東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

10 / 51
 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 家に帰ってきた一輝を待っていたのはご飯の支度をしている飛鶴だった。

 飛鶴は異常なまでに一輝の面倒を見たがるので一輝はこのままでは全ての面倒を見られることになってしまうのではないかと心配になるのだった。



 それではどうぞ!


第10話 通話(ミッション)

side一輝

 

 学校。

 今日も今日とて家に飛鶴が居るので仕方が無く登校した。

 今日は朝から仕事をしていたんだが、俺が出るまで家を出る気配がなかったもんで仕方が無く俺はノーパソをカバンに詰めて登校してきた。

 そのため、俺は今昼寝を返上してパソコンに向き合っている。

 

 今日も依頼が入っているわけなんだが、

「人生相談か……あまりやる気が出ないな」

 そもそもとして人生相談を俺にもちかける時点で間違っているのだ。

 俺ほど人生終わってるダメ人間はそうそういるもんじゃない。

 今だって朝から講義をサボってパソコンを叩いているのだ。

 これは相談屋の権利ではあるが、こんな権利を使う奴はまともな人間では無いだろう。

 先生にも俺ほどこの権利をフル活用したOBは未だかつて見たことが無いと言われたほどだ。

 

「んじゃ放課後まで寝るかな」

 そう言ってキャップを深く被っていつもの寝る体勢に入る。

 その瞬間、携帯の着メロが鳴り出した。

「人が気持ちよく寝ようとしている時にかけてきやがって……一体どこのどいつだ」

 そう思って携帯の画面を見てみるとそこには変態と書いてあった。

 そういや変態で登録してたっけな。

 

 そして俺は通話ボタンを押して通話に出る。

「はいよなんだ進奏」

『くぁw背drftgyふじこlp;@:「」』

 俺はそっと通話終了ボタンに指を置こうとする。

『お前はお前は!』

「……一体どうしたってんだ」

『なんで授業出てないお前の方が点数上なんだ!』

 恐らく昨日やったテストの話をしているのだろう。

 だが、俺にとっては点数なんてどうでもいい物だから大して気にしていないのだが、度々こういう電話が来るため困っている。

「知らねーよ。勉強不足だったんじゃねぇの?」

 進奏の文句を俺は一蹴する。

 

 いつも進奏は俺に対して文句を言ってくる。

 だが、俺はそんなことを言われても困るのだ。

「んで、お前のあの自信はなんだったんだ?」

『一瞬でも勝てると思った俺が馬鹿だった!』

 ようやく認めた。

 俺は長いこと進奏とテスト対決をしているが、まだ負ける気は更々ない。

 一応講義はサボってはいるが勉強はしている。

 だけど一日の大半がサークル活動で埋まっている為、あまり勉強をしている暇はない。

『く、そうやっていつも余裕を……一体何が目的だ!』

「さぁてなんでしょうかね?」

『……は!? まさか……いや、ちょっとそういう命令は……俺、ノーマルだし』

「いや、勝った方が負けた方の言うことを聞くと言う約束はしてないだろ」

 しかも口調的に考えてる事が不穏すぎた。

 俺だってノーマルだからな? 女の子を普通に好きになれる男の子だからな?

 

『それにしても最近は珍しいな』

「……何がだ」

『今お前は部室にいるだろう。気配(臭い)で分かる』

「気持ち悪いわ! お前の方がそういう性癖があるんじゃねぇのか!?」

『まぁ、俺の性癖は置いといて』

「置くな! 怖いわ!」

 でも実際にこいつが臭いで俺をさぐれることは間違いない。

 以前俺の家に急に遊びに来たことがある。

 教えてないのになんで知ってると聞いたら「臭いで探った」とか言い出しやがった。

 初めて聞いた時は恐ろしくて言葉も出なかったな。

『んじゃ続けるぞ? お前さ、昨日に続けて今日も登校してきてる訳じゃん?』

「教室に顔も出てないけどな」

『事件か?』

「お前失礼だぞ?」

 俺が連続で登校するのがそんなにおかしいか? 俺だって連続で登校する事だってある。

 ……一年に一回くらい。

『まぁ、それは良いとして……何かあったか?』

 ギクッ

 早速核心につくことを言われ、俺はびっくりした。

 進奏は昔から勘のいい所があり、結構見抜かれたりとかはある。

 それをこの場で発揮されて少し冷や汗をかく。

 

 だが、まさかこいつでも女の子が家に居るからとかは思わないはずだ。

 大丈夫だ。まだ慌てる時間じゃ──

『なんだ? 好きな人でも出来たのか?』

「…………あ?」

『それしか考えられねぇ。この学校に好きな人が居るから会いたいが為に投稿してるんだよな』

 何言ってるんだこいつ。俺は呆れしか出てこなかった。ツッコム気力も失せたわ。

『それでお前はその娘とお近付きになりたいけど相手にして貰えないから影からそっと見守る。くぅっ! 泣かせるじゃねぇか』

 なんか進奏の中で変なストーリーが構築されて行っている。

 だが、これは好都合かもしれない。

 俺が飛鶴と住み始めた事を勘ぐられぬためにここは肯定しておくのが吉か……。

「ああ、そうなんだ」

『やっぱりかぁぁッ! だが諦めるなよ。チャンスはきっと来る……くくく』

「笑ってんじゃねぇっ!」

 何こいつ、人の不幸を笑うとか性格悪!?

 笑いながら言う進奏。とんでもなく性格が悪い。人の不幸は蜜の味ってかふざけんな!?

「ま、まぁ、頑張れよ……くくく」

「もう電話かけてくるんじゃねぇっ!」

 俺はその言葉を最後に通話を切る。

 

「はぁ…………寝よ」

 そして俺は携帯をポケットに仕舞い、キャップを深々とかぶる。

 やっぱりこの体制が落ち着くな。

 そのまま俺は深い眠りへと落ちていった。




 はい!第10話終了!

 今回はほとんど進奏との通話でした。

 次回はまたまたミッションをやっていきたいと思います。

 それでは!

 さようなら

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。