東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 一輝は進奏の妹に告白された。



 それではどうぞ!


第12話 脱出(ミッション)

side一輝

 

 和成兄妹が帰った後、俺は再び深い眠りについた。

 深い眠りについたことで下校時刻を大幅に過ぎて現在夜の九時だ。寝過ごした。本気で後悔してしまった。

「こんな時に寝過ごすなんて……」

 この学校から抜け出すのはそう難しいことではないが、飛鶴を宥めるのが一番苦労しそうだな。

 

 ちなみに俺がおかしいだけで本来はこの学校の警備は厳重過ぎて入るのも抜け出すのも一苦労なんだ。

 至る所に赤外線センサーが張り巡らされていて、少しでも触れてしまうと直ぐに警察に通報が行くようになっている。

 俺だからって許される問題ではないんだが、何故かこの部室まで警備が来ることは無い。

 

 あと、ここには窓があるが、そこから抜け出すのはナンセンスだ。

 全ての窓に赤外線センサーがこれでもかと言うくらい張られているため、触れたら一発アウトは間違いなしだろう。

 そしてドアを開けるのも窓と同じ理由でアウトだ。

 

 しかし警備の時にそれでは不便でしかない。だから警備員だけが使える解除の道具ってのがある。

 それが安易な名前だが赤外線解除キーという物だ。

 それをドアに翳すとそのドアの赤外線センサーが解除されるという仕組みだ。

 それならば今俺は部室にいるから詰んでると思うかもしれない。

「あー。またやっちまったな〜。手癖が悪いってよく言われるんだよな〜」

 そう、俺は手癖が悪いってよく言われるのだ。

 相手の気を引いて何かを取るとか。ミスディレクションの技術の応用だ。

 

 そんな俺の手には件の赤外線解除キーが握られていた。

「しかしまぁよくこんな大事なもんを職員室の机の上にぽんと無防備に置いとくよなぁ……?」

 ちなみにこれは無防備にぽんと置かれていたわけじゃない。

 厳重な金庫、36文字×4桁の暗証番号が必要となっているのだが、俺にとってはあの位の暗証番号を解く事など朝飯前だ。

「まぁ、たまに来る開かずの金庫解除の依頼の知識が役に立ったな」

 まぁ借りてるだけだ借りてるだけ。

 いつか返すさ。

 

「さてと、帰りますか」

 と言ってもこのキーを持っているからと言って正面から出ていくのは流石に見つかる危険が高すぎる。

 以前、この学校の警備について調べたんだが、下に行けば行くほど警備の手が濃くなって行っている。

 つまり一階に降りる事ほど無謀なことは無いってことだ。

 センサーも警備員も居るが、上に行くのが無難だろう。

 そう思い、俺は部室のドアに赤外線解除キーを翳し、赤外線センサーを解除してからドアを開けて部室から出ていく。

 

 俺がこれから目指すのは屋上だ。

 屋上は一切警備の手はない。屋上に行けば俺の勝ちだ。

 しかしここからが本番。

 廊下には無数に張り巡らされた赤外線センサーが至る所に張り巡らされている。

 もちろんそれを肉眼で視認することは出来ないが、まぁ色々あってセンサーの位置を知っている。

 そして昔はよくこの時間まで寝ていたから走って通り抜けれるレベルでは慣れている。

 

 今日ばかりは早く帰らないと飛鶴さんが怖いので全力疾走だ。

 だがセンサーに引っかかるとかそんなヘマを今更する訳が無い。

 今更そんなヘマをやらかすくらいなら相談屋なんてやってられないと言える。

「しかしまぁ上の方がこんなにザルだったらちょっとこの学校のことが心配になってくる。主に屋上から侵入されるんじゃないかとか」

 でもそのお陰で俺はこの時間まで寝ていられるわけだからザルに感謝すべきなのか?

 そんなことを考えながら突っ走っているといつの間にか屋上の扉の前まで駆け上がってきていた。

 この扉を開ければ屋上に出られる。

「これで良し」

 キーをドアに翳し、最後の赤外線センサー解除。

 ドアを静かに開け、屋上に出る。

 

 流石にまだこの季節は夜は冷え込むので風の冷たさに体を奮わせる。

 四階建ての屋上。それなりの高さで、高所恐怖症の人が見たら卒倒するだろう。

「さて、帰るか」

 そう思って屋上を見渡すと一つの影が見えた。

 女の子だ。それも見た事ある。

 

「宇佐見、こんな時間まで何してるんだ?」

「え? ひゃっ!」

 宇佐見は背後から急に声をかけられたことによって驚いたのか体をビクッと震わせた。

「き、輝山君? お、驚かせないでよぉ……」

 その声は今声をかけられたのが怖かったのか少し涙ぐんだ声になっていた。

「まぁ、それは悪かった。んで何やってるんだ?」

「ん? 天体観測かな」

「天体観測? 何も機器を置いていないみたいだが?」

 普通天体観測には望遠鏡を使うものなんじゃないか? だが宇佐見の手にはそれらしきものはない。

 ただ肉眼でこのこうだいな星空を眺めている。

「まぁそれはいいが宇佐見、もう九時回ってんだから帰ろよ」

 そう言って俺は端の方に向かっていく。

「え? 輝山君、何するつもり?」

「ん? ああ、飛び降りる」

 そう言って端から下の方を見る。

 何度見ても圧巻の景色だわこれは。

「い、いやいやいや、何考えてるの!? ここ四階建ての屋上だよ!?」

 宇佐見の意見は至極真っ当だ。しかし俺は飛び降りようとするのをやめない。

「だが宇佐見、今から一階に行くのは辞めた方がいい。下に行けば行くほど警備が濃いから、見つかれば下手すりゃ退学だぞ?」

「た、たいぃっ!?」

 やっと事の重大さに気がついたようだ。

 もう一階に行けない。ならどこかから降りるしかないんだが、下に行くと警備に捕まる可能性が高い。

 だから俺はここからが跳ぼうとしてるんだがな。

「で、でもでも屋上って死んじゃうんじゃ」

「任せとけ。宇佐見も来いよ」

「え?」

 

 そして困惑しながら歩いてきた宇佐見を──お姫様抱っこした。

「ちょ! ちょっと待って!!」

「待たねぇ」

 そう言って俺は思いっきり屋上から走幅跳をキメる。

 この距離の走幅跳ならついでに校門も飛び越えられるだろう。

「し、死ぬ! 死んじゃう! お母さん……今までありがとう」

「俺らに母さんなんて居ねぇだろ」

「あ、そうだった……ってちがーう! おちるぅぅぅっ!」

 しかし俺はそんな宇佐見の叫び声も知った事かと綺麗に着地した。

「ふぅ……何とか出てこれたな。んじゃ宇佐見さよう……死んでる!?」

「し、死んでない! 死んでないけど死ぬかと思った!」

「まぁジェットコースターみたいなもんだよな」

「全然違うよ!」

 この後、宇佐見は腰が抜けたらしく、宇佐見に文句を言われながら家まで送って行った。

 

「お、にいちゃん? まだなの? ねぇ、飛鶴寂しいよ……まさか他の女に誑かされてるんじゃ?」

 無事学校から脱出できたがまだ問題は解決していなかった。




 はい!第12話終了

 今回はぶっ飛んだ話でしたがどうでしたか?

 と言うか一輝の手口が自分で書いててかなり危ないなと思っていました。

 それでは!

 さようなら
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