪夢を見たのです。夢なら、必ず目覚められる」

 

ㅤ彼女はゆらりとした緩慢な動作で、顔を上げた。化粧は殆ど剥がれていて、長い付け睫毛が前髪に引っかかっている。滑らかな陶器のように白い肌を作っていたファンデーションはひび割れ、今は本当の肌の色が分かる。

 

「……そう。これは夢だったのね……」

「悪夢の続きは僕が見ます。ですから、ゆっくりとお休みになれば宜しいのですよ――」

 

ㅤそれに呼応して、僕のCADが起動式を吐き出した。

 

「そうね……。久しぶりに姉さんに会いたいわ……」

 

ㅤそう呟き、彼女は静かに目を瞑る。口元は僅かに緩み、薄く弧を描いている。そのまま、身体が前へと倒れていく。床にぶつからないよう、僕は急いで受け止める。

 

「――おやすみなさい。お母様」

 

ㅤ抱きとめた身体は、骨張った部分が多かった。フリルとレースで出来た鎧の下は、懸命に生き続けた一人の女性が居たのだ。そのことに気づいた僕は、彼女の代わりに世界に向けて、慟哭せずには居られなかった。喉が焼けるのではないか、と一部分の冷静な思考が回る。

ㅤ亜夜子が、何度も目を拭って溢れ出る涙を抑えようとしている。文弥が、苦しげな嗚咽を漏らしている。それだけではない。誰もが、四葉真夜の為に泣いていた。本家も分家も、今は関係無かった。

ㅤ正直、良い思い出なんて一つもなかった。今も頭の中を駆け巡る記憶は、恐怖に塗り潰されている。それは、皆同じだろう。だが、僕らはそんな彼女の下で「四葉」として生きていたのだ。

 

ㅤどうして、自分は生まれてきてしまったのか。

ㅤ生温かい体温を感じながら、その理由を僕はようやく理解した。

ㅤ魔法は己の描いたイメージを現実に投影する。強い願いは、現実そのものを捻じ曲げる。世界を憎み、救いを求めた、四葉真夜の祈り。それが僕という形となって、世界に形成されたのだ。

ㅤ武倉理澄は、世界を鏖殺する魔王を殺す為に、生まれてきたのではない。世界で一番可哀相な12歳の少女を救う為に、生まれてきたのだ。仮に誰もがその答えを否定したとしても、僕だけはそう信じたかった。




ㅤこれで番外編も終わり。重苦しい話になっちゃった。
ㅤ最初は、主人公がCAD会社を立ち上げ、開発第3課を引き抜いてCAD作らせる話を書いてた。「自分でCAD考えるよりは、人を使った方が早いよな〜」っていうクソみたいに性格の悪い話。転生者の風上にも置けないな! 読み返したら、全然面白く無かったので全ボツにした。
ㅤ専用CADも使って無かったし、魔法工学もロクにできない。思い返せば、嫌な主人公である。
ㅤ一応、純理論が得意という裏設定はあった。だから、CADの話をボツにした後は「吉祥寺と基本コードについて議論を交わす話」というのを考えた。作者としては「魔法科世界の基本コード仮説は正しい」説を推してる。

ㅤ基本コードといえば、お兄様には「半分くらいしか当たってないんだよな〜」と言われ、相棒のクリプリにすら「何か違うんだよなぁ〜」と言われる気の毒な仮説。
ㅤコードが集まって、系統魔法が出来る。その前提は、恐らく間違っていない。けれども、基本コードは不規則変化して結合するのでしょう。加重系は魔法開発初期に開発されたくらいに、単純な術式が多い。だから、コードが大幅に変化するものが少ない。吉祥寺が発見出来たのも、それが理由な気がする。じきに、マイナスコードも見つかりそう。
ㅤそして、達也の「分解」と「再成」は、基本コードの元が殆ど分からない程に変化する。それなら、十分辻褄が合います。
ㅤ一条の何か違うんだよなぁ〜という感覚も、勿論説明が付きます。発散系統の「爆裂」と振動加速系統の「叫喚地獄」。範囲が変わっただけに感じるのは当たり前で、イメージが産んだ現象に後付けで理論を用意しているからです。科学は、現象の後に理屈を付ける。
ㅤその辺りに踏み込んだ話を書きたかったのですが、めんどくさくなって止めた。次回作があれば、書きたい。一条の妹でも作ろうか……?

ㅤ結局、四葉のクーデターに焦点を当てることに。クソデカ感情でぶつかり合う、平成ライダー最終回みたいなノリ。本編ラストも同じ感じだったので、芸は無かったかもしれない。「天丼」と思われたら、申し訳無かった。作者の不徳の致すところである。
ㅤ番外編含め、最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。
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