東方現代物語 〜最強の相談屋が華麗(物理)に事件を解決します〜 作:ミズヤ
それでは前回のあらすじ
一輝が蓮子にお説教された。
それではどうぞ!
side一輝
俺達は宇佐見の家で飯を食う事になった。
現在、宇佐見が料理をしている。それを飛鶴が手伝っているって感じだ。
俺は料理は出来ない。飛鶴が居なかった頃は毎日コンビニ弁当だった。
だから俺は一人で本を読む事にした。
読書は好きだ。なぜならその世界に入り込めるからだ。俺は昔から本の中の話にのめり込む癖があってな。風景や情景を鮮明に思い浮かべることが出来るんだ。
この本は俺の好きな本だ。各々の心情とかが一番鮮明に描かれている。
そんな本ならば余計にその世界に入り込める。
「あのアグレッシブな奇怪的行動を取ることで有名なお兄ちゃんが本を読んでます」
「ああ、あいつは結構最近は本を読んでるみたいだよ」
なんかチラチラとこちらを見てきているような気がするが、気にせず読書を続行することにする。
少しすると料理が出来上がった様で料理を持った宇佐見と飛鶴がこっちに来てテーブルに出来上がった料理達を並べ始めた。
宇佐見の手料理は食べた事が無いけど、チラッと横目で冷蔵庫を見た限り、自炊している様なので結構出来るのだろう。そして飛鶴のは普段からよく食べているので知っている。だから味の心配は無いだろう。現に見た目は美味そうだ。
「お兄ちゃん。料理対決をしてみました」
「そうなのか?」
「ええ、だから食べ比べて貰ってもいい?」
確かに同じ料理が多いなと思ったら片方が宇佐見で片方が飛鶴が作ったのか。
それにしても料理対決ねぇ。本当にこんなことがあるとは思わなかった。
だけど、料理対決をするって位なんだから二人とも自信作なんだろう。
「んじゃあ頂きます」
手を合わせてまず唐揚げを飛鶴の方から一口。
やはりと言うか安定の味だ。いつも通りに美味い。肉は柔らかくジューシー。しっかり火が通ってるって言うのに衣は焦げてなく、キツネ色でサクサクとしている。そしてこれは塩ダレか? 味がしっかりと着いており、ジューシーでサクサクなだけでなく味もとても美味い。流石飛鶴と言ったところか。
「どうですか?」
「美味い。流石飛鶴だ」
頭をそっと撫でてやるとニコニコと嬉しそうにする飛鶴。さて、癒されたところで次に行こう。
お次は食べた事がない宇佐見の料理だ。
飛鶴と同じく唐揚げを一口食べる。するとこちらもやはり噛んだ瞬間に口の中に肉汁が溢れ、サクサクとした食感が楽しい。
ただ、飛鶴と少し違うのは塩ダレでは無く、レモンの風味が少しするって所だ。
そういえば宇佐見は昔から揚げ物にレモンをかけるの好きだったっけな。
まぁ、ジューシーな唐揚げにさっぱりとしたレモンがマッチしてて普通に美味い。これは甲乙付け難いな。
そうして微妙な顔をしていると宇佐見は心配そうに聞いてきた。
「どう?」
「いや、美味い。飛鶴に負け劣らず美味い。美味いが故に甲乙が付けれなくて困ってんだ」
とりあえずこれでは決めることは出来なかったから次に行くか。
次の料理はスパゲティだ。しかも二人とも違うスパゲティだからこれは個性が出る。
まずは飛鶴だが、飛鶴が作ったのはあんまり濃くなく、誤魔化しが効かなそうなスープスパゲティ。
麺を食べる前に先にスープを少しスプーンで掬って飲む。
うん、コンソメが良く効いてて美味い。そして優しい味だ。食べる人を労わる様なそんな味だ。
麺をフォークに巻いて食べてみるととても麺とスープがマッチしててとても美味い。飛鶴らしい味だった。
「どうですか?」
「いや〜美味いね。優しい味にぐっと来るね」
「どうですかね。こういうお嫁さんを持つと将来、絶対に良いと思うんですよ」
確かに飯が美味いお嫁さんは欲しいと思うけど、ちょっと違うんだよ。飛鶴は俺にとっては妹でしかないって言うか。
さて、飛鶴の発言はスルーして次は宇佐見のスパゲティか。
宇佐見のスパゲティはトマトソースのスパゲティだ。
宇佐見の料理は対決と言えども個人の好みが大きく現れているような気がする。宇佐見は昔からトマトソーススパゲティが好きだったもんな。
まぁ、俺も好きなスパゲティだし、早速一口。
ソースを思いっきり絡めて口に含むと、トマトソースの結構濃く、濃厚な味が口いっぱいに広がる。
粉チーズが少し入っているのだろう。濃厚だけどトゲトゲしてなく、マイルドな味になっている。
「やっぱり美味い……」
これもダメだ。どっちか決められない。
「まだ決めれない?」
「決めれませんか?」
「ああ……悪い」
「いや、良いんだよ」
「次で最後ですね」
二人は目を見合わせるとキッチンに戻り、お椀に味噌汁を盛って戻ってきた。
見てみると宇佐見の味噌汁は若干緑かかっていて、飛鶴のは若干赤みかかっている。
「さぁ、どうぞ」
「召し上がって下さい」
具材が緑や赤なら良い。汁自体が緑と赤なのだ。
でも何か気持ち的に赤の方が危険な気がするからまずは緑から飲むか。グリーンスムージーとか言うしな……味噌汁にグリーンスムージーを入れるのはおかしいと思うけど。
覚悟を決めて一気に流し込む。
「…………」
「どう? 輝山君」
「これはお互いに作ってる所を見てないから何が入ってるか分からないんですよ」
……だってんなもん見せられるわけねぇだろ。
なんせ、この味噌汁の具は殆どわさび、汁にもわさびが溶けていて……まぁ、何が言いたいかと言うと……。
「かっれぇぇぇぇっ!」
鼻がつーんとするを通り越して痛い! 口の中が痛い! 馬鹿じゃねぇの!? 入れ過ぎだろ!!
慌てて水を飲み、一旦落ち着く。
こんなものを食べさせられるなんて……。
次は飛鶴だが、少し怖い。お互いに作ってる所を見てないって言ってたし……。
「えっと……じゃあ次、飛鶴。頂くな」
「はい! 召し上がれ」
少し怖いが、宇佐見のより酷いことになることは無いだろう。
そしてこっちは恐る恐る一口飲む。
ん? まぁ、辛い訳では無いし美味いか不味いかで言ったら美味いんだが……。なんか変な味がするような……。酸っぱい? かなり酸っぱい。
「美味いんだが、これは何が入ってるんだ?」
「あ、それですか?」
すると飛鶴は突然指を見せてきた。
そこには絆創膏が巻かれており、結構貼ってある箇所が多い。
「……それが?」
「切りました。そして血が出ました」
「……そうか、大丈夫なのか?」
「はい。少し痛いですが、嬉しいんですよ」
痛いのが嬉しい? どういう事だ?
「私のが美味しいって言って貰えて嬉しいです」
「私のが? え、ちょ、え!?」
絆創膏が巻かれた飛鶴の指、血が出たと言う発言。そしてほんのり赤い味噌汁。これから導き出されるのは――
「俺、ちょっとトイレに行ってくるわ……」
「は〜い」
俺は二人に断ってからトイレに全速力で駆け込んだ。
そして俺はそこで全てぶちまけた。
「結局、飛鶴ちゃんは何入れたの? 食べ物以外は入れないって言ったよね?」
「え? もしかして宇佐見さんは私の体から出たものは食べられないって言うんですか? それでもお兄ちゃんの伴侶なんですか?」
「いや、食べるものじゃないでしょ……それと伴侶じゃない!」
「まぁ、そんなものは入れてませんが少しトマトを多目に」
飛鶴は少し不機嫌そうな声で言った。
「もう……帰りは遅くなるし、私の事を選んでもくれないし……困った人です」
はい!第18話終了
一輝は後日「人生で一番の恐怖体験をした」と語ったそうです。
因みに飛鶴の「私のが美味しいと言って貰えて嬉しい」って言葉の意味は「私の
赤色は純粋なトマトです。他の赤は入ってませんからね? ……本当ですよ?
それでは!
さようなら